第82回(2010年)アカデミー賞の予想と受賞結果まとめ

2010年・直前の世間一般的な予想および概要

この年で最大の注目点は、商業的に記録的な成功を収めた『アバター』と、シリアスな社会派作品として高い評価を得ていた『ハート・ロッカー』、この2作品による事実上の一騎打ち。

実際、この2作品は共に最多の9部門にノミネートされ、タマの数としては互角の状態。

さらにはメディアが大好きなネタとして、『アバター』の監督であるジェームズ・キャメロンと、『ハート・ロッカー』の監督であるキャスリン・ビグローが以前は夫婦関係だったこともあり(現在は離婚)、「元夫婦対決!」と散々あおられていました。私個人としては、そんな下世話な盛り上がり方なんてド~デモよかった! 映画と関係ないやん。

いろんな予想があった中でどちらかと言えば多かった予想記事は、

「アバターはオスカーを何個獲るか!」
「ハート・ロッカーがどのくらい食い下がるか」

という、6:4でアバター有利!みたいな論調だったように感じました。

アバター

アバター

【監督】ジェームズ・キャメロン【出演】サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、ミッシェル・ロドリゲス、シガニー・ウィーバーAmazonビデオ 字幕版

確かに『アバター』は3D超大作として大成功し、この作品のおかげもあって3Dという技術が本格的に脚光を浴び、テレビなどのAV機器も3D対応に着手するという流れが出来ました。

私は今も「この流れは商業的な本流にはなり得ない」と思ってます。あれから2年経った現状を見ただけでも明白ですが、さて今後どうなるやら。

話が脱線しました。予想の話に戻りますが、アバター有利という声の一方で、「アバターは負けるだろう」という意見も当然ありました。私の予想は、やっぱり後者。負けるどころか、アバターは惨敗するだろうと予想してました。

だって、これまでの歴史が物語ってるじゃないですか。

アカデミー会員のお歴々は、大衆娯楽作品よりも社会派作品に票を入れちゃう傾向にある。

日本関連の話題としては、和歌山県太地町のイルカ漁を糾弾・批判するドキュメンタリー作品『ザ・コーヴ』がオスカーを獲得し、その後に制作サイドのウソ・ねつ造が発覚したり、いや日本側の方こそウソついてると言われたり、いろいろと大騒ぎになってました。

前回は5つだった作品賞のノミネート数が、この年から10に倍増となりました。これまた最近もいろいろ議論されてるみたいで、またマイナーチェンジが入る可能性もあるらしいですけどね。

授賞式の司会は、アレック・ボールドウィンとスティーヴ・マーティン。

二人はメリル・ストリープが主演した三角関係ラヴコメディー映画『恋するベーカリー』で同じ女性を奪い合う恋ガタキとして共演してました。

恋するベーカリー

恋するベーカリー

【監督】ナンシー・マイヤーズ【出演】メリル・ストリープ、スティーブ・マーティン、アレック・ボールドウィン、ジョン・クラシンスキー、ケイトリン・フィッツジェラルドAmazonビデオ 吹替版

役柄よろしく互いをケナし合ったり、かと思えば男二人でベッドインしてる映像もあったり(=これ爆笑しました)、同作でノミネートされたメリルを本番中にからかいまくったり(最多ノミネートってことは最多落選ってことでもあるんだよね~とか)。

オープニングでも様々な俳優たちをイジリまくり。キャメロン監督を3Dメガネで凝視したり、『イングロリアス・バスターズ』でユダヤ人を狩る将校を演じたクリストフ・ヴァルツに「この会場にたくさんいるから好きなだけ連れてけ~!」とブラックジョークを放ったり、ジョージ・クルーニーと無言でにらみ合ったり、オープニングは二人の独壇場で爆笑の連続。とても楽しい授賞式でした。

あと面白かったのは、メイクアップ賞のプレゼンターとして登場したベン・スティラーが『アバター』そのまんまの青いメイクで登場。ギャグが錯綜する空気に『アバター』のキャメロン監督は苦笑い。客席もリアクションに困った雰囲気でしたが、私はテレビの前で大爆笑してました。

