自己投資だと思って本を買いまくります
このブログを開設した当初の目的の一つが「WordPressを勉強したい」でした。WordPressのテキスト本を3冊購入し、勉強を開始したのが2011年の12月。
約1ヶ月勉強して、自作テーマを完成させて「りくまろぐ」をスタートさせたのが2012年1月。今もまだテキスト本を時々買ってます。結局、好きなんですよね、テキスト本を読むのが。
ネットが普及した昨今、本を買わずともネットで検索すれば大抵の疑問点は解決するのかもしれません。私もカスタマイズでつまずいたらよく検索するし、特に重要な記事はEvernoteにストックするようにしてます。
しかし、本から得られる情報や知識もやっぱり大切だし重要。だからひたすら本を買います。
▲ WordPressのテキスト本はブログ開設前も開設後もたくさん買いました。上の写真は私が購入したWordPress本のうち、カスタマイズ内容が中心のもの8冊を購入順に並べてます。左端が最初に買ったもので、右端が最新。
実際に読み、学習して感じた難易度(かなり私の主観フィルター入ってます)も合わせて紹介します。
WordPressでブログのみを作りたい人向け
①WordPressレッスンブック
◆ゼロからサンプルブログを作成していく学習形式。
◆テーマを自作してみたい初心者向け。
◆ベース情報はWordPress3.0なので少し古い。
◆WordPressレッスンブック公式サイト(目次あり)
私が初めて読んだWordPressのカスタマイズ本です。が、上にも書いてますけど「カスタマイズ向け」というよりは「自作テーマ作りたい人向け」な気がします。
WordPressは、たくさんの「テンプレートファイル(single.phpだったりpage.phpだったりstyle.cssだったり)」から構成される「テーマ」がベースとなって表示されます。テーマを変えれば表示も変わる。
で、そのテンプレートファイルの役割(=割り当てと言い換えてもいい)に関しては当書でほぼ理解できます。投稿ページを作るのがsingle.phpで、固定ページはpage.phpだね、って風に。
当書が出た頃のWordPressはバージョンが3.0でした。これを書いてる現在(2014年3月)のバージョンは3.8.1ですので、本に載ってる写真や図と現在の管理画面で多少の違いはあります。ただ基本的なテンプレートの作成方法は変化ないはずです。
バージョン3.0から実装されたマルチサイト機能に関する解説も最終章で詳しく書かれてます。書店でどれを買うか吟味してた時、マルチサイトの解説が最も分かりやすかった、というのも購入の決め手になりました。
②WordPressデザインブック
◆①レッスンブックの応用編的な位置付け。
◆①と同様、サンプルのブログをゼロから作っていく学習形式。
◆HTML5を使用している。
◆WordPressデザインブック公式サイト(目次あり)
①のレッスンブックと②のデザインブック、私は実質この2冊で自作テーマを完成させました。
①レッスンブックの応用編という位置付けなので、①を先に読んでから②デザインブックに進んだ方が理解度は深まると思います。中には②だけを読んで自作テーマを作った猛者ブロガーさんもいらっしゃいますが。
①レッスンブックはあくまで「ごく基本的な機能だけを持つシンプルなブログの作り方」をサンプル作成で学べます。一方の当書は、いよいよ本格的な「実際に自分がネットで運営していくものに近いブログテーマ」の作り方やカスタマイズ方法が解説されています。
私自身、サンプルをひたすら作って勉強していくスタイルが好きなので(というか、自分の手を動かして作らないと覚えられない)、レッスンブックやデザインブックのようにサンプルブログを何もない状態から構築していくのはとても楽しく、また多くのことを学び取れました。
「カスタムフィールド」「オリジナルのウィジェット作成」「microdata使用のパンくずリスト」「ページネーション」「OGPの設定」「プラグインを利用したカスタマイズ」「カスタム投稿タイプ」などなど、覚えておくとイイことある知識もたくさん解説されてます。
WordPressのバージョンが3.1くらいの頃の情報がメインなので、9章の「外部サービスとの連携」で紹介されてる各種SNSとの連携は現在と仕様が異なってるかもしれません。
またコード解説の中で、当時は主流だった「query_posts」という命令によるループ処理がかなり詳しく解説されていて、これはものすごく重宝しました。
しかし最近、query_postsはメインクエリやメインループに干渉して処理結果をおかしくしてしまう可能性があるということで、使用が推奨されていません。(使ってもヤバくはないんですけど、ヘンな表示になる可能性があるという意味です)
別の命令で「get_posts」というのが推奨され始めているのですが、その辺りは後述の⑧ステップアップブックで書きます。
③10日でおぼえるWordPress入門教室
◆WordPressバージョン3.1時点の情報。
◆10日で学習完了するのは無理。
◆WordPressカスタマイズだけでなくPHPや携帯電話対応など、広く浅く解説されている。
◆子テーマ作成の解説がある。
私が購入したのは上のバージョンでしたが、新たに第2版が出てます。
