ウォーキング大会とタイアップした世界遺産見学会に参加
2015年11月7日(土)、八幡東区で開催された地元のお祭り「まつり起業祭八幡2015」とタイアップしたウォーキング大会に参加。
今年の起業祭では、世界文化遺産「官営八幡製鉄所旧本事務所」の無料見学会が開催された。当日の朝、ウォーキングの受付を済ませた直後にポスターを見るまで無料見学会のことは知らなかった。
ウォーキング終盤、八幡製鉄所・東田通用口に到着。
行列に並ぶのが嫌いなので、長蛇の列でも出来てるようならスルーしようと思ったが、行列どころか待ってる人は1人もいなかった。
拍子抜けしながら無料バスまで直行。見学者が少なかったのかなと思ったが、あとで調べたらかなり行列ができてた時間帯もあったらしく、バス待ちの人が相当多くて見学を断念した人もいた、とSNSやニュース記事で見た。
パッと見た感じ、7割か8割くらいのウォーキング参加者は東田通用口に近付くことすらなかった。
興味が無くてスルーしたというより、多くの人は無料見学会や東田通用口のことを知らなかったんじゃないか、という雰囲気。東田通用口はウォーキングのコースから外れていたし、大勢の人は東田通用口の方向を見てすらいなかった。
むしろ起業祭に来た人や、世界遺産目当てで来た人、つまりウォーキング参加者以外の見学者が圧倒的に多かった印象。ウォーキングに来ていなければ知ることもなかった。ラッキーだった。
バスに乗り込む。まだ座席の空きがあったので安堵。しかしこの後、なんだかんだで人がどんどん乗ってきて車内は満員どころか立ってる人もいてギッシリ。
バスに乗る際に配布された、無料見学会の注意事項。
JTBがやってた有料のバスツアー(大人1名で2,300円)は自治体(北九州市)主導だった。一方、今回の無料見学会は新日鉄が起業祭のために開催した特別企画。
3日間開催された起業祭のうち、世界遺産の無料見学会が開催されたのは2日目の11月7日だけだったらしい。
今回の無料見学会、とても厳格な注意事項を徹底する必要があって、簡単に言うと「撮影OKなのは旧本事務所だけ!」というもの。それ以外の施設は撮影禁止。背景として写り込んでもダメ! と厳しい。
そういうわけで、バスが出発してから到着するまで写真撮影は厳禁。敷地内をゆっくりとバスが走り、周囲の風景を眺めて楽しむ。
遠くから眺めるだけだった旧本事務所が目の前に!
東田通用口を出発して約3分。無料送迎バスが念願の旧本事務所に到着。眺望スペースから遠く眺めるだけだった世界遺産が目の前にある。世界遺産マニアではないけれど、なんだかものすごく嬉しい。他の人たちもテンション上がってる。
現地には10名以上もの新日鉄関係者たちが警備のために立っていて、見学者が立入禁止区域に侵入したり、撮影禁止の建造物などにカメラを向けてないかを厳重にチェックしてた。
バスから降り、眺望スペースのほうを見る。いつもは旧本事務所が遠く遠く感じるが、今回は眺望スペースがやけに遠く見える。
ここから眺望スペースの写真を撮ってもいいのかな? いつもはあそこから眺めてるのだけど、今回はいつもと逆の写真、旧本事務所から眺めた眺望スペースの写真を撮ってみたよ、って主旨でブログに載せたいな。
ただ、旧本事務所以外の写真撮影は禁止と言われたので、無断撮影だと怒られるかもしれないと思い、念のため警備の人に確認してみた。
「ここから眺望スペースの写真を撮ってもいいですか?」と質問したら、
「え? 眺望スペース? どこですか?」
と不思議そうな顔をされた。どうも「眺望スペース」という名称を知らなかったらしい。マジか。それにビックリした。
いつも眺めてる風景とは逆の…と主旨を説明したが、警備の人、少し悩んだ末に「申し訳ないですが…」とNG。なんでよ。
私有地なので、世界遺産に登録される前までは旧本事務所の撮影自体も禁止されてたのだけど、世界遺産に登録された翌日以降は眺望スペースから旧本事務所を撮影するのはOKになった。
そういう意味で言えば、旧本事務所から眺望スペースの写真を撮影するのは「理屈としては」問題ない(=眺望スペースは「撮影厳禁の場所」ではない)のだが、今回「旧本事務所以外は撮影禁止」というからにはNGなのだろうし、反抗的な態度を取るつもりはなかったので素直に従った。
本事務所入り口の左側に立ってる案内板。明治32年(1899年)から大正11年(1922年)まではここが現役の施設。その後で現在の八幡ロイヤルホテルがある場所に2代目の本事務所が出来て移転したということになる。
正面入口。近すぎて何だか分かんない!