固まりつつある空気にそれでもメゲないベンが、キャメロン監督にしつこくカラミ続け、遂にはキャメロン監督も笑ってしまうシーンが見れます。

知らない人のために説明すると、ベン・スティラーは『ナイトミュージアム』シリーズで主演を務める、本国アメリカでは大変評価の高いコメディー俳優。

ナイトミュージアム

ナイトミュージアム

【監督】ショーン・レヴィ【出演】カーラ・グギーノ、ディック・ダイク、ロビン・ウィリアムズ、ベン・スティラー、ビル・コッブスAmazonビデオ 字幕版Amazonビデオ 吹替版

※ベン・スティラーの『アバター』もどき、ほぼノーカット版(日本語字幕なし)
Ben Stiller presenting the Oscar® for Best Makeup

そんなこんなで、それでは主要6部門の話に入ります。

作品賞

(●がノミネート。が受賞作です)

●アバター
しあわせの隠れ場所
第9地区
17歳の肖像
ハート・ロッカー
イングロリアス・バスターズ
プレシャス
シリアスマン
カールじいさんの空飛ぶ家
マイレージ、マイライフ

従来から倍増の10作品がノミネート。こうやって並べると豪華だ。

ただ個人的には『インビクタス』がなぜノミネートされなかったのか全く理解できなかったのですがね!(後述します)

10に増えたことで『カールじいさん』や『第9地区』といった、それまでの傾向だと作品賞からは漏れてた可能性のある作品にもスポットライトが当たって喜ばしい、とアメリカの映画評論家が言ってました。どの作品がソレかはともかく、枠が5つ増えたことでノミネートの栄誉も倍増ですから、商業的に後押しとなった作品もあったんじゃないですかね(この時点で日本未公開の作品もあったので)。

予想としては、これはもう『ハート・ロッカー』の一点買いにしてもいいくらい。他にはあり得ないと思ってました。次点は思い浮かばなかった。『アバター』は私の予想では大穴ですらなかったですね。『アバター』がダメだ、という意味じゃないですよ。過去のアカデミー賞の傾向から考えれば可能性はゼロだなと予想してただけ。あくまで私の予想ですから。

結果は、やはり『ハート・ロッカー』でした。文句なし。

※キャスリン・ビグロー他2名受賞スピーチ(日本語字幕なし)
“The Hurt Locker” winning Best Picture

壇上に上がった俳優陣、特にジェレミー・レナーが喜びのあまり絶叫。3人によるスピーチの最後を締めたビグロー監督は、「軍隊にいる人たちだけでなく、爆発物処理班の人、消防士、救命士、すべての男女に感謝します」と謝辞を述べています。

というわけで、私の結果は ◎アタリ!

監督賞

(●がノミネート。が受賞者です)

キャスリン・ビグロー (ハート・ロッカー)
●ジェームズ・キャメロン (アバター)
●リー・ダニエルス (プレシャス)
●ジェイソン・ライトマン (マイレージ、マイライフ)
●クエンティン・タランティーノ (イングロリアス・バスターズ)

この予想、実はちょっと迷いました。

仕事上ではキャスリン・ビグローと予想しました。前述の通り『アバター』は惨敗すると予想していたので、ここでも『ハート・ロッカー』に軍配が上がるのではないかと。

ただ気になったのは、さすがに『アバター』が主要部門を1つも獲れないってのはどうなんだろうか? 何か一つくらい花を持たせたりして? じゃあどこで? となった時に、監督賞はジェームズ・キャメロンに行くのではなかろうか、と。

なので私の通称「あまのじゃく作戦」。本命ジェームズ・キャメロン、次点でキャスリン・ビグローと予想。

で、結果は見事にキャスリン・ビグロー監督がオスカー獲得。女性として史上初めて監督賞を獲得した、記録に残る監督となりました。
私の「あまのじゃく作戦」は見事に不発弾。

※キャスリン・ビグロー、受賞スピーチ(日本語字幕なし)
Kathryn Bigelow winning the Oscar® for Directing

発表直前、「the time has come(時が来た)」とあおる大女優バーブラ・ストライサンド。それを聞いたビグロー監督の「あっ…」という表情がイイ。

壇上のビグロー監督から感謝の言葉を贈られて涙を流す脚本家のマーク・ボール。謝辞の最後では、ロケ地となったヨルダンの人々への感謝、世界中で危険と戦う軍人たちに賞を捧げ、安全に帰国できますように、と締めています。

