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行きは良かったピーチが帰りは残念だった件【大阪旅行:エピローグ】

2012年6月6日

関空からピーチに乗る時は間違わないように!

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▲ 午後6時過ぎ。南海電鉄の難波駅から「和歌山市行き」の急行に乗車。

大雨の中を歩き回った大阪弾丸日帰りツアーもいよいよ終幕目前。すごく長かった気もしたが、終わってみると短かった。そしてひたすら疲れた。

電車の座席はほどよく空いていて座ることが出来た。両脚の筋肉が悲鳴をあげまくっている。電車の中でひたすら脚をマッサージ。

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▲ 泉佐野駅でJRに乗り換え。こちらも座席が空いていたので座れた。

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▲ 午後6時55分、関西空港に到着。

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▲ いつもなら階段を上るが、もうそんな体力は残ってない。おとなしくエスカレーターで改札口へ。

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▲ 改札口を抜けると、上の写真のような案内板がある。写真を見れば一目瞭然なのだが、関空からピーチの国内線に乗る時は、左に曲がって旅客ターミナルビルに行ってはいけない

ピーチの場合は、改札を出て右に曲がりエアロプラザに行くのが正解。搭乗手続きも実際の搭乗も、ピーチ国内線はエアロプラザからとなる。(2012年5月時点)

※国際線はエアロプラザじゃなく、ピーチも他社同様に旅客ターミナルビルから出発となるみたい。ややこしい。

お分かりかと思うが、JALやANAは旅客ターミナルビルからの出発である。それはそれでお間違いなく。(2012年5月時点)

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▲ 駅の改札を出て右に曲がると、「エアロプラザ」へと向かう通路の入口がある。左側に「動く歩道」が設置されている。

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▲ 動く歩道、なんとラクチンなんだろう。

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▲ エアロプラザの入口。

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▲ エアロプラザに入るとすぐ、正面目の前にピーチの自動チェックイン機が並んでいる。

この日の朝、福岡空港と同じくチェックイン機の近くにはピーチのスタッフが待機している。チェックイン方法が分からない場合は遠慮せず教えてもらった方が早い。

私は福岡空港で一度チェックインを体験しているから大丈夫。

格安航空会社ピーチに初乗り&関西空港で神が降臨【大阪旅行その1:関空編】

2012年4月11日(水)。格安航空会社ピーチのキャンペーン航空券を購入し、大阪日帰り旅行に行ってきました。悪天候の中、徒歩での移動がメインの過酷なスケジュールをこなしてきました。今回は福岡空港から関西空港までの旅を振り返ります。

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▲ チケット購入時に送信されてきたメールに添付されているPDFファイルをiPhoneアプリの「Evernote」でに保存しているので表示させ、バーコード部分をチェックイン機のスキャナーに当てる。これで簡単にチェックインできる。

牛丼は速いとは限らない

チェックインを済ませて、まだ少しだけ時間の余裕があった。エアロプラザ2階のレストラン街に行く。

この日、朝から何も食べず何も飲んでない。さすがにお腹が減った。大阪名物なんてもうどうでもいい。とにかく何か食べておきたい。レストラン街を長めながら歩いていると某牛丼チェーン店があったので入る。牛丼ならすぐ食べられるだろうと思ったので。

しかしこれが大失敗。搭乗待ちの客でそれなりに混雑していたのもあるが、注文してから料理が届くまでの時間が信じられないほど遅かった。5分くらいで品物が来るかと思っていたのに20分以上もかかった。

ようやく牛丼が届いた時にはもう時間の余裕がない。でも残すのはモッタイナイ。ガガガーっと一気に大急ぎで食べた。超空腹のところにいきなり猛烈な勢いで牛丼を入れたから胃が痛くなった。

食べ終わり、店を出て搭乗口まで小走り。落ち着かない旅だ…。朝、福岡空港でヒマを持て余していたのがウソみたい。

残念その1:なぜマイクでアナウンスしない?

