入浴時ヒートショックの予防と対策、冬の露天風呂で死にかけた私の恐怖体験

初体験の露天風呂で死にかけた

Hot Spring
Hot Spring / slackrhackr

2年前の冬、福岡県が珍しく大雪に覆われていた週末のウォーキング大会に参加し、11kmを歩いてきました。ゴール後は温泉に立ち寄り、初めて露天風呂を体験。そして、風呂上がりに死の恐怖を体験したのです

原因の1つに私の肉体的な事情も絡んでいました。その数年前から血圧の数値が悪化し、医者から「いつ死んでもおかしくないんだよ」と警告されるほど深刻な状況が続いてたのです。薬による治療とウォーキングなどの運動により、少しずつ数値が改善してきた頃。

あの日、福岡地方は寒波に見舞われて積雪もあり、気温は氷点下。そんな中を11km歩いたことで身体は温まりましたが、道路は積雪のためコンディション最悪で歩きづらく、普段のウォーキング大会とは比較にならないほど疲れ果てました。

疲れを癒やそうと温泉に行き、温かい脱衣所で服を脱ぎ、氷点下の屋外へ。初めての露天風呂はとても気持ち良く、しばらく湯に浸かりながら温泉を堪能。そして露天風呂を出て屋内の内風呂に戻ろうとした矢先、異変は起こりました。

温かい場所と寒い場所の往復で激しい寒暖差の連続、それに伴い血圧も急上昇と急降下を繰り返したのだと思われます。ただ当時の私は何の知識もなくて、自分の身体に何が起こったのか全く分からず想像もできなかった。

首の両側、頸動脈が締め付けられるような感覚になり、すぐに猛烈な目まい。まともに立っていられずヒザに手をつき、意識が薄れていくのを感じ、中腰の体勢で露天風呂の石垣か何かを片手で掴みながら転倒しないよう努めたものの、チカラはどんどん抜けていく。

このままでは意識を失ってしまう、気絶してしまう、いや死んでしまう。強烈な「死の恐怖」が全身を襲い、頭の中では「やばい!」「死ぬ!」の単語がサイレンのように連呼。完全なパニック状態でした。誰かに助けを求めたくても声が全く出ない。上半身から頭のほうに向かって血が逆流する感覚。

ゆっくりヒザを曲げながらお尻を地面に着け、ようやく座った体勢になり、深呼吸をしながら頭の中で「起きろ」「落ち着け」など意識を失わないよう自分に語りかけ続け、しばらくしてから(体感的には5分くらい)意識がハッキリしてきました。「露天風呂で全裸で死ななくて良かった」と思い、同時に「あ、そんなことを考えるくらいならもう大丈夫だ」と自覚。

氷点下の屋外で小粒ながら雪が舞い降りている中を全裸のまま意識もうろうで数分過ごしたのと、「死の恐怖」に襲われた際に上半身を物凄く冷たい汗が一気にブワーッと噴き出したことで、全身はすっかり冷え切ってしまいました。

なぜ自分がそのような症状になったのか分からないながらも、何となく「急に露天風呂から出たせいだろうな」と見当は付いたので、冷え切った身体を温めるため再び風呂に入ろう、などという勇気はなく(次こそ死ぬと思った)、洗面器でお湯を身体に少しずつ掛けて身体を温めて、ゆっくり脱衣所に戻りました。

これが私の体験談です。あの出来事がトラウマになってしまい、冬に限らず露天風呂は怖くて入れなくなってしまいました。

【2017年追記】このエントリーを書いたのは2014年3月ですが、それ以降に旅先で2〜3回、露天風呂に入っています。今も多少の怖さはあるものの、このエントリー内で解説している「ヒートショック対策」を毎回必ずこなしてから入浴しているので、危険な状態の再発は一度もないですよ、ということを追記しておきます。

ヒートショック:寒い時期のお風呂には注意が必要

ヒートショック」という言葉をニュースなどでもよく聞くようになりました。

ヒートショックとは、寒い冬に風呂場と脱衣所の温度差が大きいことなどが原因となり、脳卒中や心筋梗塞などを引き起こすおそれがある急性疾患のこと。高血圧や動脈硬化の傾向がある人や高齢者が特に発症しやすいと言われ、近年では室内における高齢者の死因の4分の1を占めるという報告もあるほどです。

