Evernoteが2023年5月1日に有料プランを値上げしたことにより、有料プランを利用するユーザーの多くは「利用継続」「解約」の分岐点に差し掛かっていると思います。
私個人もいろいろ検討した結果、長年にわたって利用していた有料プラン「Evernote Personal」を先日解約しました。
今回の記事では、Evernote有料プランを今後も継続利用したほうが良い人、逆に有料プランを解約したほうが良い人、それぞれの考え方・判断材料について解説していきます。
また、有料プラン解約のための操作方法をスクリーンショット付きで解説します。
直近10年間におけるEvernote有料プランの変遷
私は2009年からEvernoteの利用を開始しました。思えば長い付き合いとなっています。
利用を開始した当初は無料プランでしたが、利用頻度の増加、そして保存容量が足りなくなってきたため、2012年から有料プランに切り替えました。有料プランを約11年間、利用し続けたことになります。
直近10年間で、Evernoteの個人向け有料プランはいろいろな動きがありました。値上げも複数回にわたり実施されています。
2015年4月、有料プランが2種類に
私がEvernoteの利用を開始したとき、プランは2つしかありませんでした。無料の「ベーシック」と、有料の「プレミアム」です。
2015年4月29日、ベーシックとプレミアムの中間に位置する新プランとして「プラス」が追加され、Evernoteの個人向けプランは3種類となりました。
プラン名 | 料金 | アップロード容量 |
---|---|---|
ベーシック (Basic) | 無料 | 60MB/月 |
プラス (Plus) | 2,000円(年額) 240円(月額) | 1GB/月 |
プレミアム (Premium) | 4,000円(年額) 450円(月額) | 無制限 → 10GB/月 |
2015年4月のタイミングで「プレミアム」は月間アップロード容量が無制限となり、プレミアムの契約者数は大幅に増加したそうです。
ヘビーユーザーにとっては大変助かるプラン内容変更だったのですが、わずか4ヶ月後の2015年8月12日、プレミアムの月間アップロード容量が無制限から月間10GBまでと変更になりました。
2016年6月、1回目の値上げ
2016年6月、1回目の値上げが発表されました。各プランの変更内容は以下のとおりです。
プラン名 | 料金 | アップロード容量 |
---|---|---|
ベーシック (Basic) | 無料 | 60MB/月 |
プラス (Plus) | 2,000円→3,100円(年額) 240円→360円(月額) | 1GB/月 |
プレミアム (Premium) | 4,000円→5,200円(年額) 450円→600円(月額) | 10GB/月 |
「プラス」が2,000円から3,100円に、「プレミアム」が4,000円から5,200円に、それぞれ値上げとなりました(いずれも年額)。
このタイミングで、無料プラン「ベーシック」の同期できる端末数が2台までに縮小されています。
2021年7月、プラン名称の変更(実質2回目の値上げ)
2021年7月21日にはプラン名称が以下のように変更されました。
- ベーシック → Free(フリー)
- プラス → Personal(パーソナル)
- プレミアム → Professional(プロフェッショナル)
同時に料金プランも改定されました。元々のプランより高くなったため、実質的な値上げとなっています。
プラン名 | 料金 | アップロード容量 |
---|---|---|
フリー (Free) | 無料 | 60MB/月 |
パーソナル (Personal) | 3,100円→5,800円(年額) 360円→680円(月額) | 10GB/月 |
プロフェッショナル (Professional) | 5,200円→8,500円(年額) 600円→850円(月額) | 20GB/月 |
厳密にいえば旧プランの「プラス」が廃止となり、旧プランの「プレミアム」が新プランの「パーソナル」に変更されたイメージです。
したがって「パーソナル」の月間アップロード容量は旧プランの「プレミアム」と同じく10GB、新プラン「プロフェッショナル」の月間アップロード容量が倍の20GBとなっています。
私自身、このタイミングで「プレミアム」から(プロフェッショナルではなく)「パーソナル」へとチェンジしました。それでも年額にして600円の値上げにはなっています。
2023年5月、3回目の値上げ
