【EURO2016】フランスとアルバニアの死闘、そしてロシアは病気が再発(6/15)

2016年6月16日

グループB ロシアvsスロバキア

▲ ロシアは初戦、イングランドと1-1で引き分け。

▲ 一方のスロバキアはウェールズに1-2で敗れました。両チームとも第2戦は勝ちが欲しいところ。

なお、ロシアは初戦のイングランド戦の試合前や試合後、サポーターがスタジアム内外で暴動行為を連発したため罰金処分を受けました。

再び暴動が発生するようであれば失格になる可能性があることも発表されています。頑張る選手やチームを応援するどころか地獄に突き落とすようなサポーターの愚行がこれ以上繰り返されないことを祈るのみ。

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▲ 前半31分。センターライン付近からのロングフィードに抜け出したスロバキア7番ヴァイス、ペナルティーエリア内で切り返し、相手二人をかわしてからシュート。これが決まってスロバキアが先制。

さらに前半44分、スロバキアがショートコーナー。

ロシア守備陣の陣形が整わないうちにスタートさせた7番ヴァイスからボールをもらった17番ハムシーク、単独でペナルティーエリア内に斬り込んでから見事なシュート。スロバキアが前半で早くも2点差とします。

ロシアは相手ペナルティーエリア内に侵入することが出来ず、重篤な「ペナルティーエリアの外から枠外ミドルシュート病」が今回も各地で発症してしまいます。

例えば日本代表の試合でも、ペナルティーエリア内に侵入せず遠目からミドルシュートを選択する場面があります。

特にアジア予選で顕著ですが、対戦相手がいわゆる「ベタ引き」で自陣にて守備を固められてしまうと、攻撃する側がペナルティーエリア内に侵入してシュートを放っても、相手選手にブロックされるなどして得点が決まりづらい。

なのでペナルティーエリアの外からミドルシュートを放つことで、ゴール前に密集している相手守備陣に「こいつらミドルも打ってくるから危険だ、対応しなきゃ」と思わせ、守備を崩す効果もあります。

ただし、効果を生むのって「ミドルシュートが相手の脅威になる場合」だけなんですよ。ゴールの枠に飛ばないミドルシュートであれば、幾らでも打ってもらっていい訳です。失敗してくれれば自分たちのゴールキックになりますからね。

いくら打っても枠内に飛ばない、脅威にもならないシュートであれば、相手チームにしてみればラッキーなんです。ペナルティーエリアに侵入されたらヤバイけど、遠目からフカしたシュートばかり打ってくれれば、こんなにラクなことはない。

なので日本代表のミドルシュートはもっと決定率を上げないと警戒されないし、それはロシアも同じ。

ロシアに至っては長年に渡る病気ですので、「ミドルだったら打っていいよ、どうせ失敗するんでしょ」と相手に思われてるかもしれず、スロバキア側もミドルに関しては比較的自由に打たせてる感じがしました。

2年前のワールドカップでもヒドかった「ミドルシュートに取り憑かれてる病」がこの試合で再発してしまったので、ああーまたかよ、と嘆きながら見てました。少しドリブルすればペナルティーエリア内に侵入できるスペースあるのに外から打っちゃう。

そんなこんなでロシアは得点の匂いが全くしないミドルシュートを連発しまくり、やっぱり得点が決まらないまま前半終了。

▲ 後半34分、スロバキアのクリアミスを拾ったロシアが久々にペナルティーエリア内へ侵入。17番シャトフのクロスに8番グルシャコフがヘディングで合わせ、ロシアが1点を返しました。

こんなに華麗なパスワークが出来るんだから、サボってミドルばっかり打たずに入っていけばいんですよ。ラクしたって得点は生まれんのだから。

1点差となり残り10分。ロシアは同点に追い付くため攻撃の手を緩めず猛攻。しかしスロバキアが耐え抜き、試合終了。

スロバキアは初勝利で勝ち点3を獲得。一方のロシアは次のウェールズ戦に勝つしか道はなくなりました。とりあえずミドル打ちまくるのヤメレ。

グループA ルーマニアvsスイス

▲ ルーマニアは開幕戦で開催国フランスに1-2で敗北。

▲ 一方のスイスは初戦、アルバニアに1-0で勝利しています。

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前半17分、ルーマニアが敵陣ペナルティーエリアに侵入。ドリブルで突進する7番キプチュをスイス2番リヒトシュタイナーが倒してしまいます。

