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若松駅から高塔山公園まで徒歩で行くコースに初挑戦
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今回のスタート&ゴール地点、JR若松駅。
今回のコースマップをを見ると、高塔山の山登りが含まれていた。上り坂が苦手なので登山にも不安はあったが、ウォーキングの経験も積んできているし、いつもより早いペースで歩けるといいな、と当初は安易に考えていた。
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駅のすぐ前にある「若松市民会館」。
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サンリブ若松店。若松図書館も併設されているらしい。
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若戸大橋を眺めながら洞海湾の海岸を進む。
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「旧ごんぞう小屋」。
この小屋の横にある石段を利用して昔は船に石炭を積んでいたらしく、船に積み込む人たち(沖仲仕)のことを「ごんぞう」と呼んでいたんだって。
北九州市の有名な味、三日月のクロワッサン
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「石炭会館」。コースマップに書かれていたので、意味も分からず撮影していた。北九州市の有名なパン屋さん「三日月」の店舗が入っている。
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旧古河鉱業若松ビル。
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若松と戸畑を船で結ぶ「若戸渡船」の発着所。
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洞海湾の向こう岸には、先週行ったイオン戸畑や、ニッスイの建物も見える。
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若戸大橋がどんどん迫ってくる。
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若戸大橋の真下を通過。
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若戸大橋の下を通過してすぐのところにあった「わかちく史料館」。
若松恵比須神社、若松区役所も初訪問
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若戸大橋のすぐ横にある「若松恵比須神社」。
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若松区役所。こんなとこにあるんだ。初めて来た。
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若戸大橋の終点を右折。
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高塔山公園が近づいてくる。いつも車でしか来たことないから、徒歩ではもちろん今回初めて。
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高塔山(たかとうやま)は、北九州市内でも屈指の夜景スポット。
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車で来る時もこの道を通って高塔山の展望台まで上る。この辺りは、まだ坂というほどでもない。
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直線が終わり左のカーブが始まると、坂の傾斜が少し厳しくなる。
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右側に神社がある地点を通過すると、突然坂道の傾斜が極悪になる。
いつもは車だから全然気にもしていなかったけど、歩くとこんなにも急な傾斜だったのか。進むにつれて驚きが増していく。
経験したことのない急勾配、なのに無理して歩く
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急な坂道のスタート。冗談でもなんでもなく、10歩も進まないうちにバテた。こんなにキツい傾斜だったか?
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歩道のない、細い車道を上り続ける。お祭りが開催されていたこともあり、車の往来がいつも以上に多い。
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しばらく上り坂が続いたところで誘導員が立っていた。右の階段に誘導している。コースマップを見ると「あじさいの遊歩道」と書かれている。
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前日が大雨だったので、コンクリートじゃない道のぬかるみが気になってたのだけど、思ったほどヌルヌルじゃなかったのは助かった。しかし上り坂は終わらない。やっぱり舗装されてるところよりは歩きにくい。
中腹の階段で限界に到達、過呼吸で失神寸前となる
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上り坂が終わったら、今度は長い長い階段が始まった。
神社の横から延々と続いてきた上り坂と階段。最近では経験しなかったほど呼吸が荒くなる。
それでも「スピード落としたらダメだ」と自分の中にヘンな意地があり、ペースを落とさず階段を上り続ける。これがいけなかった。
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次の階段のスタート地点。ここで限界を悟った。呼吸ができず、頭がフラフラしてきた。足も痛い。
これはヤバイと察し、階段の手前にあった平坦な小道に逸れ、屈伸運動など両脚のストレッチを開始。
しかし脚の痛みよりも、呼吸がものすごく苦しくなってきた。苦しくなるにつれて焦りがどんどん大きくなる。息が出来ない、気持ち悪い、吐きそう、頭がボーっとしてきた。
どんどんパニックになっていく。混乱しすぎて呼吸の仕方が分からない。意識も少しずつ遠のいていく。
ボーッとする頭で「過呼吸かもしれない」と考えが浮かぶ。
東京で働いていた20代の頃、東京駅で必死に走り過ぎて過呼吸状態となったことがある。意識が遠のき、全身が硬直してしまい、東京駅の構内で倒れてしまった。気が付くと救急車に乗っていた。
救急車の中で救急隊員に「呼吸をしなさい! 息を吐くことだけ考えなさい!」と怒鳴るように呼び掛けられていたのは覚えている。。その記憶が蘇ってきた。
苦しくて立っていられず、その場に座り込みながら必死で息を吐き続けた。息を吐いたら、人間は生きるために必ず息を吸う。そして呼吸が正常に戻っていくのだそうだ。まず息を吐け。そう教わった。
少しずつ呼吸が整い始めたが、まだ頭がボーっとしていた。何か意識をハッキリさせることはないかと考えた結果、「スマホで何かテキスト(文字)を打とう」と考え、意識もうろうとなりながらTwitterにツイートを投稿した。
最悪の事態になったとき、これが遺書代わりになるかも、みたいな気持ちもあった。同時に、そんなことを考えるくらいなら少しは余裕が出てきたのだろう、とも思った。
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結局、階段横の小道で座りながら、20分ほど休んだ。呼吸を整えながら、目の前に広がる景色を撮影した。
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背後には、高塔山公園、と書かれた赤色の看板があった。
もう無理はせず、景色を楽しみながらゆっくり歩こう、と決めた。早く歩くことばかり気にしていた。何をそんなに無茶する必要があったのか。死んでしまっては何の意味もない。
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階段を10段ほど上ったら道路に出た。なんだよ、もっともっと階段地獄が続くのかと思って覚悟したのに。
しかし、この道路に出たことで猛烈に安堵した。体力的な余裕はまだ無かったので進むスピードは遅いままだったが、精神的な余裕が戻ってきた。
高塔山展望台で生きる喜びを実感する
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道路が左にカーブし始め、なんとなく頂上が近い雰囲気になってきた。
