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ビートルズ英会話#3:プリーズ・プリーズ・ミー

2012年10月21日

簡単な歌詞解説

今回のお題は2枚目のシングル『プリーズ・プリーズ・ミー(Please Please Me)』。

どうしてもですね、初期の曲の方が歌詞も単純というか簡単なので、紹介しやすいんですよ。

Please Please Me

Please Please Me

ザ・ビートルズ EMI CatalogueAmazonデジタルミュージック

この曲のタイトルを聞いて、おそらく誰もが最初に思い浮かぶ疑問。

プリーズが2つって、どういう意味やろ

思いませんでした? 私は最初タイトルを聞いた時、「ん?」と思いましたよ。

1つなら分かるんですよね。「お願いしまっす」のプリーズ。

じゃあ直訳すると「お願い、お願い、オレ!」ってオカシくない?

解説します。

タイトル最初のプリーズは「お願い」で正解。

問題は2つめなのですが、これ、いわゆる「同音異義語」というやつでして、1つめのプリーズと発音は同じなんですけど意味が違います。

2つ目のプリーズは「喜ばせる」という動詞。「楽しませる」と訳したりもしますね。

つまりタイトルを訳すと「お願いだからボクを喜ばせてくれ」となります。

Aメロの最初2行いきますね。

Last night I said these words to my girl
(昨日の夜、彼女に言ってやったのさ)

I know you never even try, girl
(キミはやってみようともしないんだね、って)

「try」は「試みる」とか「やってみる」とかのトライです。ラグビーでボール持って転がるとこを想像したアナタ、残念。

その後、「come on」が4回くり返されます。これは「おいおい」とか「マジかよ~」とか「ちょ、待てよ!」とかのニュアンスの時に言うセリフ。

で、タイトルのフレーズが来るわけです。

Please please me, oh yeah like I please you
(お願いだから、ボクがキミを喜ばせてるみたいに、ボクのことを喜ばせてよ)

ちなみに、この曲を作ったのはジョン・レノンですが、彼はビング・クロスビー(ホワイト・クリスマスって曲が有名な人です)が1932年に発表した『プリーズ』という曲の歌詞に影響を受けています。

Aメロの一番最初にこんなフレーズがあります。

Oh please lend your little ears to my pleas
(お願いだからボクの願いに耳を傾けてほしい)

最初の「please」は「お願い」のプリーズ。一番最後にある「pleas」は、嘆願とか懇願とかの意味である「plea」という名詞の複数形で最後に「s」がついてます。これも発音はプリーズ。

「please」と「pleas」、2つの違う意味を持つプリーズを1行で表現する使い方に影響を受けて、ジョン・レノンは全く同じ「please」という単語が持つ、異なる2つの用法を利用した、というカラクリなんです。

この曲に関する余談・エピソード

この曲はデビュー曲『ラヴ・ミー・ドゥ』に続く2枚目のシングルとして発表されました。

プロデューサーのジョージ・マーティンは当初、この曲ではなく、自身が用意した『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット(How Do You Do It)』という曲を2枚目のシングルとして考えていて、ビートルズも録音までは済ませていました。

結果的にボツとなってしまったビートルズ版『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット』は『アンソロジー1』に収録されています。

How Do You Do It? (Anthology 1 Version)

How Do You Do It? (Anthology 1 Version)

収録アルバム『Anthology 1ザ・ビートルズ EMI CatalogueAmazonデジタルミュージック

『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット』を2枚目のシングルとして出すつもりだったジョージ・マーティンに対し、ビートルズは自分たちのオリジナルで行きたいと主張。候補として『プリーズ・プリーズ・ミー』を推します。

しかしジョンが最初に作ったバージョンは、『プリティー・ウーマン』で有名なロイ・オービソンの『オンリー・ザ・ロンリー』という曲に影響を受けたスローな曲調で、歌い方もロイを意識して高いキーや裏声を多用してたんだそうです。

※ちなみにデビュー直後のビートルズはロイ・オービソンとも一緒にツアーを周っています。ビートルズはロイの前座でした。

シングルとしては弱いと考えてたジョージ・マーティンは、テンポを速くして再録音するよう指示。これを受けてビートルズはアレンジを練り直し、我々の知ってる現在の『プリーズ・プリーズ・ミー』が完成。

再録音が終わり、ジョージ・マーティンは「これはナンバーワンを取る」と自信を深めた、というエピソードが有名です。

ちなみにボツとなった『ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット』は、同じくジョージ・マーティンがプロデュースしていた別のバンド、ジェリー&ザ・ペースメイカーズがデビューシングルとして発表し、イギリスのチャートで1位を獲得。

そのジェリー&ザ・ペースメイカーズから1位を奪ったのは、ビートルズ3曲目のシングル『フロム・ミー・トゥ・ユー』だった、というのも不思議な因縁です。

ビートルズ英会話#2:フロム・ミー・トゥ・ユー

ビートルズの曲で簡単な英語表現を紹介する企画。今回は3枚目のシングル曲でもある「フロム・ミー・トゥ・ユー」の歌詞を学んでいきます。

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