生誕80年
2020年10月9日は、元ビートルズのメンバー、ジョン・レノンの誕生日。生きていれば80歳になります。
ジョン・レノンの生誕80年を記念して、新しいベストアルバム「ギミ・サム・トゥルース」が発売されています。
コアなファンは映像特典のBlu-rayが付いた限定版が狙い目ですかね。値段高いけどね。
一方、「ジョン・レノンって興味あるんだよな、有名な曲以外にどんな曲があるんだろう」という初心者の方には、今回のベスト盤をゲットしてみると大変良いと思います。けっこう曲数も多いし、バランスも取れてます。以前のベスト盤より音質も向上してるらしいし。
- インスタント・カーマ(Instant Karma! (We All Shine On))
- 冷たい七面鳥(Cold Turkey)
- 労働階級の英雄(Working Class Hero)
- 孤独(Isolation)
- ラヴ(Love)
- ゴッド(God)
- パワー・トゥ・ザ・ピープル(Power to the People)
- イマジン(Imagine)
- ジェラス・ガイ(Jealous Guy)
- 真実が欲しい(Gimme Some Truth)
- オー・マイ・ラヴ(Oh My Love)
- ハウ・ドゥ・ユー・スリープ(How Do You Sleep?)
- オー・ヨーコ(Oh Yoko!)
- アンジェラ(Angela)
- カム・トゥゲザー(ライヴ)(Come Together)
- マインド・ゲームス(Mind Games)
- アウト・ザ・ブルー(Out the Blue)
- アイ・ノウ(I Know)
- 真夜中を突っ走れ(Whatever Gets You Thru the Night)
- 果てしなき愛(Bless You)
- 夢の夢(#9 Dream)
- 鋼のように、ガラスの如く(Steel and Glass)
- スタンド・バイ・ミー(Stand By Me)
- エンジェル・ベイビー(Angel Baby)
- スターティング・オーヴァー((Just Like) Starting Over)
- アイム・ルージング・ユー(I’m Losing You)
- ビューティフル・ボーイ(Beautiful Boy (Darling Boy))
- ウォッチング・ザ・ホイールズ(Watching the Wheels)
- ウーマン(Woman)
- 愛するヨーコ(Dear Yoko)
- 男は誰もが(Every Man Has a Woman Who Loves Him)
- ノーバディ・トールド・ミー(Nobody Told Me)
- アイム・ステッピング・アウト(I’m Stepping Out)
- グロウ・オールド・ウィズ・ミー(Grow Old With Me)
- 平和を我等に(Give Peace a Chance)
- ハッピー・クリスマス(Happy Xmas (War Is Over))
「イマジン」「ウーマン」「ハッピー・クリスマス」など、ジョン・レノンを知らない人でも聴いたことあるんじゃないかっていう超有名曲は当然入ってます。
シングルとして発売された曲も、ほぼ入ってますね(数曲漏れてますが)。他の有名な曲や人気曲もだいたい入ってるし、各アルバムからバランス良く選曲されてるから、ほんと入門編としてバッチリだと思います。
今までも、今回も収録されなかった名曲たち
ビートルズのプロとしての実質的な活動期間は、プロデビューした1962年から法的に解散する1970年まで、約9年しかありません。
ジョン・レノンのソロ活動期間はビートルズよりも更に短くて、実質的には約7年なんです。
ビートルズがまだ活動中の1968年、当時まだ不倫相手だったオノ・ヨーコとソロ名義でアルバム出したり、1969年にはヨーコの他にもメンバー集めてビートルズとは別のバンド「プラスティック・オノ・バンド」ってのを結成して活動をしたりしてます。
1970年のビートルズ解散後は当然ソロとしてアルバムもリリースしてるのですが、1975年にヨーコとの子供ショーンが誕生してから、約5年間ほど育児に専念し、音楽活動を全然してない時期がありました。
で、1980年にようやく音楽活動を再開させ、「ダブル・ファンタジー」という素晴らしいアルバムをリリースしたのですが、その直後に暗殺されてしまいます。なので実質7年前後。
ヨーコと勝手気ままに作ってたソロ名義は除き、1970年以降に公式リリースされたジョンのソロ名義スタジオアルバムは7作。ジョンの死後に未発表音源を集めたアルバムが1作リリースされてますが、それを入れても計8作しかありません。
