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歯を食いしばった後には高塔山の絶景と達成感が待っている【若松ウォーク】

2017年6月19日

4年も来てなかったとは…

JR若松駅

▲ 今回のスタート&ゴール地点、JR若松駅

自分のブログで調べてみると、若松駅に来るのは実に4年ぶり。「そんなにも来てなかったのか!」と、その事実を知った時は本当に驚いてしまった。

(「若松駅に来ていない」というのは、イコール「若松駅スタートのウォーキング大会に参加していない」という意味)

2年前と昨年は明確な理由(=多忙&体調不良)があったので不参加だったが、3年前も不参加だったとは…。なぜだろう。もう忘れてしまった。

JR若松駅

▲ 若松駅を起点とするJR筑豊本線の10駅は2017年3月から無人駅となったが、若松駅は周辺住民の反対運動が活発化したため完全無人化を断念。通勤・通学時間帯(6:30〜8:30)のみ駅員を配置する「条件付き無人駅」となっている

(同じくJR中間駅も条件付き無人駅となったが、こちらは住民の反対運動によるものではなく設備上の理由)

旧ごんぞう小屋

▲ 洞海湾の畔にある「旧ごんぞう小屋(若松南海岸緑地休憩所)」(北九州市若松区本町1丁目)。

福岡県の筑豊地方と同様に、ここ若松も明治時代は石炭で栄えた街。洞海湾まで船で運ばれた石炭をここから荷揚げして陸に運んでいた。

その荷揚げする人たちを「ごんぞう」と呼び、彼等の詰め所(休憩所)を再現した建物が「ごんぞう小屋」。

洞海湾

▲ 北九州市の戸畑区、八幡東区、若松区に囲まれている内海の「洞海湾(どうかいわん)」。

かすんでいるけど正面にうっすら見えるのは八幡のシンボルとも言うべき「皿倉山(さらくらやま)」。

旧古河鉱業若松ビル

▲ こちらも石炭による隆盛時代の象徴とも言うべき文化遺産、「旧古河鉱業若松ビル」(北九州市若松区本町1丁目)。1919年(大正8年)に建築されたと言われている。

若戸大橋と若戸トンネルは無料化予定

若戸大橋

▲ 洞海湾にせり出して設置されているウッドデッキ。目の前に広がる海、その向こう岸の北九州市戸畑区を一望できる。ベンチも設置されており、風情があるし、風も心地良い。

写真の奥に見えるのは洞海湾に架かる赤い橋、戸畑区と若松区を結ぶ「若戸大橋」。

若戸大橋

▲ 若戸大橋の真下を通過。

若戸大橋の北側(写真だと左側)には2012年に海底トンネルの「若戸トンネル」が開通している。開通前のウォーキングイベントには私も参加した。

若戸トンネル開通記念ウォーキングに参加、洞海湾の海底を初めて歩く

2012年9月9日(日)。北九州市戸畑区と若松区を歩いてきました。夏季の中断期間が終わり、いよいよ秋シーズンが開幕。今回は開通を一週間後に控えた海底トンネル「若戸トンネル」を歩けるということで参加してきました。

現在は有料道路だが、2018年の年末頃に若戸大橋、若戸トンネルとも無料化される予定だと発表されている。

無料化されれば戸畑と若松をとても気軽に往来できるので大変助かる。今まではお金を払うのがもったいなくて随分遠回りをしてたので。

若松恵比須神社

▲ 1km通過。若松恵比須神社(北九州市若松区浜町1丁目)。久々に来た。

若松区役所

▲ 若松区役所(北九州市若松区浜町1丁目)。

若戸大橋

▲ 若戸大橋に沿った歩道を西へ。橋の終点まで進む。

高塔山

▲ 2km通過。高塔山(たかとうやま)が見えてきた。山の頂上に白く見えるのが展望台。あそこまで登らなければならない。それが若松ウォーキング毎回のコース設定。

ウォーキング経験が浅かった5年前、今回と同じコースで高塔山を登る途中に過呼吸で死にかけた記憶は今も消えず鮮明に残っている。

初めての高塔山登山で無茶をした結果、過呼吸で死の恐怖を味わう

2012年6月17日(日)。北九州市若松区を歩いてきました。春~初夏シーズン最後の開催となった今大会。過去2回の高速ペースを維持しようと無理した結果、過呼吸による呼吸困難で死の恐怖を味わうハメになりました。

