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コミュニケーション向上作戦:質問の仕方一つで会話は変わる

会話することが面倒くさくなってませんか?

discuss
discuss / Paul L Dineen

突然ですが、夫婦の倦怠期、ってあるじゃないですか。

いや、私がどうとかの話じゃないんですけどね。

互いの性格的な問題だったり、時間経過に伴う慣れが飽きに転じてしまったり、要因はいろいろあるでしょうけど、根本的な問題の一つに「会話の質の低下」ってのがあるように思います。

交際当初のラブラブな頃って、互いの話を真剣に、かつ優しい愛情を持って聞くじゃないですか。これが結婚して10年、20年と経つと、「話す態度」や「聞く態度」はどうでしょうか。昔のまんま、ってのはなかなか難しい。

夫婦関係だけでなく、会話の質という観点で考えると、親子関係もそうですね。親と子の仲がギクシャクしてくると、まずマトモな会話って成立しなくなる気がします。私自身が子供だった時の実体験から考えても。

思春期が来て、反抗期が来て、次第に親の言うことがウゼエーと感じるようになる子。子供の態度や言動が生意気に感じてしまい頭ごなしに怒る親。

要は「会話すること」に対してネガティブな感情が生じると、会話は成立しなくなってしまいます。「話す/聞くのが面倒くさい」だったり、「話しても分かってもらえない」だったり。

職場の上司・部下・同僚にしても、学校での教師と生徒にしても、これは同じことですね。話すのが面倒くさい、聞くのが面倒くさい。

コミュニケーションとは「双方の意思疎通」

会話は、相手があって初めて成立します。海に向かって何かを語りかけてもそれは会話ではありません。

「相手があって」と書きましたが、相手がいたとしても、ババババ〜っと自分だけベラベラ喋り倒したり、逆に相手がゆっくり丁寧に分かりやすく話してても聞く側がテレビや漫画を見てて真面目に聞いてないのなら、それは真の会話ではありません。

コミュニケーションスキル、という言葉を最近よく見ます。これは顔を合わせての対話だけに限らず、ネット上でのTwitterやFacebookなどSNSにおいても結局は同じことなんだろうなと感じます。

が、今回は会話に関する考察ネタですのでSNSのことはちょっと置いておきます。

自分が語るだけならそれはただの「発信」だし、聞くだけなら「受信」。コミュニケーションとは、その両者が一方通行ではなく意思を疎通させること。そういう定義で話を進めます。

どういう質問の仕方をしてますか?

今回は、相手と会話をする際の「質問の仕方」にスポットを当ててみます。

中学や高校の試験問題で、いろんな回答方法がありますよね。あれと同じような感じで、会話における質問方法も幾つかに分けることが出来ちゃいます。

◆二者択一式(Yes/No式)
◆選択式(マーク式)
◆記述式

それぞれについて、単純な例を挙げて説明していきますね。

二者択一式(Yes/No式)の質問とは

これはもう、そのまんまです。質問に対する回答が「はい」と「いいえ」くらいしかない、というもの。

上の方で「会話することが面倒くさくなる」と書きましたが、これは「返事するのが面倒くさくなる」と言い換えることもできます。

テキトーな返事をしちゃう側にも問題はあります。しかしいつも「はい」と「いいえ」で返せば済むような質問ばかり投げ掛けられたら、これは確かに面倒くさくなっちゃうかもしれない。

★例題:試験が終わった日の夜、親と子の会話

【例】今日の期末テスト、難しかった?

↑どう答えます? コミュニケーションが正常に成立してる関係なら具体的な情報が返ってくるでしょう。でも面倒くさかったら、二者択一ですよね。

【例】今日の期末テスト、解けなかった問題あったら見せてくれる?

↑少なくとも「はい」「いいえ」だけの回答にはなりません。「ない」って言われる可能性はあるけど。

★例題:今夜の夕食について夫婦の会話

【例】夕食、カレーでいい?

↑これ、二択どころか「はい」しかないかも?

【例】ジャガイモとタマネギが安いから買ってくるけど、何か食べたいものある?

↑回答パターンとしてはそんなに多くないかもしれません。が、二択の回答って特に思考を働かせなくても条件反射的に「うん」「いらん」などと答えられてしまうので、そうではなく「質問について多少なりとも頭を働かせてもらう」ってのがミソです。

選択式(マーク式)の質問とは

幾つかの選択肢から回答を選ぶのが選択式(マーク式)。これを会話に当てはめると、質問する人が選択肢を全部言っちゃうパターン。

回答する側は、それほど頭を働かせなくても、選択肢の中からどれかを選べばいいだけ。ラクチン。

この選択式はダメよ!というわけじゃなく、会話の導入部として選択式はアリなんです。大切なのは「そこから次にどう広げられるか」。

★例題:男と女の会話

【例】赤と青と緑、色ではどれが一番好き?

