昔はカラオケ行きまくってた
同世代の皆様、カラオケ行ってますか?
私が(現時点で)最後にカラオケで歌ったのは2012年9月。福岡で「DPUB 6」という巨大オフ会があり、その2次会で1曲だけ歌いました。歌った曲は奥田民生。
イージュー★ライダー
それより前となると覚えてないなあ。15年以上昔、まだシステムエンジニアをしていて、会社勤めをしていた頃になります。
大学時代、そして20代はカラオケ行きまくってました。東京の会社に就職して、同期の仲間たちと毎週のようにカラオケ行ってたのが懐かしい。社会人になって最も楽しかった時期でした。
カラオケに行かなくなり、声が出なくなり、音楽に対する興味も失せ、いまや新譜の音楽は(CDもダウンロードも含めて)10年以上購入してないし、車の中でも音楽を一切聴かなくなりました。
だから私の中で音楽といえば、学生の頃から30代くらいまで熱心に聴いていたアーティストや楽曲ばかりが現在もメインです。ビートルズも聴くし、洋楽邦楽とも昔の曲ばかり聴いてます。
奇妙な流れでカラオケ大会に参加
そんな「音楽とあまり縁のない」生活を送ってる私ですが、先週末に奇妙な流れを経てカラオケ大会に参加してきました。
取引先の会社社長から別の会社を紹介され「会ってあげて」と言われ、そちらの社長(「Aさん」とします)から「契約したい」と言ってもらったのですが、現在私は忙し過ぎて新規に仕事を受ける余裕がないため、話を聞いた上で丁重にお断りしました。
その仕事の話が終わって帰宅しようと思ったら「今夜カラオケ行きましょうよ」と誘われたんです。
その会社は同世代の社員も多く、定期的に社長や社員でカラオケ大会をしてるんだそうです。ちょうどその日がカラオケ行く予定だったので、一緒にどうですか、と。
いや、帰ってサッカーのワールドカップ見たいんだけど…とも言えず、断ろうと思ったのだけどヤケに押しの強い社長さんで、結局参加することになりました。
なんというレベルの高い会社
参加者は7名。男性がAさんと私だけで、あとは全て女性でした。もしかして、いつも男性が自分一人で寂しいから私を誘ったのかな? とも思いましたが確認してないし、真相は分かりません。
女性陣も私やAさんと同世代っぽい人が4名で、1人だけ若い女性がいました。
先陣を切って最初に社長のAさんが歌ったんですけど、曲がですね、徳永英明の『輝きながら』。
輝きながら・・・
特別ファンというわけではない私にしてみれば、この曲を聴くのって約30年ぶりなんですよ(1987年の曲だそうです)。
だから「懐かしい〜!」というのが真っ先に来たんですけど、それよりもAさんの歌がめちゃくちゃ上手い。ビックリしました。原曲と同じ、しかも高音なキーを平然と歌ってる。
カラオケの前、仕事の話をしてた時のAさん、それほど声が高いとは感じなかったのですが、歌い始めると高音が実にキレイに出てる。しかも音程を外さない。
次の曲もAさん。曲はスピッツの『ロビンソン』。
ロビンソン
「もしかして、私が今回参加してるから、昔懐かしい名曲を私のために歌ってくれたりしてるのかな?」と思い、私の隣りに座ってた女性に確認したところ、
「いつもこんな感じの選曲ですよ〜」
と笑ってました。
その後は社員の女性が順番に歌い始めたのですが、ドリカムとか松田聖子とか小泉今日子とか、いわゆる私の世代にドンピシャな曲ばかり。
定期的にカラオケ行ってるからなんでしょうね、まあ〜皆さん歌が上手い。とにかく声が出てる。そして音程もさほど外れてない。
そして社長の番が来る。Aさん、バラード系の曲しか歌わない。でも強烈に上手い。
カラオケに行って、他人が歌う曲をこれほどまでにジックリ真剣に聴き惚れたのって初めてじゃないかな。
私だけじゃなく、女性社員の皆さんもAさんが熱唱してる時はそれほど雑談せず、シーンと静まって、ジックリ聴いてるんです。なんやこの空間。
途中、隣りに座ってた女性に「社長上手いですね」と話を振ったら
「ですよねー。でも盛り上がらないですけどね(笑)」
と笑ってました。なんとなく社長のカラオケ大会における立ち位置は分かりました。
副社長がもっとスゴかった
私も何度か「歌ってくださいよ〜」とリクエストされたのですが、Aさんが途方もなく上手い中、最近全く歌ってないし、声も全然出ない私が歌っても恥をかくだけじゃないですか。そもそも最近「歌いたい欲」なんてゼロだし。
なので「いやいや、皆さんの歌を聴いていたい」とか「マイク持つとカユくなっちゃう体質なんです」などとテキトーに拒否してました。
ふと気付くと「私の隣りに座ってる女性」も私と同じくまだ1回も歌ってない。
それとなく当人に聞いてみたんです。「歌わないんですか?」と。
「歌いますよ〜!」と彼女。「もう少しですかね」と。もう少し?