ウォーキング中に苦しく、痛く、ツラくなった時に必ずフラッシュバックで脳裏に蘇るのが高塔山での過呼吸。生涯忘れられないのかもしれない。

翌年に再び挑戦して問題なく登り、「トラウマ克服!」とテンション高く当時のブログに書いたが、そう簡単に恐怖心は消えない。4年間も不参加だった理由の中にはそのトラウマがあったのも否定できない。

極端に慎重な山登り

高塔山への入口

▲ 高塔山の入口へと近付いていく。けっこう緊張していて何度か深呼吸した。

高塔山の上り坂

▲ 上り坂が始まる。まだこの辺りは傾斜が比較的緩やかなのだけど、写真中央付近から傾斜が急にグッと上がってるのがお分かりいただけるだろうか。

白山神社

▲ 傾斜が急にグッとキツくなる地点は「白山神社」の鳥居前。

高塔山山頂で「若松あじさい祭り」の開催期間中は、高塔山に車で登ることは出来ないらしい。鳥居前の地点に警備員が立って車の進入を止めていた。しかしバスは乗り入れOKだった。

高塔山の上り坂

▲ 白山神社の鳥居付近から、上の写真中央にある白い建物辺りまで続く傾斜のキツイ坂道が最初の難関。かなり急勾配な上り坂なので、肺活量や体力脚力に自信のない人は絶対にここで無理をしてはいけない。5年前の私のように死の恐怖と直面するハメになる

白い建物の前で小休止している参加者が複数いた。それで大正解だと思う。山頂まで先は長い。まだ坂道の序盤だからと焦って進みたくなる気持ちは分かるが抑えよう。とにかく無理してはいけない。

ちなみに5年前の私は、この上り坂で他のウォーキング参加者が一気にスピードダウンしたので、その人たちを追い抜こうとして調子に乗り、自分の体力脚力を過信して無理をした。それが後の悲劇に繋がった。

高塔山のアジサイ

▲ 最初の急勾配な上り坂、その中間付近にアジサイの花が咲いている。休憩を兼ねて撮影。

白山神社の鳥居からここまで10メートルも進んでない。しかし既に息は荒い。だから無理はしない。他の参加者に追い抜かれようが関係ない。自分の健康が最重要

他の皆さんも、坂を上りながら「うわ、予想以上にキツい!」と感じたら、とにかく無理をせず、坂道の横に咲いている花を眺めて「うわーキレイだねー」と写真を撮りながら同時に休憩して息を整えればいいのだ。

花なんか興味ない人でも、花を愛でるフリしながら休んでしまえばいい。あの急勾配を体験した人で「もうバテてるの?」などと馬鹿にした感想を持つ人などいないだろう。仮にいたなら、そんな阿呆は放っておけばいい。いつか天罰が下る。

高塔山の道路拡張工事

▲ 山頂へと続く道路で2箇所、拡張工事がおこなわれていた。グネグネのカーブが続くのに加えて車線の幅が狭いから、車を運転して対向車とすれ違う時に少し怖い。部分的とはいえ道路を広くするのは賛成。

高塔山の歩道

▲ ふと気付いたが、前回(2013年)歩いた時には存在していなかった歩道が設置されていた。この辺りは既に拡張工事が済んだということなのだろう。

私がしばらく来なかった4年の間でとても歩きやすい環境が整備されている。素晴らしい。車にとっても歩行者にとっても、この歩道設置の意義は大きい。

高塔山野鳥の森

▲ 「野鳥の森」の遊歩道に入る。

あじさいの遊歩道

▲ 通称「あじさいの遊歩道」もキレイに整備されていた。4年経つといろいろ変わっている。

あじさいの遊歩道階段

▲ さあ来たぞ。あじさいの遊歩道名物「地獄の階段(命名:りくま)」。

エスカレーターに変わってるかなと思ったが以前と同じ階段だった。

あじさいの遊歩道階段

▲ 写真だけ見たら何の変哲もない普通の階段なのだが、登山道でもあるため段数が多い。

加えて白山神社から続いた長く急勾配の上り坂を歩いたことで体力を消耗した後での階段。ここを普通に登っていける人はかなりの猛者。

脚も疲れるが、とにかく呼吸が乱れて相当しんどい。しんどくなるから呼吸のペースが速くなり、それが原因で余計にしんどくなり、パニックに陥ると呼吸が乱れ、頭がボーっとしてくる。

