宗像大社中津宮、沖津宮遥拝所はどこにある?
2017年7月9日、福岡県宗像市を中心とする「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」がユネスコ世界文化遺産に登録されました。
今回登録された場所や施設は全部で8つ。
- 沖ノ島
- 小屋島
- 御門柱
- 天狗岩
- 宗像大社沖津宮遥拝所
- 宗像大社中津宮
- 宗像大社辺津宮
- 新原・奴山古墳群
今回の記事では、上の一覧のうち5番と6番、「宗像大社沖津宮遥拝所」と「宗像大社中津宮」について紹介します。
なお、宗像市にある「宗像大社辺津宮」、及びその近隣にある施設については別の記事にまとめています。
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福岡・宗像市の世界遺産「宗像大社辺津宮」の場所・行き方・駐車場まとめ
2017年7月9日、ユネスコ世界文化遺産として登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」。紹介エントリー第1弾は、福岡県民なら誰もが知ってる有名な神社「宗像大社」及び周辺施設の情報について書いています。
「宗像大社沖津宮遥拝所」と「宗像大社中津宮」、どちらも「宗像大社」という名前が頭についてますが、宗像大社とは別の場所にあります。
では上の島がそうなのか? 実は上の写真、てっきり「あそこにあるのか!」と思い込み、勘違いして撮った写真なのです。
現地に行くと私のように勘違いする人がもしかすると他にもいらっしゃるかもしれないので、そのあたりも含めて解説していきます。
宗像大社は3つの宮で構成されている
本筋に行く前に、宗像大社について簡単に解説します。
今回の世界遺産登録で、やたらと「宗像大社」って名前が出てくるのは皆さんもうお気付きだと思います。
宗像大社は「3つの宮」で構成されています。
- 辺津宮
- 中津宮
- 沖津宮
上の3つ。
1番の「辺津宮」は、福岡県宗像市にある宗像大社の本殿と拝殿があるところ。
2番の「中津宮」は、宗像市の沖にある「大島」という島にあります。
3番の「沖津宮」は、「大島」よりもさらに遠い「沖ノ島」という島にあります。
まず、沖ノ島はどこか。
上の地図中央、赤い丸で囲んだ小さい島、これが沖ノ島です。福岡県宗像市の宗像大社がある場所と対馬の、だいたい中間地点くらい。
沖ノ島には航路がありません。船が出ていないので、一般観光客は立ち寄ることができません。
じゃあどうすればいいのか。ここで登場するのが、
大島です。宗像大社からも比較的近いし、航路もある。そして「中津宮」もありますし、「沖津宮遥拝所」という施設もあります。
要するに、沖ノ島へは行けないので、その代わりに大島から沖ノ島を拝める場所を作ろう、ってことで建てられたのが「沖津宮」の「遥拝所」、ということだそうです。
港町、神湊はターミナルが新しくなった
それでは、大島に船で渡るためにはどこへ行けば良いか。ここで登場するのが今回紹介する「神湊(こうのみなと)」という港町です。
神湊は、宗像大社から北へ直進し、車で10分ほど進んだところにあります。
船乗り場である神湊港渡船ターミナル。今回ここに来てみて大変驚きました。
以前ここに来た時も船乗り場はあったのですが、もっと小さく古い建物でした。
ターミナル内にある売店の美人店員さんに聞いたところ、このターミナルは5年ほど前に改修されたんだそうです。これも1つの世界遺産効果なのでしょう。
ターミナル内には切符売り場や売店、広い待合室、そして2階部分には展望デッキがあります。
切符売り場には時刻表もあります(時刻表はネットでも見ることができます)。ザッと見たところ、1時間半に1便くらいのペースで運航してるようですね。
市営渡船の「しおかぜ」と、フェリーの「おおしま」、2種類の船が運航しています。「おおしま」はフェリーですので車やバイクを積んでいくことが出来ます。市営渡船「しおかぜ」に車両を乗せることはできません。
船の行き先は、神湊と大島を結ぶ便の他にもう1つ、神湊と地島(じのしま)を結ぶ便もあります。
ひとくちメモ
車やバイクをフェリーに乗せたい場合は事前予約が必要になります。
【予約電話番号】0940-72-2535 大島港渡船ターミナル
