興奮さめやらぬうちに速報!
3月3日(日本時間)にアメリカで開催された第86回アカデミー賞授賞式。日本ではWOWOWが独占生中継していました。
そんな私はネットのストリーミング中継で生放送を見たのですが、授賞式終了直後から興奮さめやらぬうちにエントリーを書いてます。全部門の受賞結果と簡単な感想をまとめてみました。
作品賞
『アメリカン・ハッスル』
『キャプテン・フィリップス』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『ゼロ・グラビティ』
『her/世界でひとつの彼女』
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
『あなたを抱きしめる日まで』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
それでも夜は明ける
今年は9作品がノミネート。事前予想では『それでも夜は明ける』『アメリカン・ハッスル』『ダラス・バイヤーズクラブ』『ゼロ・グラビティ』などが有力で、実質的には『それでも…』が最有力と聞いてました。下馬評通りの作品賞獲得。
個人的には『ダラス』に獲って欲しかったんですが、作品賞としては厳しかったかな。今回「大旋風」を巻き起こした『ゼログラ』も作品賞としては弱いかなという事前予想が多く、その通りになっちゃいました。
◆"12 Years a Slave" winning Best Picture – YouTube
※プレゼンター:ウィル・スミス
個人としてはオスカー獲得の経験がないブラッド・ピットですが、今作ではプロデューサーとして遂に悲願のオスカーを獲得。壇上で最初に挨拶してます(ブラピは出演もしてます)。
監督賞
スティーヴ・マックィーン – 『それでも夜は明ける』
アレクサンダー・ペイン – 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
デヴィッド・O・ラッセル – 『アメリカン・ハッスル』
マーティン・スコセッシ – 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
ゼロ・グラビティ
事前予想ではスティーヴ・マックィーン監督が本命、デヴィッド・O・ラッセル監督が対抗、大穴でマーティン・スコセッシ監督、いやいやアルフォンソ・キュアロン監督も十分あり得るぞ、ってな感じでしたが、『ゼログラ』ここでも強かった。
◆Alfonso Cuarón winning the Oscar® for Directing "Gravity" – YouTube
※プレゼンター:アンジェリーナ・ジョリー、シドニー・ポワチエ
主演男優賞
クリスチャン・ベール – 『アメリカン・ハッスル』
ブルース・ダーン – 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
レオナルド・ディカプリオ – 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
キウェテル・イジョフォー – 『それでも夜は明ける』
ダラス・バイヤーズクラブ
これはマシュー・マコノヒーとレオナルド・ディカプリオの一騎打ちという感じでした。どちらが獲っても初オスカー。
特にレオナルド・ディカプリオは幾度となくノミネートされても全然獲れず、評価の高い作品に出演したのに自分だけノミネートすらされないこともあり(昨年の『ジャンゴ』なんてまさにソレ)、遂に悲願達成なるか!と注目されてました。
一方のマシュー・マコノヒーはここ数年で注目作品に次々と出演し、「消えてた時期」を脱して評価が急上昇。当ブログでも大プッシュしてました。今作でもHIV患者を演じるため物凄い減量でガリガリ体型になって好演。
肉体改造ではコチラも強烈なクリスチャン・ベール。今回の作品でデブデブに太って怪演しましたが、前述の二人が事前予想では強かった。クリスチャン・ベールも大好きなんですけどねー。今回は相手が悪かった。
結果はマシュー初オスカー。嬉しい気持ちと、ディカプリオ無念という気持ちが半々でした。
◆Matthew McConaughey winning Best Actor – YouTube
※プレゼンター:ジェニファー・ローレンス(前年の主演女優賞)
マシューが壇上に上がる直前、ディカプリオとハグしてるシーンでちょっと感動しました。
主演女優賞
エイミー・アダムス – 『アメリカン・ハッスル』
サンドラ・ブロック – 『ゼロ・グラビティ』
ジュディ・デンチ – 『あなたを抱きしめる日まで』
メリル・ストリープ – 『8月の家族たち』
ブルージャスミン
『ゼログラ』大旋風だったので、これはもしかしてサンドラ獲っちゃうんじゃないか?と大期待しちゃったのですが(=好きなんです)、ケイト・ブランシェットの名前が呼ばれた瞬間、脱力して床に崩れ落ちましたわ。
