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2013年以来、9年ぶり開催のウォーキングイベント
2022年10月23日(日)に開催された「若戸大橋ウォーキング」というイベントに参加してきた。
若戸大橋とは、北九州市の戸畑区と若松区の間に広がる内海「洞海湾(どうかいわん)」に掛かる巨大な赤い吊り橋。
1962年に有料道路として完成・開通し、当初は歩道があったらしい。完成10年後の1972年には歩道が無料化されたものの、渋滞緩和の目的で片道2車線・全4車線化に拡張されることが決まり、1987年に歩道は廃止された。
自動車専用道となったため、普段は歩いて渡ることが出来ない若戸大橋。その橋を徒歩で渡ることができるという大変貴重なイベント。これを逃すわけにはいかない。開催を知り、即座に申し込んだ。
過去の開催としては、橋の開通50周年を記念したイベント(2012年10月)と、北九州市の市政50周年を記念したイベント(2013年10月)があった。
どちらのイベントも、開催を知った時には既に募集が終了しており参加できなかった。情報収集能力の低い自分自身を呪ったものである。
今回は9年ぶりとなるウォーキングイベント開催。たまたまニュースを見ていて知った。気付けて良かった。
ちなみに前回2013年は参加費無料だったが、今回は有料(1,000円)となっていた。
今回のイベントは、1962年に完成した若戸大橋の開通60周年記念、そして2022年2月9日に若戸大橋が国の重要文化財に指定されたことを記念して開催された。
若戸大橋を歩きたいという念願が叶う
集合場所の「大橋公園」を出発し、若戸大橋の入口に徒歩で移動。
今回は事前申込の段階で8つのグループに分けられ、全部で約8,000人が参加したらしい。大橋公園はとんでもない人の数だった。
若戸大橋の入口に到着。この辺りには以前、料金所があったはず。有料道路だった若戸大橋は2018年12月に無料化されたため、料金所も撤去されている。
いつか歩いてみたいと長年思い続けていた若戸大橋。遂に歩いて渡る日が来た。心の底から嬉しかった。
若戸大橋の全長は627メートル。
今回のイベント開催に伴い、若戸大橋は上り下りの両車線とも自動車の通行が禁止となった。
ただしイベント参加者が歩けたのは下り車線(=戸畑側から若松側に向かう道路)のみで、上り車線は車だけでなく歩行者も通行禁止となっていた。
滅多にない機会なので参加者はみんなゆっくりと歩いている。進めば進むほど周囲の人が増えていく。
フェンスの外に視線を移すと、戸畑区の市街地がずいぶん下のほうに見えている。
写真左上に写っている「ウェルとばた」は地上12階建てなのだが、こちらの位置のほうが高いようにも見える。
最頂部の高さは約40メートル
若戸大橋は「吊り橋」なので、橋を吊るための主塔(橋梁)が2つある。そのうちの1つ、戸畑側の赤い主塔に接近していく。
この地点の左側には非常駐車帯(少し広くなってるスペース)があった。
NHKの取材陣が非常駐車帯で撮影中。せっかくなのでカメラマンの背後から最接近して撮影しておいた。近寄り過ぎたからか、周囲の参加者から笑われた。
福岡ローカルのテレビ局は他に「KBC」「RKB」の取材陣が撮影していたのを確認した。見てはいないが「FBS」も撮影に来ていたらしい。
1つめの主塔の少し手前付近から、橋の両脇に設置されているフェンスがなくなり、橋の外側の視界が良好となる。
フェンスがなくなり、洞海湾を上から眺めるという貴重な体験を味わう。とても素晴らしい景色。
洞海湾を挟んで左が戸畑区、右が若松区、そして前方左側が八幡東区となる。
さっきまでいた戸畑区の市街地が若戸大橋の南側に広がっている。
写真の右下には「ニッスイ」のパイオニア館が見えている。
高所恐怖症なので、フェンスがない区間は怖くないのだろうかと不安だったが、上の写真のように歩行可能なエリアと橋の脇との間には広く侵入禁止エリアが取られていたので安心できた。
もしも端のほうに人が押し寄せてしまうと、端にいた見物人が押されて海に落ちてしまう可能性もあるため、この規制は大正解。
若戸大橋と共に「北九州市のシンボル」と言える皿倉山も、若戸大橋の上から眺めているとまた違う趣があって良い。
