今回は総まとめです
oscars academy awards / ebbandflowphotography
2013年2月末にアメリカで開催された、第85回アカデミー賞。主要部門の受賞結果は授賞式当日の速報記事で取り急ぎまとめたのですが、今回は改めて受賞シーンや予告編動画なども追加した総まとめエントリーです。
では早速本題。
助演男優賞
アラン・アーキン （アルゴ）
ロバート・デ・ニーロ （世界にひとつのプレイブック）
フィリップ・シーモア・ホフマン （ザ・マスター）
トミー・リー・ジョーンズ （リンカーン）
ジャンゴ 繋がれざる者
ノミネートされた5人全員がオスカー獲得経験者ばかりという豪華ラインナップの中、オスカーに輝いたのはクリストフ・ヴァルツ。大好きな俳優さんばかりで、誰が獲っても嬉しかったけど、出来ればフィリップ・シーモア・ホフマンに獲って欲しかった…。
◆Christoph Waltz winning Best Supporting Actor for "Django Unchained" – YouTube
プレゼンターは昨年の助演女優賞、オクタヴィア・スペンサー。
初めて受賞した時と同様に感無量な面持ちのクリストフ・ヴァルツ。スピーチの冒頭で他のノミネート4名に敬意を表しています。
助演女優賞
エイミー・アダムス （ザ・マスター）
サリー・フィールド （リンカーン）
ヘレン・ハント （ザ・セッションズ（原題））
ジャッキー・ウィーヴァー （世界にひとつのプレイブック）
レ・ミゼラブル
これはもう圧勝でしたね。前哨戦をほぼ総取り状態のアンちゃん、初のオスカー獲得。
◆Anne Hathaway winning Best Supporting Actress – YouTube
プレゼンターは昨年の助演男優賞、クリストファー・プラマー。
本番直前で変更したと言われる衣装がTwitterのトレンドワードになるほど（特にオトコたちが）大騒ぎになったアン・ハサウェイ。キャリア初の受賞で感極まってます。大ファンの私もリアルタイムで観ながら泣いてました。
主演男優賞
ブラッドリー・クーパー （世界にひとつのプレイブック）
ヒュー・ジャックマン （レ・ミゼラブル）
ホアキン・フェニックス （ザ・マスター）
デンゼル・ワシントン （フライト）
リンカーン
これも大本命のダニエル・デイ＝ルイスが下馬評通り受賞。これが3回目の主演男優賞獲得。同一人物が主演男優賞を3度獲得したのは史上初なんだそうです。事前予想では「ヒュー・ジャックマンあるかも！」と言うメディアもありましたが、アカデミーの傾向からいっても今回は大本命が強すぎた。
◆Daniel Day-Lewis winning Best Actor for "Lincoln" – YouTube
プレゼンターは昨年の主演女優賞、メリル・ストリープ。メリルさん、発表時に封を開けてないのはどういうことなんやろ(笑)
発表された直後、キスを交わした後も握り締めた手を離さず、ダニエルを見つめ続ける奥さんの感極まった表情。これだけで泣けます。3度目の受賞でもこれほど感動してしまう、それがオスカーの重みなのでしょう。
感激の表情でシンミリしてるのかと思いきや、「3年前にサッチャー元首相の役を演じるのは私だったはずなのに」と、プレゼンターのメリルさんが昨年受賞した作品を引き合いに出し、更に「スピルバーグが最初にリンカーン役としてチョイスしたのはメリルだ」とジョーク連発して会場を笑わしてます。
「メリルのバージョンを見てみたかった」ってアンタ何言ってんの(笑) 奥さんが本当に嬉しそう。
主演女優賞
ジェシカ・チャステイン （ゼロ・ダーク・サーティ）
エマニュエル・リヴァ （愛、アムール）
クヮヴェンジャネ・ウォレス （ハッシュパピー バスタブ島の少女）
ナオミ・ワッツ （インポッシブル）
世界にひとつのプレイブック