意味が分からない私に、彼女の更に隣りの女性がフォローしてくれました。
「副社長はいつも場がこなれた頃にガツーンとカマすんですよ」
私の隣りの女性って副社長だったんですか。それ先に言ってくれ。(仕事の打ち合わせの時にはいなかった)
しかも副社長(「B子さん」とします)、社長のAさんの奥さんでした。歳も同じ。だから私とB子さんも同い年。それも先に言ってくれ。
それから2曲ほど別の女性陣が歌って、いよいよB子さんの登場です。
何を歌うのかと思ったら、アン・ルイスの『六本木心中』でした。
六本木心中(Original Version)
これがもう、ハンパなく上手かった。
まず、声量が普通の女性じゃない。おかしい。音程も完璧。アン・ルイス本人より上手いんじゃないかってくらい。
さらに、歌いながら踊り狂うんですよ。ノリノリですよ。よくそんだけ動いて音程外さないなって。もう素人のそれじゃない。
そしてまた他の社員さんも乗せ上手というか、めちゃくちゃ盛り上がりました。ダンナさんのAさんも嬉しそうに合いの手入れたり拍手したり。なんと微笑ましい。
完全に部屋の空気感が変わっちゃった。ぶったまげました。これが「ガツンとカマす」というやつか。確かにガツンだわ、と納得。圧倒されました。
副社長のB子さんは止まりません。『六本木心中』を終えて更に3曲。『孤独なハリケーン』『GO AWAY BOY』『今すぐKiss Me』とパワフルな曲を立て続けに。
孤独なハリケーン
GO AWAY BOY
今すぐKiss Me
プリプリの曲で何かリクエストありますか? と振られたので個人的に好きな『GO AWAY BOY』を歌ってもらいました。あとの2曲はB子さんセレクト。本田美奈子の曲は最初分からなかった。
4曲終わって席に戻ったB子さんに、
「なんでそんなに歌上手い人がここで副社長なんですか(笑)」
とツッコミ入れたら、
「結婚したのが運の尽きでした(笑)」
と笑ってました。(注:社長&副社長夫妻はとても良いコンビで仲良さそうでした)
女性副社長の過去
B子さんは結婚する前、どこかの会社でOLさんだったのだとか(結婚してダンナさんと会社を作った)。その前はバンドを組んでいて、ヴォーカル担当だったそうです。
「ってことは、Aさんとはバンドで知り合ったんですか?」
と私が質問するとB子さんは否定。普通に仕事で知り合ったとか。
でもAさんもあんなに歌が上手いし、バンド経験者でしょ? と再質問すると、B子さんはこれも否定。高校で合唱部だったそうなのですが、それだけであんなに歌が上手いってのもスゴいな。
バンドといえば、私も20代の頃にバンドを組んでました。ベースギター担当でコーラスもしてて、さっき歌ってたリンドバーグの『今すぐKiss Me』もコピーしてましたよ、ベース弾きながらサビでウォウウォウって歌う担当でした、と私がB子さんに言うと、
「リンドバーグ、私もバンドでコピーしてました!」
とB子さん、めっちゃ喰い付いてくれました。
当時私の所属してたバンドはヴォーカルが女性で、リンドバーグの他に山下久美子、レベッカの曲も幾つかコピーしてました、と伝えると、
「ああー、山下久美子とレベッカはやってなかったです」
って。どちらも本物は歌い方にクセがあるため、コピーするとモノマネしてるみたいになるのがイヤだったんですって。惜しい。
他にコピーしてたアーティストの曲を教えてもらったのですが、ノリの良いロック系のバンドやアーティストが大半という感じ(名前を聞いたことはあるけど知らないアーティスト、名前すら知らないアーティストもチラホラ)。
再び私がリクエストして浜田麻里を歌ってもらったのですが、これも鳥肌モンでした。素晴らしかった。浜田麻里本人のクオリティーと全然変わらない。
Nostalgia
その日のカラオケでもバラードのようなシットリした曲は一切歌わなかったB子さん、「バラードは嫌いなんです」って。ワーっと盛り上がる曲しか歌いたくないし、バンド組んでた頃から最近までずっとそうだ、と。
一方、ダンナさんのAさんはバラードしか歌わない。こちらも徹底してる。奥さんのB子さんがノリノリで歌って、ダンナさんのAさんがバラードを熱唱する。他の社員さんたちもB子さんの時はノリノリで大騒ぎして、Aさんが歌い始めるとシーンとして聞き入る。