ゲートで手荷物検査を受け、待合ロビーへ移動。待合ロビーはとても狭く、空いているイスが1つもない。立って待つスペースすらほとんどなかった。売店でお土産を購入し、ロビーの隅に少しだけ空いていたスペースへ行き、荷物を床に置いて立ったまま読書。

ここでピーチからお知らせのアナウンスが響く。我々が搭乗するはずの機体が関西空港に到着しておらず、折り返しができないため出発が遅れる、とのこと。

ピーチはコスト節約のため、航空機を3つしか所有していない(2012年4月時点)。つまり「代替機」も存在しないので、毎日毎日少ない機体を使いまわして運航している。到着しない限り出発できない仕組み。それは事前に知っていたので、アナウンスを聞いた時点では「まあ仕方ないね」と思ってた。

アナウンスでは「当初の出発時刻より15分ほど遅れる見込み」とも言っていた。15分ほどの遅れなら目クジラたてるほどでもない。

読書しつつ、ときどき腕時計で時間を確認していたのだが、アナウンスにあった15分が経過しても、20分が経過しても、何の動きもないし何のアナウンスもない。こんなに遅れるなら牛丼を大慌てで食べなくても良かったわ、と結果論ながら思う。

突然、私の周囲の人たちがノロノロと動き始めた。ロビーの一角にあったドアが開かれ、待っていた客がそのドアに向かって続々と進み始めた。何のアナウンスもない。ドアの近くにいる人たちに何か告げたのかもしれないが、離れている人には伝わってない。

ドアに向かってノロノロと進み始める人たち。その中の一人に「ピーチの福岡行きですか?」「搭乗開始ですか?」と質問したが、その人も「いやあ、何でしょうね」と意味不明のまま進んでた。

ドアの前にはピーチの女性スタッフが一人立っている。狭いドアに向かって右・左・正面、いろんな方向から客が殺到している。皆の歩くスピードが緩やかだったのでパニックにはなっていなかったが、なぜ誘導しないのか。そんなにもスタッフが不足してるのか。

列に並んでドアに向かい、ドア前に立っていた女性スタッフに質問。これはピーチの福岡行きの列ですか? という問いには「はいそうです」と即答。

搭乗が15分遅れるのは聞いたけど、搭乗開始するなら開始するで、なぜアナウンスしないんですか?

「こちらから階段を下りて、バスで移動して搭乗することになります」と女性スタッフ。まったく会話がかみ合っていない。

私の後ろも行列は続いていたので、それ以上会話すると邪魔になると思いスタッフの横を通過。階段を下りてバス乗り場に向かう。

残念その2:連絡体制どうなってるの?

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▲ ピーチのバス乗り場に到着。自分が座る座席番号を基に、前方と後方で2台のバスに振り分けるよう誘導していた。

関西空港でのピーチは到着時も出発時も、ビルと直接連結されている「ボーディングブリッジ」という通路は使用しない。

ピーチはコスト節約のため、空港での使用量が安いエリア(=ビルから遠い場所)に機体を停止させる。そのため、ビルと飛行機の区間はバスで移動することになり、乗り降りは屋外からタラップの階段を使用することになる。

前後で2台のバスに分乗するのはいいんだけど、それでも乗客が通常の航空会社より多いため(=1回のフライトで少しでも多くの客を乗せることで利益を稼ぐため)、一度に全員が同じバスに乗ることも出来ず、しばらく待たされる。

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▲ 10分ほど待ち、次のバスが到着。ウォーキングの疲労に加え、ロビーで30分以上も立ち、さらにバス乗り場で10分。両脚が痛くてたまらない。早くイスに座りたい。

私が座った後も客が続々とバスに乗ってくる。当然ながら全員が座れるわけもなく、多くの人がバスの中で立つことになる。

乗客を詰め込むだけ詰め込み、バスが出発。ゆっくり時間をかけて移動し、ピーチの機体前に到着。

最初に「15分遅れて出発予定」とアナウンスされて以降、一切の訂正アナウンスがない。遅れはもう15分どころの話じゃなくなってる。

ようやくバスを降りてピーチの機内に搭乗するのかと思ったら、今度はバスのドアが開かない。外は小粒だけど雨が降っている。他のバスからも客が降りている気配がないので「順番待ち」という感じでもない。

何をしてるんだ? さっきから頭の中が「?」だらけ。

数分後、ようやくドアが開く。しかし乗客を降ろすわけではなく、バスの外から一人の女性スタッフが乗り込んできた。乗客全員が女性スタッフを見る。女性スタッフ、マイクも拡声器も持たず地声で車内の乗客に説明を始める。

「お待たせして申し訳ありません。ただいま機体に燃料を給油しております。給油が終わってから搭乗開始となりますので、もうしばらくお待ち下さい」

それだけ告げて女性スタッフは再び外に出た。閉まるドア。

給油が完了して乗客がバスの外に出たのは、女性スタッフが外に出てから更に15分後だった。

心底あきれた

給油が遅れるなんてことは、ロビーのドアを開けた時点で分かってたはずだろう。じゃあ、なぜ乗客をバスに乗せたのだ? バスが移動している間に給油は終わるだろうと安易に予想して、その予想を超える作業時間がかかったのか。

それならそれで、なぜ車内のスタッフに連絡しない? スタッフ間の連絡体制はどうなってる? 連絡手段を持ち合わせていないのか?

