最初の3枚なら答えられる
思い入れの深い音楽アーティストになればなるほど、「好きな曲ベスト●」などという企画には回答しづらいものです。好きな曲が多過ぎて絞れない。
私自身、好きな音楽アーティストは沢山いますが、特にビートルズに関してはファン歴が長いこともあり、語り出したら止まらなくなります。当然ながら好きな3曲を絞るのも無理。
でも「最初に買ったアルバム3枚」なら憶えてるし、すぐ書けるぞ。ってことで今回記事にしてみました。
1枚目:レット・イット・ビー
Let It Be
ビートルズについてほとんど何も知らない私がレコード屋(=まだCDじゃなくてレコードの時代ですよ)のビートルズ・コーナーに行った時、ビートルズのレコードは売れまくっててほとんどなかった。理由は後述します。
棚に残ってた数少ないアルバムのジャケットを1つ1つ眺めていて、
「あ、レット・イット・ビーって曲なら知ってるぞ!」
という理由だけで買いました。角川映画の主題歌で、CMでジャンジャン流れてたのでファンじゃない私でも知ってた。
このアルバムはビートルズが最後にリリースした作品で、メンバー間の仲が最も険悪だった時期なんです。
それもあってか、初めて聴いた感想としては、暗い!
さらに、曲の最初や最後でメンバーが英語で何やらジョークめいたことを言って笑ってるんですが、それが分からん。(ずいぶん後になって買った本に解説が載ってて初めて意味が解りましたけども)
ビートルズに対して「爽やか」「若々しい」みたいなイメージをなんとなく持ってた私は、アルバム『レット・イット・ビー』の暗さにボー然。え?ビートルズってこんな感じなん?っていう。
2枚目:サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band
1枚目で混乱した私は、ビートルズ好きな友人Aに相談しました。「オススメのアルバムって何がある?」と。
友人Aは言いました。「サージェントは絶対に欠かせないだろ、いやビートルズどころか、あのアルバムはロック史に残る名作だ」と。(ちなみに私も友人も当時13歳だった)
そこまで言われるなら、ってことで2枚目として買ったのがサージェント。
しかし、今でこそ「このアルバムはスゴイ!」とエラそうに言えますけど、洋楽もほとんど知らず、ビートルズファン歴も浅い当時の私にとって、このアルバムは難し過ぎた。
知ってる曲が1つもないのは仕方ないにしても、音楽の傾向が多彩すぎて(だからこそスゴイんですけど)、クラシック調もあればインド音楽調もあり、こんな高い声の人ってビートルズにいたか?と驚いたり(中期あたりのジョンは声が異様に高い)、ケロッグのCMみたいのもあれば最後はピアノがジャーンと延々鳴り響いてフェードアウト。
なんじゃこりゃ!
1枚目の『レット・イット・ビー』で混乱した私は、2枚目の『サージェント』でますます苦悩するのでありました。
3枚目:ハード・デイズ・ナイト
A Hard Day’s Night
1枚目、2枚目と聴いて「ビートルズの良さが正直、全然理解できなかった」私は、このままビートルズを買い進めてもいいんだろうかと悩み、再び友人Aに相談。
友人Aが3枚目としてオススメしたのは『ヘイ・ジュード』というアルバム。これ、確かCD化はされてないはず。レコードのみ。
アルバム『ヘイ・ジュード』も中期から後期にかけての作品なのですが、友人Aがオススメした理由は「ヘイ・ジュードも有名な曲だからイイんじゃない?」というもの。
また中期の作品か、と不安になった私は、ビートルズ大好きな別の友人Bに相談。これまで買った2枚と、次に買う候補の『ヘイ・ジュード』というラインナップを私から聞いた友人Bは苦笑。
「いきなり中期や後期を聞いたって分からんやろ。明るくて元気いい初期のアルバムの方が最初はイイんじゃない?」
そう、それ! 元気のいいやつ。初期のオススメある?と訊いて友人Bが薦めてくれたのが、3枚目として買った『ハード・デイズ・ナイト』でした。
このアルバムを初めて聴いた時の爽快感。ようやくビートルズの魅力を少し判ったような気分になれました。
アルバムを聴き終えて私は思った。これからは友人Bに相談しよう、と。
