120年の歴史を誇る折尾駅
今回のスタート&ゴール地点となる、JR折尾駅。
最初に建築されたのは、明治28年(1895年)。これを増築して現在の形体になったのが大正5年(1915年)なんだって。
駅舎の右側と左側で屋根の高さが違う。
左側が1階部分で、筑豊本線(中間市・直方市方面)のホーム。
右側が2階部分で、鹿児島本線(小倉方面/博多方面)のホーム。
2つの線路が駅の中で立体交差する形となっている。
立体交差駅では日本に現存する駅舎の中で最も古い、と資料に書いていた。
2007年に発表された、日本経済新聞の「訪ねる価値のある駅ベスト10」というランキングでも、日本全国の駅の中から折尾駅はランクインしてたらしい。
1位 門司港駅 (北九州市門司区)
2位 姨捨駅 (長野県千曲川市)
3位 嘉例川駅 (鹿児島県霧島市)
4位 東京駅 (東京都千代田区)
5位 北浜駅 (北海道網走市)
6位 由布院駅 (大分県由布市)
7位 折尾駅 (北九州市八幡西区)
8位 ほっとゆだ駅 (岩手県西和賀町)
9位 大畑駅 (熊本県人吉市)
10位 戸川駅 (千葉市銚子市)※2007年時点のデータなので現在は地名や駅名が変更されてる可能性もあります
門司港駅が1位、折尾駅が7位で、ベスト10に北九州市から2つも選出されているのは素晴らしい。それだけ北九州地区は古い駅舎が多いということでもあるんだけど。
今はもう取り壊されたけど、直方駅もかなりの歴史を誇っていたというし。
ベスト10に入った話題を書いた直後にアレだけど、この折尾駅、そして周辺地域は、折尾駅前地区の再開発計画で取り壊されることがほぼ決定的となったみたい。
歴史遺産として残すのか、それとも利便性を高めるため新装するのかは、どうしても議論が分かれるところ。
取り壊しの話と関係あるようで関係ないのだが、折尾駅は初心者にとって少々難易度の高い駅。
上で述べた「立体交差の構造」も理由の一つなのだが、この駅舎とは別のところにもホームがある。慣れてない人はこれで大混乱する。ウォーキングを始めた頃の私がそうだった。
折尾駅は6番と7番ホームが別の場所にある。駅を出ると正面にスーパー(丸和)があり、その左奥に鷹見口という乗り場があるので、そこから入ることになる。
JRの改札を出て近くの私鉄や地下鉄に乗り換える、ということに慣れてる人であれば特に違和感ないのかもしれないが、なんせ「同じJR折尾駅」なのに別の場所ってのが最初分からなくて、駅員に聞くまで延々とホームを探し回っていた。
7番ホームは踏切を渡って線路の向こう側にある。電車が接近している時は当然だが渡れないので注意。
西鉄の線路跡を歩く
私が折尾駅に到着したのは午前8時20分頃。私が到着した時点で、駅前は受付待ちの参加者で長蛇の列。
大行列が駅の入口をふさぐ格好となっていた。ウォーキングと関係のない一般のJR利用者は迷惑だったろうなあ。どうして駅の真ん前に並ばせたのか。
受付開始は前倒しされることもなく、8時30分から開始。折尾駅の東口前をノロノロと進み、受付完了。
駅前のロータリー。
駅前に建つ「丸和」の折尾店。こちらもなかなか歴史のありそうな建物。
東に延びる直線道路をしばらく歩く。ここは昔、西鉄(西日本鉄道)の北九州線が走っていた跡なんだって。
ところどころで「工事車両専用道路・立入禁止」という看板。一般車両は通行できない道路らしい。
国道3号線から折尾の市街地へと向かう県道の高架下を通る。高架の向こうには私と幾多の因縁がある某家電店。
金山川(きんざんがわ)沿いに出る。向こう岸の桜がキレイ。
国道3号線の手前に架かる橋で左折。いったん金山川を渡る。
「則松5丁目」交差点で歩道橋を使い、国道3号線を横断する。
すごく昔に何度か利用したことがあるボウリング場、ユーズボウル。
日曜の朝早い時間帯だけど、それなりに車が走ってる国道3号線。この周辺も渋滞がヒドイと全然進まなくなる。
10年ぶりに訪れた「瀬板の森公園」
