イントロ
映画ファンが首を長くして待ちわびたアカデミー賞の授賞式が今年も近付いてきました。2012年は2月26日に開催されます。
このブログでは初めてですが、これまで3回(2009年~2011年)、同じような予想企画をmixiやTwitterなど別の場所でやっておりました。企画といっても私が勝手に予想して勝手にアタリ/ハズレを発表しているだけの自己満足な企画。
今回は2009年アカデミー賞の振り返り。主要6部門のみに絞った予想&受賞結果のまとめ記事です。
2009年・直前の世間一般的な予想および概要
前評判が最も高く大本命だったのは、インドのスラム街で生まれ育った少年がクイズ番組に挑む『スラムドッグ$ミリオネア』。
対抗馬としては、最多13部門にノミネートされたブラピ主演『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』がどれだけ食い下がるか、というのが大方の予想でした。
前年に28歳の若さで急死したヒース・レジャーが、故人として史上2人目となるオスカー獲得なるかも注目されてました。
日本人としては『おくりびと』が外国語映画賞にノミネートされて話題となりました。受賞したらスゴイ!という期待半分、でも無理かな~という諦め半分だったかな。
前年のアカデミー賞授賞式は本国アメリカで過去最低の視聴率だったらしく、2009年の授賞式は番組制作スタッフを一新させ、司会もそれまでのコメディアン路線を変更して、俳優のヒュー・ジャックマンが起用されました。『ウルヴァリン(X-MEN)』や、最近だと『リアル・スティール』の主演でお馴染みです。
リアル・スティール
授賞式はミュージカル風な演出が中心で、前年の授賞式も少し観てた私は、制作スタッフが変わるとガラリと変わるもんやなあ~と感心したものです。視聴率は前年よりもアップし、ヒュー・ジャックマンは見事に大役を果たしたことになります。
作品賞
●ベンジャミン・バトン 数奇な人生
●フロスト×ニクソン
●ミルク
●愛を読むひと
スラムドッグ$ミリオネア
これは正直、『スラムドッグ』以外には考えられなかったですね。前哨戦でも大勝ちしていたので予想通りの受賞となりました。
監督賞
●スティーブン・ダルドリー (愛を読むひと)
●デヴィッド・フィンチャー (ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
●ロン・ハワード (フロスト×ニクソン)
●ガス・ヴァン・サント (ミルク)
これも戦前から『スラムドッグ』で間違いないと言われてました。作品賞に加えて監督賞も受賞したので、この年のアカデミー賞は『スラムドッグ』の年だったと表現していいと思います。
※Danny Boyle winning the Oscar® for Directing
トロフィーをもらって飛び跳ねています。
主演男優賞
●リチャード・ジェンキンス (扉をたたく人)
●フランク・ランジェラ (フロスト×ニクソン)
●ブラッド・ピット (ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
●ミッキー・ローク (レスラー)
主演男優賞はいろんな予想があって面白かったんですよ。
まず、低迷期を脱して不死鳥のごとく蘇ったミッキー・ロークが直前のゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲ったので、最有力候補と言われ始めたんです。『レスラー』という作品もそういう内容(全盛期を過ぎたプロレスラーがもう一度再起を…)だったので、余計に感情移入しやすかったんでしょうね。
レスラー
でも『ベンジャミン・バトン』のブラピもすごく評価が高かった。ブラピはそれまでオスカーとは縁がなかったので、今度こそ獲って欲しい! とは思ってましたが、でもミッキー・ロークも取って欲しい!