芸能人や著名人がお風呂の浴槽や脱衣所で倒れ、亡くなったという訃報を冬場になるとよく耳にします。健康体と思ってる人でさえも冬のお風呂における寒暖差には十分注意しなければなりません。

高血圧の人にとって、温泉の露天風呂ほど危険なものはありません。特に、寒い冬は絶対に禁物です。お湯と外気の温度差が非常に激しいため、血圧が乱高下し、心臓に大きな負担がかかります。

ただ温度差に気をつけさえすれば、入浴ほど高血圧の人には良いみたいです。38~40℃のぬるめのお湯に入って、半身浴がお勧めです

via:◆高血圧の人にとって冬の露天風呂ほど危険なものはない!

▲ 寒い冬の露天風呂こそ温泉の醍醐味、と温泉好きな後輩が以前言ってました。しかし私のような血圧疾患者にとって冬場の露天風呂は無謀だということのようです。

お風呂に入っている時に亡くなる人の中で、お年寄りの占める割合がとても多く、東京都の例で8割が65歳以上の高齢者。特に75歳以上になるとその数は激増し、また、入浴中の事故が最も多く起きている月は12月となっています。冬にお風呂での事故が多いのは寒さが原因です

via:冬のお風呂はなぜ危険? | ティドビット ~水まわりのまめ知識~

▲ 高齢者で熱い温度の風呂に入るのを好む人がいます。「年を取ると共に熱さに強くなる」などと言う人もいますが、とんでもない。あれは加齢により温度を感じる体内センサーが衰えてしまっているのが原因。若い人よりも「熱っ!」と感じる皮膚機能が鈍感になっているのです。

ただでさえ高齢者は血圧も高くなりがちで、血管も若い人より細いし老いている。さらに皮膚も老化により温度を感知する機能が衰えています。なのに熱い熱いお風呂を好み、さらに冬の寒い気温の中で熱いお湯から寒い場所に出たら? どれだけ危険かはもうお分かりですよね。

これは高齢者が自覚すべき問題というよりは、むしろ家族など周囲の人々が気を付けてあげなければ防げない問題なのではないかと感じます。周囲が冬場の入浴時に寒暖差をなくしてあげるなどフォローしてあげない限り、死亡事故は減らないでしょう。

お風呂に入るための一連の動作の中で急に寒くなったり暖かくなったりすること(ヒートショック)が人の血圧を急に上げたり下げたり変動するため突然死に至るのです。

暖かい部屋から一変、寒い脱衣所で服を脱ぎ、さらに寒いお風呂場に入り冷え冷えしながら体を洗う。この時、血圧はどんどん上がっていて、その後バスタブのお湯に浸かる(冬場は42度の熱いお湯を好む人が多い)と、その刺激でいったん血圧がピークに達した後、今度は体が温められるので血管が広がって血圧は急降下します。

このように血圧が急上昇すると脳出血など、血圧が急降下すると逆に血液の流れが滞って心筋梗塞や脳梗塞になる恐れがあるんです。

via:冬のお風呂はなぜ危険? | ティドビット ~水まわりのまめ知識~

▲ 2年前の私は脳出血になりかけたか、あるいは軽度の脳出血になっていた、ということなのかもしれません。怖い…。

「冬の朝、起きてすぐ熱い風呂は危険」

心筋梗塞などの死亡率は、夜より朝がダントツに高い。朝の高血圧に加え、冬の朝風呂は温度差で血圧が大きく変動しやすい。そのため血圧が安定する起床1時間後からの入浴が好ましい

via:冬のお風呂の命にかかわる雑学・豆知識

▲ 高血圧の人は朝風呂も危険。起床してもすぐにはお風呂に入らず、1時間くらい経ってから入るのが望ましいようです。

風呂での死因の25%は溺死

つい寝てしまって溺死してしまう。

via:冬のお風呂の命にかかわる雑学・豆知識

▲ 入浴時に寝てしまう人も多いですよね。うちの嫁や娘がまさにそうです(私は入浴時には寝ない)。いつも注意しているのですが、なかなか改善できないようです。

入浴して気持ちが良くなりついウトウトしてしまう、と「風呂で寝るクセ」を持つ人は言いますが、ただウトウトしてるだけならお風呂で溺れた際にすぐ目が覚めます。しかしウトウトではなく「気絶」の状態になってる場合もあり、この時はお風呂で溺れても意識は回復せず、そのまま溺死してしまいます。