「瀬板の森公園北口」交差点を右折し、瀬板の森公園に入る。
平成9年(1997年)に完成したこの公園。初めて来たのは2000年頃。今から12年ほど前。
当時は長男が1歳ちょっとで、少し歩けるようになった頃。瀬板の森公園の存在を友人から教えてもらって、親子3人で初めて訪れたのだが、その時に車を停めたのが南口の駐車場。
南口の駐車場から、子供用の遊具がある広場「こどもの丘」までがスゴク遠くて大変だった。遊歩道の一部は舗装されてなくてガタガタだったし。そこをベビーカー押しながら歩くのがキツくて、途中から私が長男をダッコ。嫁はベビーカーを担当し、二人してグッタリ。
2年後、長男が3歳、長女が1歳の頃に再訪。まだ末っ子は生まれていなかった。前回の教訓を活かし、今度は北口駐車場に車を停めたのだが、遊具で遊んでいた長男が足を怪我して、帰り道は私が長男をダッコ。嫁は長女をベビーカーに乗せて、この時も超グッタリ。
そんな子供たちも、長男は今年で14歳。長女は11歳。長男は遂に嫁の身長(164センチ)に追い付き、長女も嫁と変わらない背丈になっている。大きくなったものだ。
今回、約10年ぶりにやって来た。「瀬板の森は疲れる」というイメージしかなくて、ずいぶんご無沙汰してたけど、ウォーキングが趣味になった今は逆に楽しみ。
国道3号線から入る、北口駐車場。昔と全然変わってない。上にも書いたが、子供用の遊具がある「こどもの丘」へ行くなら、ここに駐車した方が近い。(と言ってもここから少し歩く必要がある)
駐車場の横にある上り坂。
北口のゲート。懐かしいなあー。
ゲートを通過してすぐの所に距離の書かれた案内板を発見。北口から南口まで2km以上もあったのか。その距離を子供ダッコして歩いたら疲れるはずだわ。
今なら「2kmね、20分で行けるな」という思考になるけど、体力が全然なかった10年前の私や嫁には、往復4kmなんて簡単に歩ける距離じゃなかった。あれだけ疲れ切ったのも納得。
今回のコースは「こどもの丘」には寄らず、北口から南口まで遊歩道をひたすら歩く。
ゲート近くに大きな桜の木が一本。満開と言ってもいい咲き具合。
ポツンポツンと桜が咲いている。まだ密集度は低いけど、満開状態なのでとてもキレイ。
「水の丘」というエリアに到達。丘の上に円形の建物がある。1階がトイレ。屋上は展望台になってるのかな? いい景色が見れそうな予感。寄り道してみよう。
そんな言うほどでもなかったわw 寄り道作戦、今回は不発。
ウォーキング再開。周囲の桜とは少し違う明るいピンク色の花を咲かせている木。花に疎いので名前が分からない。
瀬板の森公園のすぐ横には、「瀬板貯水池」という大きな池が広がっている。池の向こう側には「瀬板の森北九州ゴルフコース」がある。ゴルフは全然やらないのだけど、ゴルフ場を歩くのは気持ちがいいんだろうなあ。
南口に向かって進む。初めてここを歩いた時、一部の遊歩道は舗装が完了していなくて、土のガタガタ道を歩いたのだけど、さすがに今はもう土ではなくコンクリートになっている。
ここの桜並木は桜の密集度がスゴくて、とてもキレイだった。
今回歩いてるコース以外にもう1本、一段低いところ(池のすぐ脇)にも別の遊歩道があって、そちらは上の段よりもグネグネと曲がりクネっているが、景色は下の段の方がイイ。
ウォーキングやジョギングなどで運動メインの人は上の段。デートや写真撮影などでゆっくり散策したい人は下の段、という風に使い分けて訪れるのも楽しい。
公園内を2km歩いた。南口はもうすぐ。
南口の駐車場が見えてきた。こっち側に来るのは12年ぶりだー。
南口の駐車場。ぜんっぜん変わってない。そりゃそうか。駐車場がコロコロ変わりはしないよね。
駐車場から坂を下り、「瀬板の森公園南口」交差点に到達したところで公園エリアは終了。
この15年で風景が一変した永犬丸エリア
「瀬板の森公園南口」交差点を右折。永犬丸(えいのまる)方面へ向かう。