第2版はWordPressのバージョンが3.6に対応してるので、今から買うのであれば古い方ではなく第2版がいいです。私は第2版を持ってないので、こちらで書くのは第1版の感想になります。ご了承ください。
まず、「10日でおぼえる」シリーズは、WordPressに限らずプログラムコードなどを学習する類いであればどれもそうですが、初心者が10日で学習完了するのは厳しいです。よっぽど読解能力と理解力がある人なら可能かもだけど。
また、この1冊だけで自作テーマを作ったりカスタマイズのおおまかな内容を把握するのも厳しいです。広く浅く解説されてるので、更に深く知りたい人は物足りないはず。逆に言えば、入門編としてはイイと思います。
サンプル作成する箇所もあるにはありますが、①や②のようにゼロからオリジナルのブログをゴリゴリ作って覚えるタイプの本ではなく、いろんな解説を読んで覚えていくタイプの本。
なので、サンプルをイチイチ作るのが面倒臭い人、読むことだけで知識を習得したい人にはむしろ向いてます。サンプル作らないと覚えられない人(=私がそうです)には向いてません。(ただ、第2版は少々趣きが異なるようです。後述します)
1つメリットとしては、①や②では全く解説が載ってなかったんですけど、③には子テーマ作成の解説が載ってます。この本を買ったのがブログを開設した後だったのと、①や②には子テーマの解説が全く載ってなかったのもあり、私はずいぶん後になるまで子テーマが何なのかを全然知りませんでした。
子テーマは既存のテーマを直接改造しなくて済むための方法で、自作テーマにはあんまり関係ないといえばないので、別に良かったんですけどね。ちなみに、これを書いてる現在(2014年3月)使用してるテーマは子テーマ方式を使ってます。勉強して学びました。
WordPressでブログだけでなく各種サイトを作りたい人向け
④WordPress3 サイト構築スタイルブック
◆ブログだけでなく、WordPressで作成できる各種サイトの作例が掲載されている。
◆WordPressバージョンは3.0.1時点。
◆WordPressの説明だけに絞っているので、HTMLやCSSの解説は無い。
◆WordPress3 サイト構築スタイルブック サポートページ(目次なし)
WordPressで様々な形態のサイトが作れますよ、という作例を紹介してる本。
ブログ以外では
・ビジネスサイト
・ニュース配信サイト
・ギャラリーサイト
・ポートフォリオサイト
・カタログサイト
といったサイトの作例が載ってます。あくまで「作例」ですので、作り方の詳細は載ってません(多少のコード解説はあります)。
この本を読んだだけで、例えばポートフォリオサイトがバッチリ作れるかは疑問ですが、公式サポートページからサンプルデータをダウンロードし、コードを解析すれば勉強になるような気はします。
ギャラリーサイトでは「アイキャッチ画像や複数画像の生成方法」、ポートフォリオサイトでは「カスタム背景の使い方」、カタログサイトでは「カスタム投稿タイプ(カスタムタクソノミー)」など、いろんな機能の解説を各サイトページに散りばめられてます。
なので「俺はポートフォリオ作らないから読まなくていいやー」と安易にスッ飛ばさず(=私は最初スッ飛ばしてました)、全体的に読み進めて眺めてみることで様々な機能解説が網羅されてると分かります。
⑤WordPress3.x 現場のワークフローで覚えるビジネスサイト制作
◆ブログ機能の解説は無し。仮想会社のビジネスサイト構築をサンプル作成で学習できる。
◆WordPressバージョンは3.3/3.4時点。
◆WordPress3.x 現場のワークフローで覚えるビジネスサイト制作 公式サイト(目次あり)
ブログではなくサイトを構築することを決め、勉強のため買った最初の本。
ブログに関する解説は全然なく、固定ページやカスタム投稿を駆使して会社紹介や製品一覧などの各種ページ作成方法を学べます。本の解説通りに作っていくと、とてもカッコいいサイトがどんどん完成していくのでテンション上がります。
サンプルをゴリゴリ作っていく学習形態なので、WordPressでのビジネスサイト構築を学ぶという意味ではスゴく勉強になりました。しかし同時に、自分がいかにCSS分かってないかを痛感してヘコみましたけども。
WordPressの素晴らしいところは、CMSツールとして各種サイトを構築できるところ。ブログだけならWordPressじゃなくてもいいんでしょうけど、ブログではない「サイト」を少ない作業負荷で作成できる魅力がWordPressにはあります。
昔であれば、PHPやMySQLというプログラム言語を勉強して、自分でデータベースを構築して、コードも全て入力してという風に労力かかったと思うんですけど、WordPressを使えばPHPやMySQLをそれほど意識しなくても、便利なプラグインがあったり、少しのコード変更で多彩な機能を実装できちゃう。
そういう「CMSとしてのWordPressの強さ」を実感できるのも、この本のイイとこです。
⑥本格ビジネスサイトを作りながら学ぶ WordPressの教科書
◆簡単なビジネスサイトのサンプルを作成していくことで学習する。
◆WordPressのバージョンは3.3時点。
