ノマドワーカーという生き方:自立、自律、そして集積への道標【書評】

いろんな偶然が合致してこの本と出会った

今回紹介するのは、立花岳志さん(@ttachi)の著作、『ノマドワーカーという生き方』。(以下、本書と書きます)

ブログ「No Second Life」を主宰され、セミナーや講演会も多くこなされ、巨大オフ会「Dpub」の主催者でもあります。ブロガーやフォロワーから「たちさん」と呼ばれてる方。

この本を書店で見つけたのとほぼ同時期、Twitterでフォローしていた方々の多くが「Dpub」という名詞を数多くツイートしており、Dpubって何だろう、と不思議に思っていました。

それが巨大オフ会のことだと知り、主催者・立花さんのブログを拝見すると、過去に何度かiPhone関連の記事をブックマークした事があるブログだと気付きました。

少し前から「ノマド」という単語を度々耳にするようになり、その意味が分からないまま放置していました。書店でこの本を発見した時に、改めて「ノマドってそういえばどういう意味なんだろ」と思い、調べてみると、

「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイル。満員電車や残業から開放され、自分の時間を増やす豊かな働き方として注目されている。

「ノマド」とは遊牧民のことであり、いつも決まった場所ではなく、カフェや公園、お客さんのオフィスなどでノートパソコン、スマートフォンなどを駆使しネットを介して場所を問わずに仕事を進めること。「サードプレイス」という自宅でもなく、オフィスでもない、第三の自分の居場所で仕事を行う新しいスタイル。

via:ノマドワーキングとは – はてなキーワード

となっていました。ふむふむ。

ノマドというスタイルへの好奇心


A coffee in the morning (or working late) / F H Mira

数日後、また書店で本書を見つけた時、興味はあるものの購入するのに躊躇(ちゅうちょ)しました。というのも、私はノートPCを持っていないから

職場でも自宅でも、一日の大半をデスクトップPCの前で過ごす私。ノートPCは持っていない。そんな私が果たして「ノマド」というスタイルと繋がることが出来るのか。

もし本書が「自宅外でノートPCを使ってブログ更新したり情報発信したりするための指南書」のような内容が中心であれば、デスクトップPC以外で作業する機会のない私にはおそらく縁がない本だったはず。

でも書店で数ページを流し読み、購入しました。上記したような指南書ではないと感じたから。

東京で開催された立花さん主催の巨大オフ会「Dpub5」の前夜である2012年6月22日、参加者が期待に胸を膨らませながら熱狂的にDpubという単語を呟き続けていた中、私は本書を読み始めた。それは偶然だったのか、そうではなかったのか。

自立とは、自らの胆力で立ち上がること

Another First! by abardwell
Another First! by abardwell

立花さんは2011年の春、17年間務めた企業を退職して「ブロガー」へと転身されています。収入、そして組織から離れるという意味において、立花さんは「自立する道」を採ります。

私自身も会社を退職するという経験をしました。明るい未来が目の前でキラキラ輝いてる退職なら話は別ですが、一般的に言えば退職するにはパワーがいるし、様々な不安がどうしても付きまといます。

「やっていける!」という自信、「やっていけるの?」という不安、そのせめぎ合いの中で生活のルーティンを白紙にするのは勇気が要ります。

覚悟を持って組織から離れ、そこでフーっと息を抜いて休憩していては前進できません。むしろ離れた後にこそ、自分自身の意志を貫く「胆力」が問われます。私にその胆力が果たしてどれだけあったか。

本書を読む時点で、転職や退職、起業などを考えてる方々がおられた場合、立花さんが独立するまでに至った軌跡と、それに伴う覚悟をどう受け止められるか。それによって読者自身の将来に対するビジョンが変わるかもしれません。

私は2年前、仕事の関係で介護の資格を取得しました。介護における基本精神の一つに「自立支援」があります。

歩行訓練をする人に対し、常に手を差し伸べるばかりでは「いつか転びそうになったら助けてくれる」という甘えや、「結局自分独りでは歩けないんだ」という諦めが発生しがちです。

