ヨカラボ天神で開催されたライター交流会
2017年4月22日(土)、福岡市で開催された「ライター交流会」に参加してきました。
会場となったのは福岡市のコワーキングスペース、「ヨカラボ天神(福岡市中央区大名2−9−35)」。
ヨカラボ天神さんは以前、別の場所にありまして、いつだったか現在の場所に移転したのですが、そのことをすっかり忘れており、旧ヨカラボに行くという大失態を犯してしまいました。
照明が灯っておらず誰一人いない、静寂と闇に包まれた旧ヨカラボを眺めながらようやく間違いに気づき、新ヨカラボまで超早足で移動。
正解のヨカラボが意外と近くて安心したと思ったら入口が分からず、ビル周囲を1周したりもしつつ、ヘンな汗をかきながらようやく辿り着きました。
移転後のヨカラボ天神さんには以前、イベントで1度来たことがあるのです。久々だったのでついうっかりしていました。
そういうわけでライター交流会に参加してきました。
登壇されたのは「ノオト」宮脇さんと「BuzzFeed Japan」古田さん
今回のライター交流会は、2017年2月に東京で開催された有限会社ノオトさん主催のライター交流会にて、地方在住ライター代表の一人として登壇された赤坂太一さん(@taichi_akasaka )、そして当日参加された九州在住のライターさんたちの、
「福岡でもライター交流会を開催したい! 開催しよう!」
という熱き思いから始動し、いろんな方々を巻き込みながら今回実現したという流れだったそうです。
その熱き流れに乗る形で、ライター業をしていない私ではありますが今回参加してきました。
「ライター業をしていない」と書きましたが、フリーランスになる前の社会人時代に副業として、いわゆる「クラウドソーシング」というのに参加して商業原稿を書いていた時期がありました。
単価が安すぎて労力に見合った報酬が貰えないと判り、2ヶ月で辞めたんですけどね。
今回登壇されたのは、前述した有限会社ノオトの宮脇さんと、「BuzzFeed Japan」編集長・古田さんのお二人。
古田さんが福岡県出身で、宮脇さんが和歌山県出身とのこと。私自身、和歌山で幼少期を過ごし、福岡に現在住んでる身としては猛烈な親近感を覚えながらお話しを聞かせていただきました。
今回を機に考えた「ライターとブロガーの違い」
ライター交流会ですので当然ながらライター業に関する話を中心に展開されたのですが、ブロガーに対する言及も少しだけありました。
ブロガーには「ライターでは敵わない」と素直に思えるテクニックもある、と古田さんはおっしゃっていました。
文章を書くことを生業にするという意味ではライターもブロガーも同じなのですが、その文章の質や、ライティングの方向性みたいなものは両者で線引きがされているように思います。
ブロガーは「書き手」そのものが売りになるという側面を持ちます。同じ商品やサービスに関して感想記事を書くとしても、ブロガーの個性によって文面が全く異なったりもします。
もちろんライターにも個性はあるでしょうし、その個性で文面も変化するでしょう。掲載される媒体によって文面が変化するというのもあるでしょうね。
ただライターの書く記事で最前面に来るのは「事実」であるべきで、「個性」ではないんですよね。これはライターさん本人からも聞きます。
たとえばブロガーとしての私は自分のブログで好き勝手に書いてます。たまには文面で遊ぶし、ふざけます。
一方、ライターとして商業原稿でふざけた文章を書いてたら読者はどう思うか。もちろん媒体にもよるので一概には言えませんが、そこに個性はほぼ必要とされない気がしています。
「(個性として)好き勝手書いてる」と上で書きましたが、情報を発信する者には自分の文章や言葉に様々な責任が伴うということは今回の交流会でも話が出てきました。これはライターでもブロガーでも同じことです。
企業の商品を購入して「これは良い!」と思ったら私は紹介記事を書きます。その商品を紹介する文面でおふざけが強すぎたら、あるいは逆に商品を馬鹿にしてしまうような紹介をしてしまったら、それは企業にとって逆効果となりますし、最終的に自分自身にとっても不利益となります。
あとは「前々から欲しかった商品をようやく買えた! 嬉しい!」だけの自己満足的な文章で終わってしまったら、それって読者のことを全然考えてないことになります。私自身も「え? そこから先こそ知りたいんだけど」と、読者として記事を読みながら感じるときがあります。