いや、キライじゃないんですけどね、ケイトさんも。『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフ役なんてハッとする美しさだし。でもサンドラ獲って欲しかった。残念。
オスカー常連のメリルさんは今年もしっかりノミネートされてましたが、ちょい弱かった。
あとは、メリルさんに負けず劣らず毎年何かしらノミネートされ、今や常連となったエイミー・アダムスは今年も獲れなかった。ディカプリオと同じくエイミーも縁がないなぁ…。好きな女優さんなので、そろそろ彼女にも獲って欲しいのだけど。
◆Cate Blanchett winning Best Actress for "Blue Jasmine" – YouTube
※プレゼンター:ダニエル・デイ=ルイス(前年の主演男優賞)
助演男優賞
バーカッド・アブディ – 『キャプテン・フィリップス』
ブラッドレイ・クーパー – 『アメリカン・ハッスル』
マイケル・ファスベンダー – 『それでも夜は明ける』
ジョナ・ヒル – 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
事前予想では圧倒的にジャレッド・レト強し!と聞いてました。大本命のジャレッドがそのまま獲得。『ダラス』は主演男優と助演男優を獲得したことで、制作陣も嬉しかったのではないでしょうか。
余談ですが、ブラッドレイ・クーパーとジョナ・ヒルが呉越同舟とばかりにレッドカーペットで肩を組みながらインタビューに応じてたのが微笑ましかったです。
◆Jared Leto winning Best Supporting Actor – YouTube
※プレゼンター:アン・ハサウェイ(前年の助演女優賞)
助演女優賞
サリー・ホーキンス – 『ブルージャスミン』
ジェニファー・ローレンス – 『アメリカン・ハッスル』
ジュリア・ロバーツ – 『8月の家族たち』
ジューン・スキッブ – 『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
新星ルピタ・ニョンゴは事前予想でも評価が高かった。個人的にはジェニファー・ローレンスの2年連続あるんじゃないかと期待してたのですが、届かなかったか〜。
ジュリア・ロバーツは直前にスキャンダルで大騒動になっちゃったのが響いたのかな。関係なかったのかな。
◆Lupita Nyong'o winning Best Supporting Actress – YouTube
※プレゼンター:クリストフ・ヴァルツ(前年の助演男優賞)
脚本賞
『アメリカン・ハッスル』
『ブルージャスミン』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
her/世界でひとつの彼女
◆Spike Jonze winning Best Original Screenplay for "Her" – YouTube
※プレゼンター:ペネロペ・クルス、ロバート・デ・ニーロ
脚色賞
『ビフォア・ミッドナイト』
『キャプテン・フィリップス』
『あなたを抱きしめる日まで』
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
◆John Ridley winning Best Adapted Screenplay for "12 Years a Slave" – YouTube
※プレゼンター:ペネロペ・クルス、ロバート・デ・ニーロ
長編アニメ映画賞
『クルードさんちのはじめての冒険』
『怪盗グルーのミニオン危機一発』
『アーネストとセレスティーヌ』
『風立ちぬ』
宮崎駿監督の『風立ちぬ』は受賞を逃しました。この部門は他が強すぎた。
◆"Frozen" winning Best Animated Feature Film – YouTube
※プレゼンター:キム・ノヴァク、マシュー・マコノヒー
外国語映画賞
『オーバー・ザ・ブルースカイ』(ベルギー)
『The Missing Picture』(カンボジア)
『偽りなき者』(デンマーク)
『Omar』(パレスチナ)
◆"The Great Beauty" winning the Oscar® for Foreign Language Film – YouTube
※プレゼンター:ヴィオラ・デイヴィス、ユアン・マクレガー
長編ドキュメンタリー映画賞
『アクト・オブ・キリング』
『キューティー&ボクサー』
『Dirty Wars』
『The Square』
バックコーラスの歌姫たち
◆"20 Feet from Stardom" winning Best Documentary Feature – YouTube
※プレゼンター:ブラッドリー・クーパー
出演者の一人、ダーレン・ラヴの熱唱による受賞スピーチは感動的でした。場内スタンディング・オベーション。
短編ドキュメンタリー映画賞
『CaveDigger』
