同じ内容の質問なのに、返答がYES・NOのどっちになるか
先日書いた「コミュニケーション向上作戦・第1弾エントリー」では、返答パターンの選択肢を増やすことでコミュニケーションが円滑&活発になるんじゃないか、という点について考えてみました。
今回は少し視点を変えて、二択式の質問でも返答内容によって印象がどう変わるかについて考えてみました。
私はイオンモールやマックスバリュなど、イオン系列のお店でよく買い物をします。
イオンは2013年11月からレジ袋が有料化されました。
流通大手イオンは11日、本州と四国、九州の総合スーパー「イオン」203店舗で、11月1日から食品売り場のレジ袋を有料化すると発表した。北海道、沖縄を含む223店舗では2007年以降、立地自治体の方針に沿って有料化を順次進めており、これで無料配布が全店で終了することになる。
11月以降は、LLサイズの袋を1枚5円(九州はLサイズ3円も)で販売。有料化済みの店はレジ袋辞退率が60%を超えており、今後は食品スーパー「マックスバリュ」なども無料配布を中止していくという。
大手スーパーのレジ袋有料化は、西友が昨年7月、イトーヨーカ堂も今年2月、それぞれ全店に拡大している。
via:MSN産経ニュース
まだレジ袋が無料だった頃、マイバッグ持参などでレジ袋が不要だとレジで伝えると「買い物代金から2円引き」というサービスをしてました(有料化開始に伴い2円引きは廃止)。
私はマイバッグの類いを持っていないので、いつもレジ袋を入れてもらってたのですが、レジで店員さんが「レジ袋の要/不要」を確認する際、思ってたことがあります。
同じ店舗なのに、店員さんによって聞き方が異なるんですよね。ってことは店舗で文言の統一をしてなくて、各店員に任せてたってことなんでしょうけど、いっつも引っ掛かってたのが
「お買い物袋はお持ちですか?」
という感じの聞かれ方。
あのさ、何か持ってるように見える? 明らかに手ぶらでしょ? 目の前で突然パッと買い物袋を出すとでも? マジシャンじゃないんだから。どうせマジックで出すなら鳩を出すよハトを。
などとは言わず「いいえ」とだけ答えてましたが、違和感はありました。
後でトラブルになるといけないからレジで必ず確認することを徹底されていて、明らかに手ぶらであろうとも客に聞かないといけない、ってのは分かるんです。ただ、明らかに持ってない人に対して「持ってますか?」ってのがどうしても違和感ある。
同じ店舗でも、
「レジ袋を入れてもよろしいですか?」
と確認する店員さんもいます。この場合は「はい、お願いします」とニコヤカに返答します。
確認内容は同じことなんですけどね。聞き方一つで印象が変わってしまうもんだなーと、イオンのレジで学びました。
これが逆に「マイバッグを持ってる」お客さんに対して「レジ袋を入れてもよろしいですか?」と確認したら、
ここにマイバッグ持ってるのが見えないのかよー
ってなってしまう人がいるかもしれないですね。接客業って難しい。
お年寄りに席を譲る時のセリフについて
仕事柄、高齢者の方と会話する機会がたくさんあります。
先日、一人の女性と雑談をしてました。この女性、腰が少し曲がってきてるものの、趣味がウォーキングというだけあって足腰シャキッとしてます。同年代の女性と比べても明らかに速くシッカリした足取りで歩くことができます。
それもあって自分の脚力には自信があるらしいんですけど、外見が年相応なこともあり、JRやバスでよく席を譲られるのだそうです。
「自分はまだまだヨボヨボと違うよ!(=本人談)」という気持ちをいつも持ってるので、譲られても断ることがある。一方でお言葉に甘えて座らせてもらう時もある、と女性。
「譲ってくれるときのセリフで違うんよー」と言うので、とても興味が湧いて女性に聞いてみました。
2. あ、どうぞここ座ってください
3. ここ空いてますよ。どうぞどうぞ
女性が言ったのは上の3パターン。それぞれで印象が異なって、対応も変わってくるんだそうです。あくまでその女性の話なので、高齢者全てに当てはまるかどうかは分かりませんが、その女性がどう対応するのか想像してみてください。
まず、確実に断るのが「1. ここ座りますか?」だそうです。いわゆる二択式の質問ですが、YESと答えると自分がヨボヨボだと認めてしまうみたいでイヤだと。