85歳のエマニュエルさん（史上最年長ノミネート）、そして9歳のクヮヴェンジャネちゃん（史上最年少ノミネート）と話題を集めたこの部門、事実上はジェニファー・ローレンスとジェシカ・チャステインの一騎打ちという感じで、事前予想も見事にまっ二つでしたが、軍配はジェニファー・ローレンス。キャリア初のオスカー獲得です。
◆Jennifer Lawrence winning Best Actress – YouTube
プレゼンターは昨年の主演男優賞、ジャン・デュジャルダン。
受賞を知り、感激しながら檀上へと上がりつつ、ドレスの胸元を気にする「まだ脱いでない女優」ジェニファーちゃん（←何の話かは後述します）。
そのジェニファーちゃん、階段を上る途中でコケた！ ドレスで足元見えないから仕方ない。
つんのめったジェニファーちゃんにササッと駆け寄る紳士の正体はヒュー・ジャックマン！ 「ヒューさんオトコや！」とTwitterなどで大絶賛されてました。
監督賞
ミヒャエル・ハネケ （愛、アムール）
ベン・ザイトリン （ハッシュパピー バスタブ島の少女）
スティーヴン・スピルバーグ （リンカーン）
デヴィッド・O・ラッセル （世界にひとつのプレイブック）
ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日
今回のアカデミー賞で最もビックリしたのが監督賞。
大本命なはずのベン・アフレック、対抗馬と言われてたキャスリン・ビグローの2人ともノミネートされなかった今回の監督賞。前哨戦は予想通りというか、ベン・アフレックが獲りまくったことで「だからなんでオスカー候補にベン・アフレック入れなかったんだよ」と世界中から疑問視される展開に。
大本命不在の事前予想では「スピルバーグかな」と本命に推す声が多く、「これはラッセルあるかもよ」と直前に報じ始めたメディアも増え、「いやいやハネケの線もあるぞ」といろんな予想が挙がった中、アン・リーさんが獲るとは思わなかった！（事前予想で彼を予想したメディアがゼロだった訳ではないんですけどね）
◆Ang Lee winning the Oscar® for Directing – YouTube
プレゼンターはジェーン・フォンダとマイケル・ダグラス。
発表された直後の歓声がスゴイ。私もビックリして叫んだもんな～。日本での公開時期がドンピシャだった『ライフ・オブ・パイ』は、監督賞を始め今年最多の4部門でオスカーを獲得。かなり良い影響が出たのではないかと想像します。
作品賞
愛、アムール
ハッシュパピー バスタブ島の少女
ジャンゴ 繋がれざる者
レ・ミゼラブル
ライフ・オブ・パイ／トラと漂流した227日
リンカーン
世界にひとつのプレイブック
ゼロ・ダーク・サーティ
アルゴ
前哨戦から大旋風を巻き起こしていた『アルゴ』、あるいはスピルバーグの『リンカーン』、どちらが制するかと注目された作品賞ですが、さすがにここで『アルゴ』が負けたら今年のアカデミー賞は何やったんやってことになりますし、『アルゴ』勝利は順当な結果だと思います。
◆"Argo" winning Best Picture – YouTube
プレゼンターは御大ジャック・ニコルソン、かと思ったら途中でホワイトハウスに映像が切り替わり、ファーストレディのミシェル・オバマ大統領夫人が登場し、受賞作品を発表という展開。
「え？ まさか大統領つながりでリンカーン獲るの？」と最初は泡喰っちゃいましたが、前述の通り『アルゴ』がオスカー獲得。檀上では主演＆監督のベン・アフレックと共に、プロデューサーとして作品に参加したジョージ・クルーニーも歓喜の輪に。
監督賞のノミネートから外れるという悔しさを味わったベン。それゆえに作品賞を獲れた事は心の底から嬉しいとばかりに、スピーチで声を震わせながらも超早口で喋ってました。女優でもある奥さん、ジェニファー・ガーナーにも感謝の言葉を述べてました。
今年の司会者、セス・マクファーレンの評価