↑よほどヒネクレてるか、絶対に譲れないほど別の色に執着でもない限り、回答は「赤・青・緑」のどれかですよね。

仮に相手が「青」と答えたとして、「へえ〜、俺は赤が好きやねん」と返したら、「だから何?」で終わり。

「俺も俺も!青好き!一緒やね!」だとして、ではどう続けましょうか。

【続き】じゃあ、青色でカッコいいとかキレイとか思うモノって何がある?

↑要するに、相手が回答できる選択肢や幅をどんどん広げてあげればいいんです。

上の例でどんな回答が返ってくるでしょうね。「車」とか「海」とか「トイレの芳香剤」とか、いろいろ出てくるかもしれません。相手の新たな一面が発見できたり、さらに次へと繋がる会話のネタを拾えるかも。

★例題:試験が終わった日の夜、親と子の会話

【例】今回の期末テストで、どの教科が一番難しかった?

↑選択肢が限定されますので、最初の回答としては「英語」とか「数学」とかの単純な回答になるでしょう。

仮に「英語」と返ってきたら、「どの辺りで点を落とした?」などと続け、回答を考えさせます。単語のスペル、発音、長文読解、文法、リスニングなどなどありますけど、これも相手に回答を考えさせるのがミソ。

うちの子供が今年受験生なので、私自身が毎日こういう会話を子供とやってます。

記述式の質問とは

試験でも、二択やマーク式と比べて記述式が最も大変ですよね。難易度が高いから配点も高いし。

会話も同じで、質問する相手に諸々のことを最も考えてもらう方式にすれば、相手はテキトーではなく自らの考えを答えてくれます。そうなるよう質問を工夫できればベターですよね。

★例題:2013年の日本シリーズを見終わった直後の会話

【例】楽天、強かったねー

↑回答が限定されますね。

【例】楽天は今年、何が良かったんやろうか?

↑これもほぼ限定されますね。大半が「マーくん(田中投手)」と言うでしょう。野球に関する考察うんぬんは別ですよ。会話の流れとして、という意味で。

この後、田中投手に関する様々な話を語り合いたいのであれば、上の質問を導入として広げていく方法はアリです。が、楽天というチームについて語りたいのであれば、上の質問だと本筋から逸れる可能性が高い。

【例】マーくんはもちろんスゴかったけど、それ以外では何だと思う?

↑こうなると、人によっていろんなパターンの回答が出るでしょう。「監督の采配」「他の先発陣も安定してた」「外国人選手の活躍」「守備陣の貢献度」、人によって感じ方は様々。

相手チームである巨人の出来を要因に挙げる人がいるかもしれません。ジャイアンツの打撃陣や投手陣の不振が大きかったなぁ、とか。

日本シリーズの検証をしたい訳じゃないのでこれ以上は書かないですが、要するに質問の内容次第で会話をどんどん膨れさせることが出来る、ということなんです。ポイントは「相手に考えてもらうこと」。

りくま ( @Rikuma_ )的まとめ

今回、例として挙げた質問や回答に関して「いや、自分ならこう言う」「こっちの方がいいんじゃないか」などご意見あるかもしれませんが、回答する側の選択肢を広げてあげようというのがメインテーマですので、そこをくみ取って頂ければ幸いです。

相手の回答がYesやNoばかりになってしまいがちな質問について、じゃあ選択肢を広げるならどう質問を変えればいいかな?と考えてみるのもなかなか面白いですよ。

私自身、今回書いたことが常に出来ているわけではありません。疲れ切ってたり、機嫌が悪かったり、体調が悪い時など、考えるのが面倒くさくなり、ついついテキトーな返事をしてしまいがち。

特に家族の場合は顕著ですが、人間関係の慣れはどうしても「甘え」を生みますので、ラクな方向に流されるのではなく、こちらが何かを伝えたいのであれば同時に相手の話を聞き、そして意図を掴むという意識は持ち続けたい。

質問を投げて、相手が回答で広げてくれたにもかかわらず「へえー」とかで終わってたら、それはコミュニケーションではなく「一問一答」。話す側と聞く側、各々が意思疎通し、広げて繋いでいくのがコミュニケーションではないか。そう感じます。

昔、ドリフターズの定番コントで「お帰りなさい。食事にする? お風呂にする? それとも……寝る?」というのがありました。

あれは今回の例で言うなら選択式ですよね。回答を限定することによって「相手に考えさせない」という、逆手に取った夫婦の会話コント。

寝るわ、一人で」なんて答えたらダメですからね。いやいや、私がどうとかの話じゃないんですよ。

-雑記
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