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【EURO2016】ドイツvsイタリア、守護神の意地をかけた壮絶PK戦(7/2)

2016年7月3日

トーナメント準々決勝 ドイツvsイタリア

▲ ドイツはトーナメント1回戦でスロバキアに3-0の快勝。今大会ここまで4試合を終えて6得点、そして失点ゼロ

あまり調子良くないと言われながら無失点でここまで来てるんだから、決して今のドイツが弱い訳ではありません。

▲ イタリアはトーナメント1回戦でスペインと対戦。前回EUROの決勝戦、同じスペインに0-4で完敗した屈辱を晴らす2-0の快勝でリベンジを果たしました。

GKブッフォンを休ませたグループステージ第3戦で1失点したのみなので、ブッフォン自身は今大会まだ無失点

ちなみに両チームは過去の対戦でイタリアが4勝4分0敗。つまりドイツは過去イタリアに一度も勝ったことがないという驚きのデータがあります。

チームの絶対的守護神であるノイアーとブッフォン、彼等から得点を奪うのはどちらか。

前半15分、ドイツ6番ケディラが足を負傷し、7番シュヴァインシュタイガーと交代。ドイツは試合開始早々に中盤の要の一人を失うことになってしまいました。

前半26分、ドイツ5番フンメルスのクロスに合わせて7番シュヴァインシュタイガーがヘディングシュート。

これが決まったものの、シュートの直前にシュヴァインシュタイガーが相手選手を押し倒しておりファウルの判定。残念ながらノーゴール。

前半はお互いにパスカット合戦。中盤で相手の攻撃を防ぎ、好守の入れ替わりが実に激しい試合展開でした。

両チームとも決定的な場面をほとんど作れないまま前半終了。

▲ 後半20分、ドイツ23番マリオ・ゴメスの絶妙なスルーパスから3番ヘクターがクロスで繋ぎ、ペナルティーエリア内に走り込んできた8番エジルがシュート。

GKブッフォンは反応したものの取れず。ドイツが遂に先制

今大会、ここまで良いところがなかった「持ってない男」エジル、遂に得点を決めて歓喜。イタリアは鉄壁のカテナチオを破られてしまいました。

正直、これで「ドイツ勝った」と私は思いました。だってイタリアの攻撃が次々と潰されてるし、ノイアーから点を取れる気がしなかったんだもん。

後半23分、ドイツ8番エジルのクロスに合わせて完璧にイタリア守備陣の裏を取った23番マリオ・ゴメス、胸でトラップしてから体の後ろ側で技ありのヒールシュート。しかしGKブッフォンが反応して好セーブ。

そのヒールシュートで足を傷めてしまったマリオ・ゴメス、プレー中に動けなくなり、後半26分に交代。代わりに投入されたのは前の試合で大活躍した11番ドラクスラー。

絶不調のゲッツェに代わって2試合に先発したマリオ・ゴメスは、ここまで1得点1アシストの素晴らしい結果を残しています。

後半31分、イタリアのコーナーキックをドイツ17番ボアテングが大きく頭上に挙げた手でブロック

突然バレーボール選手になってしまったボアテングの大胆なファウルに主審はPKの判定。そりゃそうだ。

WOWOW解説の都並氏によれば、ペナルティーエリア内で守備側(今回だとボアテング)が敵の背後についた時、手を下げた状態でジャンプしてしまうと、目の前の相手が倒れた時などに主審から「手で引っ張って倒した」と判断され、PKを取られることがあるんだとか。

なので「僕は手を使ってませんよ、引っ張ってませんよ」とアピールする意味で、守備側がセットプレーで競る際に手を挙げるのは良くあることらしいのですが、それにしてもバンザイしすぎやろ

▲ PKを蹴るのは19番ボヌッチ。細かいフェイントを織り交ぜながら蹴り込む。

GKノイアー、反応したものの届かず。シュートが決まってイタリアが同点に追い付いた!

ドイツは痛恨の今大会初失点。まさかバレーボールで失点するとは思わなかった。

その後は両チームとも一進一退の攻防が続き、90分終了。1-1のまま延長戦に突入。

延長前半2分、ドイツが右サイドのクロスから13番ミュラーがヘディングシュートに行こうとしたところをイタリア3番キエッリーニが潰してファウル。

キエッリーニのプレーと態度にカチンときたミュラー、「なんだよその態度は」とクレーム。

▲ GKブッフォンが「すまんすまん、アイツいっつも態度悪いの」と笑顔でミュラーをなだめてました。ブッフォンいい人。

キエッリーニはスウェーデン戦で「恐怖の大王」イブラヒモヴィッチを執念のマークで完封した人ですから、そんじゃそこらのことでは剥がれないし心も折れません。

延長の30分間もボールの奪い合いに終始。決着つかずPK戦に突入

▲ ノイアーとブッフォン、どちらも今日の試合で初失点を喫してしまった守護神同士の勝負。PK戦が始まる前にブッフォンはノイアーに歩み寄り笑顔でハグしてました。ブッフォンいい人。

PK戦、イタリアの2人目、7番ザザ。蹴る前に小細工を入れ過ぎ、シュートをふかして枠の外。PK失敗

ドイツの2人目、13番ミュラー。シュートをGKブッフォンが止めた! これで1-1の五分。

2010年南アフリカW杯で弱冠20歳にして得点王に輝いたミュラーですが、今大会ではまだ輝いてません。

ドイツ3人目、8番エジル。シュートは右ポストに直撃して外へ。PK失敗

また「持ってない人」に逆戻りしちゃったエジル。

エジルはPKが下手だとよく聞きますが、今大会では2本蹴って2本とも失敗。ホントPK下手なんだな…。

イタリアは3人目の15番バルザッリがPK成功し、この時点でイタリアが2-1とリード。

イタリア4人目、9番ペッレ。蹴る前に何事かをノイアーに対して宣言する駆け引きの後、シュートは大きく枠を外れる。PK失敗。カッコわる!