今回リリースされたベスト盤「ギミ・サム・トゥルース」は、その8作から人気の高い楽曲や有名な楽曲をバランス良くセレクトして収録されてます。
「ギミ・サム・トゥルース」に収録された楽曲の一つ一つを解説しようかとも考えましたが、今回は趣向を変えて「ベスト盤に収録されない名曲」を3曲紹介します。
過去幾つかリリースされたベスト盤にも入ってなくて、将来別のベスト盤が出たとしても入らないんじゃないかなあっていう曲。もちろん今回の「ギミ・サム・トゥルース」にも入ってません。
Well Well Well
1970年にリリースされたアルバム「ジョンの魂」(原題「Plastic Ono Band」)に収録されてます。
ビートルズ後期からジョンがロック調の楽曲を演奏する際に好んで使ってた、金属音のようにシャープで尖った、キンキンした音色のギターエフェクトが炸裂しています。
1990年代にグランジ・ロックの旗手として爆発的人気を誇ったニルヴァーナ、それより20年も早くジョンがグランジやってたんだぜ、とファンが喜ぶネタの1つとしてこの曲がよく引き合いに出されます。
ドラムを叩いてるのはビートルズの仲間でもあったリンゴ・スター。
ベースを弾いてるのは、ビートルズのファンにはお馴染みのクラウス・フォアマン。この人が何者なのかの解説は長くなるので割愛しますが、ビートルズとどういう関係だったのかを知ると面白いですよ。プロデビューする前から関係のある人です。
この曲は1972年8月30日にニューヨークで開催されたライヴ音源が有名です。ビートルズ解散後、初めてジョンが出演した大規模コンサートで、実質的に生前最後のライヴ出演となってしまったのですが、後にライヴアルバムがリリースされ、VHSとLDで映像集もリリースされてます。
動画サイトにこの曲のライヴ演奏動画があると思います(著作権アウトなのでこちらに掲載はしません)。
ライヴ映像ではヨーコがキーボードを担当していますが、おそらく音は出ていません。いわゆる「エアキーボード」。
演奏しているヨーコのめちゃくちゃなリズムを見ていると、音を出さなくて本当に良かったと思うはずです。
Aisumasen (I’m Sorry)
イギリス人が日本人の妻に「日本語で」謝罪している曲。
「あ〜、あああ〜いすいませ〜ん よーこー」
日本語でヨーコに謝ってます。タイトルにヨーコと名の付くジョンの楽曲は数あれど、タイトルを日本語にして曲中でも歌詞に日本語を使ってる楽曲はこれ1つ。
1973年にリリースされたアルバム「マインド・ゲームス」に収録されています。このアルバムは昔、邦題が「ヌートピア宣言」でした。ヌートピアってのは同年にジョンとヨーコが建国すると宣言した架空の国の名前。
1973年といえば、ジョンとヨーコの仲が極めて悪い頃で、ジョンが曲名や歌詞を使って謝りまくったにもかかわらず、このアルバムのリリース後に二人は一時期、別居しています。
How?
1971年にリリースされたアルバム「イマジン」に収録されています。アルバムタイトル曲も超有名だし、他にも名曲揃いでオススメなアルバム。確かソロアルバムでは最も商業的に成功したはずです。世界各国のチャートで1位を獲得しました。
で、紹介している「ハウ?」もストリングスとピアノの音を基調とした、とても穏やかで美しい名曲。昔からすごく好きな1曲なんですけど、ベスト盤の類いに収録されたことが確か1度もないはずなんですよ。なぜだろう。
ささやくように歌い上げるジョンの優しい声も印象的ですが、レコーディングの時はなかなか上手くいかなかったらしく、その様子はレコーディング風景を撮影した「ギミ・サム・トゥルース」という(今回リリースされたベスト盤と名前は同じだけど全然別の)映像集としてリリースされています。
この映像集「ギミ・サム・トゥルース」、まだDVDやBlu-rayが存在しないVHS時代にビデオを購入したのですが、とても面白く興味深い映像だらけなので、ファンはもちろん、ジョンを好きになったばかりの方々にもオススメです。
ヨーコがどういう風に楽曲に絡んでいたのか、あるいはビートルズの盟友であるジョージ・ハリスンと二人で、この頃「共通の敵」だったポール・マッカートニーのことを攻撃する楽曲でイジワルに演奏している様子も見られます。
今回のベスト盤に収録された「オー・マイ・ラヴ」「オー・ヨーコ」も収録されてますので、ベスト盤を聴いてファンになった方々は2枚目の入門編として是非「イマジン」を聴いてみてください。