自己暗示に乗って禁煙成功、自分が試したことや継続していること

2014年5月30日

2006年、サッカーW杯ドイツ大会の年にタバコをやめた

No Smoking
No Smoking / eddie.welker

多い時になると1日に2箱以上も吸ってしまうほどヘビースモーカーでした。そんな自分がタバコと縁を切ったのは2006年。サッカー・ワールドカップのドイツ大会が開催された年です。

日本代表の監督はジーコで、しばらく代表から離れていたヒデ(=中田英寿)が代表に戻ってきて注目を集めたけれど、結果は引き分けが1つと負けが2つで予選リーグ敗退。

3試合目、ブラジルに完敗した試合後、ピッチに独り横たわって夜空を眺めていたヒデ。数日後、彼は現役引退を電撃発表し、サッカーファンがみんな驚いた、そんな2006年でした。

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「タバコをやめたのは何年前だったかな?」と思い出せないときは、ドイツW杯の年を調べるようにしてます。

入院中に「今なら禁煙できる」と自己暗示をかけた

その2006年、なぜタバコをやめたかというと、病気で入院したんです。2006年5月のまるまる1ヶ月間を病院で過ごしました。

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4月末から原因不明の高熱が続き、複数の病院をで診察を受けたものの原因が分からず、5月初旬に入院。いろいろ検査を受けたけれど、医者は「分からない」「なぜだろう」と言うばかり。結局、正確な原因が分からないまま入院期間中に熱が下がってしまい、なし崩し的に退院となってしまいました。

入院がキッカケで禁煙成功した、という話をすると、共感してくれる友人知人は実にたくさんいました。

「そうだよねー、入院とかしないとやめられないもんねー」
「入院するとタバコやめなきゃって思うよねー」

それは確かにそうなんですけど、私の場合はちょっと違います。というのも、「タバコ、吸いたいなら吸っても良いですよ」と医者から言われていたのです。

タバコが起因する病気でもなく、肺に問題はなかった。高熱が落ち着き、寝たきりの状態から脱した際、散歩も許可されましたし、喫煙も「吸いたいならどうぞ」と許可をもらっていました。

入院していた病室は5階にあり、喫煙室は1階にありました。少し遠かったとはいえ、エレベーターに乗れば数分で到着できる程度の所要時間。

一時的に熱が下がり、5日ほど続いた寝たきり状態から脱して病室から外に出ることを許可された際、「久しぶりにタバコを吸おう」と思いました。エレベーターに向かい、5階から1階に下り、エレベーターを降りた瞬間にほんの少しだけ「めんどくせえな」と思ってしまったのです。

さらに、喫煙室が近付いてくるとタバコの臭いが少しずつ感じるようになってきました。久しぶりに嗅ぐタバコの臭いだったせいか、これまたほんの少しなんですけど「うっ」と感じてしまったのです。

喫煙室のドアを開けて中に入ろうとした時、移動中に感じた2つのネガティブな感情が頭の中に残っていて、ちょっと待てよ、と。

もしかしたら俺、このままタバコを辞められるんじゃないだろうか

そんな感情が生まれました。

高熱で寝たきりだったとはいえ、5日間もタバコを吸わなかったのは初めてだったし、「タバコを辞めようか」なんて考えたのもそれが初めてでした。

「タバコを辞められるんじゃないか」、そう感じることが出来たのなら、その感情に乗ってしまおうじゃないか。今なら乗れるだろう。そう自己暗示をかけることにしました。どうしても我慢できずタバコが吸いたくなったなら、その時は仕方ないから吸えばいい。でも耐えられるのならこのまま禁煙を続けてみよう。

開けようとしていた喫煙室のドアを開けることなく、タバコを吸うこともなく5階の病室に戻りました。それがスタートでした。

もしも病院の喫煙室が1階ではなく、自分の病室と同じ5階にあったなら、自己暗示は効かず、タバコを吸う習慣が戻っていた可能性もあります。そういう意味では運も味方になっていました。

退院して真っ先にやったのは「喫煙に関する全てを捨てる」

結局、タバコを1本も吸わないまま退院。1ヶ月ぶりに自宅で食べたのは、妻が作ってくれた「そうめん」でした。退院できた嬉しさと、そうめんの美味しさで感極まり、ボロボロ泣きながら食べたのは今でも覚えています。

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そうめんを食べ終えてから真っ先にやったことは、自宅の中にあるタバコ関連のものを全て処分すること。灰皿とライターは全部ためらうことなく廃棄。