『Facing Fear』
『Karama Has No Walls』
『Prison Terminal: The Last Days of Private Jack Hall』
◆"The Lady in Number 6: Music Saved My Life" winning Best Documentary Short – YouTube
※プレゼンター:ケイト・ハドソン、ジェイソン・サダイキス
短編実写映画賞
『Aquel No Era Yo (That Wasn’t Me)』
『全てを失う前に』
『Pitääkö Mun Kaikki Hoitaa? (Do I Have to Take Care of Everything?)』
『The Voorman Problem』
◆"Helium" winning Best Live Action Short – YouTube
※プレゼンター:ケイト・ハドソン、ジェイソン・サダイキス
短編アニメ映画賞
『Feral』
『ミッキーのミニー救出大作戦』
『九十九』
『Room on the Broom』
森田修平監督の『九十九』は受賞を逃しました。
◆"Mr. Hublot" winning Best Animated Short Film – YouTube
※プレゼンター:キム・ノヴァク、マシュー・マコノヒー
作曲賞
『やさしい本泥棒』
『her/世界でひとつの彼女』
『あなたを抱きしめる日まで』
『ウォルト・ディズニーの約束』
◆Steven Price winning Best Original Score for "Gravity" – YouTube
※プレゼンター:ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス
ジェイミー・フォックスが「炎のランナー」を歌ってます。
歌曲賞
Happy – 『怪盗グルーのミニオン危機一発』
The Moon Song – 『her/世界でひとつの彼女』
Ordinary Love – 『マンデラ 自由への長い道』
当初ノミネートされていた「Alone, Yet Not Alone」は、作曲者の不正行為が発覚したため候補から外されたそうです。『マンデラ 自由への長い道』のテーマソング「Ordinary Love」はU2の楽曲で、授賞式でも演奏したのですが、ストリーミングの調子が悪くて見ることが出来ず…無念。
◆"Let It Go" from "Frozen" winning Best Original Song – YouTube
※プレゼンター:ジェシカ・ビール、ジェイミー・フォックス
音響編集賞
『オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜』
『キャプテン・フィリップス』
『ホビット 竜に奪われた王国』
『ローン・サバイバー』
◆"Gravity" winning the Oscar® for Sound Editing – YouTube
※プレゼンター:シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース
録音賞
『キャプテン・フィリップス』
『ホビット 竜に奪われた王国』
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
『ローン・サバイバー』
◆"Gravity" winning the Oscar® for Sound Mixing – YouTube
※プレゼンター:シャーリーズ・セロン、クリス・ヘムズワース
セリフ忘れて動揺するシャーリーズ・セロン、可愛らしいですなー。
美術賞
『それでも夜は明ける』
『アメリカン・ハッスル』
『ゼロ・グラビティ』
『her/世界でひとつの彼女』
華麗なるギャツビー
◆"The Great Gatsby" winning the Oscar® for Production Design – YouTube
※プレゼンター:ジェニファー・ガーナー、ベネディクト・カンバーバッチ
撮影賞
『グランド・マスター』
『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』
『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
『プリズナーズ』
◆"Gravity" winning Best Cinematography – YouTube
※プレゼンター:エイミー・アダムス、ビル・マーレイ
ビルさんがエイミーさんを口説いてます。
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『ジャッカス/クソジジイのアメリカ横断チン道中』
『ローン・レンジャー』
◆"Dallas Buyers Club" winning the Oscar® for Makeup and Hairstyling – YouTube