他にも「大幅値下げされてます!」と書いて金額書いてないとか、「超簡単にインストールできた!」と書いてインストール方法を全く解説してないとか、「こっちを買ったほうが絶対お得!」と書いてその比較や理由を書いてないとか。いわゆる「釣りタイトル」の類いですね。
書き手のあなたはそれで満足かもしれないけれど、その情報を入手したくて検索して辿り着き、記事を読んだけれど知りたかった情報が何もないと、それは読者にとって不幸なことだし、書き手が発信する情報の価値は激減します。
読者が「分からなくて困っていたけど、この記事のおかげで助かった」となる解説だったり、購入した本人が得られた感動だったり、生活を改善できるメリットだったりを、何か1つでもいいから付加価値として添える。
書き手としての私は常にそこを意識するし、分かりづらくないか、誤字脱字はないか何度もチェックします。
自分だけが読み返したい日記的な用途で読者を想定していないのなら「ああ嬉しい」だけでもいいと思います。
このブログではウォーキング関連の記事がそうです。ウォーキングの記事はあくまで自分の記録として残したいという側面が大きいのです。
SNSなどでの炎上について
「炎上」についても話が出ていました。
一口に炎上といっても様々で、書き手の真意が(文章表現ミスやタイトルとの乖離などにより)誤解されるなどしての「事故的な炎上」もあれば、書き手が悪意を持ち、あるいは単に耳目を集めたくてやらかす「意図的な炎上」もあるでしょう。
炎上後の対応も様々で、自分の意図に反していた場合に補足説明を入れたり、即座に謝罪したり、逆に書き手がキレてSNSなどでケンカになって余計に燃えたり。
個人的に好きじゃないのは、事故的か意図的かはともかく、自分の書いた文章が炎上してしまった時にSNSで「よしよし、よく燃えとるわ」「まだ燃え足りんなあ」などと発言してしまう人。
本意でそう書いてるのか、それとも炎上に恐怖を感じているのに強がってハッタリをカマしてるのかは知らないし、どっちでもいいのですが、他者や企業を傷付けるような情報発信をしておきながら謝罪も釈明も弁解もせずワハハと笑っていられる人の情報を今後も信じ、キャッチしていきたいとは思いません。
いろいろ書いてきましたが、BuzzFeed Japanの古田さんが交流会で語られていたポイントがあったので紹介します。
- 社員にはいつも『仕事で絶対にウソはつくな』と言っている
- メディアとして自分のことを発信するのではなく『読者のために』発信することを意識している
- 大切なのは『情報摂取』ではなく『情報発信』である
- 自分の『利』を理解している人は強い
今までの自分に当てはめながら思いを巡らせていました。
まとめ
福岡市は今回のようなイベントがなかなか開催されないので、本当に貴重でしたし、参加できて良かったです。
特にフリーでライターをされてる場合、「仕事(ネタ)の取り合い」になって互いに困ったりしないのか、という意見も交流会の中で聞きました。
それとは真逆で、ライター同士が交流することで情報共有できるし、取材に関する情報を得られてメリットが大きい、とおっしゃる人もいました。
これはブログも同じことで、「他の人が先に書いちゃったネタを自分は追わない、書かない」というブロガーもいれば「後発だろうと書いちゃうよ」というブロガーもいて様々です。
私自身の考え方は、先発組のブロガーさんとネタがかぶったとしても、違う切り口や表現で書いちゃえばいいじゃんと考える性格です。同じ題目でも書き手によって着眼点や表現方法が違うと読者の印象も変わります。私はそこを目指しています。
今回のライター交流会は、九州のライターさんが東京の交流会に集って出会い、「九州でも開催しようよ」という熱が生まれ、その思いが人々を巻き込んで結実し、天神の地でイベントが開催され、そこで新たな人の繋がりや縁、そして場が生まれました。
こういう転換点ともなるべきイベントに参加できて幸運でした。福岡でのライター交流会は今後も継続するそうなので、興味のある方々は情報収集のアンテナをしっかり立てて、次回ぜひ参加してみてください。新しい何かが内に芽生えますよ。
「こんな自分でも参加して大丈夫だろうか」とか言ってる場合じゃないです。時間は誰にも平等に流れてますけど、チャンスは絶対に平等ではないです。動いた者しか掴めません。飛び込んだもん勝ちですから。
古田さん、宮脇さん、そして赤坂さんを始め運営者チームの方々、ありがとうございました。