JR小竹駅は2022年3月から無人駅となった
⇒ 小竹ウォーキング・前編から続く
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小竹町役場は新庁舎に移転したが、旧庁舎はどうなったかを確認してきた
2022年10月、鞍手郡小竹町を歩いてきました。前編ではJR小竹駅、小竹町役場新庁舎・旧庁舎の両方を徒歩で巡っています。
小竹町役場の旧庁舎からUターンし、JR小竹駅に向かって北上する。
写真の中央少し右側にはJR小竹駅、左側には小竹町役場の新庁舎が写っている。
遠賀川堤防と地上を繋ぐ橋が架かっており、JR小竹駅の駅舎のうち、改札口などの上層部分は橋の上に建設されている。
線路は橋の下をくぐっており、駅ホームなどの下層部分も堤防の下にある。
駅舎の上層部分が橋の上に建設されたのは2001年のことらしい。
ちなみに、JR福北ゆたか線の他の駅と同様に、2022年3月からJR小竹駅も無人駅となっている。
JR福北ゆたか線の上り列車(直方・折尾方面)がホームに入ってきたところ。
工業都市への転換を目指す小竹町
JR小竹駅を通過し、遠賀川の堤防上にある国道200号線の歩道を北へ進む。
途中、成長し過ぎた雑草が歩道を覆い隠していて、とてもじゃないが歩けない。仕方が無いので、車の往来が途切れたのを確認した後、車道を小走りで移動した。
雑草のために歩道が通行不能となっていることを管理側は把握しているのだろうか。とても印象が悪い。
会社勤めをしていた10年ちょっと前、小竹町に幾つか取引先があったため、頻繁に訪れていたことがある。
その頃、勝野エリアは見渡す限りの田園風景で、工場など1つも建っていなかったと記憶している。
その後に工場や物流拠点の誘致が本格化し、大型スーパーの「トライアル」も勝野エリアにオープンした。
仕事で頻繁に訪れていた10年ちょっと前と比較すれば、明らかに勝野エリアの工場は増えた。しかし「工場だらけ」というほどでもない。
その10年ちょっと前、仕事でお世話になっていた取引先の偉い人と一緒に車で小竹町を走らせながら、いろんな話を教えてもらった。
「ここ、田んぼばっかりやけど、工場をたくさん誘致しようってことで町も動いてるんよ」と偉い人は運転しながら言った。窓の外に広がる田園風景を眺めながら私は助手席で聞いている。
「でもなかなか上手くはいかんらしくてね」と偉い人。その大きな原因のひとつは「小竹町は高速道路のインターチェンジが近くにない」こと、と教えてもらった。
確かに、お隣りの宮若市にある巨大なトヨタ工場は、九州自動車道の若宮ICと宮田スマートICが近くにあるおかげで大いに発展している。
小竹町は高速道路から遠い位置にある。最寄りのインターチェンジとなると、北九州市八幡西区の「八幡IC」か、前述した宮若市の「若宮IC」のどちらかになる。しかし2つとも小竹町からは遠い。
その2つのICの中間あたりには、2011年に供用開始となった「鞍手IC」がある。
これで小竹町も物流の利便性が向上したのかな? と思ったが、地図で確認してみると小竹町から鞍手ICまでは結構遠く、利便性が向上したとは言えない。むしろ宮田スマートICのほうが近い。
2019年に小竹町商工会が公開した資料によれば、
小竹町では石炭産業の衰退により地域の活力低下を余儀なくされ、新規産業の創出は鉱害問題により立ち後れた。しかしながら立地条件の優位性を活かして、小竹町は企業誘致を積極的に推進しており、工業都市への転換を目指している。
引用:経営発達支援計画の概要 | 小竹町商工会
と宣言されている。
また、田園が多いことから「第一次産業が中心なのかな」というイメージだったが全然そんなことはなく、上記資料によれば2015年(平成27年)の時点で、就業人口における第一次産業の割合はわずか「2.2%」となっている。
土地所有者が売ろうとしないのか、あるいは買い手が見つからないのかは分からない。風景を眺める限り、まだまだ小竹町には工場を誘致するだけの敷地の余裕がある。どこまで発展できるのか、注目している。
石炭産業を支えた蒸気機関車が展示されている
JR小竹駅からまっすぐ東西に延びている県道74号線。このあたりの風景は10年前と何も変わっていなかった。
仕事で何度も何度も車を走らせた道。とても懐かしい。
この一帯に飲食店があるのかないのか全く知らなかったので、お昼時に小竹町を訪れる時は事前にコンビニで昼食を買っておき、小竹球場の駐車場などで食べていた。時間に余裕があれば周辺を散策もしていた。
この辺りもよく散策した。ずいぶん久々の訪問だが、景色は何も変わっていない。
小竹球場、町民グラウンド、そして小竹運動公園と散策を続けていると、小竹運動公園の端に蒸気機関車が展示されていた。
見るからに「石炭を運んでたんだなあ」という風貌をしている。実際は石炭ではなく、坑道に山砂を運んでいたらしい。石炭産業で繁栄した町だからこその歴史遺産。
名前は「アルコ23号」というらしい。
「アルコ23号」は宮若市の貝島大之浦炭鉱で稼働していた列車で、もう1台の「アルコ22号」は宮若市に保存されている、と解説に書かれていた。
ゴルフ場が覗ける場所を探す
アルコ23号が展示されている場所のすぐ北側にある「ミッションバレーゴルフクラブ」というゴルフ場の入口。小竹町にゴルフ場があることを知らなかった。
Googleで検索してみると、ゴルフ場を外側から撮影しているらしき写真が数多く出てきた。ゴルフ場の会員ではないので中には入れないが、外から覗けるのであれば見てみたい。
ということで「覗ける場所」を探すためウォーキング続行。
ゴルフ場に沿って歩いていたら、途中でなんだかイノシシでも出てきそうな山道を進むハメになった。
ゴルフ場の入口は南の端にあったのだが、ちょうど半周して反対側となる北の端まで歩くと、少し小高い場所からゴルフ場の中を見ることが出来た。かなりの距離、しかも途中から上り坂だったので体力を消耗してしまった。
ゴルフ場の中央に鎮座する大きな池。
池の左側、方角でいうと東側のコースではプレイ中の人が数名いて、何やら楽しそうな声が響いていた。おそらく誰かがパーパットを外したのだろう(違ってたらゴメン)。
地図で確認すると、どうやらこのゴルフ場は小竹町と宮若市の2つにまたがっているらしい。「小竹町のゴルフ場」と上で書いたが、どうやら半分以上は宮若市の敷地のようだった。
今回はあくまで小竹町のウォーキングなので、宮若市には立ち寄らず、Uターンして小竹駅まで歩いて戻った。