バスに乗ってからバスを降りるまでに費やした時間は約30分。まだ私はいい。バスの中で座れてたから。

その間、バスの中で立たされ続けた大半の人たち、どれだけツラかったか。疲れ切ってグッタリしてる人。床に座り込んでしまった女性。泣く子供。怒りを押し殺した表情の人。怒りが抑えられず声に出して不満を表す人。バスの運転手に文句を言う人。

そんなに時間かかるなら、待合ロビーで引き続き待機させれば良かったじゃないか。給油が当分完了しないと事前に分かってたのなら、どうとでも対策打てたんじゃないのか。給油完了時間すら把握できてないのか? 給油したの初めてなのか?

飛行機の前でジーっと待たせるのが最善だったのか? 次から次へと頭の中に疑問が浮かぶ。しかしスタッフは誰一人、何の説明もしてくれない。

ようやくバスを降り、タラップの階段を上って機内に入る。前後の入口から分散して入ったとはいえ、一気に集中したから機内は大混雑。手荷物を頭上の棚に入れ、シートベルトを締め、CAから説明があり、機体が動き始めた。

ピーチ機が関西空港を離陸したのは、当初の出発予定時刻から55分後

待合ロビーで「15分遅れ」と一回だけ告げて以降、遅れに関する訂正や、最終的な出発予定時刻のアナウンスなどは一度もなかった。

飛行機が定刻より遅れて出発ってのは珍しい話でもないだろうから仕方がない。遅れが発生する時もあるのは分かる。

たった一言、アナウンスさえしてくれれば全然印象が違うのだ。何一つ情報を提供してもらえないと待つ側は不安ばかりが増幅して気持ちの良い旅になんてならない。

離陸して数分後、機内アナウンスで「離陸が遅れたことのお詫び」と、「福岡空港への到着予定時刻」がようやくアナウンスされた。時計を逐一チェックしていなかった人たちは、そこでようやく「15分遅れどころじゃなく、1時間近く遅れてる」ことを知る。

私の前に座ってた女性が、そのアナウンスを聞いて鼻で笑いながらイヤミたっぷりに関西弁で吐き捨てた。

「ピーチの15分って、まあ~長いねんなあ~。福岡着くのは来週になるかもしれへんで」

残念その3:だから、なぜアナウンスしない?

約1時間後、ピーチ機は福岡空港に着陸。

CAが最後に再び遅れに対するお詫びと、ピーチ利用に関する感謝のコメントをアナウンス。乗客はシートベルトを外し、前方の出口に向かって歩き始める。

ここでまた、ちょっとしたトラブルがあった。このトラブルは一概に「ピーチのせい」とも言えないのだけど。

その日の午前、福岡空港を出発したピーチ機が関西空港に到着し、乗客が前方の出口に向かって歩き始めた。機内で残りの乗客が3分の1くらいになった段階で、一部の乗客が後方の出口からも出られることに気付いた。

そのことを乗務員ではなく乗客が大声で「後ろからも出られるで~!」と叫んで教えてくれたことで、ずーっと並んで待ち続けていた後方の乗客が後ろに移動し、すぐタラップを降りることが出来た。

「後ろも開けてるんやったら、なんでそれ言わへんの?」
「待ち続けてアホみたいやったわ」

と他の乗客が口々に言ってたが、私もまったく同感だった。

この時の「前と後ろ、両方の出口から朝は出られた」という記憶が前振りになっていた。それは私だけでなく複数の乗客も同じ。

つまり、福岡空港に到着したとき、後方に座ってた一部の乗客が、「関西空港に着いた時は後ろからも出られた」、だから「ピーチは前からだけじゃなく後ろからも出られる」と考えたらしく、後ろに向かって進み始めていた。

ところが後方出口は閉じていた。(後になって冷静に考えれば理由は分かる)

私は行列がある程度減るまで席に座って待っていたので、後方出口付近で実際に何があったのか詳しくは知らない。しかし、いったん後方出口に向かい、また前方に戻ってきたと思われる乗客たちは怒ってた。

「行きは後ろからも出られたやん、なんで今は開けてへんの」
「開けたり開けんかったり、どっちか統一せえや」
「後ろからも出られると思ってたのに、余計に帰るのが遅くなったわ」
「開いてないなら、なんでそれをアナウンスせえへんねん!」