というわけで、私の予想は ×ハズレ…

主演男優賞

(●がノミネート。が受賞者です)

ジェフ・ブリッジス (クレイジー・ハート
●ジョージ・クルーニー (マイレージ、マイライフ)
●コリン・ファース (シングルマン
●モーガン・フリーマン (インビクタス/負けざる者たち
●ジェレミー・レナー (ハート・ロッカー)

クレイジー・ハート

クレイジー・ハート

【監督】スコット・クーパー【出演】ジェフ・ブリッジス、マギー・ギレンホールAmazonビデオ 字幕版

主演男優賞は各メディアともジェフ・ブリッジスが獲るという予想ばかりでした。前評判がむちゃくちゃ高かった。

しかし、『クレイジー・ハート』は日本で劇場公開されるかどうかすら、まだこの時点で決まってもいなかったんです。実はコッソリ決まってたのかもしれんけど発表はされてなかった。

なのでどんな映画なのかがよく分からない。英語版の予告編を観たけど、そんなに言うほど評価高いの? って思ったし、むしろ共演者が『ダークナイト』でちょっと好きになってたマギー・ギレンホールだということに気付いて「お、いいねー」と思ったくらいの感想。

それよりも私がこの年、強力にプッシュしていたのが『インビクタス』。

インビクタス 負けざる者たち

インビクタス 負けざる者たち

【監督】クリント・イーストウッド【出演】モーガン・フリーマン、マット・デイモンAmazonビデオ 字幕版Amazonビデオ 吹替版

2010年、私が映画館で観た唯一の映画が『インビクタス』でした。とても感動したのです。泣いたのです。映画館で観て良かったと心から思いました。試写会のチケットが当たって良かった、と。

もともと私はモーガン・フリーマンが大好きなのですが、『インビクタス』でのモーガンは、スゴかったんです。

南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラを演じているのですが、そのネルソンさんと交流のあったモーガンは、以前よりネルソンさん直々に「もし映画で私の登場する作品があれば、私の役はアナタがやってね」と言われていたんだとか。

その話は実際に映画を観た後で仕入れた情報だったのですが、映画の中でのモーガンは、もう本当に南アフリカの大統領にしか見えない。ネルソン・マンデラも有名な人ですから当然その顔も知ってますが、途中から完全に南アフリカの大統領はモーガン・フリーマンだと思い込んでる私。

本編が終わり、最後に流れるエンディングロールで、劇中のモーガンと同じ格好をした笑顔のオジサン写真が少し映るのですが、

「ん? このオジサン誰? あっ! ホンモノやんか!

と自分のアホさに驚くほど、ネルソン・マンデラ = モーガン・フリーマンに脳内変換されてしまいます。

なので個人的な予想は、完全に私の願望でした。モーガン獲ってくれ!

本命モーガン・フリーマン、対抗としてジェフ・ブリッジスを挙げました。

結果は下馬評通り、ジェフ・ブリッジスの勝利。5度目のノミネートで初のオスカー獲得となりました。

※ジェフ・ブリッジス、受賞スピーチ(日本語字幕なし)
Jeff Bridges winning Best Actor

両親、結婚33年目の奥様、そして3人の娘さんたちに感謝のスピーチ。本当に嬉しそう。

ちなみに、発表直前、モーガン・フリーマンの紹介役として登場したのは、『ショーシャンクの空に』でモーガンと共演したティム・ロビンス。親友同士という役柄と同様に私生活でもこの作品を機に仲良くなったティムが今も忘れられないのは、撮影最終日にモーガンが言った言葉。

「友情とは、互いのためにコーヒーを入れることだ。キミに出来るか? テッド

僕はテッドじゃないんだけどね、とティムが言って場内そしてモーガン本人も笑っています。

ショーシャンクの空に

ショーシャンクの空に

【監督】フランク・ダラボン【出演】ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン、クランシー・ブラウンAmazonビデオ 字幕版

