大阪旅行を決める前にテレビ観戦していた大阪国際女子マラソン
今年の1月、大阪国際女子マラソンをテレビ観戦していた。
そのわずか1週間前に我が街・北九州市で選抜女子駅伝が開催され、大雨の北九州市街地を力走した天満屋の重友梨佐選手、彼女の走りが圧巻で感動した。
今回の大阪旅行と同様、当日の北九州選抜女子駅伝も大雨という最悪のコンディションで、選手たちはズブ濡れになりながら北九州市の各地を力走。その中でも重友選手のタイムは抜きん出ていた。テレビ中継でも「ロンドン五輪、女子マラソン日本代表の有力候補」と実況されており、彼女の走りが見たくて大阪国際女子マラソンを見たというわけ。
https://twitter.com/Rikuma_/statuses/163463269925920768
▲ 大阪国際女子マラソンの放送が始まった直後のツイート。
https://twitter.com/Rikuma_/statuses/163473669996281856
▲ この時、テレビで久しぶりに大阪城を見ていた。
https://twitter.com/Rikuma_/statuses/163493094258520065
▲ 増田明美氏はいつもの通りレースとは関係ないトリビアを視聴者に教えてくれた。
レースは重友選手と福士加代子選手の一騎打ちとなり、最後は重友選手が独走で優勝。後日、ロンドン五輪の女子マラソン代表選手に選ばれた。
大阪国際女子マラソンで大阪城がテレビに映ったとき、とても懐かしく、また行ってみたいと思った。その後にピーチの値下げセールが開催されることも、そのチケットを購入して大阪旅行が実現することも、マラソンを見ていた時点では夢にも思っていなかった。
最後に愛は勝つ
▲ 地下鉄・中央線の大阪港駅で「学研奈良登美ケ丘方面」の地下鉄に乗る。
席が空いていたので座り、体力回復に努める。予想してたよりも遙かに疲れている自分の身体。悪いのはすべて大雨。
座っていた座席近くのドア付近に若い男女のカップルが立っていた。手を繋ぎながらずーっとイチャイチャしている。突然カップルの男が「あ、USJ見えた!」と小さく叫び、女がデジカメを構えて窓の外を撮影。「うわー! USJがクッキリ映ってる!」と喜ぶ女。
「海の向こうにUSJが見える」とガイドブックに書かれてたから大阪南港にも天保山公園にも行ったのに、どちらも大雨のためUSJなど全く見えなかった。失意に沈みながら電車の座席に座り疲れ果てている私の横で、お前らはそんなにも簡単にUSJの撮影に成功したというのか。
私もUSJの写真を撮りたかったのだが、席を立つ体力がない。疲れているので座っていたい。USJは三度断念。つくづく縁がない。
「USJ、撮れて良かったねー」
「うれしいね~」
「うふふふー」
「えへへー」
やかましいわ。
ラブラブなカップルの会話を聞きながら一人落ち込む私。
そこへ再び男が小さく叫ぶ。「あ! 京セラドーム見えたよ!」
また女がデジカメで窓の外を連写し始める。今度は私の背後にある窓の外に見えているらしい。マジか、と私も振り返る。本当だ、結構近くに京セラドームが見えてる。
京セラドーム(大阪ドーム)にも行きたかったのだが今回は時間が厳しかったので事前計画の時点で外していたのだ。ここで京セラドームの近くを通るとは計算外。しかしラッキー!
振り返り、窓にiPhoneを向けて激写!
▲ ひどいよ!!
何枚か撮影したが、すべて阪神高速の柱に邪魔されてドームが全く写ってないか、あるいはピントが全然合ってなかった。そしてドームは見えなくなった。
「ドーム撮れた?」
「うん、バッチリ撮れたよ~」
「USJもドームも撮れて良かったね~」
「楽しいね~!」
「ね~!」
「うふふふふーーー」
再び手を繋ぎ、ラブラブモードで見つめ合う男と女。その横で頭を抱え、うなだれる孤独な敗者1名。
誰かの胸を借りて泣きたかった。
大阪城公園で道を間違える
▲ 午後3時00分、森ノ宮駅に到達。大阪港駅から8駅、所要時間は16分。
▲ 南港でドシャ降りになり、天保山で少し小降りになった雨は、森ノ宮駅から外に出ると再び豪雨になっていた。悪いのはすべてあのカップル。
▲ 大阪城公園の案内図。右折して公園に入る。
▲ 直進してすぐのところにある噴水。
▲ 4つある分岐を直進。見覚えがあるなあ、と歩きながら感じていたが、後で調べたら数ヶ月前にテレビで見た大阪国際女子マラソンのコースだったようだ。
とても広くて歩きやすいのは良かったが、いつまで経っても天守閣や豊国神社らしき建物が見えない。道を間違ってる? と不安になりiPhoneの地図アプリを確認すると、事前計画の進路と全然違う道を歩いてた。
なぜ最初にアプリで進路を確認しなかったのだ。時間と体力を無駄に消耗した。落ち込む。
▲ 地図アプリに記録していた予定進路に戻るため、わけも分からず歩く。
▲ 方角は合ってるのだがこの道で合ってるのかは分からない。不安でたまらない。
▲ 右側に大きな濠(東外濠)が見える。ひとまず計画していたルートに来た。
▲ ずいぶん遠回りをしたせいで疲れ果てた。そんな私にさらなる試練を与えるかのように現れた長い階段。秀吉のイジワル。
賑わう観光客が立ち寄らない「異空間」の豊国神社
▲ 階段を上り終えたが、道はまだまだ延びている。天守閣もいまだに見えない。こっちでいいのか?
