3年ぶり3回目
▲ 今回のスタート&ゴール地点、JR豊前川崎駅。スタート受付開始の20分前に着いたのだが既に待ち行列が出来ていた。
豊前川崎ウォークへの参加は久しぶり。調べてみたら前回は3年前、2014年4月。この時はJR西添田駅からJR豊前川崎駅まで13.8kmを歩いている。
その前は6年前、2011年5月に来ている。同年4月にウォーキング大会のデビュー戦(宗像郡の東郷ウォーク)を歩き、2011年5月の豊前川崎ウォークがキャリア通算4回目のウォーキングだった。
2011年、2014年、そして今回2017年。川崎町には3年ごとに歩きに来ていることになる。って書いてたら今年でウォーキング歴7年目になったことに今気付いた。
3つの難所、最初はスタート直後にやって来る
▲ 豊前川崎駅を出発。しばらく線路沿いを進む。
▲ JR日田彦山線の踏切を渡り南に進路変更。中央遠くにJR豊前川崎駅が小さく見える。
▲ 豊前川崎ウォークは、体力・脚力・気力・精神力・忍耐力など様々な要素を必要とする過酷な難所が3つある。
まず1つめ。踏切を渡り住宅街を過ぎてから始まる長い長い上り坂。2km少々ある。豊前川崎ウォークのコース中、最初にして最大の難関。ここが最もハード。
勾配は緩やかなのだけど距離が長いので、慣れてない人はスタート直後に疲労困憊となり、同時に心を折られる。6年前、ウォーキング歴1ヶ月だった私はここで体力を著しく奪われた。
▲ 歩いても歩いても上り坂。木々に囲まれているので風景も変わり映えしない。「坂がしんどいよ〜」などとネガティブ寄りな気持ちになりがちだが、こういう単調で長い距離の時は気を紛らわせるにかぎる。
「地元車優先ってどうやって見分けんねん!」と看板にツッコミ入れるくらいの心の余裕を持って臨みたいところ。
▲ ラピュタファーム(田川郡川崎町安眞木)。ウォーキング開始時刻が早く、いつも開店時刻前に訪れるので、営業しているのを見たことがない。
▲ ラピュタファームの近くにはいちご園もある。ここから100メートルほど進むとようやく上り坂が終了し、今度は下り坂が始まる。
▲ 3km通過。下り坂で歩行スピードを上げつつ、呼吸を整えて体力と気力を回復する歩行術。
6年前にはそんな芸当など思い付きもしなかった。6年間で何千kmと歩いてきて経験を積んだから出来ること。
▲ 下り坂を終えると広大な田園風景が広がる。心地良い風が吹いていて疲れも吹き飛ぶ大好きな地点。
猛者たちに追い付くために
▲ 田園の中央に伸びる農道をひたすら直進。前方にはウォーキング参加者の中でも歩行スピードの速い猛者しかいない。
▲ 「レンゲ草のピンク色が綺麗だなあ」などと何度も立ち止まるので猛者たちからどんどん離される。
▲ 赤いトラクターなんか市街地ではお目にかかれないからジーッと見つめてしまう。
▲ そうこうするうちに見慣れない交差点に来た。3年前はまだ工事中だったんじゃなかったっけな。
第2の難所は4km余計に歩く
▲ 今回のウォーキング大会はコース設定が2つあり、その分岐点に着いた。
左に進めば4km余計に歩く長距離コース。右に歩けば最短でゴールに着ける短距離コース。
まだまだ脚力が完全復活していないので、当初は短距離コースにしておこうと考えていた(短距離と言ったって9kmあるし)。
しかし分岐点に着いて気が変わった。思ったより疲れてないし、久しぶりの豊前川崎ウォークだから雪舟ロードを歩きたい。
▲ というわけで左折して長距離コースを選択。豊前川崎ウォークといえばここ、雪舟ロードは欠かせない。
なのに前方を歩いてた猛者たちはみんな右折して短距離コースに行ってしまった。なんでだよー。
▲ この雪舟ロードが豊前川崎ウォークにおける第2の難所。最初の難所は延々と上り坂が続いたのだけど、ここ雪舟ロードはひたすら平坦な道なので坂道ほどの疲労感はない。
しかし片道2km、往復4kmのコース。またしても風景が変わり映えしないから精神的に疲れてしまう。前述したが、そういう「単調な景色ばかりで心が疲れてしまう」時の対処法は、何でもいいから風景を眺めていろいろ考え事をすればいい。
あの木だけ異様に背が高いなあとか、川を魚が泳いでるけど釣れるんだろうかとか、看板には何が書かれているんだろうとか。何でもいいから注意力をあちこちに分散していけば飽きずに歩ける。場数を踏めば自然と身に付く。
▲ 雪舟ロードの横を流れてるのは「安宅川」と言うんだね、小さい川だけど1級河川なのね、と道から逸れてこういう写真を撮るだけでも気分転換になる。
