福岡市博多区で毎年7月上旬に開催される夏祭り「博多祇園山笠」。
この記事はコース後半の解説です。恵比須通りから大博通り、上西町通りと続き、7月12日「追い山笠ならし」ゴール地点、さらには7月15日「追い山笠」でゴール地点となる須崎問屋街の廻り止めまでのコースを写真付きで紹介しています。
上のマップでは博多祇園山笠の全体コースを紹介しています。この記事で紹介しているコース後半は、マップでは青の線と数字で表示しています。
恵比須通りから大博通りへ
第3の清道、承天寺をUターンしてから延々と続いていた「御供所通り(ごくしょどおり)」の直進を終え、下呉服町の交差点で左に曲がったあと、山笠は「恵比須通り」に入ります。
恵比須通りに入ってから2つめの交差点が「大博通り」になります。交差点の手前左側には「日本食品分析センター」という建物があります。
この交差点を左に曲がり、しばらく大博通りを直進することになります。櫛田神社をスタートして2つめの清道(東長寺前)があったのと同じ道路です。
蔵本、呉服町、大きな交差点を通過
「蔵本」交差点を直進し、昭和通りをまた横断します(2回目)。
続いて、地下鉄・箱崎線の「呉服町駅」がある大きな交差点も直進。明治通りをまた横断します(2回目)。
大博通りをひたすら直進します。「南日本博多ビル」がある辺りは歩道が大変広いので、おすすめの山笠見物スポットです。
大博通りに別れを告げ、櫛田通りへ
大博通りの右側歩道を歩いている場合、「奥の堂」というバス停が見えたら、右折ポイントが近付いています。
上の写真だとバス停の向こう、写真中央少し右側に「進入禁止」の標識が見えています。山笠はそこを右折していきます。
大博通りの左側歩道を歩いている場合、「ファミリーマート 博多大博通り店」を通過して、次の交差点の手前に整骨院があります。この整骨院の前にある横断歩道を渡りましょう。
大博通りから右折して「櫛田通り」に入ります。上の写真にあるとおり、車両は進入禁止となっています。
目印としては、通りの右側に「ヨーロピアン祇園」という赤茶色の建物があります。
今まで進んできた大博通りがものすごく広かっただけに、櫛田通りは異様に狭く感じます。実際、狭いです。
最大の難所、そして上西町通りへ
冷泉町(れいせんまち)に入り、櫛田通りを進んで最初の四つ角。
横を走るのは「上西町通り」で、山笠はここを右に曲がります。交差点の向こう右側には「クスリのハカタ第一」という緑色のお店があります。
櫛田通り、上西町通りの両方ともに道幅が狭く、狭い四つ角を鋭角に右折しなければならないため、ここは追い山で最大の難所と呼ばれています。
なお、上西町通りは上の写真だと右から左へ進む一方通行です。車両は右折できませんのでご注意ください。
上西町通りをしばらく直進します。途中に「勢い水処」という看板がありました。
追い山の当日は、山笠がここを通る度に大量の水がぶっかけられまくるんだろうなあ、と想像しながら歩きました。
動画を探して確認したら案の定、とんでもない量の水が飛び交っていました。
みんなズブ濡れ(笑)
冷泉町を抜けて店屋町(てんやまち)へ。上西町通りをまだまだ直進します。
明治通りと昭和通り、3回目の横断
「ファミリーマート 大賀薬局店屋町店」が入居しているビル横のスクランブル交差点を直進。明治通りをまたまた横断します(3回目)。
明治通りを通過すると、綱場町(つなばまち)に入ります。
続く大きな交差点も直進します。昭和通りの横断もこれが3回目。綱場町を抜け、奈良屋町(ならやまち)に入ります。
交差点の向こう右側には「福岡銀行 奈良屋町支店」があります。
「追い山ならし」の廻り止めは奈良屋町
福岡銀行を通過してすぐ、道路の右側にイオン系列のスーパー「マックスバリュ」が見えてきます。
博多祇園山笠のクライマックス「追い山」は毎年7月15日に開催されますが、その予行演習となる7月12日の「追い山ならし」のゴール地点「廻り止め」がマックスバリュ前の交差点に設定されます。
今回の訪問時は追い山ならしの当日ではなかったため、交差点には(当然ですが)お祭りに関する装飾が何もありません。
すぐ近くの飲食店でご主人に確認したところ、
「うん、ここが追い山ならしの廻り止めですよ、間違いないよ!」
と即答。さらにいろいろと追い山の詳しい話も聞かせていただきました。ありがとうございました!