道路も当時は高校の前まで整備されていて、そこから先は狭くて古い道しかなかった。今は拡張工事も終わり、広くキレイな片道2車線道路。黒崎方面へ行く際の便利な抜け道となっている。
北筑高校の前を通過。坂を下る。
再び金山川に到達。橋の手前で右折し、川沿いの遊歩道を進むことになる。
この一帯は、15年ほど前まで北筑高校以外に目立つ建物は何もなくて、市街地の開拓が「まさに始まったばっかり」という状態。見渡す限り「野原」しかなかった。
北筑高校の近くに華里(はなさと)地区が整備され始め、一気に住宅が立ち並び、八幡西区でも屈指の新興住宅地となった。地価の上昇が毎年スゴイことになってたのを記憶している。
三ヶ森地区、永犬丸地区、則松地区を経由して折尾方面へと抜ける道路も、当時は延々と工事していた。片道1車線すら完成しておらず、舗装もされてなくてガッタガタの道が1車線分だけ「とりあえず」作ってあるだけ。
そこを両方向の車が交互に通る状態だった。ガタガタ揺れながら、砂埃を巻き上げて車を走らせていたのは今も覚えている。距離的にとても有効な抜け道ではあったけど、当時はここを通るとむしろ目的地への到着が遅くなるので、あまり利用しなかった。
何もない野原の中で、上の写真にある「金魚みたいな形の建物」がポツンと1つだけ寂しく建ってたのを鮮明に記憶している。この建物は古株なのだ。
現在は広い道路も完成し、交通量も大変多い。道路周辺には次々と商業施設や飲食店が建設され、華里地区の住宅街と併せてとても充実した生活圏へと変貌を遂げた。
街の発展ってスゴイなーと、ここに来るといつも思う。
金山川に沿った遊歩道はいつも花の整備が素晴らしい。ここにはチューリップを見に来たことは何度かあるけど、桜を見に来たのは今回が初めて。
密集度もすごくて、ズラーっと並ぶ桜の見事さも圧巻だったけど、桜の枝がどれも低くて、もう少しで私の頭がぶつかるほど。つまり、すごく間近で桜の花を見ることが出来る。
ここが満開になった時の迫力、なかなかイイ。来てみないと分からないものだなー。
金山川、もう一つの目玉であるチューリップも徐々に咲き始めているみたい。
「チューリップまつり」の開催中、この一帯に露店が出て賑やかになる。
早くも鯉のぼりが舞い始めていた。
金山川の桜並木もそろそろ終点。
2012年の金山川チューリップまつりは4月15日(日)から。看板を見て把握。ここで川沿いの遊歩道を離れる。
相変わらず上り坂に弱い私
遊歩道を左折し、橋を渡る。
「水辺の里入口」交差点を直進。
則松中学校、続いて「則松中学校南」交差点を通過した直後に左折。
「さつき台」地区に入る。こちらも比較的新しい住宅街。
延々と上り坂のコース。今回ここが最も苦しかった。
私の歩くペースは一年でずいぶん速くなったと思ってるが、上り坂になるとウソみたいにペースダウンしてしまう。
そして、平地や下り坂で私が追い抜いたはずの参加者の中でもペースの速い人たちは、上り坂になると次々と私を追い抜き返していく。
再び平坦な道や下り坂になれば、また私が追い抜くこともあるんだけど、上り坂で私を追い抜いて行く人の大半は、そう簡単には追い付けない。かなりの体力・筋力・脚力を誇る参加者が、やはり先頭には幾らでもいるのだ。
私もまだまだやなー、と上り坂ではいつも痛感させられる。
これを読んでる皆さん、私を襲うなら上り坂が狙い目ですよ。下り坂で仕返しするけど。
「松寿山三丁目」交差点を右折。ようやく坂が下りになる。ここから北九州市ではなく、遠賀郡水巻町(おんがぐん・みずまきまち)に入る。
筑豊本線の線路が、とんでもなく下の方に見える。スゴク低い場所に線路が敷かれたのか、それともスゴク高い場所に住宅街が出来ているのか。いずれにせよ、えらく高い場所に高架が造られている。
「吉田小学校入口」交差点の手前、小さな川が流れている橋のところで右折。このまま川沿いを歩くコースらしい。
川の名前は「堀川」というらしい。堀川沿いの街並みは、なんだか情緒があってイイ感じ。