というわけで、私の予想は ×ハズレ…

主演女優賞

(●がノミネート。が受賞者です)

◎サンドラ・ブロック (しあわせの隠れ場所)
●ヘレン・ミレン (終着駅 トルストイ最後の旅
●キャリー・マリガン (17歳の肖像)
●ガボーレイ・シディベ (プレシャス)
●メリル・ストリープ (ジュリー&ジュリア

しあわせの隠れ場所

しあわせの隠れ場所

【監督】ジョン・リー・ハンコック【出演】サンドラ・ブロック、クィントン・アーロン、ティム・マッグロウ、キャシー・ベイツ、リリー・コリンズAmazonビデオ 字幕版Amazonビデオ 吹替版

前年の主演女優賞は、昔からずっと好きだったケイト・ウィンスレットに獲って欲しい! その一念で本命に予想したら見事的中という流れ。実は今年もそれは同じでした。

私、大好きなんですよ、サンドラ・ブロックが。観ていて楽しい気持ちになりませんか? 役柄でトクしてるというのもあるんでしょうけど。インタビューなどでも常にウィットに富んだユーモアで切り返すし、面白くて頭の回転も速い人なんだなーって思うわけです。

なのでこの年は個人的好みもあってサンドラ・ブロックを推したわけですが、私のみならず前評判でもサンドラ有利とは言われていました。

他の4人、キャリー・マリガンとガボーレイ・シディベは高い評価を得ていましたがキャリア的に浅い。さすがベテラン!と唸らせる貫禄の演技を見せたヘレン・ミレンとメリル・ストリープは作品的に弱い(どちらも作品賞にノミネートされていません)。
なのでサンドラが獲るなら今回しかない! みたいなちょっと失礼な評論もありました。私もちょっと思ってたけど。

傑作だったのは、毎年アカデミー賞授賞式の前日に行われている、最低映画を選出する悪ふざけ映画祭「ゴールデンラズベリー賞」、通称ラジー賞の最低主演女優賞にサンドラ・ブロックが選ばれてしまったこと(受賞対象作品は『しあわせの隠れ場所』とは別の作品です)。

半分おフザケなので、選ばれた人たちは滅多なことでは出演しないのですが、翌日に本家アカデミー賞を控えて忙しいはずのサンドラ、さすがです。ラジー賞に出席しちゃいました。そこでもウィットに富んだスピーチを披露して会場は大喝采。

これまで「最低」のラジー賞と「最高」のアカデミー賞、同じ年に両方を受賞した人なんて一人もいなかったので、史上初の快挙かも! ってことで、ヘンな意味でもサンドラに対する期待がものすごく高まっていました。

そういうわけで本命サンドラ。次点は、『17歳の肖像』の成功で「この人は将来スゴイ女優になる」と世界中から大絶賛された期待の星、キャリー・マリガンを挙げていました。

結果はサンドラ、見事にオスカー獲得。史上初、ラジー賞との2冠も達成。知らなかったのですが、オスカー獲得はもちろんのこと、ノミネートされたのもサンドラは今回が初めてだったんですね。それだけになおさらファンとして嬉しい。

※サンドラ・ブロック、受賞スピーチ(日本語字幕なし)
Sandra Bullock winning Best Actress

『プレシャス』のガボーレイちゃんにオプラ・ウィンフリーから、「大学の授業をサボってオーディションを受け、その週に主演が決まり、今はアカデミー賞でメリル・ストリープと同じカテゴリーにいるアナタは真のアメリカ版シンデレラだ」と感動の称賛コメント。泣いたらダメと言われてるのにガボーレイちゃん泣いちゃった。そりゃ泣くよね。嬉しいよね。

受賞が決まり壇上に上がる前、メリル・ストリープにハグするフリだけしてサッと逃げるサンドラと、それを笑うメリル。サンドラはメリルに以前キスした前科もあり、よっぽどメリルが好きなんでしょうね。

