「紫川十橋」について
北九州市小倉北区の中心部を流れる二級河川「紫川(むらさきがわ)」。
1990年に「紫川マイタウン・マイリバー整備事業」というプロジェクトが開始され、個性的な10個の橋が架かりました。これらを総称して「紫川十橋」と呼びます。
今回、この10個の橋をすべて散策してきました。
端から端まで歩くと片道約2kmほど。橋を渡るなどして寄り道しても、3kmほど歩けばすべて踏破できます。
最も北に位置する海の橋

「海の橋」と名付けられた紫川大橋は、紫川十橋の中で最も北側に位置します。

北九州市の北に面した日本海を響灘(ひびきなだ)と呼ぶのですが、その響灘に紫川が流れ込む最北端、河口にあたる場所が紫川大橋です。

紫川大橋は国道199号線の橋であり、車道は片道3車線で、かなり幅の広い橋です。
小倉駅の北口が再開発されて大いに発展し、国道199号線もキレイに整備されたことで、今では多くの車が行き交い、北九州市の中心的な国道となりました。
この国道199号線が整備される以前は、小倉北区と門司区を繋ぐメインルートといえば国道3号線でした。
国道3号線(小倉〜門司区間)は片道2車線ではあるのですが、左側車線がバス優先になる時間帯は実質的に片道1車線となりますし、山間部に近い場所を通るためアップダウンの坂道やカーブが多く、舗装の古いエリアはガタガタ揺れて走り心地が悪いなど、快適なドライブとはなりにくい印象です。
一方の国道199号線(小倉〜門司区間)は、バスの運行がほとんどないため2車線を悠々と使えますし、アップダウンの坂道がない、海沿いの平坦な道路です。
ひたすら海沿いを走るコースですので景色も大変良く、ドライブするならこちらでしょう。ただしトラックなどの大型車両もたくさん走っています(平坦で快適ですからね)。
車道と歩道が分離している

紫川大橋は平成5年(1993年)4月に完成。橋脚が船の舳先(へさき)をイメージしてデザインされた、と案内板に書かれています。

車道部分は直線なのですが、歩道部分は緩やかな楕円形となっており、車道と歩道は分離されて少しだけ離れています。

北側の歩道が特に分かりやすく、両端から橋の中央に向けて緩やかな傾斜の坂道になっており、外側にふくらんでいるのも確認できます。

橋の中央付近から車道を眺めてみると、歩道との間に大きな隙間があることも分かります。
「海の橋」周辺の風景

紫川大橋の東側は、北九州市門司区へと向かう方角。
この道を東へと進めば、JR小倉駅北口、小倉記念病院、リーガロイヤルホテル小倉、西日本総合展示場、ミクニワールドスタジアム北九州(ミクスタ)などの施設群に着きます。
ミクスタの近くにはフェリー乗り場もあります。

紫川大橋の西側は、北九州市戸畑区へと向かう方角。戸畑区と若松区を繋ぐ若戸大橋もこちらの方向です。
道路の北側(写真右側)には住宅展示場があります。また、直進してすぐ目の前には北九州都市高速の「小倉駅北インターチェンジ」があります(上の写真、中央に写っています)。

紫川大橋・北側は、正面に日本製鉄の工場群。かつて北九州は日本の四大工業地帯の一角を担っていました。
フェリー乗り場は北東の方角(写真右側)にあります。

紫川大橋の南側は、山陽新幹線の高架線路と、JR鹿児島本線・日田彦山線・日豊本線の線路が連なっています。
上の写真では、博多方面へと向かう鹿児島本線の普通列車と、小倉駅ホームに入るため減速中の新幹線がすれ違う様子を撮影することができました。
今回の撮影時、新幹線が通過していく光景を何度も見ることができました。今回アップした幾つかの写真にも新幹線が写っています。
紫川十橋の(北側から数えて)2番目にあたる火の橋(室町大橋)は、JR鉄橋のさらに向こう側にあります。上の写真では見えていません。