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テリー・ゴディ:自由な鳥から人間魚雷へ【レスラー列伝#6】

2012年10月18日

10代でプロレスラーになった

今回紹介するのは、「人間魚雷」と称され、日本では全日本プロレスを主戦場にして活躍したテリー・ゴディ

この人、プロレスデビューがものすごく早くて、「14歳でデビューした」なんて言われたりもしてました。本当かどうかは知りません。

10代の頃にマイケル・ヘイズという選手(現在はWWEでエージェントやってます)と「ファビュラス・フリーバーズ(Fabulous Freebirds)」というチームを結成します。本当はあと一人いて3人チームなんだけどよく知らない。

で、このフリーバーズが特にテキサス地区で大暴れして大人気だ、ってのを「世界のプロレス」という番組で何度か観ました。エリック兄弟と抗争してたんですよ。まだ日本に来たことのない人気選手もよく特集してくれていて、ファンには嬉しい番組でした。

マイケル・ヘイズは「小悪党」という雰囲気で、細いけど悪賢いタイプ。一方のゴディは見るからに「悪ガキ」。手当たり次第に殴って蹴ってというタイプ。

私はどちらかというとヘイズの方が好きで、ゴディに関してはノーマークでした。

初めて日本に来たのは、フリーバーズとしてではなく、スタン・ハンセンのパートナーとして。相手はその試合で引退するテリー・ファンクと兄ドリーのザ・ファンクス。

前述の通り「世界のプロレス」でゴディのことは知ってたものの、なんでハンセンのパートナー? という疑問。試合内容も緊張してたのか何なのか、パッとしないまま華を持たせるようにゴディが負け。

その後、マイケル・ヘイズと一緒にフリーバーズとしてようやく全日本プロレスに参戦しますが、特に強烈なインパクトを残したわけでもなし。

以後はゴディだけが全日本の常連となりハンセンとのタッグでタイトルも取ったりはしますが、どうしてもハンセンと比較して見劣りする。

パッとしねえな~、ってのが途中までのゴディに対するイメージでした。

ウィリアムスとのタッグで大爆発

1990年、新日本プロレスから移籍したスティーブ・ウィリアムスとゴディがタッグを結成。初タッグの試合はリアルタイムで私も観ましたが、ゴディもウィリアムスもノリノリ。このチームでのし上がるぞ!という気迫を感じました。

「人間魚雷」のゴディと、「殺人医師」のウィリアムスのタッグで「殺人魚雷」という、なんだかソノマンマなネーミングのタッグチームは大躍進。年末の世界最強タッグリーグで史上初の2連覇という快挙も達成。

さらにはゴディ自身もシングルプレイヤーとして飛躍し、遂には三冠王座を外国人として初めて奪取。(三冠というのは、当時全日本にあったヘビー級タイトル「インターナショナル」「UN」「PWF」を1つに統一した王座)

三冠奪取時は世界タッグのタイトルもウィリアムスと共に保持していたので(世界タッグってのは「インターナショナル・タッグ」と「PWFタッグ」の2つを統一した王座)、史上初の五冠王にもなりました。

※その後、武藤敬司がIWGPヘビーも合わせて「六冠王」になりました。

確か日本に来てる時に体調を崩し、一時は心肺停止状態になったんじゃなかったかな。なんとか助かったものの、次に来日した時はえらく痩せてて、結果的にそれが全日本最後の参戦だったはずです。

その後はWWEにヘンテコなマスクをかぶって参戦してました。すぐ辞めてましたけど。

2001年、自宅で心不全のため急死。享年40歳。お酒の飲み過ぎや薬の副作用などもあって、心臓が悪かったらしいです。

印象的なムーブ・ベスト3

★第1位:パワーボム

ゴディのフィニッシュ技は、なんといってもパワーボム。

元々この技を生み出したのは「鉄人」ルー・テーズなのですが、ゴディのパワーボムはテーズ直伝だと言われてました。

日本人だと天龍源一郎や川田利明がパワーボムをフィニッシュで使ってましたが、叩きつけた後にそのままホールドしてフォールする形のパワーボムはゴディが元祖です。

★第2位:串刺しラリアット(魚雷ラリアット)

「人間魚雷」という異名だったゴディは、技の幾つかに「魚雷」と冠が付けられてました。

ウィリアムスとタッグを組む前のゴディを私はあまり好きじゃなかったのですが、一番イヤだったのがドロップキック

ヘビー級だったブルーザー・ブロディが巨体にもかかわらず強烈なドロップキックを放ち「キングコング・ドロップキック」と呼ばれたのに対抗して「魚雷ドロップキック」と名付けられてました。

これがまた、ショボい!

ブロディのドロップキックは本当に強烈だったのですが、ゴディのは「飛んで足の先っぽをかろうじて相手の顔にチョコンと当ててるだけ」って感じ。迫力なんて全然ありゃしない。

しかし、コーナーに向かって相手を振り、すぐ後ろを走って追いかけ、相手がコーナーに激突すると同時に串刺しでラリアットをかます「魚雷ラリアット」。あれはスゲーと毎回思ってました。

他の選手の場合、コーナーに振って自分が走り出すまでに少し間が開くので、コーナーで反撃を喰らったりするのですが、ゴディの場合は振ってすぐ自分も走るので反撃のしようがない。あれは説得力のある攻撃でした。

あれは下手な受け方するとムチ打ちになりそうですもんね。

★第3位:ドタバタ

3位は技じゃなくて動きなんですけどね。

ゴディ&ウィリアムス組の入場曲(あれがまたカッコ良かった!)と共に突進しながら入場する二人が、相手を蹴散らした後で、どやー!と言わんばかりに意味不明な雄叫びをあげ、ゴディがリング上でドタバタするんですよ。

勝利のアピールか何かなんでしょうけど、「俺、やり過ぎちゃた? どうしよう、怒られる?」みたいにも見えます。見えねえか。

あれがサッパリ意味分かんなくて好きでした。

Free Bird

Free Bird

収録アルバム『Another Shot of Old Skool of Rock [Explicit]レーナード・スキナード Universal Music Group InternationalAmazonデジタルミュージック

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