2023年5月1日、Evernoteは再び値上げを発表しました。なかなかの大幅値上げです。
プラン名 | 料金 | アップロード容量 |
---|---|---|
フリー (Free) | 無料 | 60MB/月 |
パーソナル (Personal) | 5,800円→9,300円(年額) 680円→1,100円(月額) | 10GB/月 |
プロフェッショナル (Professional) | 8,500円→12,400円(年額) 850円→1,550円(月額) | 20GB/月 |
このタイミングで有料プランの解約・他ツールへの移行を決めた人は多いのかもしれませんね。
私自身、値上げ直後にプランの契約更新時期が来ていたため、このタイミングで解約することにしたというわけです。
Evernote Personalの解約を決めた3つの理由
2009年からEvernoteの無料プランを使い始め、2012年に有料プランの「プレミアム」を契約。2021年からは「Personal(パーソナル)」を使ってきました。
今回、その「Personal」を解約した理由は大きく3つあります。
- 契約当初の倍以上に膨れた料金
- プレミアムパック割引の完全消滅
- 保存データサイズの激減
それぞれについて解説していきます。
理由その1:契約当初の倍以上に膨れた料金
上の項で値上げの変遷を紹介しましたが、ちょうど自身の有料プランの契約更改タイミングで、2023年5月の大きな値上げが発表されたのです。なんというタイミングの悪さ。
「解約しろというお告げかな」と感じました。
2012年、最初に「プレミアム」を契約したときは年額4,000円だった料金が、2023年の値上げで年額9,300円になりましたからね。倍以上ですもん。
理由その2:プレミアムパック割引の完全消滅
2021年にプランが変更されるまで、最上位の有料プラン「プレミアム」には「プレミアムパック」という割引サービスがありました。
プレミアムパックには「3年版」や「2年版」があり、有料プランの年額よりもずいぶん安かったです。私は契約期間が終了する手前のタイミングで毎回この「プレミアムパック」を購入していました。
プレミアムパックの記事を以前公開しています。
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Evernoteプレミアムパック3年版は有料プラン利用者にとっての最適解
2016年6月末、Evernoteが無料プランの条件変更と有料プランの価格改定を発表。既に有料プランを利用しているユーザーであれば、プレミアムパック3年版を購入して安くお得にプレミアム期間を更新することをオススメします。
当初はAmazonでプレミアムパック3年版を購入していましたが、やがてAmazonは「在庫切れ」に。販売を終了したのかと思ったら、楽天市場では引き続き販売されていたので買ったという年もありました。
やがて3年版がどこにも売られていない事態となったのですが、「ソースネクストeSHOP」でプレミアムパック2年版が販売されていると知り、喜び勇んで購入しました。これが直近最後のプレミアムパック購入です。
2023年に次の契約更新が来るため、定期的にプレミアムパックの販売状況を調べていたのですが、Amazon・楽天市場・ソースネクストのいずれにおいても、現時点でプレミアムパックは(3年版だけでなく2年版も)販売していないようです。
「プレミアム」というEvernoteの有料プランが廃止され、現在は「パーソナル」というプランですから、プレミアムがなくなったことでプレミアムパックも同時になくなったのかな、と推測しています。
それならそれで「パーソナルパック」という商品がリリースされていれば良かったんですけどね。そういう割引サービスは存在しないようです。
何度かの値上げがあっても、プレミアムパックによる割引きのおかげで年額が安くなったため、これまで有料プランを利用し続けてきました。
しかし、大幅な値上げがあり、しかも割引サービスも廃止されたとなれば話は違ってきます。
理由その3:保存データサイズの激減
私が契約していた有料プラン「パーソナル」の月間アップロード容量は10GBあります。毎月かなりたくさんのデータを保存していましたが、上限の10GBに到達してしまったことは1度もありませんでした。
一方で無料プラン「フリー」の月間アップロード容量は60MBです。画像の多いWebサイトの記事や動画を保存する機会が多いと、60MBという上限には結構早く到達してしまいます。
無料プランの上限60MBギリギリの攻防を続けるとストレスが溜まってイヤでした。だから有料プランへと切り替えた、それが2012年でした。あの頃は何でもかんでもEvernoteに保存していたのです。
