「紫川十橋」について
北九州市小倉北区の中心部を流れる二級河川「紫川(むらさきがわ)」。
1990年に「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」というプロジェクトが開始され、個性的な10個の橋が架かりました。これらを総称して「紫川十橋」と呼びます。
今回、この10個の橋をすべて散策してきました。
端から端まで歩くと片道約2kmほど。橋を渡るなどして寄り道しても、3kmほど歩けばすべて踏破できます。
北から数えて2番目の橋・火の橋

「火の橋」と名付けられた室町大橋は、紫川十橋の中では北から数えて2番目の位置にあります。

国道199号線の「紫川大橋東」交差点から南方向に曲がり、紫川さくら通りを川に沿って直進。
新幹線やJR鹿児島本線などの高架下を通過し、そのまま南へ進むと室町大橋が見えてきます。海の橋からは徒歩で5分前後くらい。

室町大橋は平成3年(1991年)4月に完成しました。歩道に設定されている高欄は、波の模様をイメージして作られているのだそうです。
炎のオブジェには実際に炎が点火される

室町大橋は片道1車線の車道、そして両側に歩道があります。
両方の歩道には、紫川に突き出るような形で炎のオブジェが合計8個、一定間隔で設置されています。

紫川では明治時代まで鵜飼いがおこなわれていたのだそうです。
その際に使用された漁り火をモチーフとして炎のオブジェがデザインされています。

東西の端には案内板が設置されているのですが、どちらも時間の経過と共に風化してしまい、おそらく夜間にライトアップされた室町大橋の写真が紹介されていたのだと思うのですが、ボロボロで認識できなくなっています。
案内板によれば、炎のオブジェには実際に火が点火できるらしく、
- 金・土・祝祭日の夜間
- 夏季は19時〜22時
- 冬季は18時〜22時
上記の期間に、30分おきに10分間ずつ点火されているそうです。小倉祇園、夏祭り、お盆、年末年始も点火されている、と案内板にありました。
また、上記の期間以外でも点火は可能で、橋の横にある市営室町駐車場で申し込めば、お好きな時間に点火してもらえるそうです。ただし有料です(10分間で2,000円)。
友人や恋人、奥さん・旦那さんや家族の皆さんを室町大橋に連れてきて、サプライズで橋の炎を点火させると大変喜ばれるのだそうです。
なるほど、確かに面白いかもしれない。奇術師の気分に浸りたい時なんか最適ですね。指パッチンで橋に炎が点火されるなんて最高じゃないですか。
室町大橋周辺の風景

室町大橋の東側は、「室町大橋東」交差点がT字路になっており、直進はできません。
このあたりは歓楽街になっていて、ホテルや夜のお店がいくつか点在しています。
写真中央の少し右側に見えている、最上部が円形になっている大きなビルは、JR小倉駅前に建つ商業施設、セントシティ。
最初は小倉そごうとして建設されました。そごうの経営破綻後は、小倉玉屋→小倉伊勢丹→コレット→小倉駅前アイムと名称や経営母体が変遷し、2021年4月から現在のセントシティとなっています。

橋の西側に伸びる道路をそのまま直進すると、JR西小倉駅に着きます。火の橋からは500メートルほど。徒歩でも5分少々の距離です。
火の橋と西小倉駅のちょうど中間あたりにはヤマダ電機の小倉本店があります。

橋の北側、紫川の上流方向には、JR日田彦山線やJR鹿児島本線の鉄橋。その奥、一段高くなっているのが新幹線の鉄橋です。
「海の橋(紫川大橋)」は鉄橋の向こう側。上の写真では見えていません。

橋の南側、紫川の下流方向には、まず右側に巨大商業施設、リバーウォーク北九州がドーンとそびえ立っています。
写真中央には、紫川十橋で北から数えて3番目にあたる「木の橋(常磐橋)」が見えています。
常磐橋の左側に見える茶色の建物は、北九州市を地盤とする老舗百貨店、井筒屋。
5つの市が合併して北九州市となるよりも前、まだ小倉市だった1936年(昭和11年)に井筒屋は開業し、北九州市の歴史をずっと見守り続けています。