「ユニフォームを引っ張って倒した」のをすぐ近くで見ていた主審はPKの判定

▲ PKを蹴るのは、1試合目のフランス戦でもPKを決めた19番スタンク。冷静に蹴り込んでルーマニア先制。

それまでむしろ優勢だったスイス、先制されたことで更に攻撃モードが加速。ゴール前で何度もチャンスを作るが決められません。

ルーマニアはスイスの猛攻を止めるためにファウルが増え始め、前半だけで3枚のイエローカードをもらってしまいます。

前半のスイスはボール支配率が63パーセント。シュート本数もルーマニアの7本に対してスイスは10本と、いずれも上回っているけれど結果が伴なわず。

▲ 後半11分、スイスのコーナーキック。ゴール前からのこぼれ球に走り込んだスイス18番メフメディが強烈なシュート。

これが決まってスイス同点に追い付きました。

激しい攻防、しかし両チームとも決め手を欠き、同点のまま試合終了。この引き分けでグループAの行方が面白いことになってきました。もう一方の試合はどうなったか。

グループA フランスvsアルバニア

▲ フランスは初戦のルーマニア戦、最後にパイェのスーパーゴールが決まり勝利しましたが、チームとしての出来が良くなかったとメディアから不安視する報道が成されています。

この試合ではスター選手であるポグバとグリーズマンを先発から外してきました。

▲ アルバニアは主将ツァナがスイス戦でレッドカードをもらったことにより、この試合は出場停止。兄弟対決で話題となったジャカ兄も先発から外してきました。

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両チームとも前半から激しい攻防。中盤でボールを奪い合い、ゴール前でチャンスもつかむが決められず。スコアレスで後半へ。

フランスは後半開始時から15番ポグバを投入。後半途中からは7番グリーズマンも投入してきました。

後半6分、アルバニア4番ヒュサイのクロスに合わせてペナルティーエリア内で9番メムシャイが押し込む。ボールは惜しくもポスト。

ここから目が覚めたか、フランスが猛攻を開始。アルバニアは守備に追われて攻めることができなくなりますが、高い集中力でフランスの猛攻を防ぎ続けます。

後半23分にはフランス9番ジルーのヘディングシュートがポスト直撃(ジルーはその1分前にもヘディングシュートを失敗)。

初戦ではパッとしないながらも1得点を決めたジルー、今回はことごとくシュートを外して初戦以上にパッとしないまま後半途中に交代。

▲ このまま引き分けで試合終了かと思われた後半45分、左サイドからフランス4番ラミのクロスに7番グリーズマンがヘディングで合わせ、遂にフランスが得点を決めた!

後半途中から交代で入っていたグリーズマン、初戦では不振でしたが、ようやく結果を出しました。

アルバニアは執念の堅守でフランス怒濤の攻撃をことごとく潰していましたが、さすがに最後は疲労で足が動かなくなってしまい、足をつる選手が続出。

▲ アディショナルタイム5分が取られた後半50分、アルバニア選手のクロスをブロックしたフランスがカウンター攻撃。

15番ポグバが蹴り出した超ロングパスから、最後は8番パイェが相手守備陣を切り返してかわし、鮮やかなシュート。

パイェの2試合連続となるゴールでフランス追加点。まさに「ダメ押し」。

▲ 2試合連続で殊勲のパイェ、大興奮でコーナーフラッグにドロップキック。

観客大熱狂の中、試合終了。フランスは2連勝で決勝トーナメント進出をほぼ確実にしました。

敗れはしたものの、アルバニアは恐るべき堅守でフランスを苦しめましたが、最後の最後に崩されてしまいました。2点差負けですが素晴らしい闘いでした。

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▲ グループAは2試合目を終えてフランスが勝ち点6。決勝トーナメント出場を確定させました。

勝ち点がないアルバニアは次の試合で勝って3位以上を狙うしかありません。今回のEUROは各グループ3位の中から4チームが決勝トーナメントに進出できるので、全てのチームに最後までチャンスがあります。

グループBは、スロバキアが勝ち点3を獲得して暫定2位に浮上しています。

6月16日の試合予定

大会7日目、6月16日に予定されている試合は以下の通り。

◆グループB 「イングランド vs ウェールズ」
◆グループC 「ウクライナ vs 北アイルランド」
◆グループC 「ドイツ vs ポーランド」

グループBでは今大会注目カードの一つ、イギリスの隣国同士であるイングランドとウェールズが激突します。ベイルを中心としたウェールズがイングランドから勝利を奪えるか。

グループCでは、こちらも因縁の対決であるドイツとポーランドの一戦が行われます。

ではでは、大会6日目のEUROレビューでした。

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