【ロンドン五輪】松本薫の闘争本能と競泳陣の諦めない心に魅入る

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柔道


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◆女子57kg級 松本薫

・1回戦 ○ 技あり優勢勝ち
・2回戦 ○ 技あり優勢勝ち
・準々決勝 ○ 技あり優勢勝ち
・準決勝 ○ 有効優勢勝ち
・決勝 ○ 相手の反則行為により判定勝ち 金メダル獲得!

【感想】

試合前の時点で強烈なインパクトを視聴者に与えていた「野獣」松本。

相手を目で殺さんばかりの視線と威圧感。待ての声が掛かるまでは何度でも立ち上がり相手を掴みに行く執念。常に攻める気迫。まさに闘争本能の塊。

解説の谷本が「これこそが松本!」と大絶賛してましたね。谷本が現役だった頃の「絶対に心を折らない闘い方」が私は大好きだったので、その言葉にスゴイ説得力がありました。(それにしても谷本は素晴らしい解説者になった。声が通るし滑舌いいので聞き取りやすい)

決勝は延長までもつれこみ、場外付近で相手選手が「軸足を前方から刈る危険な攻撃」という判定で一発レッドの反則負け。これにより金メダルが決まったわけですが、観客も、我々テレビ視聴者も、ポカーン。

闘ってた松本本人も「え?」みたいな表情をしてましたが、リプレイを見てると倒された直後に「今のダメじゃないの?」という風な表情で審判をチラ見してたので、彼女は薄々分かってたんでしょうね。

礼を終え、畳を下りてから松本は涙、涙、涙。恐ろしいまでの闘争本能が収まり、苦しんだ数年間が報われた瞬間。

表彰式で中央に立った松本は笑顔。母国のため、そして何よりも彼女本人を称えるために流れる「君が代」を口ずさみながら日の丸を眺める彼女の表情。左目の目尻には激闘の爪痕ともいえるアザが出来ていました。

今大会、日本初の金メダルであると共に、女子がこの階級でメダルを獲得したのも初めてなんだって。松本おめでとう。

今後を聞かれて「パフェが食べたい」と言ったのには笑わせてもらいました。

◆男子73kg級 中矢力

・2回戦 ○ 押さえ込みで一本勝ち
・3回戦 ○ 押さえ込みで一本勝ち
・準々決勝 ○ 指導2つによる有効優勢勝ち
・準決勝 ○ 延長後、旗判定で勝ち
・決勝 × 相手の有効でポイント負け 銀メダル獲得!

【感想】

金メダルを獲得したロシアのイサエフは強かったし、巧かったですよ。ロシアを始めとする旧ソビエト圏はサンボの下地もあって、関節攻撃への意識が高い選手も多いので、これはもうイサエフを称えるしかない。

中矢は直近の世界柔道でこの階級の王者になったこともあり、世界中のライバルから警戒される立場になってたわけです。寝技が得意だということも当然研究されていたわけで。

2回戦と3回戦は、その得意な寝技で貫録勝ちしてました。ただ強豪揃いの準々決勝以降は、相手が研究してることもあって、寝技に対する防御がしっかりしている。解説者が「中矢の寝技に全く付き合わなくなっている」と言った通り。

とにかく相手としては、転がされてこう着状態になったら中矢がいろんな寝技や関節技を仕掛けてくるのが分かってるので、場外に逃げるなり、立ち上がって「待て」の声を誘う、そうやって「付き合わない=防ぐ」のを徹底してました。

対戦相手がことごとく寝技から逃げる中、決勝戦のイサエフだけは違ってました。

不十分な体勢の投げで両者が転び、そこから中矢が本領発揮、という前の段階でイサエフが中矢の右腕を絡み取り、腕ひしぎ逆十字で右腕を完全に伸ばしてしまった。

柔道やプロレスなど格闘技が好きな人なら、あの腕の伸び方がどれほど危険か分かるでしょう。中矢がタップしても全然おかしくなかった。

なんとか身体を反転させて関節から逃れた中矢はスゴかったけど、あれで右ヒジは破壊されました。同時に、自分が得意とする寝技で逆に致命的なピンチを招き怪我を負った中矢の精神状態も相当ヤバかったはず。

