サッカー
via:London2012.com
◆男子 3位決定戦
・日本 0 - 2 韓国
【感想】
こういう感想を書くのはとても残念なのですが、実力差がありましたね。いかんともしがたい。あとは日本がもう疲れ切っちゃってた。
U-23も、なでしこも、そしてA代表も同じような感じなのですが、日本って哀しいほどカウンター攻撃の下手なチームだと個人的には思ってるんですよ。
今回のU-23快進撃を受けて各国メディアは「日本はカウンター攻撃に優れたチームだ」と称賛したらしいですが、それはちょっと違うんじゃないかなと。
すごく大ざっぱに言えば、カウンター攻撃が得意というより、永井のスピード(プラス清武のパスセンス)だけが頼りだった。
もちろん大津祐樹という素晴らしい選手の個人技と得点能力が日本にものすごく貢献したのは承知の上ですよ。「カウンターが素晴らしかった」んじゃなくて「永井のスピードが飛び抜けて素晴らしかった」という意味です。
たとえば今回の韓国。1点目は吉田が守備でミスをしたせいもありますが、パク・チュヨンは日本の守備が3人もいたのに、個人技で全員をかわして得点している。
彼は兵役免除が懸かっているので必死だったというのもありますが、まあそれは置いといて、カウンター攻撃に優れるっていうのは、ああいうことなんじゃないかなと思っちゃうのです。
たとえばなでしこ。前線で一人張っている大儀見にパスが繋がり大チャンス! って時、大儀見をサポートする選手の上がりが遅い(あるいは誰も上がらない)ので、大儀見はキープするしかない。
大儀見に驚異的なスピードがあるなら一人で突破しに行くんでしょうけど、そうではないので味方のサポートを待つしかない。
たとえばU-23。永井は前述の通り驚異的なスピードがあるので、永井にというよりも、前の方にポーンと蹴ったら永井が追い付いてくれる。だからモロッコ戦での感動的なループシュートが生まれた。
でも、そうではなく純粋なカウンター攻撃の時。2対2とかの局面になって大チャンス!となっても、日本がそのままゴール!ってシーンをほとんど見ない。
相手チームが前がかりになってて守備が手薄になってる時、日本がボールを奪う。いま攻めれば大チャンス! でも日本は慌てない。
前線にボールを蹴り、パスが繋がり、よっしゃチャンスだーイケー!となってもバックパス、バックパス、バックパス。あるいはパスミスしてタッチ割ったり、横パス奪われて逆襲を喰らう。
相手チームは守備体型がいつも万全になる。日本はイチからビルドアップのやり直し。
A代表も、U-23も、なでしこも、ずーーっとそう。遅い。
今回、実況でも、そしてメディアでも、「遅攻」という表現をよく使ってましたね。「速攻」の対義語としてのポジティブな表現なんだろうけど、それってポジティブなの?
相手が少ないんだからチャレンジすればいいじゃん。後ろに味方がたくさんいるんだから奪われたってなんとかなるでしょうに。なんでそんなノンビリしてるんだろ。どうして前じゃなくて後ろばっかり見てるんだろ。
ビルドアップし直して崩していく方法が間違ってるなんて思わないけど、それはある程度「組織的な攻撃」が確立されていて、遠藤みたいな相手守備を釣り出したり引っかけたりしつつ基点となってくれる中盤がいてこそだと思うんですよ。
ここ最近のA代表は、本田や香川など、一人でも突破できるテクニックなりスピードを持った選手が出てきたから、1対1とか2対2になってキチンと得点してくれるシーンもたまには見られるようになった。
決定的なチャンス、1対1なのに外した~、ふかした~、枠に飛ばなかった~、キーパー防いだ~ってシーン、何度見てきたか。シュートで終わるならまだいいけど、シュートに行く前の段階で潰されたり、バックパスして人数不利になって終了。なんで?
