葛西紀明8回目の五輪出場と聞いて計算が合わなかった方々に贈るオリンピック謎解き

レジェンド葛西、8度目の五輪出陣

スキージャンプ台

2018年の冬季五輪、平昌(ピョンチャン)オリンピックがいよいよ開幕。2月9日(金)夜には開会式が開催されました。

今回がオリンピック通算8度目の出場となる葛西紀明選手が日本チームの旗手を務め、笑顔で日の丸を振っていた姿がとても印象的でした。

葛西選手が出場するジャンプ競技は前日にノーマルヒルの予選が行われ(葛西選手は予選通過)、翌日には決勝が行われるというタイトなスケジュール。前回の2014年ソチ五輪では個人で銀メダル、団体で銅メダルを獲得するという大活躍でしたが、今回はどうか。

年齢、開催年、回数の計算が合わない

さて、2018年2月現在45歳の葛西選手。初めてオリンピックに出場したのは1992年のアルベールビル五輪で、当時19歳だったそうです。

そして今回の平昌五輪出場により、前人未踏、冬季五輪史上単独最多となる8度目の出場となりました。

※ちなみに今までの記録は夏季と冬季を合わせて五輪に7回出場した橋本聖子(現在は参議院議員)だそうです。冬はスピードスケート、夏は自転車で出場してたのは私も覚えてます。

1992年のアルベールビルから今回2018年の平昌まで、実に26年間もオリンピックに出場を続けている葛西選手。現在は世界中のファンから「レジェンド」と呼ばれており、前回ソチ五輪では41歳にして個人銀メダルですから、まさに彼は伝説の存在な訳です。

オリンピックが始まる前からオリンピック関連で葛西選手のニュースを度々見ていましたが、「8度目の出場」「45歳」「1992年アルベールビル」といった数値を耳にする度に「あれ?」と首を傾げてました。

何度計算しても年齢や回数が合わない。計算して不思議に思った人、他にもいるんじゃないでしょうか。

まず、1回目の五輪出場が1992年ですから、8回目の出場であれば今回は2020年になるはず。五輪は4年に一度ですから、8回目であれば

「4 X 7 = 28」

を1992年に加算すると2020年です。でも今年は2018年でしょ。おかしい。

また1回目出場の時に19歳だった葛西選手は現在45歳、っていう報道もよく聞きますが、同じく8回目ってことで計算したら

「19 + 28 = 47」

だから今は47歳の計算になるんですよ。でも45歳でしょ。おかしい。

もしかして橋本聖子さんみたいに夏季オリンピックにも出場してたのか? と思って調べてみましたが、葛西選手は冬季五輪にしか出場していません。そもそも葛西選手は「冬季五輪単独」での記録だと上にも書いてる通り。

オリンピックは夏季も冬季も4年に一度の開催。夏季オリンピックは「4で割り切れる年」に開催されます。前々回ロンドンは2012年、前回リオデジャネイロは2016年、次回の東京は2020年。全て4で割り切れる。

一方の冬季オリンピックは、夏季オリンピックが開催される中間にあたる偶数の年に開催されます。前回のソチは2014年、今回の平昌は2018年、次回の北京は2022年。サッカーのワールドカップも同じ周期で同じ年の開催です(今年はロシア大会)。

だからどう計算しても「8回目」「1992年」「45歳」の計算が合わないんですよ。でもこんな話でメディアがウソつくはずもないし、そもそも全てのメディアが同じ間違いを犯すハズもない。

ってことで調べてみたら答えは簡単でした。

謎解きのカギは「リレハンメル」

葛西選手が出場した8回のオリンピックを羅列してみます。

◆1992年 アルベールビル(フランス)
◆1994年 リレハンメル(ノルウェー)
◆1998年 長野(日本)
◆2002年 ソルトレイクシティ(アメリカ)
◆2006年 トリノ(イタリア)
◆2010年 バンクーバー(カナダ)
◆2014年 ソチ(ロシア)
◆2018年 平昌(韓国)

1994年のリレハンメル五輪では、ジャンプ団体の決勝で金メダル目前まで行きながら最後に飛んだ原田雅彦選手が大失敗しちゃって銀メダルとなってしまいました。これが葛西選手としては初のメダル獲得です。

原田選手は翌1998年長野五輪でもジャンプ団体の決勝1回目で大失敗ジャンプをやらかしましたが、2回目で「奇跡の大飛行」を披露し、逆転での金メダル獲得となりました。ちなみにこの時、葛西選手は団体にエントリーされず個人種目のみ出場しています(ノーマルヒル個人で7位)。

前回の2014年ソチでの葛西選手は、ラージヒル個人で銀メダル、団体では銅メダルを獲得。葛西選手は平昌五輪までの時点で「銀メダル2つ、銅メダル1つ」を獲得していることになります。

というわけで、8回のオリンピックを眺めてみると答えが出てました。1992年アルベールビルと、1994年リレハンメル、2つのオリンピックの間隔が2年しかありません

1992年アルベールビルまでは夏季五輪と冬季五輪が同じ年に開催されていたのですが(ちなみに夏季の1992年はバルセロナ五輪)、同年開催は1992年で終わり、以降は夏季と冬季が2年ごとの開催になったのだそうです

これで謎が解けました。葛西選手が年齢のサバ読んでた疑惑も消えました。そもそも疑惑はない。

りくま ( @Rikuma_ )的まとめ

以上、知ってる人なら何の疑問にもならない謎解きでした。

私がハッキリと記憶している、自分の意志で観戦した最初のオリンピックは、1984年のロサンゼルス五輪です(当時、高校生)。

陸上ではカール・ルイスが4冠を達成したり、柔道では山下泰裕が金メダルを獲って国民栄誉賞をもらったり、体操では具志堅幸司(ちょっちゅねー、の人じゃないですよ)が個人総合で金メダルという快挙もあったり。今でこそ内村航平というスーパースターが連覇してますけど、当時の個人総合優勝ってスゴかったんじゃないかな。

夏季五輪は1984年以来毎回必ず観戦してるんですけど、冬季五輪はいつから見てるんだろう…と記憶を辿ると、おそらくリアルタイムで熱心に観戦したのは1998年長野五輪が最初だったように思います。長野五輪は開会式から閉会式まで毎日見てました。

なので1994年リレハンメル五輪の銀メダル(原田選手の大失敗)はリアルタイムで見ておらず、長野五輪の時に何度も何度も前回五輪のリベンジがどうこうという特集番組などで初めて映像を見たように記憶してます。

私が冬季五輪を見始めてから全ての大会に出場してる、ということになる葛西選手。結果がどうあれ、「五輪って最高だな」と葛西選手が感じてくれるような、そんな大会になればいいなと思っています。

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