お風呂で寝ること(寝てるのではなく気を失ってる可能性もある)がどれだけ危険かという点も周知されるべきですし、家族や知人に「風呂で寝る」人がいたら「それはとても危険なこと」だと教えてあげてください。

脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が滞り、最悪の場合死に至る恐ろしい病。H・Mさんが脳梗塞を発症する引き金となったのは、彼女の間違った温泉の入り方でした。(中略)

あの日、冷えきった露天風呂に出てきたH・Mさんは、かけ湯もせずに、いきなり熱いお湯に入り、そのまま10分間も浸かり続けてしまいました。その間、H・Mさんの血圧に大きな変化が起きていました。脱衣所から寒い風呂場に出た時、H・Mさんの血圧は上昇。そしてすぐ湯船に浸かることで、さらに血圧が上がりました。

問題はここからでした。10分間湯船に浸かったH・Mさんの体は温度に慣れ、今度は血圧が急降下。これこそが危険な血圧の変動でした。(中略)

温度変化の刺激のため、血管は収縮しました。血管が狭くなることで、動脈硬化のあった脳には、血小板などの物質がたまっていきました。しかし、しばらくすると、今度は体温が上がって血管が拡がり、血圧が急降下。血流が急激に遅くなったため、滞った血小板などが固まり、血栓ができてしまったのです。あの風呂上がりの目まいは、脳梗塞の危険を知らせる重要なサインでした

via:本当は怖い風呂上がりのめまい~灼熱の悪魔~ | 最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 診察室

私自身も体験したことなので読んでて泣きそうになりました。

上記引用はテレビ番組で紹介された事例ですが、これには続きがあります。しばらく休んで回復したH・Mさんが入浴後にお酒をたくさん飲み、利尿作用で血栓ができやすくなってるところに翌日の朝風呂で血栓が発生。脳の動脈がふさがり意識障害も発生し、お風呂の中で失神。そのまま浴槽で溺死してしまったそうです。

これも「お風呂でついウトウト→実は失神していた→そのまま溺れて死亡」という哀しい結末。かけ湯もせずいきなり露天風呂に入る乱暴な入浴方法、入浴後の大量飲酒、さらに翌朝の朝風呂など幾つもの悪条件が重なっての不幸ですが、それぞれ自覚して気を付けるしかありません。

温泉だけでなく、家庭も含めた入浴中の死亡者数は年間1万4000人といわれ、交通事故の死者の数を大きく上回っているのです

via:本当は怖い風呂上がりのめまい~灼熱の悪魔~ | 最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学 診察室

ヒートショックや入浴中の死亡事故がとても多いということをお分かり頂けたでしょうか。冬場は温泉も露天風呂も自宅での入浴も、甘く見てはいけないということです。

自宅で入浴する際に注意すべきこと

冬場の入浴を甘く見てはいけないということを理解したら、次は予防です。どうすれば事故を防げるか。

まず自宅での入浴時を中心にまとめます。

★寒い中を歩いて帰宅後、すぐには入浴しない

気温が寒い外を歩いて帰宅した後にすぐ入浴してしまうと、血圧の上昇や心拍数の上昇、疲労などの影響で、脳卒中の危険性が高まるそうです。

【対策】
◆帰宅後は1時間ほど暖を取り、それから入浴する。

★脱衣所を暖かくして浴室との温度差を少なくする

ホテル等の屋内大浴場であれば脱衣所は暖房が効いていますので、寒暖差という意味ではそれほど差もなく安全だと思われます。しかし、一般家庭になると脱衣所は寒いことが多いです。我が家の脱衣所も大変寒い。

寒い脱衣所→熱いお風呂→再び寒い脱衣所。この連続攻撃がいかに危険かは、ここまで読んで頂いていればお分かりですよね。血圧の乱高下で倒れます(最悪の場合、死に至ります)。脱衣所と浴室の温度差をいかに少なくするかが大切。