河守神社に到達。境内は今回のコースに含まれていないが、ちょっと寄り道。後で資料を見たら、ここには「逆立ちした狛犬(こまいぬ)」の像があるんだって。知ってたら写真を撮ってたのに。無念。
河守神社の前にある橋を渡り、堀川の反対側にある細い道を進むと、何やら史跡の説明を発見。コースマップを見ると、この一帯は「堀川遺構」と書かれている。
資料には「車返しの切り貫き」と書かれていた。史跡ってことは分かったけど、どういう史跡なのかがイマイチ理解できなかった。
後で調べて少し分かったのだけど、ここは今から250年ほど前、1760年に「堀川運河」として人工的に川を通したらしい。自然な川ではなくて、人工的に造られた川なんだって。
「開削工事」と書かれていたのだけど、文字のニュアンスからすれば川を通すために「掘ったり削ったりした」ということだよね。250年も前だから重機があるはずもないし、手作業でノミやツチという道具で地道に工事を続けたのだとか。
上の写真を撮った周辺の地盤がとても硬かったり、斜面が急だったりで、工事がとても大変だったそうだ。
約250年前の工事で、当時の工夫さんたちが苦労しながら掘り進めた、その際に出来たノミやツチの跡が現在もたくさんここに残っている、ということらしい。違ってたらゴメンナサイ。
堀川遺構を通過し、狭い道路を進んでいると後ろから車が来たのでビックリした。遊歩道かと思うほど狭い道だったので。
その狭い道をさらに進むと、折尾高校の入口があった。って、ここ通学路なの? 昼だからよく分からなかったけど、街灯あるんだろうか。部活などで帰宅が遅くなって暗くなったら、特に女の子は大丈夫なんだろうか。
先生たちは通勤でこの道を車で通るの? 学校関係者が通勤通学をどうしてるのかがとても気になるし、心配になってしまった。
ちなみにこの周辺から再び北九州市に入る。どこが遠賀郡との境なのかはよく分からない。
歴史ある飲食街はどうなるんだろう
折尾高校を通過して少し進むと、何やら複雑な道路工事現場に入る。道路をどんな風に作り変えたいのかサッパリ想像できない工事現場を通過し、踏切を渡る。
国道3号線の高架下を通過。
いつの間にやら、川の名前が「堀川」じゃなくて「新々堀川」にグレードアップしているじゃないか。リニューアルして、さらにNEW! って感じ?
久々で踏切に引っ掛かってしまった。しかも上りと下りのダブル攻撃。
前方に折尾駅が見えてきた。ゴール目前。
って、川の左側をよくよく見てみると、ここはスナックなどの飲食店がズラーっと並んでるのね。ハンパない数。しかも中には開店祝いの花輪を飾ってるお店まである。どこも現役で営業されてるのか。スゴイなー。
しかし、資料を見てみると、この飲食街も折尾駅前の再開発で取り壊し予定だと書かれている。オープンしたばっかりの店、どうするんだろ。なんかいろいろ心配になるところだな、この周辺って。
ゴールのJR折尾駅に到達。今回は天候にも恵まれて、とても歩きやすかった。
今回のウォーキングをiPhoneアプリ「Walkmeter GPS」で計測した結果は上の通り。
歩行時間は1時間53分。歩行距離は11.4km(四捨五入)。
平均歩行ペースは1kmあたり9.58分。
今年初めて歩行ペースが10分を切った。途中、さつき台地区の上り坂でかなりペースダウンしたし、幾つか寄り道もしたけれど、その他の平坦なコースは速く歩くことを意識していた。
途中、水巻町に入った辺りから左足の裏側がチクチクと痛み始めた。「小さな石コロがクツの中に入ったんだな」と思ったけど、ペースを落としたくなかったのでそのままゴールまで歩き続けた。
ゴール後にクツを脱いで確認したら、石コロはどこにもなくて、靴下に穴が開いており、その部分がクツずれになって大きな水ぶくれが出来ていた。
そのくらい今回はいつも以上の高速ペースで歩けたということ。
ウォーキングで使用したiPhoneアプリ
今回のコースマップ
より大きな地図で ウォーキング折尾編 を表示