何度も書いてるが、ピーチは飛行機の乗り降りにタラップを使用する。しかしそれは関西空港での話(2012年4月時点)。しかし福岡空港ではボーディングブリッジが用意されており、タラップは使わない。

つまりボーディングブリッジは前方出口にしか接続していないから、後方出口を開けるわけがない。福岡空港と関西空港の違いが分かっていれば理解できる。私も後で冷静に考えて謎が解けた。

しかし乗客全員がそれを把握しているとは限らない。私みたいに日帰りで、同じ日に福岡と関西空港を往復している人であればなおさら、「朝は後ろから出られたんだから、夜も後ろから出られるでしょ」と考えても不思議じゃない。

だから思うのだ。「出口は前方のみです」とさえアナウンスしてくれれば、勘違いして後ろに進む乗客が少しでも減るのに、なぜアナウンスをしないのだろうか、と。

JR九州は駅に着く際、「お出口は右側になります」と車内アナウンスしてくれる。サービスを提供するって、そういうことも含めてではないか。

まさか福岡でも地下鉄に乗るハメになるとは

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▲ 福岡空港の外に出た。時刻はもうすぐ夜の10時になろうとしていた。

当初の予定では、北九州まで直行の高速バスに乗って帰る予定だった。しかしピーチが1時間遅れて到着し、さらに不幸なことに高速バスが出発した直後。次のバスまで1時間待たなければならない。

このまま福岡空港のどこかで1時間待つのが無難だったが、ピーチのせいで精神的にも疲れ切ってしまい、「長時間ジッと待つ」という行為にウンザリしてた。

福岡空港駅から地下鉄に乗り、天神駅まで移動。大阪で飽きるほど地下鉄に乗りまくったのに、福岡でまた地下鉄に乗ることになるとは思わなかった。天神駅で下車し、天神バスセンターから北九州行きの高速バスに乗車。乗り過ごすのが怖かったので必死に睡魔と闘い、自宅に到着したのが23時30分過ぎ。

https://twitter.com/Rikuma_/status/190086149614731264

正確にはトータル17時間30分の日帰りツアー。風呂に入り、そのままバタンと眠りに落ちるはずだったが、その日に体験した大阪での出来事を思い出していたら興奮したのか目が冴えてしまい、結局寝たのは深夜2時過ぎだった。

帰りのピーチで残念だったこと:まとめ

長々と時系列で書いていたので分かりにくくなっているかもしれない。

今回、キャンペーン価格で「片道2,140円」という超破格値の航空チケットを販売してくれた、そのおかげで私の大阪日帰り旅行が実現できた。そういう意味ではピーチというLCC会社に感謝している。

福岡から関西空港までの「往路」に関しては、他社の各便が天候不良による「条件付き運航」を次々とアナウンスする中、ピーチだけは条件も一切つかず(それもあってかアナウンスも一切なかったけど)、悪天候もなんのその。定刻通りに離陸し、定刻通りに関空へ着陸した。往路の時点では「ピーチ、やるじゃないか」と思ってた。

懸念していた座席の奥行や幅も、確かに狭いことは狭かったが耐えられないほどでもなかった。福岡から関空までフライト時間は1時間だから、それくらいなら全然問題ないことも判った。

LCCという会社の性質上、座席指定も有料、機内サービスも有料、荷物を預けるのも有料、その代わりチケットを安く提供する、というのも理解していたから、利用する際もその点は気にならなかった。分かった上で利用してたから。

往路に関しては大きな不満はなかった。問題は「復路」。

◆アナウンスの頻度や情報量が少なすぎる

待合ロビーで「15分遅れ」と一度だけ告知しただけで、その後は何も情報提供がない。結果的に1時間近く遅れて出発するまで何もアナウンスがない。バス乗り場への誘導を開始する際もアナウンスがない。

◆給油の遅れで搭乗できないのにバスを向かわせた不思議

機体の到着が遅れたから、整備や給油が遅れるのは仕方ない。それは理解できるが、なぜ整備完了してないのに待合ロビーから乗客を移動させ、バスに乗せ、飛行機の前で長時間待たせたのか。

早合点したフライング誘導なのか、整備が完了してないことを誘導側が知らされていなかったのか。整備、誘導、受付、ロビーと機内の機長や乗務員など、各所間のコミュニケーションはどうなっているのか。