しかし、ここ数年でEvernoteの利用頻度が大きく変化しました。最も大きな変化は「大きなサイズのWebデータをEvernoteに保存しなくなった」ことです。
テキスト中心のデータ(たとえば議事録だったり、セミナー内容の要約だったり、新たに作るサイトの設計書だったり)は今もEvernoteを利用しています。
テキストデータがメインの使い方になり、今の使い方だと月間アップロード容量をどのくらい消費しているのかを数ヶ月チェックしたところ、無料プランの上限である60MBをギリギリで下回っていることが分かりました。
これなら有料プランはもったいない、使い続けることもないな、と判断したのも解約理由の1つです。
Evernote Personal、解約の流れ
この項では、今回解約した操作の流れをスクリーンショット付きで紹介します。
スクリーンショットはEvernoteのMacアプリのものです。
有料プラン解約までの操作
まず、EvernoteのPC版アプリの左側にあるメニューで、一番上にあるアカウント名(自分の名前など)をクリック。
続いて、プルダウンで表示されるサブメニューから「アカウント情報」をクリックすると、EvernoteのWebページが表示されます。
EvernoteのWebページにて、左側のメニューから「請求情報」をクリックします。
「請求情報」のページには、「請求履歴」という欄に次回の請求日や請求金額が表示されています。私は「パーソナル」を契約していたので、値上げされた「9,300円」という金額が表示されています。
画面を下にスクロールすると、「Evernote 登録プランをキャンセル」というリンクがありますので、ここをクリックします。
「プランをキャンセルしようとしています」という文字がデカデカと表示されるページに飛びます。
プランをキャンセルしてしまうと、アップロード容量が10GB(パーソナルの場合)から60MBに減ってしまいますよ、という警告が赤い太文字で強調表示されています。
その警告文の下に「Evernote Personal を継続する」というグリーンのボタンが表示されていますが、これはワナです。
このグリーンのボタンを押すと有料プランは継続され、解約処理は無意味となります。
解約処理に慣れてる人ならEvernoteに限らずこういう表示は「いつものこと」ですから、鼻で笑って次に進めばいいのですが、本文をよく読まずに脊髄反射でボタンを押してしまうクセのある人はご注意ください。
じゃあ次に進むとして、他にボタンがないのだけど、どうすればいいの?
正解は「画面をもっと下にスクロールする」です。
解約処理画面はユーザーにとって意図的に不親切な作りをしていることが多いです。気を付けましょう。
画面を下にスクロールしていくと、有料プランを解約してしまうことで利用できなくなる機能の一覧がドーンと表示されています。
心の優しい人なら「そうか、分かったよ、そこまで言うなら…」と解約をあきらめて有料プランを継続してしまうかもしれません。見ていると切ないですもんね。これほどのものを自分は手放してしまうのか!と。
私は心が冷たいので機能一覧には目もくれず「キャンセルを続行する」ボタンを瞬時にクリックしました。
もうお分かりかと思いますが、その左隣りにあるグリーンの「Evernote Personal を継続する」ボタンを押してしまうと解約処理は無効です。すごろくで言うところの「ふりだしに戻る」です。
次の画面に遷移しますが、まだ終わりません。「もう少しで完了です」というタイトルと共に、解約理由を答えるアンケート画面が表示されます。なんという執念。
私は心が冷たいですが、この画面を見たときはフフッと声を出して笑ってしまいました。少しだけ心の温かさを取り戻せたのかもしれません。
選択肢から解約理由に近いものをクリックして、「プランをキャンセル」ボタンをクリックしましょう。
何度も書きますが、グリーンのボタンを押してしまうとプラン継続です。ここまで来てプラン継続するなんてどうかしてます。
次の画面。「またのご利用をお待ちしております」と小さく書かれているので、どうやら解約処理は完了したようです。
しかし、解約処理の完了を告げるメッセージよりも大きな文字で「利用を継続すればEvernote Personalが40%オフ」って書かれてます。そして再び継続を促すグリーンのボタン。
さらにその下には、値上げにより9,300円となった料金が、40%オフで5,580円に下がるという旨も書かれています。
解約する前に言えよ!