檀上でもサンドラは本領発揮。ノミネートされた他の4人に「私が深く恋に落ちた4人」と、独特の表現で感謝の言葉を述べてます。

ガボーレイちゃんには「愛してる、アナタは最高よ」、キャリー・マリガンには「アナタの優雅さ、気品、美貌、そして才能にはムカつく(気持ち悪そうな表情、本人と会場爆笑)」、ヘレン・ミレンには「あなたは家族の中の家族だ、どう表現しても表現しきれない」、そしてメリルにはセクシーにささやきます。「アナタはキスが上手よね…」。メリル大喜びw

以後も「数年前に私をプールに突き落としたジョージ・クルーニーは今も恨んでます」などとジョークを交えスピーチは進みますが、母親への感謝を述べ始めた辺りから遂に感極まるサンドラ。直接は言えなかった母への感謝の思いを切々と述べるシーンは感動しました。

でも最後に再び「この時間を私の愛人メリル・ストリープと共有できることに感謝」と、メリルをネタにジョークをかまして笑いと喝采を浴びました。サンドラもメリルも、みんなから愛されるのは人柄のおかげなんでしょうね。

というわけで、私の予想は ◎アタリ!

助演男優賞

(●がノミネート。が受賞者です)

●マット・デイモン (インビクタス/負けざる者たち)
●ウッディ・ハレルソン (The Messenger:原題)
●クリストファー・プラマー (終着駅 トルストイ最後の旅)
●スタンリー・トゥッチ (ラブリーボーン
◎クリストフ・ヴァルツ (イングロリアス・バスターズ)

イングロリアス・バスターズ

イングロリアス・バスターズ

【監督】クエンティン・タランティーノ【出演】ブラッド・ピット、メラニー・ロラン、クリストフ・ヴァルツ、ミヒャエル・ファスベンダー、イーライ・ロスAmazonビデオ 吹替版

これも主演男優賞と全く同じ展開です。前評判は圧倒的にクリストフ・ヴァルツ。彼以外を推すメディアが見当たらないくらい、満場一致って感じの大本命でした。

それでも私は『インビクタス』に賭けた! マット・デイモン獲ってくれ~!

ということで、本命マット・デイモン、次点クリストフ・ヴァルツと予想。もう玉砕覚悟ですよ。

結果は、やっぱりクリストフ・ヴァルツ。初ノミネートにして初の栄冠でした。

※クリストフ・ヴァルツ、受賞スピーチ(日本語字幕なし)
Christoph Waltz winning Best Supporting Actor

プレゼンターのペネロペ・クルスに祝福され、作品中でも印象的だったセリフを使い「オスカーとペネロペだなんてビンゴだ!」と、緊張しながらもジョークを飛ばします。共演者、そしてタランティーノ監督に深い感謝を述べていますね。

というわけで、私の予想は ×ハズレ…

助演女優賞

(●がノミネート。が受賞者です)

●ペネロペ・クルス (NINE
●ヴェラ・ファーミガ (マイレージ、マイライフ)
●マギー・ギレンホール (クレイジー・ハート)
●アンナ・ケンドリック (マイレージ、マイライフ)
◎モニーク (プレシャス)

プレシャス

プレシャス

【監督】リー・ダニエルズ【出演】ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライヤ・キャリー、レニー・クラヴィッツAmazonビデオ 字幕版

お恥ずかしい話、ノミネートされた5人の女優さんで、ペネロペちゃん以外に名前と顔が一致したのはマギー・ギレンホールただ一人。単なる私の勉強不足です。

で、事前情報を調べたのですが、どうやら有力視されているのはモニークだと。

この女性、これまでずっとコメディー畑を歩んできた人で、今回はいつもと正反対の、娘を虐待する冷酷な母親というシリアスな役柄を初めて演じ、前哨戦といわれた各賞をすべてこの人が獲得したのだそうです。

英語版の予告編を観ましたが、セリフの内容は分からないまでも、確かにその冷たい視線と迫力の演技は伝わってきました。コメディーだけの人にはとても見えない。

そういうわけで私もやっぱり本命モニーク。対抗は唯一知ってたマギー・ギレンホールという、なんだか「長いものに巻かれた」的な直前予想でした。ペネロペちゃんは、さすがに2年連続はないだろうと。作品も少し弱かったので。

結果はモニークが見事にオスカー獲得。授賞式の最初から既にウルウルしてたモニークは、受賞が決まり感極まった表情で檀上へ。客席の全員がスタンディング・オベーションで称えます。

