トーナメント1回戦 スイスvsポーランド
グループステージの全試合が終わり、2日間の休みを経ていよいよ本日より決勝トーナメントが始まりました。
▲ スイスはグループAを1勝2分で2位通過。今大会でまだ負けていません。
▲ ポーランドはグループCを2勝1分で、こちらも2位通過。スイスと同様にポーランドもグループステージでは負けておらず、しかもポーランドは失点を許していません。
両チームともに、EUROの決勝トーナメントに進出したのは今回が初めてとなりました。
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試合開始直後、スイスGKと守備陣の連携ミスを突いてポルトガルの攻撃陣がペナルティーエリア内に突進。
パスを奪ったポーランド7番ミリクがペナルティーエリア内で放ったシュートは空高く枠の外。
ポーランドのエース、レヴァンドフスキが今大会は厳しいマークに合ってることや、ボールが回ってこないためか自分からポジションを下げてることもあり、あんまりシュート機会がありません。
それもあってポーランドは失点ゼロだけど得点も2点のみと、EURO予選で全チーム中最多得点を奪った破壊力が完全に影を潜めた形となっています。
レヴァンドフスキがシュートを打てない中、もう一人のフォワードとして期待されてるはずのミリク。初戦でゴールは決めたものの、2戦目以降はシュートをふかしまくって批判も浴びています。
今試合も再びミリクはゴール前の決定機でことごとくシュートをふかしまくってしまいました。彼が得点源にならないとポーランドは厳しいんですけどねー。
▲ 前半39分、スイスのセットプレーを守り抜いたポーランドのカウンター攻撃。
11番グロシツキのドリブル突破から反対サイドにクロス。これを中央で7番ミリクがスルー。完全フリーで受け取った16番ブワシュチコフスキがゴールに蹴り込む。前半の終盤でポーランド先制。
ブワシュチコフスキは前節のウクライナ戦でもゴールを決めており、これで2試合連続の得点。ミリクのシュートが期待薄な今、彼の得点への嗅覚は魅力的。
▲ 後半36分、スイス23番シャチリが浮き球を捻りながらのジャンピングボレー。これがゴールに突き刺さるスーパーゴールとなり、スイスが同点に追い付きました。ポーランドはこれが今大会の初失点。
2014年ワールドカップでも得点を量産したシャチリ、ようやく本領発揮の今大会初ゴール。
1-1のまま後半終了。今大会初の延長戦に突入しました。
延長は前後半ともスイスが圧倒的に攻めてました。しかし得点は決まらず、30分が経過。これまた今大会初のPK戦に突入しました。
スイス2人目、10番ジャカはキーパーの反応と逆方向に蹴ったものの、ボールは枠の外へ。
▲ 一方のポーランドは5人全員がPKを決め、ポーランドが勝利。準々決勝進出を決めました。
トーナメント1回戦 ウェールズvs北アイルランド
▲ ウェールズはグループBを2勝1敗で1位通過。
グループBでは同じ英国であるイングランドと同組でしたが、トーナメント1回戦でも同じく英国である北アイルランドと対戦するというのは、イギリスがEU離脱に決まってしまった直後だけに、何とも不思議な縁を感じます。ですが多分関係ありません。
▲ 北アイルランドはグループCを1勝2敗の3位通過。強豪国であるドイツとポーランドの2チームと引き分けた守備力が評価されています。あとサポーターの応援が熱い。
ウェールズ、北アイルランド共にEURO初出場、決勝トーナメントにも初登場となりました。
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▲ 前半18分、ウェールズはサイドからのクロスを18番ヴォークスがヘディングで落とし、最後は10番ラムジーが足でチョコンと蹴り込み、ボールをゴール内へ。
しかし判定はオフサイド。誰がどう見てもオフサイド。前半、ウェールズの決定的チャンスはこれだけでした。
前半のウェールズはパスミスが多く、途中でことごとく連携を潰し、ボールを相手にプレゼントしてばかり。
一方の北アイルランドは、決勝トーナメントに進出した全16チームの中でグループステージ3試合でのボール支配率が最も低かったのですが、この試合ではむしろ北アイルランドのほうが優勢に攻めていました。
▲ 後半12分、ウェールズ11番ベイルが好位置でフリーキックを獲得。蹴るのはもちろんベイル本人。
ベイルの蹴ったボールは今回も見事に枠内に飛んだものの、GKマクガバンが好セーブ。
決まればEURO史上初となる大会3本目のフリーキックによる得点だったんですけどね。残念。
後半途中から10番ラムジーのポジションを1つ後ろに下げたことで、ようやくパスが効果的に繋がり始めたウェールズは徐々に攻撃のテンポが良くなり優勢となっていきます。
▲ 後半30分、ウェールズ11番ベイルのサイドからのクロスをクリアーしようとした北アイルランド4番マッコーリーが痛恨のオウンゴール。ウェールズ先制。
すぐ後ろに詰めてたウェールズ選手のタイミングが微妙だったこともあり、オウンゴールがなければ得点は決まってなかった気がするものの、ひとまず先制点を決めてベイル始めウェールズ選手たちは大喜び。
アディショナルタイム、北アイルランド最後の猛攻をウェールズが耐えて試合終了。接戦を制したウェールズが1-0で逃げ切り、準々決勝進出を決めました。
▲ 試合終了後は選手のご家族もピッチに降りてきて勝利を祝ってました。写真に写ってるのはベイルの娘さん。とても微笑ましい光景ですよね。
トーナメント1回戦 クロアチアvsポルトガル
