トーナメント準々決勝 ポーランドvsポルトガル
6月10日に開幕したEURO2016もいよいよ終盤。大会ベスト8が出揃い、準決勝進出を賭けて強豪チーム同士の好カードが連続します。
まず準々決勝の第1試合はポルトガルとポーランドの闘い。
▲ ポーランドは1回戦でスイスと対戦。グループステージでは無失点でしたが、スイスのシャチリにスーパーゴールを決められ、初失点。
試合は引き分けのまま、トーナメント1回戦では唯一となったPK戦を制して勝ち上がりました。
▲ ポルトガルは1回戦で優勝候補のクロアチアと対戦。試合終盤にカウンター攻撃から劇的に決めた決勝点で勝ち上がってきました。
1回戦で決勝の起点となった18歳の16番レナト・サンチェスがこの試合で初先発。
試合はいきなり動きます。
▲ 試合開始早々の前半2分、ポーランド自陣からのロングフィードにポルトガル21番セドリックが目測を誤るミス。この隙を突いてポーランドにチャンス到来。
ドリブルでサイドを駆け抜けたポーランド11番グロシツキからの低いクロスにゴール前中央であわせた9番レヴァンドフスキがノートラップで蹴り込む。
これがズドンと見事に決まってポーランドいきなり先制。
今大会予選でレヴァンドフスキは全選手中最多の得点を決めていたものの、本大会に入ってからは試合を組み立てる側に回り、シュートチャンスがほとんどありませんでした。
ここまでは自らが潰れ役やパス供給役となって7番ミリクにシュートを打たせるパターンばかりでしたが、今回はミリクが潰れ役として前に行き、後方からレヴァンドフスキがシュートという、今までとは逆のポジショニングでようやく初ゴール。
ブンデスリーガの得点王がようやくEUROでも得点を決めましたが、ポルトガルも黙っていません。
▲ 前半33分、サイドから切り込んだポルトガル16番レナト・サンチェス、17番ナニのワンツーパスをもらってペナルティーエリア外からミドルシュート。
相手ディフェンダーの体に当たったこともあり、カーブのような弧を描いてゴールの端に決まって、ポルトガル同点。
18歳のレナト・サンチェス、期待に応えて結果を出しました。EUROが終わってから始まる次期シーズンではドイツの強豪・バイエルンに移籍することが既に決まっています。
▲ 後半40分、ポルトガル8番ジョアン・モウティーニョが後方からフワリと浮かせたクロスに裏を取った7番クリスティアーノ・ロナウド、ノートラップボレーを狙うも痛恨の空振り(3試合ぶり2回目)。
今大会の初戦で見せたのと全く同じシチュエーション。デジャヴかと思わせる空振りに、前回は苦笑していたロナウド、今回はさすがに笑えなかった。
両チーム決め手に欠き、試合は延長戦に突入。しかし、お互い疲れ切ってしまったか、両チームとも決定機を作ることが出来ず延長戦も終了し、PK戦に突入。ポーランドは2戦連続のPK戦。
▲ ポルトガルの1人目はクリスティアーノ・ロナウド。今大会でPKを一度失敗してるが、今回は……無事成功。
もし今回も外しちゃったら、アルゼンチンの誰かみたいに「代表を引退する」とか言い出しかねないからな…。見てるこっちも緊張したわ…。
▲ 味方のPKを直視できないのか、仲間たちの背後からコッソリ見ているロナウド。
そういえば昔、日本代表の監督してたオシムさんはPK戦の開始前に「心臓に悪いから見ない」と言ってロッカールームに帰ってたけど、そりゃ緊張しますわなー。
ポーランド4人目の16番ブワシュチコフスキが蹴ったボールは、ポルトガルGKルイ・パトリシオが手で弾く好セーブ。PK失敗。
ポルトガルは5人全員がキッチリ決め、PK戦に勝利。ポルトガルが接戦を制して準決勝進出を決めました。
歓喜のウイニング・ランを始めた選手たち。さっきまで小心者モードだったロナウドは安堵の決めポーズ。
ポーランドはあと1歩のところで及ばず惜敗。大会から姿を消すことになってしまいました。
今日はレヴァンドフスキがいつもよりも前線中央にポジショニングしていたので、これまでの試合よりも得点の可能性を感じさせる場面が多々ありました。
しかし7番ミリクが今日も大ブレーキ。枠内に飛んだシュートは1本もなかったんじゃないかな。レヴァンドフスキが得点源として機能しない時の決定力不足が露呈してしまった結果となりました。

▲ ポルトガルがベスト4進出の一番乗り。準決勝で対戦するのはウェールズか、それともベルギーか。
得点王(6月30日現在)
本日現在の得点王争いは以下の通りです。
◆3得点 … グリーズマン(フランス)
◆3得点 … モラタ(スペイン)
◆2得点 … クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
◆2得点 … ナニ(ポルトガル)
◆2得点 … パイェ(フランス)
◆2得点 … ルカク(ベルギー)
◆2得点 … マリオ・ゴメス(ドイツ)
◆2得点 … ペッレ(イタリア)
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上位選手に変動はありません。ポーランドのブワシュチコフスキはチームが敗退し、得点王の可能性が消滅したため線を引いています。
7月1日の試合予定
大会18日目、7月1日に予定されている試合は以下の通り。
初出場ながら快進撃を続けているウェールズ。大黒柱のベイルはレアル・マドリードの同僚クリスティアーノ・ロナウドが待つ準決勝で直接対決なるか。
対するベルギーはルカクが再覚醒するか、それともヤラかしまくるか注目。1回戦で大活躍したアザールとベイルの高速ドリブル対決も必見。
ではでは、大会17日目のEUROレビューでした。