後述する「⑦WordPressの教科書2」を買おうと思い書評を読んだところ、前著⑥の内容を発展させているというような記述があり、これは前のも勉強した方がいいかなと考えて購入しました。
サンプルで作るサイトの機能はそれほどスゴイわけではなく、どちらかと言えば簡単な部類になりますが、作るページの種類は多く、それだけ勉強するテンプレートファイルの種類も豊富です。
解説がとても分かりやすいため、ビジネスサイト構築の入門書としては大変オススメできる内容です。
⑦本格ビジネスサイトを作りながら学ぶ WordPressの教科書2
◆今回紹介する8冊の中で難易度は最も高い。
◆ビジネスサイトとブログの2種類をサンプルで作成し連携させる学習。
◆スマートフォンサイトの作り方、管理画面のカスタマイズ、サイト高速化など前著にない多数の機能が解説されている。
これは完全な上級者向けです。言い方を変えると、この本に載ってる内容をほぼマスターできたら、WordPress構築の仕事を請け負うことが出来ると思います。そのくらい高度。
途中、本に載ってるサンプルコードをテキストエディタで入力して、テスト環境で見てみると表示成功してるんですけど、コードの内容が難し過ぎて達成感があんまりない、って場面がけっこうありました。
普通であれば、成功したらヤッターってなるんですけど、コードを完全に理解できてないまま、単にコード入力してるだけなんですよね。だから「ふーむ、上手く表示できたけど、なんで?」って、成功してるのに頭の中がクエスチョンマークだらけになる。
だから1回読んだだけでは習得が難しいなぁと感じました。学習完了するまで日数かかりましたからねー。
理解できないままポカーンとしながら通過しちゃったページもあるんですけど、内容はとにかく濃いです。かなり勉強になります。
今まで部分的にカスタマイズするくらいの知識しかなかった「スマートフォンテーマの新規作成」なんですけど、PC用とは別にスマートフォン用のテンプレートを作成して内部コードで分岐処理させる方法が紹介されてました。
読んで「うわー、これスゲー!」と唸っちゃった。今まで考えたこともなかった(無知なだけなんですけど…)。同じテンプレートファイルの中でPCもスマートフォンも全部一緒に処理させる方法しか知らなかったので、これを学べただけでも本を買った価値があった。
カスタムフィールドのデータを入力する専用の管理画面を作る解説も衝撃的でした。管理画面もカスタマイズしちゃえるんですよ。これ応用したらいろいろスゴイことが実現できそうです。
⑧WordPressステップアップブック
◆ブログ系とビジネス系、2つのサイトをサンプル構築していく学習。
◆解説されてる機能の難易度は高いが、解説が分かりやすく理解しやすい。
◆WordPressステップアップブック 公式サイト(目次あり)
①のレッスンブック、②のデザインブックと来て、さらに発展版となるステップアップブックというのが昨年末に発売されていました。レッスンブック&デザインブックにフィットした人であれば、このステップアップブックもかなり参考になると思います。
WordPressに関する解説はとても分かりやすく、かつ知らなかった機能やコードもたくさん載ってて、応用編としてはとても満足度の高い内容でした。
ただ、個人的な問題なんですけど、私はHTML5をよく理解してないのです。この本はHTML5によるコード解説のため、途中幾つかの箇所で理解できないまま「コード入力して成功しただけ状態」に再びなってしまいました。
②デザインブックの最後でチラッと書いたのですが、ステップアップブックの8章で「query_postsとget_postsの違い」について解説されてます。
いつだったか、「query_postsはもう使うべきではない!」と断言してるブログ記事をどこかで見かけ、それに対して「そんな神経質にならなくてOK、まだquery_postsで大丈夫」というアンサー記事も読みました。
うちのブログではquery_postsを使ってた(=今も使ってる)のですが、特に問題なく動作してるし、あまり気にしなくていいのかなと、そのまま放置しちゃってました。
今回この本でget_postsという代替コードの意味と記述方法、query_postsを使わない方がいい理由を知ることが出来たのは最大の収穫だったかもしれません。新しいテーマに変更する際、get_postsに変えようと思ってます。
りくま ( @Rikuma_ )的まとめ
WordPress関連の本は他にも書店に多数並んでます。今回私が紹介した8冊は、いずれもネットで評価が高かったり、ブロガー仲間の方々に教えてもらったり勧められたり、書店で実物を立ち読みして内容を吟味した上で買ったものばかりです。
ブログ開設時に作った自作テーマは、ハッキング被害の際に破壊され、さらにローカルで保存してたデータもパニックの勢いで削除しちゃうという大失態のため、消滅してしまいました。
現在は暫定的に無料テーマを使用してるのですが、いつかまた自作テーマを作って変更したい。また、ブログ更新の頻度を落として別サイトを開発中なのですが、そちらも早く公開できるよう日々頑張ってます。
さすがにもう本は買わなくていいだろ、と思ってるのですが、それでもまた面白そうなWordPress本が出たら、きっと買っちゃうだろうなぁ。