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と思ったら、坂が下ってるじゃないか。しかも前方には階段が。もう階段はイヤだ。
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下の方にある広場でイベントの準備なのか、マイクチェックをしていた。
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下り坂が終わり、また階段で頂上へと向かう。
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しばらく階段がトラウマになるかもしれない。
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ようやく頂上の芝生広場に着いた。「若松あじさい祭り」のメイン会場がここだったらしく、たくさんのテントが設置されていた。
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最近は暑くてもゴールまで水分補給せずに耐えられていたけど、今回はさすがに死の恐怖すら味わってしまったので、迷うことなくジュースを購入し、ゆっくりと飲んだ。生き返った。
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芝生の広場を横断し、展望台へと向かう。
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高塔山頂上の展望台、久しぶりに来た。今回、一度はあきらめたけど、なんとか来れた。
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そういえば「あじさい祭り」なのに、肝心の花を全然撮ってなかったな、と思い出して1枚だけ撮影。
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展望台の階段を上る。ここを上ってる時の「もうすぐ絶景が見えるぞ」というワクワク感がなかなか楽しい。
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遂に絶景までたどり着いた。
途中リタイアも考えたが、頂上まで辿り着くことが出来て本当に良かった。景色の美しさも相まって、感動して泣きそうになっていた。「生きてて良かった!」と、いつもとは違う意味で思った。
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若戸大橋から視線を少し左に振って北東の方角。工業地帯。
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さらに左、方角で言うと北。響灘が広がっている。
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若戸大橋の少し右側。今回のスタート地点だったJR若松駅が見える。今からあそこまで戻らなければならない。
そう、ウォーキング大会のコースはまだ半分を終えただけなのだ。
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さらにずっと右側、方角で言うと南にカメラを振ると、北九州市で一番高い山、皿倉山が見える。
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展望台の中心にある、眼下の景色についての案内板。
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展望台は、そこそこ広い。
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展望台から見下ろした芝生広場。
北九州出身、火野葦平の文学碑
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景色で心も洗われたし、休憩して体力気力とも回復できた。ウォーキング再開。展望台の右側にある小道を進むように誘導される。展望台には車でしか来たことないので、こっちに進むのは今回が初めて。
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少し進むと「火野葦平文学碑」と書かれた案内板がある。右に進むと階段がある。
火野葦平(ひの・あしへい)とは、若松で活躍した作家。1938年(昭和13年)には『糞尿譚』という作品で芥川賞を受賞している。石原裕次郎と浅丘ルリ子が主演した映画『花と龍』の原作も火野葦平。
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階段を下りる。前日の雨で少しすべりやすくなってた。
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しばらく下りると、山の中腹に文学碑があった。
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「泥に汚れし背嚢(はいのう)に さす一輪の菊の香や」と彫られている。
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坂を下りて舗装された道路に出る。
東南院から続く長い長い階段
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下りも、上りの時とは違うルートだった。民家の間に敷かれた細い路地を進む。
こんな山の上に民家が建ち並んでいる。
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少し進むと「高野山東南院」と書かれた石碑。
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坂が再び上りになる。このくらいの傾斜なら全然問題ない。
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「東南院」に到達。
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ここも大晦日は除夜の鐘を鳴らすのだろう。眼下に広がる若松の景色を上から眺めつつ鐘を突いたら、とても気持ちが良さそう。
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お寺から下に下にと、階段が長く伸びている。スゴイ。
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ここも階段の両側は民家がズラーっと並んでる。もうそれにずっとビックリしっぱなしだった。普通の住宅街になってる。ここ住んでたら、ものすごく足腰が鍛えられそう。
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階段を下から見上げた眺め。普段の買い物はどうされてるんだろう。車は…やっぱり持ってないのだろうか。駐車するところがないし。
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歩行者しか通れない細い路地や階段もあった。
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ず~っと下っていくと小学校の前に出た。子供たちもあの階段や坂を通って登下校してるんだろうね。心も身体も絶対強くなるだろうなあ~。
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ようやく若松の市街地に降りてきた。少し奥へ進んだところに「河伯洞」がある。
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河伯洞とは前述した作家・火野葦平の生家。1960年(昭和35年)、ここの書斎で火野は亡くなっている。享年53歳。
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今年で没後50年になるらしい。
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国道199号線に合流。
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ゴールのJR若松駅が見えてきた。今回は本当に遠かった! 頑張った!
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そしてゴール。半分、放心状態だった。
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ゴールの受付を終えてから高塔山を見てみたら、「高塔山公園」の赤い看板が見えた。少し前まで失神寸前で死の恐怖に震えていた場所だ。
これから何度もあの看板を見ることがあると思うけど、見る度に今回の苦しかったことを思い出すだろう。生涯忘れないと思う。