◆出口の誘導だけを取っても、一言アナウンスすれば済むのにやらない

関空に着いた時は「前方だけではなく後方にも出口がある」ことをアナウンスしなかった。逆に福岡空港では「前方からしか出られない」ことのアナウンスがなかった。いずれも「どうしてアナウンスしてくれないのか」「教えてくれればスムーズにストレスなく飛行機から出ることが出来たのに」と憤る客が複数存在した。

結局はどれも「ほんの少しの配慮」でクリアできる問題のはず。2ヶ月近くが経ってこの記事を書いているが、現在はどのくらい改善されているのだろうか。

ピーチの利用は「一種のギャンブル」だと認識する必要がある

たとえば悪天候などによる条件付き運航により、現地上空まで来たのに引き返すことや、最悪の場合は欠航してしまうこともある。これはピーチに限ったことではない。他社でも十分あり得る。

しかし(上でも書いたが)ピーチはもともと所有している機体の数が少ない。2012年4月の時点で3機しか持っていない。だから代替がきかない。

これを書いてる今日(6月5日)も、ピーチの公式発表を見ると「機材トラブルのため4便が欠航」と書かれていた。

1つの機体にトラブルが発生した場合に、当該の便だけが欠航するのは仕方がない。危険を顧みずフライトされて大惨事になったら大変だもの。

ただピーチの場合、「関空→長崎」の機体がトラブルで欠航になると、同じ機体を使う次の「長崎→関空」も欠航になる。さらに今日の場合は「関空→鹿児島」と「鹿児島→関空」も欠航になった。これも同じ機体を使う予定だったせいかもしれない。

つまり1つの便が欠航すると、他社よりも欠航の影響範囲が大きくなってしまう。

欠航となった場合、ピーチから他社へチケットの振替は出来ない。これはピーチの公式サイトにも書かれている。じゃあどうするのか。

実はチケットを取った数日後に、不安だったのでピーチに電話で確認していた。その頃に乗務員の操作ミスで機体が故障し、数日にわたって複数の便が欠航になりニュースを賑わしていて、自分の大阪旅行がすごく不安になっていた。

ピーチ側の回答は2つ。「自社(=ピーチ)の別便に振り替える」か、「チケット代金を払い戻す」か。

前述した「連日の欠航トラブル」の際は、ほぼ全員が「チケット払い戻し」を選択されました、とピーチの人は言っていた。特に大きな混乱もありませんでした、とも言ってた。サラッと言われた。

「別便に振り替える」場合、確実に乗れる保障は一切ない。要するに「キャンセル待ち」の状態になるだけで、前日に乗るはずだったからと言って優先や優遇されるわけではない。座席に空きがないなら延々と待ち続けなければならない。

当時のピーチはチケット価格の大盤振る舞いで大人気だったから、どの便も満席だったろうし、キャンセル待ちで別便に乗るなんて実質的に不可能だっただろう。

払い戻しをするしか選択肢がないに等しいのは素人にも分かる訳で、それを「皆さん、そうされてますよ」というニュアンスでサラッと説明されても「それはアナタたちが言うセリフじゃない」と感じる。

急いでその日のうちに帰る必要があるなら、払い戻しをしてもらい、大急ぎで他社便の空きを調べなければならない。

席があるならラッキーだが、忘れてはならない。他社のチケットを割引も何もない当日価格で購入しなければならないのだ。最初に買ったピーチの大幅値下げキャンペーン価格とは比較にならないほどの高額な出費となる。

私のチケットは今回片道2,140円だったが、仮にピーチが突然欠航になって他社の当日チケットを買ったら2万円少々のチケット代が別途必要だと判った。約10倍である。バスやJRやフェリーよりも安いからこそピーチでの大阪旅行を決めたのに、結果的にどこよりも高いチケットを買うハメになる。

他社のチケットも取れないなら、どこかで宿泊先を探すしかない。もちろん宿は自分で探すことになる。翌日、ピーチの別便に振り替えてもらうことが出来ればまだいいが、もしピーチの空きがなかったら? やはり何倍もの出費で他社チケットを購入する以外に手はない。

そもそも飛行機のチケットなんて本来は安くないんだから、通常の価格でチケット買う金銭的な余裕がないなら旅行なんて行かない方がいい、という意見もあるだろう。その通りだと私も思う。