解約処理を終わってすぐ、再び釣り針を垂らされるとは思いませんでした。
他サイトの解約を解説する記事では、上のような割引を示唆する画面は表示されていないものもあったので、今回たまたまだったんですかね。期間限定なのかもしれません。
いずれにせよ私は「解約する」と腹を決めていたので、今さら有料プランに戻る気もなく、グリーンのボタンを押すこともなくやり過ごしました。
今度こそ本当に解約処理は終了したようです。
解約処理完了後の確認
解約処理が完了するまで、実に多くのワナが張り巡らされていたので、本当の本当に有料プランの解約が完了しているのかが不安になり、確認してみることにしました。
解約処理の完了後、EvernoteのWebページにて「アカウント情報」を再度表示してみると、請求履歴の欄に書かれている表現が変わっていました。
解約処理の前は、次の請求日(=現在契約しているPersonal が終了する翌日)と、請求金額(=9,300円)、この2つのみが書かれていました。
解約処理完了後は、契約していた「Evernote Personal」の有効期限と、「更新は行われません」「その後は無料版のEvernote Free に切り替わります」という案内がされています。
解約処理は問題なく完了されたこと、無料プランに切り替わったことが判明しました。
無料プラン変更後
現在は、有料プラン「Evernote Personal」を解約してから1ヶ月半ほどが経過しました。
無料プランの月間アップロード容量(60MB)では到底無理だとなれば、別ツールへの移行を本格的に開始しなければなりません。ひとまず1ヶ月ちょっと無料プランを使ってみて様子を見ることにした、というわけです。
無料プランになってから、Evernote・Macアプリのホーム画面は上の画像のようになっています。
ホーム画面のいたるところに有料プランへのアップグレード催促メッセージやボタンが表示されています。
これ、逆効果だと思うんですけどね。これほどまでに執拗に「アップグレード、どうですか?」と表示させていると、有料プランどころか無料プランまでもイヤになってしまう人が出てくるんじゃないかと感じてしまいます。
懸案だった「月間アップロード容量60MBで耐えられるのか」という問題ですが、リセットまであと2週間という状態で、容量の残りが80パーセント、と表示されています。
つまり半月で全体の2割しか使っていない。私の使い方であれば月間60MBの無料プランでも余裕でいけそうだ、ということが分かりました。
Evernote、「継続」「解約」それぞれの考え方
私自身は今回「Evernote Personal」を解約し、無料プランに移行するという道を選択しました。
2023年の再値上げをキッカケとして、Evernoteの有料プランを今後も継続していくべきなのか、それとも解約して無料プランにダウングレードすべきか。
それぞれの道について、判断材料をまとめてみました。
Evernote有料プランを今後も継続したほうが良い人
この項では、Evernoteの有料プランを今後も継続したほうが良い人について、その判断材料を挙げながら解説していきます。
- 値上げ料金が気にならない、許容できる
- 有料プランならではの機能を今後も利用したい
- 大量データを今後も保存し続けたい
それぞれについて解説します。
その1:値上げ料金が気にならない、許容できる
2023年の値上げ幅は大きかったので、価格の問題で有料プランを解約しようと決める人は多いと思います(私自身がそうでした)。
それでも年額や月額を支払うことに問題はない、まだこの価格なら許せるというユーザーであれば、無理に解約をする必要はありません。
そもそもの継続・解約の境界線で最も大きなものは、コストパフォーマンス(コスパ)を個人でどう考えるかです。
値上げされたけれどコスパで考えればまだEvernoteを手放せない、と感じるユーザーは今後も有料プランを継続利用すべきです。
その2:有料プランならではの機能を今後も利用したい
