果てしないアップダウンで疲弊、そしてデジャヴ【田川伊田ウォーク】
目次
- いつも次の電車がネックとなるJR日田彦山線
- 炭鉱で栄えた町のシンボルが幾つも残っている
- 「青春の門」の冒頭に書かれた「異様な山」
- 平坦な道が全然なくアップダウンだらけ
- 見覚えのあるプールと、広い広い運動公園
- 逆行してる? デジャヴ?
- アーケードを爆走するバイク
いつも次の電車がネックとなるJR日田彦山線
今回歩いてきたコースは、スタートがJR田川伊田駅、ゴールがJR田川後藤寺駅で、どちらもJR日田彦山線にある駅。
この一年で、日田彦山線の沿線に設定されたウォーキング大会が2つあった。
昨年5月の「豊前川崎編」と、今年3月の「採銅所編」。
上の記事2つにも書いたのだが、日田彦山線で困るのは電車本数の少なさ。1時間に2本、運が悪いと1時間に1本しか電車が来ない時間帯もあるらしい。
豊前川崎編の時はゴールして10分くらいで次の電車が到着したので運が良かった。
最悪だったのは採銅所編の時。
JR香春駅にゴールしたらホームに電車が到着していて、走って間に合ったと思ったら目の前でドアが閉まり、走り去ってしまった。そのまま3月の冷たい雨に濡れながら35分待つハメになり、翌日から体調を崩して寝込んだ。あれは悪夢だった。
行きは自分で時間を調整できるからいいのだが、問題は帰り。今回も半分は運任せで次の電車が早く到着することを祈りながら歩くことになるだろう。
行きの電車と言えば、実は今回はじめて「平成筑豊鉄道」という路線を利用した。
電車のスピード自体はかなり遅いし、車両も1両しかないのだけど、直方駅から田川方面までを最短距離で走っているため、JRよりも到着時間が早く、しかも運賃が安くて済む。
直方駅からそのままJRを利用した場合は乗り継ぎが2回発生するのだけど、平成筑豊鉄道を使えば一度も乗り換えることなく、直通で田川伊田駅に行ける。それだけ到着も早いし、乗り換えがないのはラクチン。
↑というわけで、今回は直方駅から田川伊田駅までの区間を平成筑豊鉄道に乗って行った。
↑田川伊田駅に到着。「いだ」と濁らず、「いた」と発音するというのは今回初めて知った。同じ駅舎内にJRと平成筑豊鉄道、どちらのホームもある。
炭鉱で栄えた町のシンボルが幾つも残っている
↑JR田川伊田駅を出発。トンネルをくぐって駅の反対側に移動する。
↑トンネルを抜けるとすぐ「石炭記念公園」の案内板が立っている。
↑階段を上り高台に着くと、土の広場。右には赤い塔。左には2本の細い塔。煙突なのかな?
↑赤い塔は、展望台というわけではなさそう。何だろう。
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↑赤い塔の正体は「伊田竪坑櫓」というらしく、石炭を掘り上げる装置になるのかな?
明治42年(1909年)に完成し、昭和44年(1969年)に炭鉱が閉山するまで稼働していたとのこと。
↑「炭坑節之碑」。炭坑節の歌詞が書かれている。ここは「炭坑節・発祥の地」なんだって。
炭坑節、皆さん知ってます? 盆踊りなどでよく使われる有名な曲で、元は福岡の民謡。
月が~ 出た出た~ 月が~出た~ あヨイヨイ
三池炭鉱の~ 上に~出た~
あんまーり~ 煙突が~ 高い~ので~
さぞや~ お月さん~ 煙た~かろ~ サノヨイヨイ
↑炭坑節の歌詞にある「あんまり煙突が高いので」の煙突がコレなんだって。「二本煙突」と呼ばれていて、高さ45メートルもあるらしい。これも炭鉱の町を象徴するシンボルの一つ。
↑種田山頭火の歌碑。
↑炭鉱夫之像。
↑田川市石炭・歴史博物館。まだ開館前だったので今回は立ち寄っていない。
「青春の門」の冒頭に書かれた「異様な山」
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↑石炭記念公園を通過し、ホームワイドの前まで上り坂。左折すると団地群の中心を突っ切る下り坂になる。
↑白鳥神社の鳥居前を通過。
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↑右折し、白鳥山への上り坂に入る。
↑坂道の途中にある「成道寺」。
↑成道寺を通過し、さらに上る。今回のコースは序盤から上り坂ばっかりだな。
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↑坂を上り終えると広いグラウンドがあった。この一帯は「成道寺公園」というらしい。
↑田川のシンボル、香春岳が見える。香春岳は3つの山から成る連山なのだけど、一番手前の山が日本刀でスパーンと上半分を斬り落としたかのように平らになっている。
作家・五木寛之の代表作ともいうべき小説で、映画にもなった「青春の門」は、第一部の舞台が筑豊である。
その筑豊編は「香春岳は異様な山である」という書き出しで始まる。石炭をどんどん掘り続けていくうちに、人工的にああいう形になってしまったらしいのだが、確かに事情を知らずに初めてあの山を見るとギョッとする。
ん? 香春岳のふもと、右下の方に何やら見覚えのある建造物が…。あれは香春駅のすぐ近くにあるセメント施設じゃないか。ってことは、あの辺りが採銅所編で歩いたエリアになるのか。電車が走り去って行った香春駅の悪夢をまたも思い出す。