で、結果はショーン・ペンでした。彼自身2度目のオスカー獲得。
※Sean Penn winning Best Actor for “Milk”
惜しくも賞を逃しましたが、復活を遂げたミッキー・ロークを檀上からショーンが称えています。
主演女優賞
●アン・ハサウェイ (レイチェルの結婚)
●アンジェリーナ・ジョリー (チェンジリング)
●メリッサ・レオ (フローズン・リバー)
●メリル・ストリープ (ダウト〜あるカトリック学校で〜)
大好きな女優さん二人、ケイト・ウィンスレットとアン・ハサウェイのどちらかに獲って欲しいと願っておりました。
『プラダを着た悪魔』で主演した可憐な女性とは全然違う、破天荒な演技で高い評価を得たアン・ハサウェイにも獲って欲しかったのですが、それ以上にケイトに獲って欲しかった。
『タイタニック』で脚光を浴び、これまで5回もノミネートされたけど一度も獲れなかったオスカーを、ようやく6度目の正直でケイト・ウィンスレットが悲願の獲得。受賞が発表された瞬間、私も叫んでいました。
※Kate Winslet winning Best Actress for “The Reader”
「子供の頃、お風呂でシャンプーボトルを持って受賞スピーチの練習してた、でも今はシャンプーボトルじゃない」と言って感極まるケイト。私もこれ観て泣きました。最後には「メリルがいるから獲れると思わなかった、ゴメンね!」と笑ってます。
助演男優賞
●ジョシュ・ブローリン (ミルク)
●ロバート・ダウニー・Jr (トロピック・サンダー/史上最低の作戦)
●フィリップ・シーモア・ホフマン (ダウト〜あるカトリック学校で〜)
●マイケル・シャノン (レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで)
ダークナイト
2008年に私が見た映画で最も熱狂した作品が『ダークナイト』。DVDだけでは飽き足らずブルーレイまで買うほどハマりました。
結果はヒースがオスカー獲得。故人での受賞は史上2人目という快挙を達成しました。できれば生きてるヒースにオスカーを掲げて欲しかったですけどね。
※Heath Ledger winning Best Supporting Actor for “The Dark Knight”
両親と姉が故人の代理として感謝の言葉を述べています。
助演女優賞
●エイミー・アダムス (ダウト〜あるカトリック学校で〜)
●ヴィオラ・デイヴィス (ダウト〜あるカトリック学校で〜)
●タラジ・P・ヘンソン (ベンジャミン・バトン 数奇な人生)
●マリサ・トメイ (レスラー)
それでも恋するバルセロナ
『レスラー』のマリサ・トメイが獲るかな? というのが予想でしたが、受賞したのはペネロペ・クルス。初のオスカー獲得でした。
ちなみに、この映画で共演した女タラシ役のハビエル・バルデムとペネロペは実生活で2010年に結婚し、翌年に子供も生まれています。
※Penelope Cruz winning Best Supporting Actress for “Vicky Cristina Barcelona”
セクシーな役柄が多いペネロペさんですが、初受賞の檀上では緊張もあってか、お人形のように可憐でカワイイ。
ちなみに、エイミー・アダムスへのコメント担当として登場したウーピー・ゴールドバーグは、スピーチのしょっぱなでエイミーの役について、「修道院のシスターを演じるのはラクじゃないのよね」と、自分の代表作(天使にラブ・ソングを)に引っ掛けてニヤリとしてます。
総括
前評判通り『スラムドッグ』は強かった。最多8部門でオスカーを獲得しました。ノミネート最多だった『ベンジャミン・バトン』は3部門でオスカーを獲得。
日本人映画ファンが注目していた『おくりびと』も見事に外国語映画賞を獲得。滝田洋二郎監督と主演の本木雅弘の他、広末涼子、余貴美子も檀上に上がりました。滝田監督、笑いも獲れて良かった。
おくりびと
あとは、個人的に獲って欲しいと願ったケイト・ウィンスレット、そしてヒース・レジャーが見事オスカーを獲得したのが嬉しかった。豪華な俳優・女優陣が登場してノミネートされた人々を称える演出も私は好きです。
その他の主な受賞・ノミネート作品
◆ベンジャミン・バトン 数奇な人生
美術賞、視覚効果賞、メイクアップ賞の3部門を受賞
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
◆ある公爵夫人の生涯
衣装デザイン賞を受賞
ある公爵夫人の生涯
◆WALL・E/ウォーリー
長編アニメ映画賞を受賞
ウォーリー
◆フロスト×ニクソン
作品賞、監督賞、主演男優賞などにノミネート。
フロスト×ニクソン
◆レイチェルの結婚
主演女優賞にノミネート。
レイチェルの結婚
◆ダウト~あるカトリック学校で~
主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞などにノミネート。
ダウト~あるカトリック学校で~
◆フローズン・リバー
主演女優賞、脚本賞などにノミネート。
フローズン・リバー
◆チェンジリング
主演女優賞、撮影賞などにノミネート。
チェンジリング
◆レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
助演男優賞、美術賞などにノミネート。