▲ しばらく直進したら、やっと別の濠(南外濠)に到達。大阪城が見えた!
いや待て、大阪城ってあんなに小さいか? 30年経ってしぼんだのか? あれは天守閣じゃなくて「櫓」だ。一瞬でも感動してしまった自分を恥じる。
近くに観光バスの駐車場でもあったのか、道を歩く観光客の数が突然ものすごく増えた。平日なのにめちゃくちゃ多い。おかげで道が渋滞してしまい、ノロノロなスピードでしか進めなくなってしまった。ものすごくイライラする。
▲ 豊国神社の入口が見えた。とても驚いたのだが、ものすごい数の観光客が誰一人として豊国神社に立ち寄らない。
観光客の大半は中国人や韓国人(会話してる言語で判断)。彼等にとって豊臣秀吉は好まざる人物のはずで(2度にわたって朝鮮に戦争を仕掛けてるからね)、歴史的価値のある建造物・大阪城は見たいけれど、豊臣秀吉を祀っている神社は寄りたくもないってことなのかな、と勝手に想像した。そうでもないと「誰一人として豊国神社に立ち寄らない」という理由が分からない。
▲ 本堂に置かれていた巨大な絵馬。豊国神社は「出世開運」のご利益があるという。
▲ 豊国神社の本堂。
▲ 反対側の入口にある鳥居。数名の観光客が来ていた。彼等はすべて日本語を喋っていたから、やっぱり「そういうこと」なのかな。
▲ 大阪城を建築し、大阪という都市の基盤も築いた太閤・豊臣秀吉の像。豊国神社は豊臣秀吉を祀っている。
明治元年(1868年)、明治天皇が大阪行幸した際に神社創立の命を出し、大阪の豊国神社は明治12年(1879年)に完成した、と資料に書かれていた。
30年ぶりの大阪城天守閣
▲ 豊国神社をあとにし、「桜門」に到達。ようやく天守閣まであと少しのところまで来た。
時間の余裕があれば、ここから更に西へ進み「大手門」や「多聞櫓」を写真に撮りたかったのだけど、道に迷ったり観光客の混雑に巻き込まれたりで大幅に遅れたため断念。
▲ 水は張られてないが、かなり深い内濠の跡。
▲ 桜門を通過してすぐのところにある巨大な岩の石垣。岩の前にも観光客がワンサカいて、ガイドの解説する声に耳を傾けていた。
▲ ようやく、遂に、今度こそ天守閣が視界に入ってきた。30年ぶり。
▲ 天守閣の近くに建っている「旧大阪市立博物館」。
▲ 大阪城天守閣がすぐ目の前にある。夢みたいで信じられなかった。
▲ 豊臣秀吉はカッコいい城を造ったものだなー、と初めて来た時は感動したものだが、現存する城は当然ながら秀吉が建てた頃のものではない。
映画『プリンセス トヨトミ』で、大阪国の総理大臣が「今の大阪城を造ったのは誰だと思いますか? 豊臣秀吉? いいえ、徳川家光です」みたいなことを言う場面があった。
プリンセス トヨトミ
現在の大阪城は鉄筋コンクリートで、30年前の時点で既にエレベーターも設置されていた。
小学校の修学旅行で初めて大阪城を訪れた時、エレベーター内で級友二人が
「大阪城を建てたん誰か知ってるか? 科学特捜隊やで」
「なんで?」
「ウルトラマンと戦ったゴモラが大阪城を壊したやん? 弁償したんや」
と会話してたのを今でも覚えている。なぜ科学特捜隊が弁償しなければならないのか理屈が分からない。彼等は今どこで何をしてるだろうか。
大雨のせいでマトモに歩けない
▲ 石垣の向こうに様々な建物が見える。
▲ 天守閣の北端にある石垣。ここは30年前にも上った記憶がある。
▲ とても名残惜しい。しかし時間がどんどん遅れていってる。後ろ髪を引かれながら北側の階段を下りていく。
▲ 階段の途中にある「刻印石広場」のさらに奥、ひっそりと目立たない場所にある「淀君の墓」。豊臣秀吉の息子にして後継者である豊臣秀頼、その母である淀君はこんな寂しいところに眠っている。
▲ 広い内濠の上に架かる「極楽橋」を渡る。
▲ 桜が満開の時期に大阪城を見ることが出来て本当に良かった。雨さえ降らなければ更に良かったが。
▲ いよいよ大阪城が見えなくなる地点。名残惜しい。また来る。
▲ 京橋口へと向かう途中の桜も見事だった。しかし大雨のせいで大量の花びらが地上に落ちてしまっている。これはこれで風流だが、散る前の満開な桜並木も見てみたかった。
▲ 桜門と同じく、京橋口にも巨石の石垣があった。
▲ 京橋口で外濠に架かる橋を渡り、大阪城公園から出る。
▲ この中のどれかが大阪府庁らしいのだが、どれなのかサッパリ分からん。
「大手門」交差点を通過し、地下鉄・谷町線の天満橋駅に到達。次のエリアへと向かった。旅行スケジュールは20分遅れから25分遅れに拡大。どこかの訪問を削るしかない状況になってきている。