新婚旅行中、オーストラリアで買った愛用のジッポライターもあって、捨てたくなくて大変迷ったけれど、最終的には捨てました。思い出の品だからと言って持ち続けていたら、「タバコ吸おう」というスイッチを入れてしまうかもしれないので。

タバコ10個セットのカートンが部屋に2つありました。妻の職場に同じ銘柄(=キャビンマイルド)を吸ってる人がいると聞いたので、全部あげました。お礼にケーキをいただいて、子供たちが喜んで食べてましたね。

そういう感じで、家の中からタバコにまつわる全てのものが消滅。あとは精神的な闘いですよ。タバコを吸いたくなる欲求との闘い。

禁煙しようと思ったことは一度もなかった

それまで約17年間、タバコを吸い続けてました。1日に最低でも1箱。多い時だと2箱。飲み会になると3箱目に手を出すくらい。いわゆるヘビースモーカーです。

その17年間で、禁煙に挑戦したことは1回もありませんでした。「禁煙しようかな」と考えたことさえなかったのです。タバコを辞めようとも、禁煙して辞められるとも思ったことはありませんでした。

特に30代になってからストレスの蓄積がハンパなくて、前の会社に在籍してた後半の時期は、このままだと犯罪者になるんじゃねえかってくらい毎日猛烈にイライラしてました。会社のみんなから「顔が怖いよ…」と言われまくってたし、常に何かに対して怒ってた。それでタバコやめたらますますヤバイだろ、と思ってたし。

ニコチン依存症という言葉や意味は当時から知ってました。ニコチン依存症は精神疾患の一種、つまり病気です。自分は間違いなくニコチン依存でした。

そんな自分が禁煙を継続させるために徹底した最大のことは、自己暗示です。少し脱線して、自己暗示についてしばらく書きます。

自己暗示でパチンコも辞めた

「自己暗示」「自己洗脳」「セルフマインドコントロール」など、いろいろな呼び方があります。要するに自分自身に暗示をかけ、そう思い込ませ、その暗示に自分がうまく乗っかることで物事を改善していくというやりかた。

独身の頃、1年半ほどパチンコにハマった時期がありました。前の会社で同期だった友人たちがみんなパチンコ大好きで、何度も「悪魔のささやき」を受け、いざ行ってみたらビギナーズラックで大勝ち。思うツボでした。

パチンコなんてトータルで勝てるわけがないし、そもそも自分は素人ですから、小さく勝って大きく負けるの繰り返し。だけど勝った時の興奮を知ったらやめられない。これもギャンブル依存という精神疾患

ある時、パチンコで2日連続、トータル20万以上勝ったのです。その時にこう考えました。

「パチンコでこれほど勝てることは今後二度とないだろう」
「今までの負け分を取り戻せるほどではないが、マイナスがだいぶ減ったことに変わりはない」
「今回が止め時だという啓示なのだろう」

大勝ちしてすごく嬉しかったのですが、一方で上に書いたような「よし、これで満足」という気持ちも芽生えたので、その気持ちに乗っかって自己暗示をかけることにしたのです。「今日でパチンコを終えられる、良かった」と。

その日から25年以上が経ちました。パチンコには一度も行っていないし、行きたいとも思わなくなりました。

他にも自分は寒さに強く、少々の寒さであれば「あー、全然寒くないわ」と思い込めばそれほど寒さを感じなくなります。

また趣味にしているウォーキングにしても、足が痛くなってきたり、精神的に疲れを感じてきたら、景色を眺めるなどしてポジティブな感情を多く心に占めさせるよう努め、乗り切ることが出来ています。

自己暗示の他に助けを求めたもの

入院中の1ヶ月はほとんど苦にならなかった禁煙の日々ですが、大変なのは職場復帰してからでした。

システムエンジニアなので、1日の大半はPCを眺めながら過ごします。定期的に休憩を取らないと目も腰も心もやられてしまいます。

それまでは休憩の息抜きとして職場の喫煙室に行き、タバコを吸えば良かった。でも禁煙を始めたら喫煙室に行く訳にはいかない。

フロア内の休憩スペースで定期的に休むようにしたのですが、社員の席から丸見えの場所にあるため、「あいつ、また休んでるな」みたいな目で見られてることに気付きました。

実際に上司から「怠けすぎだぞ」と言われたこともありました。その上司は喫煙室で1時間以上も無駄話をしてるのに。

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休憩フロアーの居心地が悪いので、今度はビルから外に出て屋外を5分ほど散歩するようにしました。しかし、これも時々誰かに見られて「あいつ、なんで外でサボってんの?」みたいに言われてました。