Evernoteの有料プランには、キーワードを検索する際に保存した画像の中も検索対象となったり、PCやスマートフォンなどの同期可能な端末が無制限だったり(注:無料プランは2台まで)、無料プランにはない優秀な機能が複数あります。
これらの機能を捨てるのは惜しい、引き続き利用したい、利用できないと困る、というのであれば有料プランが必須となります。解約する理由はありません。
その3:大量データを今後も保存し続けたい
無料プランの月間アップロード容量は60MBです。一方で有料プランのうち安価なほう、Evernote Personalの月間アップロード容量は10GBです。
10GBをメガに換算すると10,240MBなので、無料プランの60MBとは実に170倍以上の容量差があります。
1ヶ月間でEvernoteに保存するデータの総容量が毎回60MBを超えてしまうのであれば、無料プランを使い続けるのは無理です。
それでもEvernoteを使い続けたいのであれば、データサイズをなんとか努力して落とすか、容量上限に余裕のある有料プランを継続するか、どちらかです。
Evernote有料プランを解約したほうが良い人
- 値上げ料金が高いと感じる
- 月間アップロード容量が60MBを切っている
- 使用頻度が少ない
有料プランを解約したほうが良いパターンについても、ひとつずつ解説していきます。
その1:値上げ料金が高いと感じる
2023年の値上げにより、有料プランはますます高価なものとなってしまいました。しかもプレミアムパックのような割引サービスも今は存在しません。
たとえば有料プラン「Personal」の場合、1年間の利用額は9,300円です。これを捻出するのが厳しいと感じるのであれば、無理をせず有料プランは解約したほうが良いです。
Evernote自体は無料プランへと変更して利用を続け、何か他のツールを併用してWebページを保存するといった使い方もあります。私自身はそうしています。
別ツールで代表的なものを、次の項で解説しています。
その2:月間アップロード容量が60MBを切っている
有料プラン「Personal」の月間アップロード容量は10GBですが、この容量を常に上限まで利用しているユーザーはほとんどいない気がします。
私自身、「Personal」の契約中には1割である「1GB」すら到達したことがありませんでした。かなりのヘビーユーザーなら結構な保存量になるのでしょうが、そうではない人が大半だと思います。
一方で、画像の多いWebページやYouTubeの動画などを保存していると、無料プランの容量上限である60MBはすぐに超えます。「え? これだけで超えちゃうの?」というくらい、60MBって案外すぐに超えます。
画像や動画は保存せず、テキスト文章中心にデータをEvernoteに保存しているのであれば、60MB未満で収めることも可能です(今の私がそうです)。
月間アップロード容量が毎月のように60MBを切っているのであれば、有料プランを使い続ける必要性はないと感じます。
その3:使用頻度が少ない
Evernoteに限らずどんなツールでもそうですが、有料プラン料金を支払っているにもかかわらず、利用頻度が少ない・減ってきているというのであれば、有料プランを使い続ける意味はないように思います。
少ない使用頻度のためにお金を払えるか、という問題ですね。「もったいない」と感じているのであれば、解約すべきです。
Evernoteの代替ツールで代表的なもの
今回私はEvernoteの有料プラン「Personal」を解約しましたが、これでEvernoteと完全に縁を切ったわけではありません。無料プランを今後も利用していきます。
縁を切らない理由は、11年間の利用で莫大なデータをEvernoteに蓄積しているからです。
このデータ群を捨てる理由はないし、Evernoteのデータ全てを他のツールに全面移行するのはちょっと違うなとも感じます。Evernoteが消滅してしまうというなら話は別ですけどね。
これまでも、Evernoteでも出来る機能のうちいくつかは、別ツールのほうで管理してきました。