車両をフェリーに乗せる場合の運賃は車の全長によって異なります。運賃の詳細は宗像市の公式サイトにてご確認ください。
「しおかぜ」が接岸され、お客さんの乗船が開始されたところでした。「しおかぜ」なので、フェリーではなく市営渡船のほうですね。
この便に乗った大島行きのお客さんは10人未満。まだそれほど世界遺産フィーバーにはなってないようです。
これは神湊に限らず、宗像大社でも新原・奴山古墳群でもそうだったし、2年前の旧八幡製鉄所でもそうでした。世界遺産に登録されたからと言って翌日からワーっと劇的に人が押し寄せてくるわけではないと感じます。私みたいに「今までその場所を知らなかった人」が興味を持って来訪するケースはもちろんあるし、全国ニュースになることで知名度は抜群に上がりますけどね。
「世界遺産登録が発表されて以降、お客さんは増えてますか?」とターミナルの係員さんに質問してみたところ、「んー、ほんのちょ〜っと増えたくらいかなあ」とのこと。
まだ登録されて4日目だし、最初の週末(7/15〜7/17の3連休)でお客さんがどのくらい来るかなー、ともおっしゃってました。楽しみ半分、不安半分といったところでしょうか。
神湊へのアクセスは西鉄バスか車
神湊の渡船ターミナルには西鉄バスで来ることができます。JR東郷駅やJR福間駅から「神湊波止場」行き、または「神湊波止場」経由のバスが出ています。
神湊に車で来た場合、渡船ターミナル周辺に無料駐車場はありません。また無料で駐車できるスペースも基本的に「ない」とお考えください。
第1駐車場から第3駐車場まで、有料駐車場が付近に3つあります。どこも広いので満車になることはないはず。ケチらずに有料駐車場へ停めましょう。私は今回「第2駐車場」に停めました(上の写真)。
駐車料金はターミナルに最も近い第1駐車場が12時間まで300円(以降12時間毎に加算)。少し遠い第2駐車場と第3駐車場は12時間まで200円(以降12時間毎に加算)となってます。
路上駐車できるスペースがあるにはあるけれど、駐車すると間違いなく他の車やバスの往来に支障が出ます。あるいは神湊で生活している住民の方々に迷惑が及びます。
大島に船で渡って、ゆっくり過ごして帰ってきても200円〜300円の駐車料金で12時間まで停められます。迷惑な場所に無断駐車して誰かとトラブルになって双方がイヤな思いをするなんて不幸じゃないですか。
神湊に住む皆さんにすれば今回の世界遺産登録は明るい話題のはず。それが「世界遺産になってからマナーの悪い訪問者が増えた」では余りに気の毒です。くれぐれも無断駐車はせず、有料駐車場に停めましょう。
船の奇妙な進行で島の名前が判明
ターミナル2階の展望デッキに出て、ターミナルから出港したばかりの「しおかぜ」を見物。
船の進路を見ていると、写真右上に見える大島(と思い込んでた島)の方角ではなく、どんどん左へと進んでいくんですよ。
あの船はどこに行くつもりなんだ?
ターミナルの中に戻って係員さんに「あの島、大島じゃないんですか?」と確認すると、「あれは大島じゃなくて地島(じのしま)です。大島はもっと左側!」と教えてもらいました。
ここでようやく、このページ冒頭の写真が勘違いだったということに気付きました。「大島」だと思い込んで「地島」の写真を50枚ほど夢中で撮っちゃいました。
ターミナルからは大島が見えなかったので、神湊の北端まで歩いて行ってみました。
ちなみに上の写真にある道を直進していくと第3駐車場があります(12時間まで200円)。
北端の高い防波堤、その向こう側に見える海を眺めてみたら、あらホントだ、島が2つある。
右側が地島、そして左側に見えるのが大島。
神湊の先端にある山に隠れていたせいで、ここからだと大島は端のほうがチラッと見えているだけ。「大島って名前の割には小さいな」と思ってしまいました。しかし実際はかなり大きな島です。今回ここから見えてる面積が単に小さいだけでした。
その大きさは次に向かった新原・奴山古墳群で判明することになります。
まとめ
ちょうどターミナルに着いたタイミングで船が入ってきたので、「このまま切符を買って大島に行っちゃおうかなあ」と出港直前までかなり本気で悩んだのですが、時間の余裕がなかったので今回は断念。
なので中津宮や沖津宮遥拝所の現地レポートは宿題となりました。いつか大島に船で渡り、世界遺産の1つを散策してこようと思っています。