コメディー畑の人ですから、感極まりながらもジョークで応えるのかと思いきや。

この年、すべての候補者に対し主催者側は「受賞スピーチで絶対に泣いたらダメ!」という通達を出していました。そのためモニークも必死に泣くのをこらえながら、言葉を噛みしめて感謝の気持ちを語ります。

今回の授賞式で最も感動したのはモニーク渾身のスピーチでした。泣きまくった私。

※モニーク、受賞スピーチ(日本語字幕なし)
Mo’Nique winning Best Supporting Actress

まず政治的なものではなく演技そのものを評価してくれたアカデミー会員の方々に感謝。次に黒人女性で初めてオスカーに輝いた女優ハティ・マクダニエル(1940年の第12回アカデミー賞、『風と共に去りぬ』で助演女優賞を受賞)に、「アナタが耐えてくれたおかげで私は何も耐えなくて良かった」と感謝。最後に、この作品への出演を決める際にアドバイスをし、背中を押してくれた夫のシドニーに、「アナタは本当に正しかった!」と万感の思いを込めて語っています。頷くご主人の表情を見て私はさらに号泣w

というわけで、私の予想は ◎アタリ!

総括

終わってみれば予想通りというかなんというか、『ハート・ロッカー』の完全勝利。ノミネート9部門中6部門でオスカーを獲得するという高評価。

対する『アバター』は、主要部門に関しては全滅。ただ技術的・映像的な評価は当然誰しもが認めるわけで、撮影賞、美術賞、視覚効果賞の3部門は無難にゲット。

個人の主要部門はすべて違う作品の俳優が受賞(しかも作品賞や監督賞とは違う作品)。個々の技量が評価されてるんだなという感じがとてもしました。

司会の二人がとても好印象でしたし、プレゼンターのジョークも笑えるものが多く、でもスピーチでは感動して泣いてばかりの、笑いあり涙ありの素敵な授賞式でした。

ただ問題が一つ。不吉なジンクスが出来ちゃったんですよ。分かる人は分かるでしょ。

前年、悲願のオスカーをゲットした愛しのケイト・ウィンスレットが、アカデミー賞の直後に夫の映画監督、サム・メンデスと離婚してしまいました。

そしてこの年、同じく主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックもオスカー獲得の直後に離婚。受賞スピーチでは「that」という表現で夫に感謝を述べていたのに。

2年連続の離婚騒動により、「主演女優賞を獲得した女優は離婚してしまう!」というジンクスがゴシップ好きな人たちの間で公然とささやかれるようになってしまったというわけです。

なので翌2011年も、主演女優賞を受賞する女性が不幸なことにならないか世界中が心配していたのですが(大きなお世話っちゅうのw)、私生活でも幸せの頂点にいる女性が獲っちゃいましたね。それはまた別の記事にて。

最後に私の予想的中率ですが、2010年は6部門中、3つアタリ。的中率は50%でした。今回は当てに行ったというより願望が多かったので、と負け惜しみ。

その他の受賞作品

◆ヴィクトリア女王 世紀の愛

衣装デザイン賞を受賞

ヴィクトリア女王 世紀の愛

ヴィクトリア女王 世紀の愛

【監督】ジャン・マルク・ヴァレ【出演】エミリー・ブラント、ルパート・フレンド、ポール・ベタニーAmazonビデオ 字幕版

◆スター・トレック

メイクアップ賞を受賞

スター・トレック

スター・トレック

【監督】J・J・エイブラムス【出演】クリス・パイン、ザッカリー・クイント、サイモン・ペッグ、カール・アーバン、ゾーイ・サルダナAmazonビデオ 字幕版

◆カールじいさんの空飛ぶ家

作曲賞、長編アニメ映画賞の2部門を受賞

カールじいさんの空飛ぶ家

カールじいさんの空飛ぶ家

【監督】ピート・ドクター【出演】エド・アズナー、クリストファー・プラマー、ジョーダン・ナガイ、ボブ・ピーターソン、デルロイ・リンドAmazonビデオ 字幕版Amazonビデオ 吹替版
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(最終更新:2016年11月23日)
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