そんな感じで5年前の私は過呼吸になった。あの時の教訓として、「息を吐くことを意識する」というのは徹底している。

慌てて空気ばかり吸ってると過呼吸になる。とにかく息を吐き出せば、人間はイヤでも次に空気を吸う。そうやって呼吸のペースを確保することが大切。

高塔山

▲ 階段の途中に2箇所、横に延びる小道がある。階段でしんどくなったら小道に入って休憩するのをオススメする。小道の先は行き止まりなので「あいつ道を間違えてやんのー」と他の人に思われるかもしれないが知ったこっちゃない。

5年前、階段で呼吸困難になった時、フラフラになりながらコースを外れて退避したのが上の写真の小道だった。

意識が遠のいていくのが分かり、座ってしまうと気が抜けて失神しそうなのが怖くて、両ヒザに手を当てて耐えながら立ち続け、眼下に見える景色やアジサイの花などを見て、意識を失わないよう何度も自分自身に語りかけ続け、徐々に意識がハッキリしていった。

あの時は本当に怖かった。この小道のことも生涯忘れないはず。

高塔山の看板

▲ この看板は若松の市街地から高塔山を眺めた際に見る事ができる。

地上から見ると看板が小さくしか見えないので「あれは何を書いてるんだろう」と不思議だったのだが、5年前に過呼吸で小道に退避し、意識回復に努めていたら偶然目の前に看板があって笑ったのを思い出す。

高塔山の道路

▲ 3km通過。看板が設置されてる小道を過ぎると、残り10段くらいで階段地獄は終了する。あとは勾配も緩い普通の上り坂。

今回も階段を無事乗り切った。めちゃくちゃ休憩時間を取ったけど。

高塔山の夜景で異性のハートを掴むのだ

野外音楽堂

▲ 高塔山山頂の近く、深い谷底のような場所にある「野外音楽堂」。下のほうにステージがあり、「若松あじさい祭り」のイベントメイン会場となっているらしい。

前に一度だけ下りていったことがある。今回はさすがにしんどい。下りていく気にもならない。

急勾配の坂道と階段地獄、気温は30度近い猛暑。体力をゴッソリ削られてしまった。さらには最近の運動不足にトレーニング不足。そして4年前より10kg以上も重いカラダ。いま下りたらもう上がって来られない。

高塔山山頂芝生広場

高塔山山頂、芝生広場にようやく到着。ここも4年ぶり。

2017年の半年間、ここまで参加した全てのウォーキング大会の中で最も疲れた。全身が汗でビチャビチャ。両脚もガクガク。

3週間前、名古屋の街を2日間で30km以上歩いても平然としていた、あの時の余裕はどこに行ったんだ、ってくらいボロボロでヘロヘロ。(名古屋の市街地はどこも平坦だったからなあ…)

高塔山山頂展望台

▲ 高塔山の展望台へ。

若い頃は車で何度も来た。ウォーキングで来たのは今回が3回目だが、いかに車がラクチンかってのがここに来るとよく分かる。展望台に来る途中で死にそうになるなんて昔は想像してなかったもんな。

高塔山山頂展望台

▲ 階段を上って展望台広場へ。

高塔山山頂展望台からの景色

▲ 若松の市街地、洞海湾、海の向こうに広がる戸畑区や八幡東区、そして若戸大橋。30年近く前、まだ大学生だった頃から大好きな風景。

反対側にある皿倉山からの景色がとても綺麗だし有名なのだけど、少し標高が低い高塔山から眺める景色は建物や若戸大橋がより近いこともあり、迫ってくるような感じがして好きなのだ。

今回は黄砂なのかPM2.5なのか、晴れてるはずなのに空が微妙にかすんでいた。向こう側の景色がよく見えなくて残念。

高塔山山頂展望台からの景色

▲ 展望台の右側には皿倉山が見える。皿倉山もかすんでるなあ。

高塔山山頂展望台

▲ 高塔山は昼間もいいけど、夜景はさらに美しい

生まれ故郷の鳥取県は夜景と無縁な街なので(高くから見下ろせる場所もなければ、そもそも夜景の成分になる建物も少ない)、北九州市に引っ越してきて皿倉山と高塔山から見下ろす夜景を初めて眺めたときは感動し過ぎて無垢な少女のように震えた。