▲ クロアチアはグループDを2勝1分で1位通過。
日本代表のハリルホジッチ監督が「優勝するのはクロアチアじゃないか」と予想するほど、今大会では強さが目立っています。私も「クロアチアは決勝行くんじゃねえの?」とコッソリ予想してました。
前節のスペイン戦で負傷のため出場しなかった10番モドリッチと17番マンジュキッチが復帰して先発出場。
▲ ヤンキー的な外見や振る舞いが当ブログでも何かと話題の4番ペリシッチは、頭の左半分をクロアチア国旗にしてきました。もうヤンキーそのものです。
▲ ポルトガルはグループFで3引き分けの3位通過。
前節のハンガリー戦で3-3の激闘を終えてから中二日という忙しさ。先発メンバーを少し変えてきました。
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前半はお互いに慎重な試合運びで、なかなかゴール前での決定的チャンスが作れません。
後半はポルトガルが優勢。しかしエースのクリスティアーノ・ロナウドにパスが全然通らない。
後半も両チーム決め手に欠き、0-0で延長戦に突入。
延長後半7分、クロアチアのコーナーキック。ボールに反応して飛び出したポルトガルGKルイ・パトリシオが足を滑らせて転倒。この大チャンスにクロアチア21番ヴィダはヘディングをふかしちゃった。軽く当てるだけで1点入ってたのに。
延長後半11分、クロアチアの猛攻をしのいだポルトガルのカウンター攻撃。
珍しく自陣で守備に加わっていたロナウドがボールを奪い、パスを受けた16番レナト・サンチェスが長距離をドリブル突破。左サイドの17番ナニに繋いで反対サイドに走り込んでいたロナウドにスルーパス。
▲ スルーパスに走り込んだロナウド、すかさずノートラップシュート(ちなみにこのシュートが今試合ロナウドの初シュート)。これをGKスバシッチが好セーブ。
▲ しかし弾いて転がった先には20番クアレスマが走り込んでいた! クアレスマのヘディングシュートは無人のゴールへ。
シュートを止められたロナウドもガッツポーズする中、ポルトガルがワンチャンスをものにして試合終了間際に先制。
アディショナルタイムがそろそろ終わりそうな延長後半17分、クロアチアGKスバシッチも敵陣ペナルティーエリアに入り、全員攻撃によるクロアチアのセットプレー。
ゴール前で混戦となり、最後は21番ヴィダがまたしてもシュート失敗。
この試合、ことごとく絶好機でシュートを外したヴィダはガックリ。一方のロナウドは勝利を確信してガッツポーズ。
時にはエースのマンジュキッチが打つべきシュートをヴィダが横取りの形でシュート打ってしまい、それを外してマンジュキッチが怒ってる場面もありました。
そんなマンジュキッチも出場した全ての試合でシュートミスを連発し、今大会は全くイイとこなし。
そして試合終了。ポルトガルが120分の激闘を制して準々決勝進出を決めました。
ロナウドは試合の9割近くで消えており、ボールにもほとんど触れていなかったのですが、最後の最後で決定的な場面を作ったのはサスガというか何というか。
逆にクロアチアは攻めまくったものの、決定機を外しまくったのが痛かった。
クロアチアはシュート本数が17本。しかし枠内シュートは1本も無いという結果。これが全てを表してますね。
対するポルトガルはシュート本数がわずか5本、そのうち枠内シュートは最後の2本(ロナウドとクアレスマ)のみ。つまり延長後半の最後になるまでポルトガルはマトモに攻撃が出来てなかったんです。
ほとんどマトモに攻撃できてなかったポルトガルが勝利し、しかもボールにほとんど触れてなかったロナウドが最後に好機を演出し、一方で攻めまくってたクロアチアがミス連発で詰めも甘く、最後にやられちゃう。
これがサッカーにおける1点の重みであり、そして怖さ。見る側にしてみれば面白さでもあり醍醐味でもあります。
いやあ〜それにしても、ここでクロアチアが大会から姿を消しちゃうとは思わなかった。

▲ 1回戦最初の3試合が終了し、ポーランド、ポルトガル、ウェールズの3チームが準々決勝に進出しました。
得点王(6月25日現在)
本日現在の得点王争いは以下の通りです。
◆3得点 … モラタ(スペイン)
◆2得点 … クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
◆2得点 … パイェ(フランス)
◆2得点 … ナニ(ポルトガル)
◆2得点 … ジュジャーク(ハンガリー)
◆2得点 … ルカク(ベルギー)
◆2得点 … ブワシュチコフスキ(ポーランド)
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残念ながらチームが敗退して大会から姿を消してしまった選手に関しては、名前に線を引いています。
今日の試合でポーランドのブワシュチコフスキが1得点を決め、合計2得点で得点王争いに加わりました。トップの二人は変わらず。
6月26日の試合予定
大会15日目、6月26日に予定されている試合は以下の通り。
◆トーナメント1回戦 ドイツ vs スロバキア
◆トーナメント1回戦 ハンガリー vs ベルギー
優勝候補と言われているドイツ、フランス、ベルギーがトーナメント1回戦に登場します。
ただし、どの強豪国も「今ひとつ本調子ではない」と言われており、圧倒的な強さは感じられずミスも目立つため、対戦相手にとっては1回戦で当たるのが吉となる可能性もあります。
スロバキア、アイルランド、ハンガリーにも勝つチャンスは十分あるはず。ビッグ・サプライズがあるか注目しましょう。
ではでは、大会14日目のEUROレビューでした。