ベタ踏み坂は鳥取県と島根県の県境にある
2014年、ダイハツが販売する軽自動車「タントカスタム」のテレビCMに「ベタ踏み坂」として登場した急勾配の坂がありました。
CMは豊川悦司さん、綾野剛さん、菅野美穂さんの3人が出演し、助手席に座る豊川さんが坂を上る車内で「ベタ踏みだろ?」と確認するも、運転する綾野さんが「いいえ」と何度も否定し、最後は豊川さんが「坂の名前を変えるか…」と呟く、という内容。
要するに「急勾配な坂道を軽自動車でも難なく上ることが出来るパワー」が売りのCMだったわけです。
あまりに急勾配なため「実在しない」「合成映像」と感じる視聴者もいたらしいのですが、この坂は鳥取県境港市と島根県松江市を結ぶ「江島大橋」として実在しています。
米子市に帰省した旅行の帰り道、北九州市に戻る際にこの「ベタ踏み坂」に立ち寄ってきました。
鳥取県側は普通の坂道なのだが
江島大橋(えしま・おおはし)が完成し、通行可能となったのは2004年。私は既に米子市から北九州市に移住しており、CMに登場するまで江島大橋の存在を知りませんでした。江島大橋に行くのも、そして見るのも今回が初めて。
▲ 鳥取県境港市、「大根島入口」という三叉路の交差点を西に直進すると江島大橋が前方に見えてきます。
ちなみに「大根島入口」交差点には2018年3月現在、出光のガソリンスタンドがあります。
▲ 信号の先が江島大橋。鳥取県側から見ると、それほど急勾配な坂道には見えません。
▲ 江島大橋に入りました。大げさに騒ぐほどの勾配ではありません。
▲ ひたすら坂を上ります。勾配はキツくないけど距離は長い。景色は前方に空しか見えない。
▲ 横を見てみると、橋の欄干の向こうには海…ではなく鳥取県西部の湖「中海(なかうみ)」が広がっています。
中海は面積が琵琶湖(滋賀県)、霞ヶ浦(茨城県)、サロマ湖(北海道)、猪苗代湖(福島県)に次ぐ日本国内で5番目に大きな湖。島根県の宍道湖と混同する人が多いんですけど、宍道湖とは別の湖です。(ちなみに宍道湖の面積は国内第7位)
▲ 江島大橋の最も高い箇所に到達。いよいよ下り坂です。ジェットコースターに乗ってる時のような不安感。
▲ 下りに入った途端、前方に海…ではなく湖(中海)、大根島(だいこんじま)、更に大根島の向こうには島根半島が見えてきました。
▲ 前方の景色が雄大なので見惚れるのですが、ふと坂道に目をやると、なかなかの急勾配。ジェットコースターが下り始める時のような感覚が到来してちょっと怖くなった私は絶叫系マシンNG。
鳥取県側から見れば全然大したことのない勾配ですが、島根県側は鳥取県側よりも勾配がキツいようです。目の錯覚? と最初思いましたが、調べてみたら傾斜角度は島根県側のほうが急勾配でした。
▲ 江島大橋を渡り終える地点が県境になっていました。ここから先は島根県松江市。
▲ 信号を超えて直進すると三叉路につき当たるので、車を停めて小休憩し、ベタ踏み坂を撮影することにしました。
▲ 三叉路のうち県道338号線、湖沿いの堤防が撮影ポイントになってます。ただし横断歩道も歩行者用信号もないので、渡る際は注意が必要。
撮影した時は私一人でしたが、数分後には10名以上の人々がここにやって来て撮影してました。中国人観光客もいたのはビックリ。あちらの国の日本観光ガイドに掲載されてるんでしょうかね。
▲ 県道沿いの撮影ポイントよりも更に湖寄りの部分に堤防のような突起した細い敷地があります。
おそらくあそこから望遠レンズで撮影すれば、テレビCMやポスターのような「強烈な急勾配のベタ踏み坂」写真を撮ることができる気がします。ただ、どうやって渡るのかまでは調べませんでした(帰省Uターン途中だったし、家族を待たせてたし)。
▲ iPhone 7のカメラで目一杯ズームした結果が上の写真。橋に接近し過ぎてもダメだったし、遠方から撮影すると橋が小さくなってしまいます。
迫力あるベタ踏み坂の写真を撮影したいのであれば望遠レンズが必須でしょうね。いつか性能のよいカメラ買ったらまたここに来て撮影してみようと思います。