【対策】
◆ストーブなど暖房器具があれば、脱衣所に持ち込んで入浴前後に暖め、浴室内との温度差を少なくする。
◆高血圧の人や高齢者は、入浴前に衣服を脱ぐ前の段階で暖房をつけておく(=脱衣は最初に寒さを体感する行為だから)。
◆入浴中も暖房器具をつけておき、入浴後に脱衣所へ移動した際に寒さをなるべく感じないよう工夫する。
◆暖房器具が小さいなどで暖房の利きが悪い場合は、風呂場ドアのすぐ前に暖房器具を置くなどして、浴室から脱衣所に移動した直後に寒さをなるべく感じないよう工夫する(=少しでも近ければより温かい)。
◆脱衣所に洗濯機を置いている場合、入浴前に洗濯機を動かしておくと熱が発生して脱衣所が温かくなる。下手な暖房器具より温まる場合もある。ただしドラム式洗濯機などで上に衣服やタオルを置く場合、脱水乾燥時の振動で暖房器具の上に落としてしまわないよう十分注意する(=火災の原因になる)。
◆脱衣所で暖房器具を使用する際は、衣服やタオルなどが暖房器具に触れないようくれぐれも注意する(=火災の原因になる)。

★(脱衣所だけでなく)浴室も暖かくする

寒暖差は「脱衣所と浴室」だけではありません。浴室の中、つまり「浴槽(お湯)と洗い場」も寒暖差が大きい場合は対策を講じなければなりません。

具体的にはお湯に入っていて、さてカラダを洗おう、と湯から出て「うう〜寒い!」と感じたら、それは寒暖差が激しいから危険だということ。私が露天風呂で死にかけたパターンはこれです。

最近のユニットバスでは浴室内に暖房設備が付いているタイプもあります。特に高血圧の人や高齢者が入る場合は、浴室内の暖房を使うべきです。脱衣所も暖房つけて浴室にも暖房をつけたら光熱費が…とケチってる場合ではありません。光熱費よりもヒートショックの心配こそすべき

まだ誰も入ってない「一番風呂」の浴室はとても寒いです。高血圧の人や高齢者は「一番風呂」を避けた方がいいです。どうしても一番最初に入りたい時は対策を講じましょう。

【対策】
◆浴室暖房がある場合は極力使用し、浴槽の中(お湯)と外(洗い場)の温度差を少なくする。
◆浴槽のフタがある場合、入浴前にフタを外す(湯気のおかげで浴室内の温度が若干上がる)。
◆入浴直前に洗面器などで浴室内・洗い場の床にお湯をまくだけでも違う(湯気のおかげで浴室内の温度が若干上がる)。
◆入浴前、シャワーでお湯を2〜3分ほど出しっ放しにするのも効果的(湯気のおかげで浴室内の温度が若干上がる)。
◆入浴前には必ずかけ湯をしてお湯の温度に身体を慣らす。足、ヒザ、ふともも、お腹という風に「心臓から遠い身体の場所」を先に温め、徐々に心臓に近付けていくかけ湯が好ましい(=夏場のプールで身体を水の冷たさに慣らすのと同じ)。
◆浴室内が寒かった場合、いきなりお湯に浸かるのは危険。まず最初にかけ湯。それから足湯や半身浴など「心臓から遠い身体の部位」を先にお湯に浸けて温度に慣らしてから全身入浴に移る。
◆浴室暖房などで浴室内が十分温かい環境にあるのなら、半身浴だけでも十分に体内を温めることが出来る。心臓や血圧に不安を抱える人であればむしろ半身浴のほうが良いとのこと。ただし、あくまでも「浴室内が十分に温かいなら」という条件付き。寒い浴室内で半身浴だけで済ますと、身体が温まるどころか逆に冷え切ってしまい、風邪を引くなど別の悪影響が出る。
◆浴槽(風呂の湯)から洗い場(風呂の外)に出る時も、入る時と同様に「いきなりザバッと出ない」こと。温かいお湯の中で血圧が下降していたのに急いで湯から出ると、温度差で血圧が急上昇して脳出血の原因になる(寒ければ寒いほど危険)。全身入浴から半身浴へ、それから足だけ、そして風呂の外へ、という風に徐々に体温を外気の寒さに対応させていく(私は露天風呂での事件以降、風呂から出る際はこれを徹底してます)。

