高速バスの中で鳥取県中部地震を知る
2016年10月21日(金)、鳥取県中部を震源とする地震が発生。震源地に近い鳥取県倉吉市などで震度6弱を観測し、県庁所在地がある東部の鳥取市では震度5強を観測しました。
私の実家であり、現在も両親が生活している鳥取県西部の米子市でも震度5弱を観測しています。
地震発生時、私は福岡市から北九州市に帰る高速バスの中で爆睡しており、嫁からiPhoneにメールが来て初めて地震情報を知りました。眠気が吹っ飛ぶほどビックリ。
福岡市や北九州市でも地震による揺れを感じた人が多数いたことをTwitterのタイムラインで確認しました。私自身はバスの中で寝てたこともあり、全く地震に気付いていなかった。
嫁からのメールでは「さっきから米子の実家に電話をしているけど全く繋がらない」とあったので、バスを降りてから母の携帯や自宅の固定電話に何度か電話してみたものの、やはり「電話が集中しており繋がりません」という音声が流れるのみ。
30分後、ようやく母の携帯と繋がり、両親ともに無事であること、怪我や自宅の物的被害などもないことを確認でき、安堵しました。
聞けば、福岡から鳥取への電話は全く繋がらなかったのですが、同じように鳥取から我々のいる福岡にも電話は全く繋がらなかったんだそうです。双方向とも災害時はダメなんですね。
地震発生時、母は近所の知人宅を訪問しており、ちょうど玄関を出て自宅に徒歩で戻ろうとしたところで地震が発生したのだそうです。
突然グラグラと揺れ、何かに掴まらないと立ってられない状態がしばらく続いたので、母は「激しい目まい」だと思い込み、体調が悪くなってきたと考えながら自宅に戻ったら、父が「地震! 地震!」と大慌てだった、と電話で聞きました。
まだ余震が発生する可能性もあるため油断はできないのですが、両親は高い場所に置いていた荷物を降ろしたり、棚の上にある割れ物を床に置くなど、二次災害に備えているようです。
鳥取県では2000年にも大きな地震被害があった
鳥取県では今から16年前の2000年10月に鳥取県西部を震源とする地震(鳥取県西部地震)が発生しており、米子市の近くである境港市と日野郡日野町で最大震度6強が観測されました。米子市も震度5強を観測しています。
地震被害で多数の負傷者が出たものの、死者・負傷者はゼロだった鳥取県西部地震。私の両親はこの時も無事で、家の中でも何かが壊れたりはなかったそうです。
ただ、高校時代の友人の実家が震源地だった日野町のすぐ近くにあり、実家の建物自体が倒壊したりはしなかったそうなのですが、1階部分は書籍棚や食器棚が全て揺れで倒れてしまい、床が割れ物で埋め尽くされて大変な事になっていたと聞きました。
鳥取県西部には「大山(だいせん)」という、スキーの名所でもある山があるのですが、火山活動は確認されていないし、地震が多いという印象もありません。少なくとも私が大学合格して福岡に来る前、米子市で生活していた期間に「地震でビックリ」という記憶は一度もないのです。
でもこれで大きな地震が最近だけでも2000年、2016年と2回目。私が生まれる前になりますが、1943年9月には鳥取市近くを震源とする最大震度6の地震が発生しており、この時は死者1,083人、家屋全半壊が約13,500戸という甚大な被害となっていました。
母は阪神淡路大震災でも被害に遭っている
2回発生した鳥取県の大地震に遭遇してしまった両親ですが、母は他にも大きな地震の被害に遭っているのです。
その最たるものが、1995年1月に発生した阪神淡路大震災。兵庫県南部を震源とし、神戸市などで最大震度7を観測する大地震でした。
地震発生当時、私の弟が大阪の某大学4年生で、数ヶ月後には関西地方の某企業に就職することが決定。しかし住んでいた大阪のアパートではなく、その時は鳥取県の実家に一時帰省していると聞いていたのです。
実家の鳥取県米子市も震度3を観測していたものの、それほど大きな被害はなかったんじゃないか、と楽観しながら実家に電話した私。ところが、電話に出た父から衝撃の事実を告げられます。
「昨日から母と弟が神戸に行っている。連絡が取れず安否が分からない」
震源から遠く離れた鳥取にいると思っていたのに、まさか震源の神戸にいるとは…。ビックリなんてもんじゃないですよ。
先にオチを書くと、前述した通り弟は「大阪の大学」に通っていて、住んでいたのも大阪市内でした。正解は「昨日から母と弟が大阪に行っている(就職に関する手続きのため)」で、大地震のニュースを見た父がパニックになり、勘違いして大阪ではなく神戸と告げただけでした。
ただ安堵はできない。大阪市内も震度4だったのです。
母は弟のアパートに泊まっていたというので、弟の自宅、その近所に住んでいた親類の自宅、1人だけ聞いていた弟と仲の良い友人の自宅など、様々なところに電話を掛けてみたのですが、全く繋がらない。発信音すら鳴らない。
その日は結局誰とも電話が繋がらず、翌日の午前に母のほうから私に電話があり、みんな無事であることを聞いてようやく安堵できました。弟のアパートは6階にあり、震度4で相当揺れたそうです。