最近北九州市に引っ越してきたという方々、もしまだ来てないのなら「皿倉山」と「高塔山」の夜景は絶対押さえておかなきゃダメよ。必須だからね。メモっておきなさいよ。

恋する異性の人を連れてこの素晴らしい夜景を共に眺めてごらんなさいな。絶対に大丈夫だから。何が大丈夫なんだよってそんなん分かるだろ言わせんな。

高塔山の反対側にも階段地獄はある

高塔山のアジサイ

▲ 今回は「若松あじさい祭り」とタイアップしたウォーキング大会で、いろんなところに咲いてるアジサイの花々をたくさん写真撮ったのだけど、どれも干からびてシワシワになってた。

夕方のローカルニュースで「高塔山ではアジサイの花々が見事に美しく咲き誇り」ってお前は本当に見に行ったのかよ、とテレビにツッコんでしまった。

2017年の福岡地方は6月初旬に梅雨入り宣言して以降、1日しか雨が降っていない。これだけ極端な小雨だと花が可哀想になってくる。

今年は冬から春にかけて気温が上がらず、桜など春の花々は開花がずいぶん遅れた。最近は小雨で夏の花々が苦しんでるみたいだし、フラワーイベントはどこも開花時期がズレて大変だと思う。

火野葦平文学碑

▲ 山頂から下山を開始。途中にある火野葦平文学碑

火野葦平(ひの・あしへい)は若松出身の小説家で、彼の活動拠点だった住居は今も「河伯洞」という名で若松駅の近くにある。

高塔山

▲ 4km通過。しばらく山中の緩やかな坂道を下っていく。日陰なので涼しくて良い。

高塔山の階段

▲ 「高野山東南院」というお寺の境内から地上へと続く猛烈に長い階段。

若松ウォークのコース設定では毎回、ここの階段は下るだけなのでそれほど苦しくはないのだが(それでもヒザに疲労が溜まる)、ここを上る人のことを考えると敬服する。

高塔山の階段

▲ ただの階段ではなくて、周囲に家が建ってる。人が住んでるのだ。

ウォーキング参加者が「ここ、新聞配達どうしてるんやろ」と悩ましげに呟いていたが、新聞配達がうんぬん以前に人が生活してるのよ。買い物の帰りにこの階段を上ってるのを想像すると…って想像できん。

高塔山から見た若戸大橋

▲ まだこんなに標高が高いのだ。ここに家が何軒も連なって建ってる。すごい。

金比羅公園

▲ 金比羅公園。ここに小さな神社があり小さな境内もある。延々と続く階段の小休止地点という感じ。

高塔山の階段

▲ 金比羅公園から再び階段地獄。近くの学校の運動部は、ここを上り下りするだけでメチャクチャ体力と脚力が鍛えられるだろうなあ。実際やってるのかもしれないが。

高塔山の階段

▲ ようやく地上付近まで下りてきた。

国道199号線

▲ 5km通過。国道199号線に出る。久しぶりに平坦な場所を歩いてる感じ。

高塔山

▲ ゴールに向かう途中、さっきまで居た高塔山の展望台と看板が見えた。展望台の斜め右下、山の中腹に見える2つの四角形が過呼吸で死にかけた地点にある看板。

JR若松駅

▲ JR若松駅に到着。

Walk若松コースマップ

▲ 歩行時間は1時間36分。歩行距離は5.32km。

あれだけしんどい思いをしたのにたったの5kmちょっとかい! と計測マップを見て叫んでしまった。5.32kmで1時間半だからペース的には物凄く遅い。半分は登山みたいなものだし、階段地獄でも山頂でも長いこと休憩したので仕方ない。

2週前の週末に開催された2つのウォーキング大会に参加したかったのだけど、仕事が忙しすぎて歩くことが出来なかった。とても行きたかった大会だけに大変無念だった。

今回の若松ウォーク当日も仕事が忙しく、起床した時点では仕事に専念するためウォーキング大会は不参加にするつもりだったが、今年怠けてしまうと今後ずっと若松ウォークをサボリ続けるような気がしたので、気持ちを入れ替えて参加してきた。

代償としてこの日の仕事は全然進まなかったし(疲れ切ったので帰宅してずっと寝てた)、久々に両脚が筋肉痛なのだけど、汗ビッショリになって息を切らせながらも完歩して得られた達成感はとても大きかった。

だからウォーキングは止められないのだ。参加して良かった。

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