利き手の握力を失ったかもしれない中矢は、それでも投げで有効ポイントを取り返し追い付きますが、直後に審判が有効を取り消し。篠原監督も怒ってましたね。

終盤で押さえ込みがガッチリ決まった時は、絶叫しました。これは大逆転での金メダルだ! と。しかしイサエフは数秒で身体を反転させ軽々と逃げた。

中矢の右腕が死んでいたせいもあるだろうし、軽量級だからこその身のこなしってのもあるけど、やっぱりイサエフは巧かったんだと思います。あれ逃げるんだもん。

試合終了のブザーが鳴り、勝者イサエフは倒れたままの中矢をまたいで立ち上がり、両腕を拡げて勝利を誇示しました。それだけ会心の勝利だったんだろうし、中矢にとっては屈辱的だったことでしょう。

インタビューでも相当にヘコんでた中矢。負け方が負け方だっただけに相当心も折れたでしょうけど、逆に彼の闘争心は火がついたはず。現役続行も宣言したようだし、これから彼の逆襲が始まる。それを我々ファンは信じるしかありません。

競泳


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◆女子100m背泳ぎ 決勝

・寺川綾 … 58秒83で3位 銅メダル獲得!

【感想】

8年前のアテネでも決勝進出したものの8位。前回の北京は代表にも選ばれず、引退するはずが周囲の激励で翻意し、北島の師でもある平井コーチの門下生となり激烈なトレーニングに耐え、今回は200メートルにエントリーせず100メートルのみに賭けた彼女。

ずっと目標にしていた58秒台で泳ぎきり、歓喜の3位。素晴らしかった。

レース後のインタビューでも、表彰式後のインタビューでも、感極まって涙を流してました。苦労が大きい分だけ達成感も大きい。彼女もまた、この4年間で目覚め、闘う魂を鍛えた一人でした。

メダルを手に退場している際、誰かを見つけて走り出す寺川。観客席の手前で感激の抱擁を交わした相手は、平井コーチでした。見てる私も泣いちゃったよ。

◆男子100m背泳ぎ 決勝

・入江陵介 … 58秒83で3位 銅メダル獲得!

【感想】

後半追込み型ってのは知ってたけど、50メートルのターンまでずいぶん遅い順位だったので、これ大丈夫? と不安になっちゃった。

後半70メートルを過ぎた辺りで得意の加速。最後は3位で見事な銅メダル。

直前のレースで歓喜のメダルを獲得した寺川とは以前同じスクールに通っていて先輩後輩の関係でもある入江。次は得意としている200メートル。これは期待するなって方が無理でしょ。

◆女子100m平泳ぎ 決勝

・鈴木聡美 … 1分06秒46で3位 銅メダル獲得!

【感想】

この日、もっともビックリしたのがこのレース。

ギリギリで決勝に進出した鈴木。泳ぐコースは一番端っこの1コース。解説の鈴木大地も「自分のレースをして欲しいですね」と、おもいっきり「流した」コメント。

ターン前まで後ろから数えた方が早い順位だったのに、後半になって追い抜く追い抜く! そして3位の銅メダル!

私、テレビの前で絶叫!w 鈴木大地も「銅メダルですよ! ひゃ~!」と声を裏返らせて大喜び。

「いや~ビックリしました、って言ったら失礼ですけども…」とゴニョゴニョ言ってる鈴木大地。気持ちは分かるw

1コースの人がメダル獲るなんて想像してなかったんですもん。ほんと、鈴木ゴメン!って気持ち。

予選ギリギリ通過だろうが1コースだろうが、彼女自身は絶対にあきらめてなかったんだろうな。この日の競泳陣でメダルを獲った3人は、いずれもターン後の終盤で相手を抜いてのメダル獲得。