こうやって眺めると、私もこの一年でいろいろ歩いてきたなーと思う。福岡の地理や地名も一年前とは比較にならないほど分かってきたし。
平坦な道が全然なくアップダウンだらけ
↑右側に団地が立ち並ぶ一帯を歩く。ずーっと上り坂。なんか久しぶりに「体力勝負!」って感じのコースだな今回は。
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↑やっと下り坂になったと思ったら、すぐに上り坂が始まる。ずっとこんな感じ。
↑上り坂の途中、右側にTRIAL(トライアル)の九州物流センターが建っていた。なんだかすごくデカイけど、こんな山の上に拠点があるんだ。
↑やっと平坦なコースになったかと思ったら、進行方向にまた上り坂が見える。ゲンナリしたのだが、次の交差点で右折するコースだったのでホッ。でも後でその上り坂に戻ってくることになるとは、この時点で知らない。
↑池の向こうに、さっき坂の途中で見たTRIALの物流センターが見える。やっぱデカイ。
見覚えのあるプールと、広い広い運動公園
↑左折して中央公園に向かうのがコース順路。この記事を書いている今、写真を見て気付いたのだが、右にわずか300メートル行けば、スタートして最初に寄った石炭記念公園がある、と案内板に書かれている。そんな近かったのか。
要するにスタート地点にかなり近い場所までグルーっと一周するようなコース設定だったということ。この後でも書くが、なるほど「デジャヴ?」と思っても不思議じゃない。
↑案内板の通り左折したら、またも上り坂。ハアーっと溜息をついた直後、看板を見て「あ!」と記憶が蘇る。田川市民プールだ。こんなとこにあったのか。
↑5年くらい前かな、この近くに用事があった際、まだ小学校低学年だった長男を連れて一度だけ田川市民プールで泳いだことがある。ここ、なかなか悪くないプールだった。お客さんもかなり多かった記憶がある。
↑プールの隣りには市民球場がある。こちらもなかなかの広さ。
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↑陸上競技場などがあるエリアに向かう。上り坂の途中、左手に見えた体育館にも以前来たことがあるのを思い出した。何気にこの辺り、何度か来てたんだな。
↑いつまで上らせるつもりやねん! ただでさえ「上りが弱点」の私、ちょっとバテ気味。
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↑道路の上を横断するような形で、長いすべり台が設置されている。道路の左からスタートし、ゴールは右下にある駐車場。長くて楽しそうだけど、すべった後の移動に疲れそう。
またすべる人は、道路を横断しないといけないのかな? それ危なくないかなーと思ったら、すべり台より先は通行止め、つまり公園の敷地内だった。それなら安全だ。
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↑ようやく公園の頂上に到着。運動場がメインで、子供用の遊具はそれほどない印象。円形の建造物が何なのかは分からなかった。
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↑野球用のグラウンド、隣りにはサッカー用のグラウンド。広い広い。
↑ここからの景色もなかなかイイ。香春岳もクッキリ鮮明に見える。いろいろ眺めてたら、すぐ近くに「二本煙突」が見えてるじゃないか。(写真だと中央付近の建物、白い屋根の上に2本の煙突の先がニョキッと出ている)
スタート地点ってすぐソコなの? 上り坂続きでかなりバテてしまい、どんだけ歩いたんだろうと思っていたが、実際はグルリと一周するようなコースだったんだ、ということがこの景色から判った。
(上で「石炭記念公園まで300メートルの近さ」と書いたが、この写真を撮った時点ではその近さに気付いてなかった。こうして振り返ると近かったのも納得)
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↑野球場やサッカー場がある場所から一段低いところに、これまた広い陸上競技場があった。少年サッカーチームが練習試合をしてたみたい。その向こうにはTRIALの物流センター。見る度にどんどん距離が近くなってる気がする。高台から見たので錯覚なんだろうけど。
↑山の頂上にあった運動公園をあとにする。眼下には、いかにも平坦な直線道路がある。あそこを歩くならラクでいいんだけどなあ。もう上り坂はウンザリだよ。
↑階段を下りる。今回のコース、「上りの階段」がなかったのは不幸中の幸い。これで階段まで上りだったら干上がってただろうな。
↑階段を下りている途中で左側の景色を見ると、さっきとは違う場所に別のTRIAL物流センターがある。この一帯は完全にTRIALが拠点にしてるってことなんだろうな。それにしてもスゴイ敷地面積だな。
↑階段の終点。ここを左に曲がれば、さっき上で見えた「平坦な道路」に向かうはずなのだが、コースの案内板は「右」を差している。
おいおい。すごくイヤな予感。
↑やっぱり上り坂じゃねえかよー!! もうヤメテー!!