★食事直後の入浴は控える

食事を終えてすぐの入浴は身体に良くない、という話はよく聞くと思います。

食後すぐは胃が活発に動いており、血液が胃に集中しています。その状態で入浴をしてしまうと、ただでさえ消化のため胃に血液を送るのに忙しい心臓が入浴により全身の血行が良くなってしまうことで「胃だけじゃなくて全身にも血を送れ!」という命令も受けてしまいます。つまり心臓に多大な負担が掛かって危険だ、ということのようです。

【対策】
◆食後すぐの入浴は控え、1時間以上は休んでから入浴するようにする。
◆飲酒後の入浴も大変危険なので控える。

★お風呂の温度を熱くし過ぎない

心臓にあまり負担をかけないお風呂の適温は38度〜40度だそうです。42度以上になると血圧も心拍数も上昇し、心臓や循環器系への負担が増加してしまうとのこと。

特に高齢者は熱いお風呂を好む傾向にあります。理由は皮膚が衰えてしまったことで熱さに対する感覚が低下し、少々の温度では熱いと感じないため。

普通の人が「よくこんな熱いお風呂に入れるね!」とビックリしちゃうような高温でも年配の方々は平気な顔して入りますが、年を重ねたことで熱さに強くなったわけではありません。加齢により熱いと感じる機能が衰えてしまったためです。

なので高齢者は長湯をしてしまい湯あたりになる確率も高くなり、さらに高温入浴は心臓への負担が高いので、高齢者の入浴は気を付けないと大変危険なのです。

【対策】
◆理想的な湯の温度は38度〜40度。
◆いきなり湯の中に入らず、心臓に遠い部分からかけ湯をするなどして徐々に温めていく。
◆高血圧な人、心臓に不安のある人は、半身浴で身体に負担のないよう身体を温める。
◆高齢者は熱さへの感覚が麻痺しているので、入浴時には注意する。

★入浴中は身体から水分が奪われることを自覚する

入力中は利尿作用が強まります。簡単に言うとオシッコしたくなるということですね。加えて入浴中は自分が思う以上に汗をかいてしまってるのだそうです。

利尿作用と発汗により「軽い脱水症状」になりやすく、水分が少なくなると血が濃くなって血栓の出来やすい状態になるそうです。ということは脳梗塞の可能性が高まるということになります。

お風呂から上がった時はノドが渇きます。ノドが渇けばお茶や牛乳など、何か飲みたくなるのは人間として当たり前なので、入浴後の水分補給は問題ないはず。しかし、脱水症状や血栓を防ぐためにむしろ大切なのは入浴前の水分補給なんだそうです。これは意識しないと忘れがちです。

【対策】
◆入浴後の水分補給はノドが渇いてるので意識することなく出来るが、入浴前の水分補給も大切

温泉(特に露天風呂)で入浴する際に注意すべきこと

温泉で入浴する際の注意点も、基本的には自宅での入浴と変わりありません。ホテル等の大浴場は寒い時期になると脱衣所の暖房が効いているところも多いので、寒暖差という点ではむしろ自宅浴室よりも安全かもしれません。

問題は露天風呂なんですよ。屋外に暖房器具なんて設置できないし設置しても意味などない。雪が積もってたら寒暖差は想像を絶します。

若い人や健康体の人なら気にしなくて大丈夫なんでしょうけど、高血圧や心臓に不安のある人、そして高齢者が何の対策も講じず、無策で寒い中を露天風呂に入ったら、いつ事故が発生してもおかしくありません。私みたいになりますよ

では、温泉(特に露天風呂)での入浴時に注意すべきことについてまとめます。

★急に湯船に入らない

衣服を脱いで裸になり、寒い中を湯船に近付いてる時点で既に血圧は上昇しています。そんな状態でかけ湯もせず、いきなり湯に入るのは自殺行為。心臓に猛烈な負担がかかり、高くなっている血圧が更に急上昇します。この時点で意識障害が発生して死に至る場合もあるとのこと。

