[Я]今は亡きプロレスラー列伝#11:橋本真也

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感情移入したくなる選手だった

1990年代の新日本プロレスを引っ張り、ブームの立役者にもなった「闘魂三銃士」。

武藤・蝶野・橋本という入団同期3人組のユニットでしたが(チームとして正式に試合をしたのは数回だったけど)、それぞれに個性や色の違いがあり、ユニークなユニットでした。

その中でも「この人は何をヤラかすか分からんわ」という意味での好奇心だったり、感情移入しやすい選手として大好きだったのが、橋本真也。

海外遠征から一時的に戻ってた頃、蝶野と二人で白のタイツ履いてた時は「ん~…」と思ってたけど、東京ドームのトーナメント戦、1回戦で長州を破る大金星をあげて、最終的に決勝まで進んだことで一躍注目度が上がった感じ。

※ちなみに決勝はビッグバン・ベイダーに負けた。

トニー・ホームとの異種格闘技戦で負けて沖縄へ修行に行ったり、小川とのガチンコに連敗して引退したけど千羽鶴で復活したり、団体をクビ同然で辞めて新団体ゼロワンを創設したり、三沢と小川の試合で関係ないのに三沢を蹴ったり、対戦相手だった冬木が亡くなった直後に冬木の遺骨を持って電流爆破の有刺鉄線に自ら飛び込んだり、この人のエピソードは本当に事欠かない。

でも、本当に愛すべき選手だったなぁ。大好きだった。

振り返りたい試合は数多くあれど、新日本好きなファンが最も感情移入した試合は、やっぱり1996年、高田延彦とのIWGP王座戦じゃないですかね。

UWFインターナショナルが新日本プロレスと抗争を開始し、IWGPチャンピオンだった武藤が高田に敗れてベルトが他団体に流出。その後、刺客の越中も高田に負け、次がダメならヤバイぞという空気の中で挑戦者として選ばれた橋本。

「橋本ならやってくれる!」「いや高田も相当に強い!」という双方ファンの思惑が交錯する中、ものすごい緊張感の中で進む試合。

当時、ハイキックと共に高田がフィニッシュとして高い確率で勝利を収めてた技が「腕ひしぎ逆十字」。あの技が決まりそうになる度に橋本ファンは「うわー!」と悲鳴を上げたはず。

キックが得意の高田に対して、これまたキックを得意とする橋本がむしろ威力で勝ってるようなシーンを連発させて、新日本ファンは溜飲を下げたでしょうね。

この試合のフィニッシュに関して私は全く納得してないのだけど(=浅いでしょ、あれは)、その直前、伝家の宝刀「垂直落下式DDT」の説得力バツグンなド迫力。あのブッコ抜きは鳥肌が立った。実質アレで決まったよね、と納得できるものがあった。

高田のキックをかいくぐって意表を突いた水面蹴りの、なんという気持ち良さ。あの技はそんなに好きじゃなかったけど、この試合での水面蹴りはドンピシャなタイミングも角度も素晴らしかったな~。

印象的なムーブ・ベスト3

★第1位:垂直落下式DDT

日本のプロレス界に「DDT」というフィニッシュを定着させたのは橋本。それ以前に天龍もやってたけど、あれはフィニッシュと呼ぶにはちょっと…という角度だし、確実にフォールを取ってたという意味で橋本のイメージが強いはず。

ただ、DDTの元祖、ジェイク・ロバーツのDDTを見てしまうと、橋本のDDTすらも「ん~、なんか違うな」と思ってしまう。角度というよりスピードなのかな。ロバーツのDDTは「電光石火!」って感じなので。

そういうこともあり橋本のDDTは当初それほどスゴイと思ってなかったのだけど、「飛び付き式DDT」「ジャンピングDDT」と改良を重ね、最終的に会得したのが「垂直落下式DDT」。これは説得力ありました。決まれば絶対勝つやろ!とファンはみんな思った。

「垂直落下式ブレンバスターと何が違うの?」という人もいて、見た目には確かに似てますよね。

橋本のは「垂直に落とすDDT」なので、技をかけてる橋本が先に背中からズドンと倒れて、落とすスピードを高速にしてる点でインパクトがあります。

垂直落下式ブレンバスターは技をかける側の倒れるスピードがゆっくり目で、だけど相手を垂直に落とす、というのが私の認識。ただし、見た目のインパクトを強めるのもあって、かける側がズドンと倒れるタイプもありますので(=ライガーとか)、あんまり難しく考えなくてもいいんじゃないかと。

★第2位:袈裟斬りチョップ

見てる側、特に難しく考えない人とか特別コアなファンでもない人になると、見てて何が痛いのか分からない時がある関節技や、なんでそんなことをするのか理解できない(=自分の方が痛くないの?と思ってしまう)空中殺法と比べると、単純明快に痛さが伝わる打撃技が好まれると思うんですよ。

そういう意味で橋本が愛された理由の一つは、当時の新日本では珍しい「キックの名手」だったことに加えて、袈裟斬りチョップを会得したことが大きかったんじゃないかと。

それまで橋本は地獄突きをよく使ってましたが、あれって見てる側にはあんまり痛さが伝わらないんですよ。実際にやられるとめっちゃ痛いんだけど。ノドだし。私もよく使ってた。

しかし、モーションの大きな袈裟斬りチョップを会得して、チョップ連打で劣勢から一気に優勢になるシーンや、相手のモロに痛そうで苦しそうな表情を見ると、橋本イケー!って思いますもんね。打撃技は感情移入もしやすい。

★第3位:時は来た!それだけだ

橋本最大の迷言として有名ですね。最近これCMでも使われたんでしょ?

状況としては、試合が行われたのが1990年2月の東京ドーム大会。猪木・坂口組vs蝶野・橋本組のタッグマッチで、特別レフェリーがルー・テーズ。

猪木は当時まだ国会議員で、レスラーとしては試合数が激減し、セミリタイア状態。坂口は前年、新日本の社長に就任したばかりで、社長業に専念する意味もあり現役引退を宣言していました。実際、この試合の翌月に引退。

一方の蝶野&橋本は、新日本の中心選手に成長してたけど、まだトップ扱いではなく「次の時代、必ず彼らがトップになる」というプッシュ状態だった頃。蝶野はバリバリの悪役で橋本はベビーフェイス。敵対してた二人が「古い世代に引導を渡す」という主旨でタッグ結成したと。

橋本のセリフ直後、蝶野がプッと吹いてしまったことが当時から話題になってましたが、同時に猪木のビンタも話題になってました。あのアナウンサーを見る度に「猪木にビンタされた人だ」と私はいつも思ってた。

試合自体はセミリタイア状態の猪木組を、現役バリバリで実力急上昇中の橋本組が攻めまくる展開。特に橋本の蹴りを何発も喰らって坂口が悶絶するシーンは本気の本気で痛々しく、見てるのがツラかったほど。

最後は猪木のバックドロップをレフェリーのルー・テーズが超高速の3カウントで決着。「こんなことやってるから出来レースって言われちゃうんだよ」と、試合自体は面白かっただけに大変残念な結末だったのを覚えてます。

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