「2. あ、どうぞここ座ってください」の時も断るそうです。最初、言葉遣いの問題なのかと思い、「座ってください」ではなく「お座りになりますか?」とか「座られてください」とかになったらどうかと私が確認したところ、「いーや、それでも断る」と女性。
言葉遣いの問題とかではなく、「元々そこはアンタが先に座ったんやから、アンタが座ってていいんよ、自分はまだ足も元気やし大丈夫やから、そんな気を遣わんでいいんよ、と思ってしまう」のだとか。
まだ若い、足は元気だ、というプライドみたいなものがあって、「譲ってあげる」が前面に出るセリフに対して断りたくなる心理が働いてしまうのかな。
というのも、「3. ここ空いてますよ。どうぞどうぞ」の時は「ありがとうー」と言って座らせてもらう、と女性が答えたので、なるほどなぁ〜と感じたわけです。
「考え方、ヒネクレてるやろか」と女性は言いましたが、そんなことを考えたこともなかったので大変勉強になった、と伝えました。ヒネクレてるとは思いません、とも。
私も次からそういう風に譲るようにしますよ、と女性に言うと、「アンタの場合は何も言わんでも譲ってくれるやろ」と女性はニッコリ。当ったり前じゃないですか。ボクじぇんとるまんだから。次は気を付けます。
誉めるのとケナすのと両方同時にする場合
ジョークの一つで「誉めるのとケナすのと同時に言う」というパターン、私は好きです。ボケもツッコミもどちらも好き。
「アンタ男前やねー!性格は悪そうやけど」と言われたら、後半要らんわ、とか、どっちか片方だけにしろ、というパターン。
これ、ジョークだけでなく日常会話でもよくあります。例えば子供のテストの成績について言及する時とか。
テストの結果、学年順位は上昇したけれど、英語だけ前回よりズドーンと点数が落ちてた場合に、
もし自分が言われる立場だったら、と想定すると、上のセリフに対して「次は英語をもっと頑張らないとな…」と思うし、そういう反省の内容主体で返答すると思います。
上のがポジティブ→ネガティブのパターン。これを逆に、ネガティブ→ポジティブのパターンにすると
となります。もちろん英語に対する反省や、次回での挽回について考えるのは最初のパターンと同じですが、まず最初に感謝の気持ちが芽生えますし、「ありがとう」というお礼から返答に入るかな、と思います。
どっちがイイとか悪いとかではなく、シチュエーションによっても違いますし、言う側・言われる側の性格によっても捉え方は異なってくるでしょう。
誉めるのとケナすのと、どっちを先にするかで相手の印象や対応がどう変わるか。いろいろ考えてみると結構興味深いです。
りくま ( @Rikuma_ )的まとめ
会話する時、一つ一つのセリフに対して相手がどうリアクションを返すか、などということを逐一考えながら話すのは難易度がとても高くなります。そんなの考えてられないですもんね。全く何も考えないのもどうかと思うけど。
ただ、コミュニケーションスキルという意味において、自分はいつもネガティブな質問や回答を相手にしてしまうけど、これをポジティブな内容に変えたらどうなるだろう、と考察してみることは無駄ではないと思います。それを会話の場で出せるかどうかは応用編みたいなもんですね。
オマケですが、日本人は「感謝の気持ちを伝える際に謝罪の表現を使うので混乱する」と外国人に思われるのだそうです。
簡単に言うと、「ありがとう」という気持ちを伝える際に「すいません」と言っちゃう。以前の私がモロにコレでした。口癖だったんです。つい「すいません」と言っちゃう。
日本人同士なら意味が通るからいいんでしょうけど、中には露骨に嫌がる人もいます。私が前にいた職場の上司がそうでした。「お礼を言う時にすいませんっておかしいよ、謝りたいの?ありがとうにした方がいいよ」と何度か指摘されました。
指摘されて初めて気付き、意識して直すよう心掛けました。現在は感謝の気持ちを伝える際に「すいません」ではなく「ありがとうございます」と明確に伝えるようにしてます。
また、相手に迷惑を掛けてしまった時は「申し訳ありません(すいません)」と言いますが、相手のおかげで助かった場合や解決した場合には「ありがとうございました」を付け加えるようにしています。
言葉って難しいですよね。文章だけで伝えなければならないブログなどの活字媒体では特に誤解が生じやすくなるので、意図をハッキリと分かりやすく伝えるにはどう表現すればいいのか、ということは常に意識して書くようにしています。
正確に伝えられてるかどうかは分からないですけどね。そこは私の「役不足」じゃなくて「力不足」。