ブログデザインで自己表現する事の難しさ【書評】視覚マーケティング実践講座

A8セミナーで勧められた一冊

この本を知るキッカケとなったのは、今年の1月末に福岡市で開催されたA8.net(エーハチネット)主催のセミナーに参加した際、「自己啓発のため読んで損はないオススメ書籍」の中でこの本が紹介されていたこと。

特にブログやサイトのデザインに関しては、最も苦手な分野と言っても過言ではないほど、毎回毎回頭を悩ませている問題。セミナーで勧められた十数冊の本の中で真っ先に購入したのが本書でした。

本書は一種の「ITドキュメンタリー」

本書はブログやサイトなどのWeb媒体を、デザインのプロではない運営者が、いかにその外見で自分自身を表現できるか、またその個性を誤解なく受け取ってもらえるかを「デザイン」の側面で追及するための指南書。

同時に、これはWebデザインに関する勉強会の様子を時系列で紹介しているドキュメンタリー風な議事録であるとも言えます。

既に有名ブログとして認知されている方々が、「本来の自分自身」「自分自身の目指す方向性」「自分という個性をアピールするための要素」を再検討し、ブログデザインのリニューアルを実施するために開催された勉強会の内容がこの本の核となっており、従来の「マニュアル本」や「入門本」とは一味違ったユニークな内容となっています。

勉強会開催までの経緯は、まず本書の著者であるウジトモコさん(@UJITOMO)が初めて執筆された本を、有名ブログ『ネタフル』のコグレマサトさん(@kogure)に献本したことから始まります。

http://netafull.net/

コグレさんが書評をブログでアップされ、そのお礼にとウジさんが提案したのは、コグレさんが発していた「そろそろリニューアルしよっかなー」という波動をキャッチしたウジさんによる、視覚マーケティングという主観に立ったデザインリニューアル勉強会の開催でした。

これに賛同したコグレさんが、やるならガッツリ本格的にやりましょう、ということで参加者を募り、応募した有志ブロガーさんたちが、講師を務めるウジさんの提示する様々な難題に立ち向かっていくというヒューマン・ドキュメンタリー。合ってます?

子供の頃から絵が苦手な私

そもそも、小学生の頃から私は絵が苦手です。キライと言ってもいい。

美術の時間で近くの公園に行きスケッチするという課外授業があったりするじゃないですか。

どう描けばいいかも分からないし、そもそも「どんな色を使えばいいのか」が全く分からないんですよ。

だから、空を描く時に青い絵の具を使っても、「なんか違うなー、明るすぎるな」「いや、こんな緑っぽくない」「そこまで晴れってわけでもないし、もう少し暗くするかな」などと様々な絵の具を混ぜ混ぜした結果、美術の先生に

何か悩み事でもあるの?

と心配されちゃうくらい、なんだか地球最後の日みたいな悲壮感あふれる絵に仕上げてしまう私。

Webサイトやブログを作るようになった10年前も散々悩んだし、それは現在もまったく成長していないと自覚しています。

Flashが大流行した頃は私も勉強して、動きのあるページ作りに没頭したのですが、あれって、「ごまかし」が効くんですよ。色彩とかデザインとかはひとまず置いて、「おおー、なんか面白い動きだねー」ってことで、まず読者の関心を引くことは出来てしまいます。その先がないんですけどね。

文章に関しては、記事を書くのは全然苦じゃないんです。大学時代は、それこそ文章を書くのが専門の学部を専攻してたし、単位の大半は論文やセミナーで取ってました。卒論も全然苦労しなかったし、全学生の中で一番早く提出して最高点をもらえたくらいで、とにかく長文は幾らでも書ける。

逆に言うと、短く簡潔にまとめる能力が不足してるんですけどね。説明が冗長化するというか、ダラダラと続いてまとめられない。それを改善するために始めたのが140文字限定のTwitterなんですよ。

内容の善し悪しはひとまず置いて、文章に関しては長い経験値があるので、ネタさえ見つかれば文章は書けます。

書いた記事のおかげで友達やファンが増えたという体験もこれまで積み重ねてこれました。

ただ、本書が提唱している、「文章でファンを増やせるのなら、ブログデザインからでもファンを増やせる」というところは、どうしても私に抜け落ちている点だと自覚しています。

見た目のインパクトだったりとか、一度見たら忘れられない画面構成だったりとか、感情に訴えかけられる色彩の使い方だとか、そういった視覚的要素を成長させることによって、さらなる読者を増やしましょう、というのが視覚マーケティングなのかなと私は受け取りました。

どうすれば「自分らしいデザイン」が閃くのか

このブログを開設する際にも、デザインをどうするかで散々悩みました。WordPressの勉強を続け、ようやくオリジナルテーマを作成できる基礎的な知識は身に付いて、さあ~ブログ作るぞ~! となった時に、

デザインどうしよっか

たぶんそこで1ヶ月くらい停滞してました。閃かないんですよ。どうすればいいのか。

実はこれを書いている現在、少しだけデザインをリニューアルしてるのですが、リニューアルの内容は、大半が「機能的に不満なので、もう少し使いやすくしたい」というもの。デザインを変えたい、という意識はそんなにありません。というか、繰り返しになりますが、どうデザインを変更すればいいのかが思い浮かばないのです。