下手に休憩するとサボってると言われるので、休憩を取らなくなりました。それでまたストレス激増するし、どんどん体調悪くなっていったわけですよ。

席についてる間に何か気分転換できないか、いろいろ試行錯誤しました。フリスクとかミンティアとかガムとかキャンディーとか食べまくりました。タバコ吸わないと口寂しくなるので、何か食べておかないと気が紛れないんです。そのせいでさらに太りました。

コーヒーや紅茶、梅昆布茶とかも飲みまくってました。1時間に1回、休憩を取る代わりにマイカップを持って行ってお湯を注ぐ日々。毎日お腹がタプンタプン。

禁煙によるイライラからネガティブな感情が爆発しないよう注意!

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職場で仕事してるときも大変でしたが、さらに大変なのは飲み会や麻雀など、仕事が終わってからの集いで喫煙者が大勢いる場所に行くとき。これがもう本当に地獄。

まだ完全にタバコと縁を切れてない心理状態のときですから、目の前で友人知人がタバコをプカプカ吸ってると、1本くれ! って言いたくなるわけです。

「すごく羨ましい、吸いたい」という気持ちと、「いやダメだ、ガマンするんだ」という気持ちが心の中で常に闘っていました。

苦しい時期は自分に別の自己暗示を掛けていました。タバコに関するネガティブな自己暗示です

「こんなクサくてカラダにも有害なものを吸うなんてどうかしている」「自分はもう二度とこんな有害なものを体内に入れてはいけない」など。

ただ、このネガティブな自己暗示は度合いが強すぎてしまうと、喫煙者の人格否定や嫌悪に繋がってしまい、性格が悪くなってしまうので注意が必要です。

家族や友人の言葉はものすごく支えになる

自己暗示に上手く乗れた要因の一つに、家族や友人の言葉がありました。

まず、妻がしきりに言うんです。「最近車に乗っても全然くさくないよね」「空気が綺麗になって嬉しいね」「タバコやめて頑張っててエライよね〜」私に聞こえるように、子供たちに向かって言うんです。

子供たちも同調して、昔はクサかった、タバコ吸ってる時は車に乗りたくなかった、ファミレスでもご飯食べてるときにタバコくさいとイヤだった、と言い始めたんです。正直ショックでもあり、すごく申し訳なかった。ずっとガマンしてくれてたんです。

何より心に響いたのが、当時1歳半で少しずつ言葉を覚え始めてた末っ子の次女が「パパもうクサくない」と言ったこと。二度と子供たちに「タバコくさい」なんて言葉を吐かせたらダメだ、と強く思いました。

友人の中にも「禁煙続いてるんだ、スゴイね〜」「俺も見習ってタバコやめてるよ」と激励してくれる人がいました。家族や友人の言葉を聞いて、その言葉自体をまた暗示に変えて、自分を乗せていく。

もし身近に「禁煙を頑張ってる人」がいたら、激励してあげてください。きっとその言葉が禁煙のパワーに変わると思うんです。禁煙は本当に大変なんですよ。自分が経験したから分かります。禁煙してる人はスゴイと思うし、私はいつもガンバレー!と応援するようにしています。

ニコチン依存は精神疾患だと自覚してみよう

禁煙に挑戦してる人で、「タバコ吸ってる夢を見た」という話をよく聞きます。本能ではタバコ吸いたいんだろうな、と皆さん自己分析されてます。

最近は見ないですが、私も禁煙が苦しかった頃に2回か3回、タバコを吸ってる夢を見たことがありました。目が覚めて飛び起きるんですよ。うわ!タバコ吸っちゃった!ずっと禁煙してたのに、なんで吸っちゃったんだよ!と慌てて目が覚める。そして夢だったことが判り、安堵する。

現在は飲み会などで目の前の人がタバコを吸ってても全く平気。何とも感じません。吸いたいという羨望感も、クサいな〜という嫌悪感も、何も湧かない。ヘビースモーカーだった自分はもう消え去って存在しないから。これも自己暗示といえばそうなんでしょう。

そもそも、タバコと縁を切った時間を振り返ってみたら、今さら再びタバコを吸おうなんて考えが浮かぶこともありません。この記事を書いている時点で8年間、禁煙しています。8年ですよ。これでまたタバコを吸い始めたら大馬鹿ですよ。