ずーっと被災地のニュースをテレビで見ていて、甚大な被害に遭った神戸の映像も見ていたので、母や弟の安否が不安で生きた心地がしませんでした。
私自身も短期間ながら大阪に住んでいたことがあり、大阪の親類も沢山います。大阪に住む叔父は建設会社に勤めており、阪神高速の工事を担当したそうで、私が幼い頃に叔父の車に乗せてもらって阪神高速を走っていた際、「この高速道路は俺が作ったんやで」と嬉しそうに自慢していたのを覚えていました。
その叔父が、震災で横倒しになってしまった阪神高速の無残な光景を目の前にして涙が止まらなかった、というのを震災の数年後に叔父本人から聞かされたのも忘れることはできません。
母は今年の春にも九州にいた
まだ記憶に新しい、2016年4月14日に発生した熊本市付近を震源とした「熊本地震」。熊本県の益城町と西原村で最大震度7を観測し、現在も多くの方々が避難生活を送ってらっしゃると聞きます。
4月14日の21時26分に発生した最初の地震では北九州市でも震度3〜4の揺れがあり、夕食直後にリビングでテレビを見ながらくつろいでいた我々家族は、地震よりも前に大音量で鳴り響いたiPhoneの緊急地震速報で大驚愕。心臓が止まるかと思った。
その直後に横揺れがしばらく続いたのですが、何かが落ちたり壊れたりという被害はなく、それでも大変怖かったです。
翌日の4月15日は、今春に高校入学した長女のお祝いも兼ねて、鳥取から両親が遊びに来ることになってました。
昼過ぎ、北九州に到着した両親は「昨日は大変だったでしょー、怖かったでしょー、鳥取も少しだけど揺れたよー」などと語っていたんですよね。
で、4月15日の深夜ですよ。正確に言うと4月16日の午前1時25分、再び熊本市付近を震源とする最大震度7の大地震が発生。
4月14日のが「本震」で以降は「余震」だと信じて疑わなかったのに、実は4月14日のが「前震」で、16日の地震が「本震」だったというのを後で知ることになります。
夜中の1時過ぎ、全員が寝てる時にiPhone緊急地震速報が大音量で鳴り響いた時は再び仰天し、余震だと思ってたら2日前よりも更に大きな揺れだったので(2階の寝室で横になってたから余計に大きな揺れだと感じた)、一瞬にして目が覚めて飛び起きました。
1階で寝ていた両親が心配になり階段を駆け下りると、二人とも地震で驚き起きていて「うわー、揺れたねー!」と目を丸くしていました。
せっかく孫に会いに来てる時に(しかも真夜中に)地震なんてヒドいねー、と両親も私も嫁も苦笑するしかありませんでしたね。
ちなみに私自身は2005年3月に発生した「福岡県西方沖地震」でも被災しました。玄界灘が震源で、福岡市などで最大震度が6弱。北九州でも震度5弱を観測しました。あれも本当に怖かった。
地震が発生したのは午前11時前で、私は自宅2階の書斎でPC作業をしてました。地震で猛烈な揺れを感じ、PCのモニターがあり得ないくらいグワングワンと揺れて作業机から落ちそうだったので、地震の恐怖にビビリつつ大慌てで抱きつくようにしてモニター落下を阻止。
しかし作業机に置いていたコーヒー入りのマグカップも地震とシンクロしてカタコト、カタコトと揺れながら机の端に向かってジワジワと移動。
マグカップの移動に気付いたけどモニター落下阻止のため両腕が使えない私は、「わー! 止まれー!」と叫ぶしかなく、そんな私の願いも空しく、地震の揺れが収まる直前にマグカップは床にボテッと落下。カーペットが黒に染まりました。我が家の地震被害はそれだけで済みましたけどね。
りくま ( @Rikuma_ )的まとめ
今回発生した鳥取県の地震も、あと1週間くらいは最大で震度6程度の余震があるかもしれないので引き続き警戒を、とニュースなどで呼びかけられています。私も両親に電話し、「まだ油断しちゃダメだよ」と念を押しておきました。
地震が発生するとニュースなどで度々注意喚起されていますが、
◆棚など倒れてきそうな場所には行かない。
◆屋外で揺れを感じたら建物から離れる(瓦など落下物の危険があるため)。
◆電線などが切れていたら絶対に近付かない。
◆津波の心配がないと確定するまで海には近付かない。
◆ガラスなどの破片で怪我しないよう、移動時は必ず靴を履く。
◆夜間の地震に備えて懐中電灯などを身近な場所に置いておく。
◆特に高齢者は、階段を上り下りしてる最中に揺れを感じたら無理に移動しない(踏み外して大怪我する)。
◆料理などで火を使用していたらすぐに消す。可能ならガスの元栓も止める。
◆車の運転は極力控える(緊急車両優先、大渋滞で移動困難など)
◆片付けよりも身の安全を優先させる!
他にも注意すべきことは沢山あります。
日本は地震大国と呼ばれるくらいですので、どこかで大きな地震が発生する可能性は常にあります。日頃の備えで防災意識を高めておくだけでなく、地震発生時は避難や余震対策など、身の安全を第一に落ち着いて行動されてください。
鳥取県、島根県など中国地方を中心に被災された方々のご無事と、一日も早い復興をお祈りしております。