※プレゼンター:ナオミ・ワッツ、サミュエル・L・ジャクソン
衣裳デザイン賞
『それでも夜は明ける』
『アメリカン・ハッスル』
『グランド・マスター』
『The Invisible Woman』
◆"The Great Gatsby" winning the Oscar® for Costume Design – YouTube
※プレゼンター:ナオミ・ワッツ、サミュエル・L・ジャクソン
編集賞
『それでも夜は明ける』
『アメリカン・ハッスル』
『キャプテン・フィリップス』
『ダラス・バイヤーズクラブ』
◆"Gravity" winning the Oscar® for Film Editing – YouTube
※プレゼンター:アナ・ケンドリック、ガボレイ・シディベ
視覚効果賞
『ホビット 竜に奪われた王国』
『アイアンマン3』
『ローン・レンジャー』
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』
◆"Gravity" winning the Oscar® for Visual Effects – YouTube
※プレゼンター:エマ・ワトソン、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
総評
今年の最多部門受賞作品は『ゼロ・グラビティ』。10部門ノミネートのうち7つのオスカーを獲得するという大躍進でした。
同じく10部門にノミネートされ、『ゼロ・グラビティ』と並び今年の最多ノミネート作品だった『アメリカン・ハッスル』は1つも賞を獲れなかったという結果に。前評判は高かったはずなんですけどね。毎年、こういう作品はどうしても出てきます。
今年の司会者はエレン・デジェネレス。客席の俳優陣に「お腹が空いたのでピザ頼むけど食べる?」と聞いたかと思ったら本当に宅配ピザを注文したり(ハリソン・フォードがマジ喰いモードになってた)、太っ腹かと思わせておいて俳優陣にピザ代を請求したり(ブラピが悔しそうにお金を渡してた)、笑いを取ってました。
さらには、こんな爆笑シーンまで。
▲ 最初はメリル・ストリープに「アナタはオスカーに18回ノミネートという記録を打ち立てたけど、私は『最もリツイートされた写真』という別の記録を作りたい」と言ってツーショットを撮ろうとしますが、背後にいたジュリア・ロバーツに「一緒に入って」と勧誘。その後も周囲の俳優陣を続々と呼び集め、気付けば大変な人数に。
「僕が撮るよ」と申し出たブラッドリー・クーパーに対して「いいえ、撮るのは私」と最初は断ってたエレンさん。しかし最後はブラッドリーがパチリとタブレットで撮影。
▲ これが撮影された写真。左から順に、
◆ジェニファー・ローレンス(赤いドレス)
◆チャニング・テイタム(ジェニファーの後ろの男)
◆メリル・ストリープ(メガネの女性)
◆エレン・デジェネレス(司会者)
◆ジュリア・ロバーツ(エレンさんの背後)
◆ケヴィン・スペイシー(最後方でオスマシ)
◆ブラッドリー・クーパー(最前列、撮影者)
◆ブラッド・ピット
◆ルピタ・ニョンゴ
◆ピーターくん(ルピタ・ニョンゴの兄、一般人)
◆アンジェリーナ・ジョリー(手を振ってる)
以上の豪華な面々。
司会のエレンさん、この写真をすぐTwitterに流したそうで、一瞬でリツイート10万件オーバーというとんでもない勢いになり、一時的にTwitterのサーバーがダウンしちゃいました。
途中、確かにツイートできない時間があったのは気付いてました。まさかアカデミー賞司会者のせいだったとは。最終的には190万RTを超え、リツイートの新記録を更新したそうです。
毎年、とても楽しみにしているアカデミー賞授賞式。本国アメリカでは毎回視聴率や司会者の評判で論争を呼ぶんですけど、一人の映画ファンとしては毎回笑わせてもらえる、そして映画の素晴らしさを再確認できる、とても素敵なセレモニーです。今年も楽しめました。
その他受賞作品、ノミネート作品
★アメリカン・ハッスル
10部門にノミネート。
アメリカン・ハッスル
★キャプテン・フィリップス
6部門にノミネート。
キャプテン・フィリップス
★ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
6部門にノミネート。
ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
★あなたを抱きしめる日まで
4部門にノミネート。
あなたを抱きしめる日まで
★ウルフ・オブ・ウォールストリート
5部門にノミネート。
ウルフ・オブ・ウォールストリート
★8月の家族たち
2部門にノミネート。
8月の家族たち
★ホビット 竜に奪われた王国
3部門にノミネート。
ホビット 竜に奪われた王国
★ローン・レンジャー
※2部門にノミネート。
ローン・レンジャー
★怪盗グルーのミニオン危機一発
※2部門にノミネート。