お互い4人が蹴り終わって2-2の五分。

▲ イタリア5人目は同点ゴールとなるPKを試合中に決めた19番ボヌッチ

シュートに反応して飛んだノイアーが見事に手で弾き、PK失敗!

ノイアー、さすがに同じ選手からPK2本は決めさせないという意地を感じさせました。イタリアは追い込まれた!

ドイツ5人目は7番シュヴァインシュタイガー。決めればドイツ勝利。

しかし、シュートは大きく枠を外れてゴールの上へ。ドイツもお付き合いしてPK失敗。2-2のまま、またしても五分に戻った!

PK戦は6人目に突入。イタリア、ドイツともに6人目から8人目まで3人連続でPK成功で互角。

▲ イタリア9人目は4番ダルミアン。右に蹴ったボールにノイアー反応して手で止めた! PK失敗! 再びイタリアは後がなくなった。

▲ ドイツ9人目は3番ヘクター

GKブッフォン、反応してボールに触ったものの止められず、ボールはブッフォンの腕の下を抜けて無情にもゴールへ。

ドイツが凄まじきPK戦を制してベスト4進出!

もし試合に負けていたら何を言われるか分からなかった「戦犯未遂」のボアテング(左から2番目の背中)。最後のヘクターがPKを蹴る時、一人だけ背中を向け、うつむきながら目を閉じて手を合わせ、祈り続けてました。

ものすごく怖かっただろうし、勝った瞬間は心の底から安堵したことでしょう。

▲ 勝利が決まった瞬間、GKノイアーのもとに駆け寄ったドイツの選手たち。PK戦が9人まで行くなんて滅多に見られません。ノイアー自身も経験がなかったと試合後に語っていました。

▲ 毎試合、敵にも味方にも審判にも観客にも陽気な笑顔を振りまいていたブッフォン。試合に敗れ、サポーターへの挨拶を済ませてからロッカールームに戻る際、堪えきれずに涙を流していました。

これが最後のEURO出場になると明言しているブッフォン、2018年のロシアW杯には出場する意向だとのことです。

「カテナチオ」と呼ばれるイタリア伝統の守備戦術は今大会でも健在で、今日の試合でのドイツは多くのシュートを放ったり、あるいは両サイドからクロスを何本も上げたものの、イタリア守備陣がことごとく跳ね返していました。

一方のドイツも守備は相当強固で、イタリアの攻撃陣にシュートを打たせる前の段階で相手選手からボールを奪ったり、あるいはパスカットをして逆襲するという場面が多々ありました。

結果的に得点は1-1の五分でしたが、守備に関しては堅守イタリアよりもむしろドイツのほうが「相手の嫌がる守備」をしていたように見えました。

グループステージでは今ひとつな調子に見えたドイツですが、今日の試合っぷりを見るとかなり調子が上向いてきてるようです。

鼻血を出したりボール蹴飛ばしたり屋根に登ったりと、我々を楽しませてくれたイタリアのコンテ監督。戦前評価の芳しくなかったイタリアを見事にベスト8まで導きましたが、この試合をもって代表監督を退任。

次期シーズンからはイングランド・プレミアリーグのチェルシーで監督就任することが決定しています。

優勝まであと2つの王者ドイツ。しかし次戦は守備の要である5番フンメルスが累積警告2枚のため出場停止となります。今日のような堅守を次も維持できるか。

EURO2016決勝トーナメント表

▲ ベスト4進出、3チーム目はドイツに決まりました。そのドイツと準決勝で対戦するのは開催国のフランスか、それとも1回戦で感動の大番狂わせを演じた初出場のアイスランドか。

得点王(7月2日現在)

本日現在の得点王争いは以下の通りです。

◆3得点 … ベイル(ウェールズ)
◆3得点 … グリーズマン(フランス)
◆3得点 … モラタ(スペイン)
◆2得点 … クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル)
◆2得点 … ナニ(ポルトガル)
◆2得点 … パイェ(フランス)
◆2得点 … マリオ・ゴメス(ドイツ)
2得点 … ペッレ(イタリア)
2得点 … ルカク(ベルギー)
2得点 … ナインゴラン(ベルギー)
2得点 … ブワシュチコフスキ(ポーランド)
2得点 … ジュジャーク(ハンガリー)
2得点 … ブレイディ(アイルランド)
2得点 … ペリシッチ(クロアチア)
2得点 … スタンク(ルーマニア)

上位選手に変動はありません。イタリアのペッレはチームが敗退してしまい得点王の可能性が消滅したため線を引いています。

7月3日の試合予定

大会20日目、7月3日に予定されている試合は以下の通り。

◆トーナメント準々決勝 フランス vs アイスランド

開催国のフランスと、初出場ながら大躍進を続けている小国アイスランドの対決です。圧倒的ホームの大声援を受けて闘うことになるフランスに対し、こちらもサポーターの熱狂的な大声援が感動を呼ぶアイスランドと、会場の雰囲気も素晴らしいものになる予感がします。

ではでは、大会19日目のEUROレビューでした。

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