7月12日の予行演習「追い山ならし」は、ここ奈良屋町がゴール。全長は約4km。
7月15日の本番「追い山」はここがゴールではなく、あと1kmほど続きます。
追い山、残り1kmはジグザグの連続
「追い山ならし」はマックスバリュ前の交差点がゴールですが、「追い山」はまだまだ終わりません。マックスバリュ前の交差点を左に曲がり、しばらく進みます。
マックスバリュ前で左折してから2つめの交差点を左に曲がり、「土居通り」に入ります。
交差点の手前右側にある「吉積商店」という青いお店が目印です。
奈良屋町を抜けて古門戸町(こもんどまち)に入ります。「セブンイレブン 博多奈良屋店」の前を通過してそのまま直進。
セブンイレブンを通過してすぐの交差点を今度は右に曲がります。交差点の手前左側には「日本経済新聞」の入居するビルがあります。
このあたり、かなりジグザグなルートで山笠は進みます。
川上音二郎生誕地、博多旧町名石碑がある
日本経済新聞があった交差点を右折してから2つめの交差点で右に曲がり、「大黒通り」に入ります。交差点の向こう左側にある赤いタバコ屋さんが目印。
右折してすぐ、沖濱稲荷神社の参道があります。
参道の左側には「川上音二郎生誕地」と刻まれた石碑が立っています。
川上音二郎は明治期に活躍し、「新派劇の父」と称された講談師で、世情を風刺した「オッペケペー節」が大流行しました。
1985年にNHKで放送された大河ドラマ『春の波涛』は川上音二郎の妻・川上貞奴を主人公として描いた物語で、貞奴を松坂慶子さん、音二郎を中村雅俊さんが演じました。この大河ドラマで私は川上音二郎という人物のことを知りました。
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中洲・川端通商店街:博多祇園山笠の風情を感じるアーケード街
福岡市博多区、博多川に沿うように東西へ伸びる川端通商店街。中洲川端駅と櫛田神社とを最短距離で結ぶ連絡路でもあり、夏祭り・博多祇園山笠が近付くと商店街には山笠が展示されます。今回は博多祇園山笠の開幕が近付く川端通商店街を散策してきました。
「沖濱稲荷神社」の石碑のすぐ横には「博多旧町名石碑(旧対馬小路)」も立っています。石碑には「この町の海岸に対馬藩の屋敷」と刻まれています。
対馬小路(つましょうじ)という地名は知っていましたが、そういう由来だったんですね。今回初めて知りました。
ラストスパート、そしてゴールの廻り止め
川上音二郎の石碑を通過し、左にある奈良屋公園も通過して、最初の交差点を左に曲がります。
交差点の向こう左側にはパン屋さん(Bakery Nasan)、向こう右側には歯医者さん。ここから須崎町に入ります。
須崎町に入って最初の交差点を左に曲がります。交差点の手前左側には「山田商店」「たばこ」と書かれたお店があります。
須崎通りは一方通行のため、車両は進入禁止です。山笠はここを直進し、ゴールとなる廻り止めを目指してラストスパートを開始します。
「追山笠廻り止」「須崎問屋街」という文字が次第に近付いてきます。
「追い山ならし」のゴール地点(=マックスバリュ前の交差点)とは違い、「追山笠廻り止」「須崎問屋街」の看板は常時設置されています。
看板の向こうにそびえている大きな建物は「ホテルオークラ福岡」です。
追い山、全長約5kmのコースはここでゴールとなります。
ゴール地点にある「石村萬盛堂 本店」の2階には、各山笠の計測タイムを書いた紙が貼り出され、早いタイムが出た時はドッと盛り上がります。
余談ですが、創業者・石村善太郎が「石村萬盛堂」を創業した場所は、前述した川上音二郎の自宅だったそうです。
上の動画ではゴール直後、「萬盛堂」の2階にタイムが掲示され、それまでの山笠の中で最も速いタイムだったため、千代流(ちよながれ)の方々が大喜びしています。
廻り止めに到着してゴールした山笠はそれぞれの拠点へと連れ帰られ、一同は解散。
山笠は解体され、博多祇園山笠は幕を閉じます。