まずは「自分で歩く」「自力で歩きたい」という意志を持ってもらう。そのためのサポートをしよう、というのが介護における自立支援。

まずは自分自身が決断しなければ、自立にはならないのです。

長期・中期・短期のスパンで自らを律していくスタイル


Taking the Jump / a4gpa

立花さんはプロブロガーとなって以降、「5ヶ年計画」「年間計画」「四半期(3ヶ月)計画」「月次計画」「週次計画」「日時計画」などなどの、長・中・短期と実に様々な計画を立て、さらには同じスパンでの振り返りを日々実施されているそうです。

この各スパンの計画をいかに立て、どう振り返るか、その構築法を詳細に解説されているのは大変参考になります。

独立した当初は時間の流れをつかむのに苦心されていたらしく、自己管理を徹底かつ強固なものとするため、会社員時代に企業理念や事業計画をマネージメントしていた経験を活かして計画構築術を実践されるようになったのだそうです。

「経験を活かし」と上で書きましたが、これって文字通り、立花さんがそのような計画立案に従事されていた経験が長いからこそ、だと思うんですよ。簡単に真似できるようなものではないし、相応の自己管理能力が必要だと感じます。

本書を読み、影響を受け、「よっしゃ、自分も計画立てるぞ!」と意気込んで、結果として「今日も出来なかった」「今日もダメだった」「でも明日は今日の分まで」と、もうそれは計画じゃないですよね。破たんしてる。

「破たんしたって、何もしないよりはマシだ」という考え方もあるかもしれないですが、相応の経験と、自分を律することの出来る信念がない限り、本書の内容を真似して実践するのは相当に困難だと感じました。

要は、本書で提示されている構築法を理解し、それを「自分らしく」「自分なりの方法で」「独自の思考で」、アイデアを加工し自分流にアレンジしたオリジナルのプランを編み出していくことこそ重要なのだと思います。

良い部分を採り入れてご自分なりの目標管理を実現してください。

立花さんも本書内で上のように書かれています。ストレートに本の内容をそのまま自分の生活にコピーするのではなく、私はアレンジした上でタスク管理に活かすようにしています。

人に会い、心に触れ、仲間を集めていく集積力


Graph With Stacks Of Coins / kenteegardin

本書では、前述した巨大オフ会「Dpub」の誕生秘話みたいな内容も書かれています。

勝間和代さんなど様々な人と実際にお会いし、影響を受け、イベントなどに積極的に参加し、やがて自ら主催するようになり、仲間が増え、それが巨大化し、ブロガー達の熱へと昇華していく様子は読んでいてとても興奮します。

私自身、本書を読んだことでDpubへの想いが大きく膨らみ、その流れで福岡にも素敵なオフ会があることを知り、参加するようになりました。それまで愛読していたブログを主宰してる方々と実際にお会いし、交流できるようになったのは自分の人生にとっても貴重で嬉しい体験。

篭っていた時期が長ければ長いほど、その殻から出るのには勇気と踏ん切りが必要です。これは篭ったことがない人には理解すら出来ない。

ただ、いくら最初の一歩目が苦しく重いとしても、自分から動かないことには楽しいことなんて自分の方には近寄って来ない。「何か楽しいことないかな~」と独り言を呟き続けても、誰も彼もが手を差し伸べてくれはしない。

まずは自分が動く。そして一人でも多くの人に感謝の念を伝え、交流していければいいな。そう以前から考えていたし、本書に出会ったことでその想いは強くなりました。

次回の「Dpub6」は福岡で開催されるそうです。とても人気のあるイベントらしいので、私が参加できるのか、キャンセル待ちになるのか分からない。応募したことがないので競争率すら分かりません。

もしDpub6に無事参加できたなら、一人でも多くの方々と、ただ名刺を交換して終わりじゃなく、何でもいいから笑顔で語り合えればいいなと思ってます。

そして、たちさん(@ttachi)のサインを本に書いてもらうのが私のミッションです。

【追記】Dpub6にて、本書にサインして頂きました。ヤッター。

本書に書いてもらった立花さんのサイン

※書籍版よりも安いKindle電子書籍版もあります。

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(最終更新:2013年2月14日)コメントComments Off
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