本当は真正面のもう少し離れた場所から、本事務所全体が写真におさまるような構図で撮影したくて、バスの位置よりも数歩離れた場所に移動しようとしたら警備の人が5人ほど、
「あああーーダメだめダメだめダメだめですっ!!!」
と警告の大合唱を一斉に受けたので、大慌てで跳び戻った。ビビった。
立ち入り可能なスペースの範囲内で写真を撮りまくる。もう少し引いた写真を撮りたかったが、今回それは無理だった。
上の写真は人が全然写り込んでいないけれど、この時点で30人前後の見学者が撮影ポイントを縦横無尽に入れ替わりながら撮影しまくってる状態。今日を逃すともうこんな至近距離で撮影できないかもしれない貴重な瞬間だもんね。みんな楽しみつつも必死。
旧本事務所の裏側に展示されてたパネルも貴重
旧本事務所の裏側広場。眺望スペースからは死角になってるので、当然ながら今回初めて目にする場所。ちなみにこの角度以外の撮影は、他の施設などが写り込んでしまうので全てNG。
裏側の広場ではパネルも多く展示されていて、こちらは撮影OKだった。明治時代、操業開始の頃の八幡製鉄所・本事務所周辺。この写真は確か眺望スペースにも同じパネルが展示されてるんじゃないかな。見覚えがあるので。
東田第一高炉がまだ建築中の頃の写真かな。撮影は明治33年(1900年)と書かれてた。大勢の人が高炉前に並んで記念撮影をしてるっぽいのだけど、その面々がなかなか豪華でスゴかった。
まず右下に内閣初代首相、伊藤博文がいる。1900年の撮影だから伊藤博文は現役の内閣総理大臣だった頃。
その左側に井上馨。幕末から伊藤博文と盟友だった長州藩の志士で、日本初の内閣(第1次伊藤博文内閣)で初代外務大臣になった人。
伊藤博文の上に、麻生太吉がいる。麻生太郎元首相の曾祖父(ひいおじいちゃん)で、この人も元衆議院議員。なんとなく目元が麻生さんに似てる気もする。
あとは、一番上の中央に「筑豊の炭鉱王」と称された伊藤伝右衛門がいる。朝ドラ「花子とアン」で仲間由紀恵が演じた蓮子の嫁ぎ先、嘉納伝助のモデルになった人物。
今年7月、旧本事務所と共に世界文化遺産に登録された「修繕工場」のパネル写真。日本に現存する最古の鉄骨建築物で、今も現役で稼働している。
ちなみに、世界文化遺産に登録された3施設のうち、眺望スペースから死角になってて見ることができない「修繕工場」と「旧鍛冶工場」の2つは、無料送迎バスで東田通用口に帰る途中、バスの中から初めて見学することができた。当然ながら撮影厳禁なので写真は撮ってない。
バスが東田通用口に到着して無料見学会は終了。
本事務所の前でバスの写真を撮ろうとしたのだけど、この時も「背景に撮影禁止の建物が写り込むといけないので、東田通用口に帰ってから撮ってもらえますか」と警備の人にNGを出された。
りくま ( @Rikuma_ )的まとめ
いつか旧本事務所に最接近したいとは思っていたが、起業祭でそれが実現できるとは思わなかった。遅刻したおかげで無料見学会に気付けたこと、送迎バスが空いてたことは幸運だったとしか言いようがない。
今まで見たことがなかった修繕工場と旧鍛冶工場も(写真に撮ることは出来なかったが)この目でしっかりと見学することができた。貴重な無料見学会、参加できて良かった。来年も開催して欲しいなあ。