禁煙最初の1ヶ月はとてもツラかったけど、1ヶ月経てば「あと1ヶ月いける」と考える。それが2ヶ月、3ヶ月、半年、1年と続く。そこまで続けば、今さらタバコ生活になんて意地でも戻れない。今まで頑張ってきたのに、この継続を無駄にしてたまるか、と思う。

私の場合は性格的なこともあり、意地でも戻ってたまるかと考え続け、暗示に乗り続け、次第に暗示など必要なくなりました。暗示ではなく「本質」になり、その事に慣れたのです。

一方、禁煙に挑戦してみるけど、いつも挫折してまた喫煙生活に戻っちゃう人も当然ながらいると思います。それを「意志が弱い」と評することもありますが、一概には言えないと思うんですよね。

というのも、アルコール依存やギャンブル依存、薬物依存もそうなんでしょうけど、同じように「ニコチン依存」は精神疾患である、ということを頭に入れておくべきなんじゃないかなと感じます。

仕事で煮詰まったとき、タバコを1本吸えば何か名案が閃くんじゃないか、事態が好転するんじゃないかと火をつける。

飲み会で誰かと会話していて、会話が途切れた時に間が持たないから火をつける。

麻雀でチャンス到来したとき、神頼みだと言って火をつける。

イライラしたとき、深呼吸して気分転換しようと火をつける。

野球やサッカーをテレビ観戦していて、CMに入ったら火をつける。

理由は何だっていいし、理由すらなく惰性で吸う場合もある。結局はそれがニコチン依存であり、ニコチン中毒。

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最近は禁煙外来もあるし、禁煙を助けるための薬もあるし、医療のチカラを借りて禁煙しようとする人もいます。それを「大げさだなー」「病院まで行かなくても」という意見もあるんでしょうけど、私は全然そう思いません。なぜなら精神疾患、病気なのだから。皆が皆、意志だけで依存症から脱却できるなら苦労しないですよ。

無理にタバコをやめる必要はないと思う

タバコは百害あって一利なし、と言います。そんなことはタバコ吸ってる人だって分かってるはずなんですよね。それでも吸っちゃうのは、依存症ってのもあるんでしょうけど、他にも何か理由があるよ、って人がいるかもしれない。

もちろんやめた方がいいんでしょうけど、もし禁煙することで余計なストレスが溜まってしまうのであれば、むしろ無理して禁煙せずに吸い続けた方がいいんじゃないかって、個人的に思います。医者じゃないから無責任に断言はできないですけど。

タバコをやめたことで健康を取り戻せるのが理想ですけど、その反動でストレス溜まり過ぎて別の病気になっちゃったら何の意味もないですからね。ただ、だからといってタバコが原因で本当に病気になっちゃったらそれも問題なんですけど。難しいとこです。

まとめ

私自身は、「入院」という出来事があり、自己暗示にも上手く乗ることができて、周囲の協力や激励もあり、そして状況がいろいろフィットしたのもあってタバコと完全に縁を切ることができました。正直、ラッキーだったと思ってます。

一口に「禁煙」といっても様々な方法があります。自分にとって何が最適かは、自分ですら分からないこともあります。おもいきって医療の手を借りるのも一つの手段。

禁煙にチャレンジしてるけれど、ふと何かの心変わりで1本のタバコを手に取り、それに火をつけそうになったら、そこで少し時間を取って、考えてみてください

今までの期間、タバコなしで生活してこれた。今ここで吸ってしまうと、またスタートからやり直し。今までの禁煙期間は無駄になる(糧にはなりません。無駄になるんです)。

それでもいいのか。もったいないとは感じないのか。それを考えてみてください。

別にいいや、またいつか再チャレンジすればいいや、と考えたのなら、心置きなく火をつけて吸ってもいいんじゃないでしょうか。それが選択なんだから仕方ない。またいつか頑張りましょう。

もったいない、振り出しに戻りたくない、と考えることが出来たなら、持ってるタバコはすぐに捨ててしまいましょう。もったいないなんて思わなくてもいいです。1本のタバコと努力してきた時間の長さ、どっちがもったいないか、という話です。

タバコを捨てたら、よし耐えた!大丈夫だ!と、おもいっきり自分を誉めてあげてください。その積み重ねが暗示となり、自信となり、そして習慣となって、タバコと永遠に縁を切ることができます。そう信じてみてください。

著:アレン・カー, 桐ヶ谷ユウジ, 翻訳:小野綾
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