これが彼等の日常なんでしょうけど、突然そこに入り込んだ私にしてみれば妙に気持ち悪い(笑)
たとえばB子さんが『世界でいちばん熱い夏』を熱唱したら、続くAさんは『雪が降る町』を熱唱したり。
世界でいちばん熱い夏 (’92 mix)
雪が降る町
B子さんが安室ちゃんの『TRY ME』を熱唱したら、続くAさんは『そして僕は途方に暮れる』を熱唱したり。
TRY ME~私を信じて~
そして僕は途方に暮れる (1992″naive″version)
わざとやってるよね? ネタですよね? もしかして2人は仲が悪いの? ってツッコミ入れましたけど、Aさんは全否定した上で、
「ほら、言うじゃないですか。アメとムチって」
だそうです。その使い方おかしいだろ。
出会っていれば結婚していたかもしれない
私が20代の時に組んでたバンドで、某所にて開催されたコンテストに出場したことある、という話をB子さんにしたんですよ。
そしたら、なんとB子さん、同じコンテストに出場…はしてなかったけど、同じく出場した別のバンドのヴォーカルと仲が良くて、応援するために観客としてそのコンテスト会場にいた、と。
お互いビックリですよ。場所も時期も一致ですから。
B子さんは私のバンドを知らなかったし、私もB子さんの友人のバンドを知りませんでしたが(もう30年前ですからね、覚えてるわけがない)、こんな偶然あるんだねー! って。
2人してテンションMAXでワーキャー叫びながら盛り上がりました。
もしかして、あの時2人が出会ってたら結婚してたかもしれませんね!
あり得ますよね!
うわーすごーい!
そしたら俺が今頃はスピッツ熱唱してたかも!
そうかもー!
私とB子さんがヒートアップする横では社長のAさんがシットリ、
「終わるはずのない〜 愛が〜途絶えた〜」
と歌い始めて私は烏龍茶を吹きました。絶対わざとやってるよね?
言葉にできない
今夜のお別れに 最後の二人の歌は
で、結局私は歌わなかったの? って話ですが。
私からAさんに「何か1曲、ノリノリの曲も歌ってくださいよ」とリクエストしたら、しばらく考えた末に歌ってくれたのが、アルフィー(THE ALFEE)の『サファイアの瞳』でした。
サファイアの瞳
この曲もめちゃくちゃ久しぶりに聴いたので「懐かしい!!!」と大絶叫してしまいまして、「アルフィーの曲もいいなあ〜」と呟いたら
「りくさん、バンドマンだったならハモれますよね!?」
とAさんに言われ、知ってる曲ならハモれますよ、と答えたら
「是非一緒に歌ってください」とAさんに逆リクエストされ、アルフィーの曲を2つ歌いました。
メリーアン
星空のディスタンス(long version)
「ハモれる」と言っても私は桜井さんパートの主旋律を歌っただけで、ハモったのはAさんだったんですけどね。しかもAさんが歌ったのは超高音の高見沢さんパート。平気な顔して裏声も使わず歌ってましたよ。やっぱりスゴい人だ。
私はといえば、桜井さんパートも何気に高いですからね、原曲キーよりもかなり下げてもらったけど、それでも結構ツラかった。やっぱり声が出ないって悲しい。
Aさんは「男性とハモれる」ことに気分が良くなったらしく、もう1曲リクエストされたので歌ってきました。
夏の終りのハーモニー
男性のハモリソングの定番ですね。ハモれる人と一緒に歌うと、これ以上気持ちの良い曲はないです。さらにAさんは歌が上手いので、自分まで歌が上手くなったような気になりました。
そんなこんなで結局3時間、AさんやB子さん、他の社員さんと盛り上がってきました。とても楽しい時間だったし、すっかり意気投合してしまいました。でも仕事は受けられないんだけどね(カラオケ中も何度か打診されたけど断った)。
ロック調の曲しか歌わずバラードは一切NGというB子さん。ダメモトで『雪の華』を歌ってもらえないかリクエストしたんですけど、やっぱりダメでした。
雪の華
B子さんが歌ったら絶対似合ってると思ったし、私はきっと泣いただろうに、「その曲あんまり知らないんですよ」と言われちゃった。とても惜しい。
なぜ私が『雪の華』をリクエストしたかの理由は、以前公開した別エントリーに書いてます。
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