イチかバチか、飛ぶか飛ばないか賭けてみよう、みたいな「ギャンブル的なフライト」と言えなくもない。

まとめると、現時点でのピーチは欠航や遅延に関するリスクが他社よりも断然高い。LCCの仕組みとして仕方ない面もあるので、そこを納得した上で利用するしかない。

今回の私みたいに、プライベート利用で、金銭的余裕もなく、もし欠航しても「仕方ない」「運が悪かった」と感じるだけで、目的地に到着できなくても生活に支障が出ない利用者であるならば、ピーチの低価格が大変魅力的であることは間違いない。

しかし、これが「時間の制約を受ける」「時間を正確に守る絶対的な必要がある」、そして「目的地に正確かつ着実に到着できないと個人的または社会的に不利益が生じる」という種類の利用者、特にビジネスで利用する人となると話は違う。現状、ピーチをビジネスで利用するのはお勧めしない。(特に夜の最終便)

わざわざ欠航や遅延のリスクが高い航空会社をビジネスで選択する理由がない。経費節減のため安い航空会社を選ばざるを得ないというフトコロ事情であるなら仕方ないのかもしれないが、「時間をお金で買う」という概念も理解しておくべきである。

遅れなくてラッキー、飛んでくれてラッキー、という「ギャンブル的要素の高いフライト」で、それこそ出張先の会議に間に合えばラッキー、その日のうちに着くならラッキー、という切羽詰まっていないレベルのビジネス利用なら問題はないのかもしれない。

「飛行機が遅れて(あるいは欠航して)、会議に間に合いませんでした、申し訳ありません」と釈明して、それを温かく許してもらえる取引先や同僚や上司ならいい。会社の評価や自身の人事考課がどうなるかは知らないが。

以前放送されたテレビの特集番組で、出演していたピーチの社長は顧客ターゲットを「女性です」と明言していた。ビジネス用途での利用を突き詰めるというより、新たな客層の掘り起こしを狙うというニュアンスで。

ただ、普段それほど飛行機に乗り慣れていない女性客層を掘り起こしたいのであれば、それこそ今回書いたような「きめ細やかな気配り」こそが必要なのではないだろうか。

現に帰りの便で、怒ってた女性がとても多かった。「もう二度とピーチは利用しない」と今も憤ってる人がいないとも限らない。

乗り慣れてる人なら「そんなもんだよ」と納得したりあきらめたりできることでも、普段は旅行しない人が意を決して旅に出て、次から次へと失望したりイライラさせられる場面に遭遇したら、航空会社うんぬんじゃなくて、旅そのものがキライになってしまう。

掘り起こすどころの話ではない。埋め立ててどうするんだ。

信頼も悪評も、人間が経験し、感じたこと、それが他人に伝わったことの蓄積であるはず。一度蓄積されたらそう簡単には変形も消失もしない。

ここ最近でも、ピーチではない別の某航空会社が「機内での苦情は一切受け付けません」「客室乗務員に丁寧な言葉遣いを義務付けておりません」という公式見解を発表して物議をかもしていたが、まさに賛否両論。批判してる人もいれば賛同している人もいる。

一口に「安かろう、悪かろう」と言ってもそれこそレベルの差があるように、どこまでコストカットを突き詰め、どこまでサービスの質とバランスを取るかが企業における重要課題であることは今後も変わらないと思う。

何かの価値を高めるためには、一方で何かのレベルを落とさざるを得ないのかもしれない。何もかもがパーフェクトで大満足なサービスの提供は難しいし、利用者も自分の価値観で取捨選択していかなければならない。自分に向いてるなら再度利用する。向いてないなら二度と利用しない。

自分の価値観。結局はそこに行きついてしまう。

自分の中で優先順位をどう持っていくか。それによって選択肢も個人差が出る。それは航空チケットに限らず何でも同じことだろう。

「苦情なんて聞いてくれなくてもいいよ、丁寧な言葉遣いじゃなくてもいいよ、それ以上にイイことあるなら利用するよ」って人が大勢いたって、全然それは不思議じゃない。要は価値観の問題。

今回私がピーチに対して感じたことは以上の通り。これも私の価値観であり、私が取得したピーチに関する「蓄積」。

同日の同便を利用した他の乗客で、「いやいや、問題なかったよ、あんなもんでしょー、あれで十分だよ」と感じた人だっているかもしれない。それはそれで全然否定する気はない。価値観の相違。そしてそれもまた「蓄積」。

長々と書いたが、今回はエピローグ。最後はピーチに対する不満を吐露する内容になったが、ピーチの格安チケットがなければ今回の大阪弾丸日帰りツアーは実現しなかった。またいつかピーチを利用することはきっとあるはずだし、その時はもっと気持ち良く利用できればいいなと願っている。

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