たとえば、タスク管理だと「OmniFocus(Macアプリ)」や「たすくま(iPhoneアプリ)」をずいぶん長いこと利用しています。
この項では「データ保存」という観点に絞り、Evernoteの代替として利用できそうなツールのうち代表的なもの、メジャーなものを2つ紹介します。
ツールその1:OneNote
マイクロソフト社がリリースしているデジタル・ノートブック「OneNote」は、ずいぶん前からEvernoteと並ぶ保存ツールとして人気です。
まだEvernoteの有料プランに加入する前、OneNoteとEvernoteを併用していたことがあります。
Evernoteの有料プランに加入後、あちこちデータを分散させるのがイヤになったのでEvernoteに集約し、OneNoteは使わなくなって現在に至るのですが、OneNote自体はとても便利なツールなので、使ってみて損はないと思います。
OneNoteはマイクロソフトのサブスクリプション「Microsoft 365」に含まれており、月額または年額を支払うことで、Excel・Word・Powerpointといった製品と同じく、最新バージョンのOneNoteを常に利用することができます。
ツールその2:Notion
私が現在、Evernoteと併用しているツールが「Notion」です。個人的にはEvernoteよりもむしろNotionを使う頻度が高くなっています。
「画像の多いWebページのデータをEvernoteに保存する機会が減った」と上で書いたのですが、実は最近、そういったWebページはNotionに保存するようになりました。
Evernoteと同じく、NotionにもWebページを簡単にクリップできるChrome拡張機能があります。
Notionは基本的に無料で利用できます。有料プランもあり、
- 5人までのゲストを自分のページに呼べる(複数人で運用する場合に便利)
- 1つのファイルのアップロード容量が無制限(無料プランは1ファイル5MBまで)
- バージョン履歴が利用できる(無料プランは利用できない)
上記のようなメリットが有料プランにはありますが、個人で使うのであれば無料プランで全く問題ありません。
また、Notionの機能をさらに便利に活用できる人口知能ツール「Notion AI」も提供されており、追加料金10ドル(月額)で誰でも利用することができます。
私も「Notion AI」の有料プランを利用しており、2022年12月に開設した新サイト「ぐるナイ・ゴチになります!結果まとめ」では開発段階で「Notion AI」をフル活用させて作ったという実績があります。
公式サイトなどから順位や自腹金額などのデータをAIに自動収集させ、手動のデータ追加などファクトチェックを通して公開しています。
「Notion AI」は必須ツールとまではいきませんし、ChatGPTの使い方とも微妙に違うのですが、Notionをいろいろ活用していく上でAIは心強い味方になってくれると思います。
まとめ
Evernoteの有料プランを今後も使い続けるか、解約して無料プランにしてみるかは、各々のこれまでの(これからの)使い方によって違います。一概にどちらかにすべきと言うことはできません。
どうしてもEvernoteの機能や容量が必要だとなれば、無理に解約する必要はありません。使い続けるのがベターです。
値上げされた料金に納得できず利用頻度も低いのであれば、無理にEvernote有料プランを支払い続ける必要はないでしょう。
あるいは、有料プランはコスパ的に継続したくないし、一方で無料プランでは容量が足りなくて使いづらいというのであれば、他ツールにデータを移行させるという手もあります。上で挙げたNotionにはEvernoteの既存データをNotionに移行できるツールも用意されています。
今回の値上げがEvernoteユーザーにとって大きな分岐点となったのは間違いないと感じています。自分自身の使い方やお財布事情などを検討してみて、今後進むべき道を決めていきましょう。