前回の着工直後から約1年
2017年12月31日をもって閉園となった、北九州市八幡東区東田のテーマパーク「スペースワールド」。
その後、テーマパークを想起させる建造物は全て解体・撤去され、整地された状態となってから1年近く経過した2020年12月に新たな巨大商業施設「ジ・アウトレット北九州」の着工が開始された、というのは前回のレポート記事で紹介したとおり。
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スペースワールド跡地、新たな商業施設工事が始まる(2020年12月)
2017年12月31日に閉園した北九州市のテーマパーク、スペースワールド。閉園から丸3年が経過した2020年12月、新たな商業施設の工事が始まったと聞き、写真撮影に行ってきました。
あれから約1年。2021年10月下旬に散策を兼ねて現地の写真を撮影してきた。前回と同じくスペースワールド跡地をグルリと一周、反時計回りに歩いている。
隣接するイオンモール八幡東とは連絡橋で繋がる
まずはイオンモール八幡東の駐車場から撮影。
約1年前には荒野の状態だったスペースワールド跡地を、低層の建築物が埋め尽くしているような光景。
さらに、イオンモール八幡東からジ・アウトレット北九州への連絡橋が建設されている。
東側に視線を振る。道路と並行するように平面の建物が長く奥まで伸びている。
イオンモール株式会社のニュースリリースに掲載されていた計画図によれば、上の写真は「アウトレットゾーン」にあたるらしい。
今度は視線を西へ。連絡橋から左のエリアは「エンターテイメントゾーン」ということになる。
写真中央から右にかけて、周囲より少しだけ背の高い建物には、計画図によればレストラン・フードコート・カフェなどの飲食エリアが出来るらしい。
写真中央から左にかけての一帯、土が見えて多数の車が駐車されている辺り(=以前はスペースワールドの正面ゲートだったところ)は、「アクティベーションフィールド」になる。
さらに視線を西に振ると、1つだけ背の高い建造物が突如視界に入る。「なんじゃこりゃ」と驚いた。
スペースワールド時代には、スペースシャトル「ディスカバリー号」の実物大模型がそびえ立っていた辺り。
ジ・アウトレット北九州では「エンターテイメントゾーン」の端になるのだが、さて何の建物になるのか。正解は記事後半にて。
エリア東側は広大な駐車場となる
散策を開始。イオンモール八幡東の1階出口を出ると、すぐ目の前に立つジ・アウトレット北九州への連絡橋が視界を遮る。
イオンの2階部分と直接繋がる形態になりそうだが、1階の駐車場部分から連絡橋へと上り下り出来る階段も設置されることが完成予定図からも分かる。
連絡橋が建設されている辺りは通常であれば駐車場スペースなのだが、現在は封鎖されており、車を停めることは出来ない。
また一般道への出入口も封鎖されており、歩行者や車が道路に出るには、少し離れたところまで移動する必要がある。工事期間の2022年3月を過ぎればこの一帯も再び駐車場として利用可能になると思われる。
イオンモール八幡東に面した道路には背の高い柵が並んでおり、歩道からジ・アウトレット北九州の建設現場を眺めることは出来ない。
敷地の東端となる「山王」交差点あたりから柵がなくなり、建設現場が見え始める。
スペースワールド時代、エリアの東側は縦に長く広い駐車場と、黄色い絶叫マシーンの「タイタン」があった。
この辺りが駐車場の入口だった。写真を見ても、また完成予想図を見ても、この一帯はジ・アウトレット北九州の駐車場となるのが分かる。
駐車場はここだけでなく北側にも出来る予定で、かなりの収容台数となりそうだ。
ホテル「Active Resorts 福岡八幡」(旧名称:北九州八幡ロイヤルホテル)の高台から見下ろす。
エリア東側の一帯は既に舗装されていて、駐車場スペースの一部には白いラインも引かれている。暫定的なものなのか、あの一帯だけ工事が完了しているのかは分からない。
エリアの最北端(=以前はアトラクション「惑星アクア」があった辺り)はまだ舗装されておらず、工事関係者の車がズラリと並んでいる。
この辺りも最終的には駐車場として整備されると思われる。
建設現場の中央付近には、巨大な土砂の山が鎮座している。土砂はかなり高く積まれており、ちょっとした丘のようになっている。
エリア北側は柵が撤去され歩道から見物できる
エリア最北端の「枝光」交差点から進路を西へ。
北側のエリアは「西本町枝光1号線」に面しているが、以前はイオンモール八幡東の正面と同じく高い柵で覆い隠されていたため、工事現場内を覗くことは出来なかった。
現在はその柵が(北側エリアに関しては)全て撤去されており、工事現場の様子を眺めることができる。
プールエリア「ウォーターパーク ミューナ」跡地。道路に面したこの一帯も駐車場として整備されているようである。