しかも、iPhoneの地図で確認したら、さっき田川市民プールに着く前、交差点を右折した時に「直進するとキツイ上り坂だったから、右折で良かった~」と心からホッとした、そのキツイ上り坂じゃねえかw ホッとして損したわ!
逆行してる? デジャヴ?
長い上り坂をヘロヘロになりながら上り終え、下った先には池が広がっていた。
↑さっきTRIALがあった一帯は「白鳥工業団地」というんだね。
しかし、それよりも右にある看板。どうリアクション取ればいいのか。
↑「アナタを捨てないわ」と言われた大浦ヶ池。キミはとってもキレイだけど、つきまとわれたら困るんだよね。
↑あれ? また団地群。まさかとは思うが、さっき通過した団地と同じところじゃないよな?
運動公園の高台で「実はスタート地点からそれほど遠くない場所をグルリと周ってる」ことに気付いたせいで、さっきの団地に戻って2周目をさせられてるんじゃないだろうかという、被害妄想的なデジャヴに襲われる。
↑団地の壁に「後藤寺」と書かれているから、さっきの団地とは違うね。冷静に考えればとても当たり前の話なんだが。
↑団地の中をウネウネと歩き、団地群を抜けると前方にまた上り坂。
♪んどぉーれだけ上ればいいのですか~ぁ~ (チャゲ&飛鳥)
もう坂道ヤメテよー。お願いしますー。私が悪かったですー。
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↑今回の坂は長くなかった。上り終わると「丸山公園」という小さ目の公園。公園横の道路は、幅がそれほど広くないにもかかわらず、かなり多くの車が行き交っていた。抜け道なのだろう。
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↑公園を通過すると下り坂。坂の終点に大きな鳥居があった。正面から撮影すると、大きな鳥居の向こうに階段があり、幾つもの鳥居が連なっていた。神社があるのかな?
前述の通り、狭い道なのに交通量が多くて、撮影する時に少し危険だった。
アーケードを爆走するバイク
↑ようやく道路が平坦になった。もうクタクタやっちゅうの。
↑橋の下に線路。運良く電車が走ってきたら撮影しようと思ったが、「これ、日田彦山線じゃないか? だったら電車は来ないぞ」と思い直し、ウォーキング再開。
あとで調べたらやっぱり日田彦山線だった。待たなくて正解。
↑商店街のアーケードを通るコースらしい。ここまで、狭いのに猛スピードで走る車が多く、歩道もなくて危険を感じながら歩いてたから、車が来ないアーケードは安全でいい。
↑と思ってアーケードに入った途端、バイクが爆走してるじゃねえかよw
おいおい、ここはバイク走行OKのアーケードなのか?
ここ最近、私がよく行くアーケードと言ったら、福岡市の川端商店街。あそこは自転車を走らせるのが禁止されてたはずで、アーケードを通るのであれば自転車を押しながらじゃないとダメだった気がする。
福岡市の市街地は、狭い歩道を無謀な自転車が猛スピードで、歩行者の隙間をかいくぐって爆走するシーンが多々見られるため、川端商店街を歩くと安全安心なのがとてもホッとするのだ。
先月、4月中旬に大阪へ旅行した際に商店街を歩いてたら、アーケードの中なのに福岡の市街地と同じく猛スピードで突っ込んでくる自転車が多くて、ここはアーケードだけど油断ならないな、と慎重に歩いてた。
それでも、あの大阪ですら、バイクは走ってなかったぞ? 田川、大丈夫か?
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↑アーケードの名前は最初「上本町商店街」となっていたが、途中からいつの間にか「田川後藤寺銀天街」に変わってた。
↑アーケードの終点。前方を見ると、女性がバイクのエンジンを切って押しながら歩いてる。普通そうだよねー。
田川の(交通法規を含めた)ローカルルールがどうなってるのかまでは知らないから、アーケードをバイクが通ってもOKというなら、それはそれでいいんだろうけど、油断してたら事故に遭うかも、ってことは覚えておこう。
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↑アーケードを抜けて右折すると、すぐ目の前がゴールのJR田川後藤寺駅だった。
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↑新飯塚編の時に続き、今回もウォーキングの特典として「内野宿養鶏場」さんから美味しいタマゴを頂いた。その日のうちに美味しく頂きました。ありがとうございました。
ちなみに係の人から「あ、新飯塚で」と声を掛けて頂いたのだけど、覚えられてるのか?
↑切符を購入し、ホームに入った。次の電車まで30分待ちと出ていたので、ホームのベンチに座って本を読みながら時間を潰した。
今回のコースマップ
より大きな地図で ウォーキング田川伊田編 を表示
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