スタートが遅かろうが、周囲の評価がどうだろうが、自分自身が奮い立って立ち向かわない限り最良の結末は訪れない。一つ、とても大切なことを学ばせてもらいました。

◆男子200mバタフライ 準決勝

・松田丈志 … 準決勝1組で1位 → 全体1位で決勝進出
・金田和也 … 準決勝2組で6位 → 準決勝敗退

【感想】

この4年間、「打倒フェルプス」を目標に過酷なトレーニングを積んできた松田。準決勝は、まだ余裕があるかのようなレース展開。それでも全体1位で決勝進出ですよ。貫録すら漂ってた。

レース後のインタビューでも「組でトップ取ることだけ考えてた」と、なんとも頼もしい。

前回の北京で金メダル8個を獲った帝王フェルプスは2組トップだったものの、全体では4位というタイム。どうもイマイチ本調子ではなさそうなフェルプスを見てると、松田への期待がイヤでも高まりますよ。

◆女子200m自由形 準決勝

・伊藤華英 … 準決勝2組で8位 → 準決勝敗退

◆女子200m個人メドレー 準決勝

・加藤和 … 準決勝1組で7位 → 準決勝敗退

体操


via:London2012.com

◆男子団体 決勝

・日本(加藤凌平、田中和仁、田中佑典、内村航平、山室光史) … 2位 銀メダル獲得!

【感想】

これまた物議をかもす結末でしたね。ただ、柔道で判定が覆ったのとは少し種類が異なるんですよ。どっちも「審判キチンとしてくれよ!」って意味では似てるんですけど。

体操種目は全て、繰り出す技に対して難易度があり、難しくなればなるほどポイントが高くなります。同じ失敗するにしても、難易度の高い方が最終的な得点は上がります。

また、技の一つ一つに対して評価する項目が細かく規定されていて、姿勢がどうとか、ピタッと止まったかとか、脚や手が伸びてるかとか、倒立がスムーズだったかとか、着地でどれだけ動いたかとか、いろんなところでポイントが決まってます。

今回問題となったのは、日本にとって最後の種目となった「鞍馬(あん馬)」。

出場予定だった山室が「跳馬」の着地に失敗して足を負傷したため、急きょ代理で出場することになった田中和が落下し大幅減点。

続く加藤が見事な演技で得点を伸ばしたものの、エース内村が着地の際に誰もが分かるミスで失敗。これで大幅減点。

5種目を終わって全体2位だった日本が、最後の最後で失速。中国が貫録の金メダル。そして2位が地元イギリス、3位にウクライナ。日本は逆転され4位となり、メダルの夢が消えた。

ここで日本のコーチ陣が審判団に抗議し、判定が覆って日本のポイントが伸び、2位の銀メダル。イギリスは銅メダルに格下げされ客席からブーイング。ウクライナのメダルは消えてしまいました。

これにより「抗議して判定変わったら審判って何なんだよ、柔道と一緒かよ」と言う人もいるみたいですが、それはちょっと違います。

体操は、採点された得点の内訳(なぜその得点になったか)が公開されます。それを見て難易度などを審判が見落とすなどして不当に得点が低いと判断した場合、抗議することができるとルールで認められているんだそうです。

今回の内村の場合も、着地の際にミスはしましたが、技に対する難易度の採点がおかしいと気付いた日本が抗議し、その見落としを審判が認めたため、正当な難易度に応じたポイントが加算されて日本が逆転2位となった、というカラクリ。

【参考】日本抗議で2位に 英国ファン怒号/体操
【参考】銀メダルは小さなミスの積み重ね=アテネ五輪体操金メダリストの中野大輔が解説

また、日本が抗議の際、審判団に現金を渡すシーンの動画が流されていて、「日本はマネーでメダルを買った」と罵倒する意見もあるようですが、抗議して再審を要求するのは有料なので(300ドル必要なんだそうです)、あれもルールに従った正当な行為。(上の参考記事にも書かれてます)

ただ、ああいう場面で現金を渡してたら、そりゃルール知らない人は「おいおい!」って思うのは当然ですよね。キャッシュじゃなくて後払いじゃダメなの?