天候は快晴、強風に煽られないか心配していたが時々微かに吹く程度で、むしろ涼しくて心地良い風だった。
普段、車を走らせて若戸大橋を渡る時、自分は運転手なので景色を眺めることが出来ず、いつも正面しか見ていない。
今回のイベントはそういう意味でもありがたかった。いつもはほとんど見ることが出来ない「若戸大橋」からの風景を、ゆっくり時間をかけて存分に楽しむことができた。
ここが戸畑区と若松区の境界になるらしい。ということは若戸大橋のちょうど中央付近ということなのだろうか。
ちなみに最も高い部分で海面から橋までの高さは約40メートルになるとのこと。
若戸大橋を下り、若松区へ
若松区に入り、進むにつれて下り坂となっていく。
眼下の洞海湾では若戸渡船が、海面に弧を描きながら若松側の船乗り場に接近する様子が見えた。こういう風景も橋の上ならでは。
反対側となる上り車線(若松→戸畑)も、この辺りはフェンスがなかったため、キレイな景色を眺めることができた。ただ通行禁止だったので端のほうには接近できず、遠目からの写真ばかりとなってしまった。
洞海湾の左側には若松区・響灘の風力発電施設も見える。
若松側の主塔(橋梁)を通過する。主塔の高さは84メートル。
若戸大橋の上空を幾つかのヘリコプターが旋回しながら通過する様子も見えた。
上の写真のヘリはサイレンを鳴らしていたから、撮影用ヘリではなく消防ヘリだと思うのだが、橋を歩く多くの人々がヘリに向かって手を振っていた。たぶんテレビで放送されるどころか撮影されてもいない。
若松区の市街地に向かって下り坂が続く。気付くと橋の両脇には再びフェンスが設置されていた。途中に若松側の非常駐車帯もあった。
非常駐車帯からの景色。海の向こうが戸畑区。
「イオン戸畑ショッピングセンター」や「ウェル戸畑」が遠くに見える。2つの施設に挟まれた位置にJR戸畑駅がある。
こちらは反対側、若松区の景色。
若戸大橋はどんどん下っていき、その先には「高塔山(たかとうやま)」がある。高塔山の山頂にある展望台からは若戸大橋がちょうど正面に見える。昼に見てもキレイだが、夜景は更にキレイなのでオススメ。
どんどん橋の終点が近付いてくる。ものすごく寂しい。周囲を歩く参加者も「まだ終わりたくない〜」「もっといたい〜」と名残を惜しんでいた。
冗談抜きでこのままUターンして戸畑側までもう1回歩こうかと思った。他の参加者や運営側の迷惑になるから、さすがに実行はしなかったけれど。
ここが若戸大橋の終点。寂しさもあったが、その何倍も楽しかった。
若戸大橋の終点を地上から眺める。ウォーキング参加者が続々と終点に向かっている。
若戸大橋ウォーキングのゴール地点は若松区役所に設定されていたため、橋の横を進んで区役所に向かう。
上の写真、左端に写っているのが若松区役所。
若松区役所周辺の広場では「若戸フェス」というお祭りが開催されていた。
到着時、北九州市の北橋健治市長が特設ステージでスピーチを終えた直後だった。
区役所横の広場に設置されたゴールゲートをくぐり、ウォーキングは終了。ゴール地点で大会の完歩証明書と記念品(石鹸)をいただく。全長3.5kmほどの短距離ながら、実に充実したウォーキングだった。
若松区役所の裏側に戸畑駅行きの無料シャトルバスが用意されており、それに乗って戸畑まで移動。
若戸大橋が封鎖されているのにバスはどこを走るつもりなんだろう、まさか折尾側まで超遠回りをするのか? と不思議だったが、何のことはない、若戸大橋の隣りに建設された海底トンネル「若戸トンネル(新若戸道路)」を通行した。若戸トンネルの存在を完全に忘れていた。
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若戸トンネル開通記念ウォーキングに参加、洞海湾の海底を初めて歩く
2012年9月9日(日)。北九州市戸畑区と若松区を歩いてきました。夏季の中断期間が終わり、いよいよ秋シーズンが開幕。今回は開通を一週間後に控えた海底トンネル「若戸トンネル」を歩けるということで参加してきました。
次は市政60周年になるのか、開通70周年になるのか、若戸大橋を徒歩で渡るウォーキングイベントはしばらく先になるのだろう。またあればいいなあ。