特に冬の露天風呂は衣服を脱いで裸になったら寒くてたまらないですよね。一刻も早く風呂に突入して温まって「ああ〜極楽」と唸りたい気持ちは分かります。しかし温度に慣れる準備もせずいきなり風呂にドボンと入ったら、極楽どころか行き先は地獄になるかもしれないのです。焦る気持ちを抑えて入浴準備をしっかりしましょう。

【対策】
◆入浴前はかけ湯をするなどして徐々に体温を温める。
◆心臓に遠い場所からかけ湯を開始し、徐々に心臓に近い場所へと近付けていく(心臓への負担を減らすため)。
◆いきなりザバーンと肩まで浸かるのではなく、まず足だけ、次に半身浴、お腹、肩という風に、これも徐々に身体を温めて心臓への負担を減らし、血圧の急上昇をなるべく抑える。

★急に湯船から出ない

このパターンで私は死にかけました。

お湯の熱さに慣れて気持ち良くなると、それまで急上昇していた血圧が今度はどんどん下降します。血圧が下降している状態でいきなり湯船から出てしまうと、外気の寒さで血管は一気に収縮し、下降していた血圧が再び急上昇します。この乱高下により脳卒中や心筋梗塞を引き起こしてしまいます。

このページ先頭で書いた私自身の体験談を読んでいただければ、それがどういう状態なのか少しは理解していただけるでしょう。ヒートショックがどれほど怖いかは実際に体験すればイヤというほど分かります。しかし体験した後で生還できない(死んでしまう)人もいます。そういう意味では私は運が良かっただけです。

特に冬の露天風呂は風呂の中(お湯)と外(外気)の寒暖差が激しくなります。自宅浴室や温泉の内風呂とは比較にならないくらい温度差があります。ヒートショック対策を徹底さえすれば露天風呂でも危険な目には遭わないはずです。お風呂から出る際も慌てないこと。

【対策】
◆身体を急激に冷やさないこと。温かい湯から瞬時に全身を出してしまうと激しい血圧の急上昇が発生して大変危険。まず上半身だけを出して半身浴状態で少し過ごす。身体が外気の気温(寒さ)に慣れた頃合いを見て湯船から出る。
◆半身浴状態の時に、上半身の水をタオルで拭き取っておく。水分を拭き取ることにより、気化熱で体温が奪われるのを防ぐことができる。
◆可能であれば、湯船から出た直後に下着だけでも身に付けるようにする(少しでも保温できるから)。

★気分が悪くなったら無理に動かない

急激な目まいが発生した時は動きたくても動けません。

冬場の露天風呂は外が寒いので、早く室内に入りたくなるのも分かりますが、動くことで心臓に負担がかかりますし、意識もうろうの状態で下手に動くと転倒して大怪我をする可能性もあります。

【対策】
◆気分が悪いと感じたら、歩くなど無理に動こうとせず、その場で立ち止まる・その場に座る・横になるなどの措置をとる。
◆落ち着いて呼吸を整える。
◆可能であればその際に首筋や肩にタオルをかけておけば若干の保温になる。

りくま ( @Rikuma_ )的まとめ

若い時は無理が効きます。健康体の人もそうでしょう。しかし人は年を取ります。また病気も抱えるようになります。いつまでも若い時の感覚で行動は出来ないし、加齢と共に身体の無理は効かなくなってきます

高血圧の人、メタボなど生活習慣病の人、心臓に不安を抱える人、そして高齢者は、昔と今では自分の肉体的状況が違うということを強く自覚しなければなりません。若い頃や健康な頃、そのままの心づもりで行動するのは危険です。入浴に限った話ではないんですけどね。

じゃあ高血圧な人やメタボの人は露天風呂や温泉に入ったらダメなのかというとそういうわけではなく、今回まとめたような対策をキチンと講じていれば危険な目に遭う可能性はないはずです。

温泉で身体を温めるのは精神的に大変リラックスできるし、仕事などで溜まった疲れを一気に癒やすことが出来ます。私は今も温泉が大好きだからこそ、入浴時の事故が少しでも減るよう今回このエントリーを書いてみました。気持ち良く、そして安全にお風呂や温泉を楽しみたいですもんね。

【2014年追記】※今回書いた「温泉で死にかけた体験」は以前に当ブログでエントリーを書いています。


【2017年追記】※このエントリーに書いた件で取材を受け、テレビに出演してしまいました。


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