そこでまた停滞するのが今はイヤなので、とにかく前に進むためにも機能的なことを優先させて充実させよう。最近はずっとそんな感じです。いや、10年前からずっとそうなのか。

本書は4回にわたって勉強会が開催されている様子が実況されていて、勉強会がない時間もSkypeを利用して濃く深いコミュニケーションを継続させ、ゴールへ向かって全員が互いに助言し合いながら進んでいくのがとても興味深く、そして微笑ましく、羨ましくもあります。

参加された皆さんは、やはりそれぞれに課題を抱え、改善する方法に迷い、悩んでる様子がうかがえます。

ある人は、自分が読者に伝えたい個性やイメージと、読者が捉えていると思われる自分への印象が異なることを他のメンバーから指摘され、驚き、そして自分のキャラクターを「デザインを通して」どれだけ正確に表現し、そして理解してもらうことが出来るかを追求していきます。

ある人は、もう既に確立されたブログのデザインイメージ、そして自分の個性を壊したり変化させたりすることなく、維持した上で次なるステップに上がるためのアイデアを練り続けます。

ある人は、ブログ開設当初に意図したデザインの方向性と、最近の記事傾向がかけ離れてしまっていることを実感し、方向性の修正、というよりも「本来の自分はこういう人間なんです」という主張を記事内容だけでなく外見でも表現させたい、という難題に立ち向かいます。

各々の参加者が持つ多種多様な課題や悩み。これら全てを講師のウジトモコさんが的確に把握し、個性を表現するための視覚的な効果を個別に指導していく様子を、そのまま私自身にあてはめてみて、自分の場合はどうなんだろう、自分ならどう考えていけばいいんだろう、と頭を回転させながら読み進めていきました。

デザインへの意識を多角的に検証させる

たとえば、第2回勉強会の課題は、「ブログのテーマ曲を決めよう」というもの。

これは、ブログで常に流す音楽を決めるわけではもちろんなくて、自分がブログに求めている、あるいは表現させてみたいイメージを、「デザイン」という一点に固執して考え込むのではなく、楽曲をイメージさせ、なぜその曲を選んだのか、その曲からどんな印象を受けるのか、自分自身に重なる点はあるのか、などを検証させ、「じゃあそれをブログのリニューアルに置き換えたらどうなりますか?」という、目先を変えたアプローチ。

読んでて、スゴイなーと思いました。デザインにそんなアプローチがあるなんて想像したことすらなかったし、じゃあ実際に自分のブログのテーマ曲って何だろう? と考えても、いまだに何も思い浮かばないですもん。どんだけ私がヘタレかって話なんですが。

「好きな楽曲」ではなく、「ブログデザインとしてイメージした、自分が進むべき何かを表現してくれてると感じる楽曲」。皆さんは思い浮かびますか?

第3回勉強会では、ラフデザインを3つ考えて発表するというのが課題でしたが、これもやはり参加者には大変だったようです。

97ページにその時の様子が書かれてます。引用しますね。

 第2回勉強会の最後に「ラフデザインは最低でも3案!」と言った際、参加ブロガーの皆さんからブーイングが出て、「3案作ろうとすると、どうしても2、3案目は1案目の劣化版になってしまう」という声がありました。

 これは、確かによくある話です。プロのデザイナーでも経験が浅い人は、色やレイアウトを変えただけの3案しか出せないことが多いのです。特に1案目は、それを考えた瞬間のその人にとってのベストで、愛着も湧いてしまうものなので、なかなか次のアイデアが浮かばないことがあります。私はこれを「おすすめA案の呪縛」と呼んでいます。

私が、まさにコレなんです。最初に考案したアイデアの呪縛がものすごくて、違う方向性のアイデアが全く生まれてこない。ある程度満足してしまったら、次に何かを劇的に変えてしまうのには恐怖が伴う。これはデザイン能力に全く自信のない私が今も抱える弱点。

本書でも、ある人は現状の色彩に絶対のこだわりを持ち、ある人はキャラクターを表現させる方法が思い浮かばず頭を抱え、ある人はやはり当初のデザインへの呪縛から逃れられず似通ったラフデザインが続く、その様子が実況されています。

生みの苦しみを得て、最終的に皆さんが到達した、リニューアルされたブログを実際に拝見させていただきました。

コグレさんのブログ「ネタフル」は、本書に載っていた「最終案」からさらに発展してるようですね。さらに次へ、という探究心や向上心を常に持ってらっしゃる方なんだろうなー。

他にも、本書に掲載されているリニューアル前のデザインと、実際にPCで拝見したリニューアル後のデザインを見比べ、そこに至った動機や目的を本書で読んでいくのは大変興味深い作業で、いろいろと私自身も感じるものがありました。志(こころざし)の高さ、前へ上へと踏み出していくための勇気と向上心と推進力。見習わないといけませんね。

講師を務められたウジトモコさんの「引き出しの多さ」には、もう感嘆するばかりでした。

私がこの勉強会に参加していて、毎回出される課題に全然イメージが湧かず、トンチンカンな回答ばかりして講師のウジさんに何度もダメ出しされている構図が即座に浮かんでしまいました。そういうインスピレーションは迅速なんですよ私ってw

自分自身のデザインに対する意識に結論が出たわけではありませんが、本書を読了したことで何らかの意識改革はあった。そう信じています。

まだまだ研鑽を積まないといけない。モチベーションを高めてくれる一冊でした。

良書をありがとうございました。

 

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