今年の司会は映画『テッド』で監督を務めただけでなく、主役のエロいクマの声も担当したエンターテイナー、セス・マクファーレン。司会っぷりについての評判は見事に賛否両論まっ二つでした。
批判的な人は「差別用語が多過ぎる」という論調を中心にしており、「オスカー史上最悪の司会のひとつ」とぶった斬ったメディアもありました。
『テッド』がR指定を受けている事もあり、彼がブラックユーモアを多用するだろうということは事前に誰もが予測していたこと。主催者側もそれを踏まえた上で起用したはずですので、その一点だけでセス・マクファーレンの司会っぷりを全否定するのは酷。演出もあるだろうし。
会場の笑いも十分に取れてたし、個人的にはとても楽しく大満足な授賞式でしたけどね。事実、今年のアカデミー賞は視聴者数が昨年よりも上昇したそうで、セスは結果をしっかり残しました。
ただ、「もう司会はしない」とTwitterでツイートしてたそうです。またやって欲しいなぁ。
「オ●●イ見たよ」の歌
オープニングは爆笑の連続でしたが、私はリアルタイム映像を観ただけで、WOWOWの同時通訳も聴いてないし、日本語字幕も見てないため、なぜ会場のみんなが笑ってるのか、どんな内容で笑いを取ってたのかが翌日まで判りませんでした。
内容が判って爆笑したうちの一つで、女優たちが「脱いだ」映画の作品名を合唱団と共に熱唱するシーンがありました。題して「オ●●イ見たよ」。
アン・ハサウェイのは『ブロークバック・マウンテン』で見たよー、ニコール・キッドマンのは『アイズ・ワイド・シャット』で見たよー、という風に次から次へと女優＆作品名が歌詞に登場する内容。
単純に「脱いでる」作品を羅列するのではなく変化も付けて、たとえば「ジェニファー・ローレンスのは見てないなー」と歌って、会場にいるジェニファー本人がイェイ！と可愛くガッツポーズ取ってたり、自分の名前と作品名を言われたシャーリーズ・セロンが苦虫つぶしてたり。
※ジェニファー・ローレンスの髪形が授賞式当日と違ってたことなどから、この歌のパートは事前に録画されてたものだ、という説が有力です。
まだ一度も映画で脱いでないスカーレット・ヨハンソンは「携帯のを見たよー」と画像流出騒動の件をネタにされたり、オチではケイト・ウィンスレットの作品名が次から次へと「ハムレット、タイタニック、アイリス、リトルチルドレン」などと計7つも連発され（要するに「脱ぎ過ぎ」と…）、セス・マクファーレンの真骨頂って感じでした。
この歌がまた「女性差別だ」「下品すぎる」と批判の対象になったんですけどね。
どんな歌だったのか興味ある方は、YouTubeに動画があると思いますので、「Seth Macfarlane」「we saw your」あたりのキーワードで検索してみて下さい。非公式の動画しかないので、こちらのページにリンクは貼らないことをご了承下さいませ。
ちなみに「紹介された」女優さんの名前を書き連ねておきます。たぶん歌詞中に登場した順番になってると思います。
ナオミ・ワッツ
アンジェリーナ・ジョリー
アン・ハサウェイ
ハル・ベリー
ニコール・キッドマン
マリサ・トメイ
ジェニファー・ローレンス
クリステン・スチュワート
シャーリーズ・セロン
ヘレン・ハント
スカーレット・ヨハンソン
ジェシカ・チャステイン
ジョディ・フォスター
ヒラリー・スワンク
ペネロペ・クルス
ケイト・ウィンスレット
その他の受賞作品
『007 スカイフォール』
歌曲賞、音響編集賞の2部門を受賞。
Skyfall ( From \’Skyfall\’ )
007 スカイフォール
『メリダとおそろしの森』
アニメ映画賞を受賞。
メリダとおそろしの森
『愛、アムール』
外国語映画賞を受賞。
愛、アムール
『シュガーマン 奇跡に愛された男』
長編ドキュメンタリー映画賞を受賞。
シュガーマン 奇跡に愛された男
『ゼロ・ダーク・サーティ』
音響編集賞を受賞。『007 スカイフォール』とのダブル受賞。
ゼロ・ダーク・サーティ
『アンナ・カレーニナ』
衣裳デザイン賞を受賞。