エリア北側を東西に走る県道「西本町枝光1号線」は、ジ・アウトレット北九州の工事に伴い、下り側車線(東から西、枝光方面からJRスペースワールド駅へと向かう側)は車線規制が行われ、片道2車線のうち1車線が通れなくなっている。(2021年10月現在)
近くにいた警備員に話を聞くと「(車線規制は)2022年の2月か3月くらいまで(=つまりジ・アウトレット北九州の工事が終わる頃まで)続くかもしれない」とのことだった。
「詳しいことは分からないので、近くにある工事期間の案内を見てください」とも言われたが、具体的な日付は書いてなかった。
ここは戸畑区と八幡東区を繋ぐ幹線道路となっていて交通量も多いのだが、車線規制の影響で少々渋滞していた。今後利用される方々は車線規制のことを頭に入れておいたほうが良い。
なお、道路の上り車線は現時点で規制されていない。
かつては西鉄バスの「スペースワールド」バス停があった辺り。バス停エリアは完全に消えており、ジ・アウトレット北九州の敷地内の一部と化している。
スペースワールド正面ゲートがあったエリアは現在こんな風である。
この広大なエリアのどこになるのかは分からないが、ジ・アウトレット北九州には西日本エリア初となる体験型英語教育施設の出店が決まったらしい。
子供たちがグローバル社会で活躍するための第一歩として、英語教育の向上に寄与することを目的に、西日本エリア初の体験型英語教育施設「(仮称)Kitakyushu Global Gateway(以下、「KGG」の出店が決定しました。
KGGは、日常から離れ、海外をイメージして作られたアトラクションでいつもと違う環境の中で、グローバルな世界を存分に体験しながら自然に英語を学習することができます。
引用:「(仮称)八幡東田プロジェクト」の新たな取り組みについて:イオンモール株式会社
それにしても、1箇所だけ背の高い建造物、あれが目立ち過ぎてとても気になる。
建物の正体は「スペースLABO」
ジ・アウトレット北九州の周囲をグルリと一周し、JRスペースワールド駅前の歩道橋まで来た。例の「背の高い建造物」の全体がここから一望できる。
南側(=イオンモール八幡東)から見た時はほぼ完成しているような印象だったが、こちら西側から見てみると、まだ部分的に工事しているところもあると分かる。
この建造物だが、名称は「スペースLABO」(読みは「スペースラボ」)と言うらしい。北九州市が名前を公募し、1,445件の応募の中から投票で選ばれ、2021年8月に正式発表された。
以前はJRスペースワールド駅とスペースワールド正面ゲートを最短距離で徒歩移動できた連絡路。現在は閉鎖されているが、その連絡路が駅とスペースLABOを繋ぐために再利用され工事が進められている。これはとてもありがたい。
では、「スペースLABOとは何?」という話だが、現在は北九州市八幡東区桃園三丁目にある北九州市立児童文化科学館が移転し、その名称が新たにスペースLABOとなる、ということらしい。
まずスペースLABOの1階には、北九州市の産業・自然・歴史などの魅力を発見し、未来を考えるきっかけを作る「北九州市ウォール」、さらに詳細を閲覧できる「北九州市ポータルマップ」が壁に展示されている。
同じく1階には、高さ10メートル、国内最大の竜巻発生装置が設置される。それに隣接し、北九州市出身で気象学の世界的権威であり「Mr.トルネード」と呼ばれた藤田哲也博士の顕彰コーナーもある。
スペースLABOの2階には、「科学の視点を養うゾーン」として体験コーナーや科学ショーが開催されるエリアがある。沢山の子供たちに訪れて欲しいと願う。
スペースLABOの3階は宇宙のイメージそのもの。宇宙開発技術に関する情報の展示、有人飛行の歴史に名を残す宇宙飛行士たちの名言や功績の映像紹介、北九州市の宇宙産業開発への取り組みを紹介するコーナーなどがある。
かつてスペースワールド内にあった「宇宙博物館」から一部の資料を引き継いでおり、実物の月の石、アポロ司令船、月面ゴルフに興じた際のクラブなどが展示されている一角もある。
桃園の児童文化科学館には以前うちの子供たちを連れていき、プラネタリウムを楽しんだ。そのプラネタリウムが大きくスケールアップしてスペースLABOに登場する。
ドーム径30m、250名収容可能、座席間隔は飛行機のファーストクラス並み、国内初のランウェイ設置、「本物を追求した究極の星空と高精細なデジタル映像が融合した世界最高峰のハイブリッドプラネタリウム」と銘打った国内最大級のプラネタリウムが、もうすぐ北九州市にやって来る。
「スペースLABO」だけで北九州市の新たな観光名所になりそうな、スゴく集客力に優れ、魅力あふれるスポットになりそうで、ものすごく期待が高まる。
アウトレットのエリアを含み、完成が待ち遠しい。