その後
ちなみに4枚目として買ったのは『ビートルズ1962~1966』、いわゆる「赤盤」とファンから呼ばれている初期のベスト盤。次の5枚目が『ビートルズ1967~1970』、通称「青盤」と呼ばれる後期のベスト盤でした。
The Beatles 1962 – 1966 (The Red Album)
The Beatles 1967 – 1970 (The Blue Album)
4枚目と5枚目はどちらも2枚組で、お年玉か何かで両方同時に買いました。全部聴いて思いましたね。最初からこの2枚を買っときゃ良かった、と。
あとはもう、お金の続く限り勢いに任せて、当時日本で発売されてたビートルズのレコード盤はほぼ全て買いました。
私の体験から言わせてもらうと、「ビートルズ知らないけど興味ある。でも何から買えばいいんだろ」って人は、まずベスト盤を買って有名どころの曲を押さえて、それから好きな年代に飛んでいけばいいんじゃないでしょうか。私みたいに「いきなり後期に飛ぶ」と混乱するかもしれませんので、初期から順番に聴くのがイチバン無難だと思います。
余談:私とビートルズとの出会いについて
今からもう30年以上も前、私が中学生だった頃の話なのですが、当時はラジオ大好き少年で、いろんな音楽をラジオ経由で聴いてました。
ある日、某番組でモンキーズの特集をしていて「カッコイイ!」とハマり、録音したテープを何度も何度も聴き続ける毎日。
それまで邦楽しか興味なかった私が初めて好きになった洋楽アーティストはビートルズじゃなくてモンキーズだったんです。
Monkeemania: The Very Best Of The Monkees
で、それを前述した友人Aに言ったところ、
「モンキーズ聴くんやったらビートルズの方が何倍もいいよ」
友人Aの部屋でレコードを聴かせてもらったのが、私とビートルズとの初めての出会い。1980年12月の下旬でした。
「1980年12月の下旬」と言って、「ほお~」と気付いた方はかなりのビートルマニア。私がビートルズを初めて聴いた数週間前にジョン・レノンが亡くなったんです。
ジョンが亡くなったことは日本の新聞でも1面トップで報じられ、テレビのニュースでも流れまくってました。当然ながら私はジョン・レノンという人が誰なのかを知らない。アメリカの政治家なのかと最初は本気で思ってた。
ニュースや新聞記事を目にし、ジョン・レノンという人、そして彼が組んでいたビートルズというバンドの名前が記憶にインプットされた、その直後に私はビートルズの音楽と出会った。
友人の勧めもあり、私はレコード屋さんに行って最初のレコードを買った、というのがその後30年以上も続いてる私の「ビートルズ愛」の始まり。
私がビートルズのレコードを初めて買いに行った際、ほとんどレコードが棚になかったのは、ジョンの死去直後でビートルズ関連作品が爆発的に売れてたからなんです。
まとめ
私が購入した1枚目~3枚目の順番が「ダメ!」と言ってるわけではありませんし、各アルバムの評価が低いわけでもありません。『レット・イット・ビー』も『サージェント・ペパーズ』も今じゃ神アルバムですよ。
ただ、13歳で洋楽を全然知らない私には少々難解なルートだったなぁとは思います。
いろんな方々の「アルバム3枚」
記事アップ後、いろんな方々の「最初に買ったアルバム3枚」を教えて頂きました。
@rikuma_ てことで、私のベスト3は、Sgt. Pepper’s、Let It Be、Abbey Road です。
— イワサキ ブリコラージュ開発者さん (@nousnou) 2013年4月3日
↑イワサキさん(@nousnou)は「現在のベスト3」をTwitterにて挙げて下さいました。
↑「ただのロックバカ」さんには「お問い合わせページ」から送信して下さいました。
↑たとさん(@tato3104)のエントリー。ベスト3を挙げて下さいました。
教えて下さった方々、ありがとうございました。
ビートルズ全公式アルバム&アンソロジーの解説と収録曲まとめ
現在CDでリリースされているビートルズの主要アルバムについて簡単な解説を書いてみました。メンバーの簡単なプロフィールも書いています。