審判の誤審は、2011年に東京で開催された世界体操でも大きく報道されてた、有名な前科があります。

個人総合、内村の「ゆか」演技で最高G難度の技が速すぎたため、審判が見落として得点が伸びず、一時は3位になってしまいましたが、今回と同じく日本が抗議し、審判が見落としを認めてポイントが加算され、内村が個人3連覇を達成した、という事がありました。

低い得点が表示された直後にテレビカメラの前で「いやいや違う違う」と手を横に振りながら苦笑いしていた内村。その時点で審判が自分の技を評価できてないことに気付いてたのです。審判が見落としたことを「それだけ速いってこと。逆に嬉しいっすね」と後のインタビューで答えた内村。

昔は「ウルトラC」なんて言葉があったくらいで、C難度がスゴイと言われてたのに、今やD、Eどころか内村はG難度ですからね。体操技術の進化もスゴイってことですよ。

それはともかく、昨年の世界体操は「驚異的な技術を成功させたにもかかわらず審判が見落とした」ことによる得点訂正。今回は「ミスしたけど難易度が高かったのを審判が見落とした」ことによる得点訂正。

当然ながら見てる側の印象も全然違うし、それは内村本人も認めていて、終了後にイギリスやウクライナに対する詫びにも似たコメントを残しています。

ファンはもちろん、当の選手たちの間でも公然と「内村の1位は仕方ない。問題は誰が2位になるかだ」と言われてるくらい、絶対的大本命な個人戦の内村ですが、今大会は予選から落下も相次いでるし、なんか様子がおかしいですね。

団体戦の結果で精神的な動揺、モチベーションの低下が見て取れました。上手く切り替えて個人戦に臨んでもらいたいです。

団体戦では、もっとも若い加藤が本当に素晴らしかった。ミスのない演技で日本を助けてくれました。

卓球


via:London2012.com

◆女子シングルス 4回戦

・福原愛  4 - 3 オランダ選手 → 準々決勝進出
・石川佳純 4 - 1 ポーランド選手 → 準々決勝進出

◆男子シングルス 4回戦

・水谷隼  0 - 4 デンマーク選手 → 予選敗退
・岸川聖也 4 - 1 韓国選手 → 準々決勝進出

バレーボール

◆女子1次リーグ

・日本 1 - 3 イタリア

バドミントン

◆女子ダブルス 1次リーグ

・日本(末綱聡子、前田美順) 0 - 2 中国組

◆男子ダブルス 1次リーグ

・日本(佐藤翔治、川前直樹) 2 - 0 アメリカ組

テニス

◆男子シングルス 1回戦

・伊藤竜馬 0 - 2 カナダ選手
・添田豪  1 - 2 キプロス選手

◆男子ダブルス 1回戦

・日本(錦織・添田) 1 - 2 スイス組

ライフル射撃

◆男子10mエアライフル 予選

・谷島緑 … 38位 → 予選敗退

ボクシング

◆男子フライ52kg級 1回戦

・須佐勝明 × キューバ選手に判定負け

カヌー

◆スラローム 男子カナディアンシングル 予選

・日本(朝日健太郎、白鳥勝浩) 0 - 2 アメリカ組

フェンシング

◆女子エペ個人 2回戦

・中野希望 11 - 15 イタリアの選手 → 予選敗退

アーチェリー

◆女子個人 2回戦

・蟹江美貴 6 - 0 中国の選手 → 3回戦進出

◆男子個人 1回戦

今日開催の注目競技

◆柔道

・女子63kg級 上野順恵  (予選開始は17:30) NHK総合
・男子81kg級 中井貴裕  (予選開始は17:30) NHK総合
※共に決勝は22:00開始予定 NHK-BS1、テレ東

◆サッカー

・女子予選リーグ 日本vs南アフリカ (22:30予定) TBS

◆競泳

・男子200mバタフライ 決勝 松田丈志 (27:49予定) NHK総合

◆体操

・女子団体決勝 (24:30予定) NHK総合

◆フェンシング

・男子フルーレ個人(太田雄貴、千田健太、三宅諒) (25:00放送) 日テレ

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