今回の話だけでいえば、2日おきにずっと試合が組まれていて、1次リーグで大躍進した日本も、さすがに疲労がピークだったんでしょうね。準決勝、そして韓国戦と、走れてなかったし。ガス欠状態。
それは他のチームも同じだろって話もありますが、日本は特に1次リーグ、あれだけ走ってたんだもん。攻撃もだけど守備でも走りまくってたんだし、走力で予選突破したようなもんなんだし。そりゃ他のチームより疲れる。
あとは韓国も後半は守備を固めてきてたから、カウンター!って感じにはどうしてもなれなかった。
永井もやっぱり脚が万全じゃなかったか、途中で宇佐美と交代してしまった。これでカウンターの目が完全になくなった日本は、もう崩しようがない。
一度だけ宇佐美が個人技で突破してゴール前でイイ感じになりかけましたが、宇佐美に3人来てたもんな。あれだけ固められたら苦しいですよ。
ピッチがデコボコで日本も韓国もスベったりコケたりしてたし、それだけパスが回しにくかったのはあるんでしょうけど、それ言ったら韓国も同じ条件なわけで、しかし韓国はキッチリ2点取っている。
後半、吉田がセットプレーからヘディングでようやく得点かと思ったら無効にされたシーン。
リプレイ見ると吉田は何も悪いことしてないし、見事なヘディングだったけど、直前に大津だったか誰だったか、キーパーにタックルかましてましたもんね。気持ちいいくらいにズドーンと。
もちろん故意じゃないだろうけど、あれはファウル。審判キチンと見てたから仕方ない。ただ悔しかったし惜しかったな~。あれで日本の選手たちは、もう一段低いところに心が落ちてしまったのかも。
でも、オリンピックが始まる前、男子サッカーがベスト4に行くことを誰も想像しなかったでしょ。もしかしたら金メダル本当に獲っちゃうかもよ!って日本のみんなが一時的にでも超期待して超興奮させてもらえるなんて。
選手みんな、素晴らしかったですよ。
守備が絶望的だったのを見事に立て直してくれた吉田マーヤと徳永。
シュートミスも多々あったけど「持ってる男」と世界中に認めてもらえた大津は、ビッグチームから声がかかるかもしれない。
スピードスター永井も海外チームが放っておかないでしょ。清武はドイツ本格デビューの前に存在を大いにアピールできた。
日本サッカーのポテンシャルがいかに高いかを、彼らは見事に証明してくれましたよね。そして彼ら自身が世界へ、そしてワールドカップへと繋がっていく。再び日の丸を背負う存在になる。
A代表もドンドン強くなっていきますよ。ひとまず今はお疲れ様でした。ゆっくり休んで、痛めた傷を癒して、今度はチームで大暴れしてやろう。
レスリング
◆男子フリースタイル55kg級 湯元進一
・2回戦 ○ 判定勝ち(0-1、4-2、1-0)
・準々決勝 ○ 判定勝ち(4-1、6-0)
・準決勝 × 判定負け(0-1、4-0、0-2)
・3位決定戦 ○ 判定勝ち(1-1、1-1) → 銅メダル獲得!
◆男子フリースタイル74kg級 高谷惣亮
・1回戦 × 判定負け(0-1、0-1)
ボクシング
◆男子バンタム56kg級 準決勝
・清水聡 11 (判定負け) 20 キャンベル(イギリス)
◆男子ミドル75kg級 準決勝
・村田諒太 13 (判定勝ち) 12 アトエフ(ウズベキスタン) → 決勝進出
陸上
◆男子400mリレー 予選
・日本(山縣亮太、江里口匡史、高平慎士、飯塚翔太) … 予選2組で2着 → 決勝進出
競泳
◆男子オープンウォーター10km
・平井康翔 … 15位
シンクロ
◆女子チーム フリールーティン
・日本(足立夢実、箱山愛香、乾友紀子、糸山真与、小林千紗、三井梨紗子、酒井麻里子、吉田胡桃、中村麻衣) … 5位
新体操
◆女子団体 予選
・日本(深瀬菜月、畠山愛理、松原梨恵、三浦莉奈、サイード横田仁奈、田中琴乃) … 8位 → 予選通過
カヌー
◆スプリント男子カヤックシングル200m 松下桃太郎
・予選 … 1組で3着
・準決勝 … 1組で7着 → 決勝Bへ
◆スプリント男子カナディアンシングル200m 阪本直也
・予選 … 1組で3着
・準決勝 … 3組で3着 → 決勝A進出
◆スプリント男子カヤックペア200m 渡辺大規、松下桃太郎
・予選 … 2組で6着 → 決勝Bへ
◆スプリント女子カヤックシングル200m 北本忍
・予選 … 4組で1着
・準決勝 … 2組で3着 → 決勝Bへ
8月11日開催の注目競技
◆陸上
・男子50km競歩 森岡紘一朗、山﨑勇喜、谷井孝行(17:00) テレ東
・女子20km競歩 大利久美、渕瀬真寿美、川﨑真裕美(25:00) NHK-BS1、TBS
・男子やり投げ決勝 ディーン元気(27:20) NHK-BS1、TBS
・男子400mリレー決勝 山縣亮太、江里口匡史、高平慎士、飯塚翔太(29:00) NHK-BS1、TBS
◆バレーボール
・女子3位決定戦 日本vs韓国(19:30) NHK-BS1、フジ
◆レスリング
・男子フリースタイル60kg級 湯元健一(21:45) NHK-BS1
※決勝はNHK総合
◆サッカー
・男子決勝 ブラジルvsメキシコ(23:00) NHK総合
◆ボクシング
・男子ミドル75kg級決勝 村田諒太(29:45) NHK総合
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