▲ ペースメーカーになる人が誰もいない一人旅。自分でペース作って歩くしかない。
我も往く、心の命ずるままに
▲ 片道2kmの雪舟ロードを途中で右に逸れ、ようやく魚楽園の入口に到着。ここから少しだけ上り坂。
▲ 7km通過。川崎町の山奥にある藤江氏魚楽園(田川郡川崎町安眞木)。
重要文化財であり国指定名勝庭園なのだが、入口の外から撮ると何のことやらサッパリ分からない。庭園だから当たり前である。
ここに来るのも3回目だが、一度も中に入ったことがない。毎回長距離な豊前川崎ウォークなので、ここで休憩を入れてしまうと気力が萎えてしまいそうなのがイヤなのだ。
▲ 魚楽園の駐車場を越え、下り坂に入る。
なぜかは分からないのだが、6年前に初めてこの景色を見たときも、そして3年前もだったが、ここを歩くと脳内で谷村新司の「昴」が再生される。今年もそうだった。「ああいつの日か、誰かがこの道を」のところとか。
あの曲って夜のことを表現してる歌詞のはずだが、細かいことはいいのだ。
▲ 谷村新司を脳内でリフレインさせながら雪舟ロードの復路2km。往路と同じ道なので割愛。
第3の難所も単調な景色との闘い
▲ 9km通過。雪舟ロードの往復4kmを終えて分岐点も通過し、少し進むと芝生広場に鯉のぼり。そして何やらテント群。
▲ 「竹とり物語」という川崎町のイベントが開催されていた。
このイベントは2013年から始まり、昨年までは魚楽園の前で開催されていたが、今年からこの場所での開催に変更されたらしい。
確かに3年前(2014年)のウォーキング大会時、魚楽園を撮った写真に「竹とり物語」のゲートとテントも写ってた。あの時は意味も分からず「魚楽園の入口がリニューアルしたのか」と勘違いしてた。
▲ 各テントでは見事な竹細工の工芸品が展示されていたり、タケノコ料理も販売されていた。
▲ 川崎町農産物直売所De・愛(田川郡川崎町安眞木)。「De・愛」と「出会い」をかけている。
▲ 中元寺川の橋を越えると第3の難所が始まる。
▲ 第3の難所は(長距離コースを歩いた場合は)10km地点を通過し、イヤでも疲労感が蓄積してくる頃に、雪舟ロードよりもさらに長い約2.5kmの直線道路を延々と歩かねばならない。
ここもまた景色がほとんど変わり映えしないから「飽きずに歩く」という精神力との闘いになるのだけど、加えて体力も脚力も落ちてきてるので、長距離ウォークに慣れてない人は無理をせずゆっくりでもいいから着実に歩くほうがいい。
ちなみに6年前ウォーキング初心者だった私は、この辺りで既に体力の限界を超えており、さらには足の指に爪が刺さって血まみれになっていて、片脚を引きずり痛みをこらえながら必死の形相で歩いてた。
「ウォーキングする時は足の爪を切ろう」と学び、以後徹底するキッカケになった場所でもある。何事も経験と反省である。
▲ 延々と続く直線の途中に石碑を発見。「国鉄上山田線東川崎駅跡」と彫られている。ここには駅があって、昔は鉄道も走ってたということらしい。
ちなみに後で調べて判明したことだが、雪舟ロードも元々は国鉄・上山田線の線路が走っていた跡なんだって。今回初めて知った。
▲ そんなこんなで気を紛らわし、風景を楽しみながら2.5km歩けば役所が見えてくる。
3年経って知名度も大幅アップか
▲ 13km通過。「かわさきパン博」というイベントが開催される川崎町民会館前の農道に長蛇の列が出来ている。なんじゃこりゃ!
▲ どこが最後尾でどこが最前列なのかサッパリ分からない大行列。すげえ。
3年前にも「かわさきパン博」は開催されていたが、こんなにも客は集ってなかった。ここ川崎町だぞ? 博多や天神じゃないぞ? こんなにも大人気のイベントになったのか。うひゃー!
▲ 川崎町民会館の西側は長蛇の列で入り込む余地すらなかったが、東側は通行可能だったので進んでみた。
▲ テントがたくさん並んでいる。しかしパンを売っているわけではないみたい。
▲ 川崎町民会館の入口、すなわち「かわさきパン博」の会場入口。読みは「ぱんぱく」で、「博」という文字フォントの点部分が半濁音のマルになっている。
2012年に始まり、今年で第6回となるパン博。川崎町による町おこし企画なのだが、詳しくは新聞記事より引用する。
町観光協会などが2012年、同町で採れるリンゴやイチゴ、イチジクなどのジャムをまちおこしに生かそうと、パンの博覧会を企画。出品者には、同町産のタマネギや小松菜、ほうれん草などを使ったオリジナルパンを出すことが求められ、この日しか味わえない限定パンが魅力だ。
今年は、高級生食パンの「乃が美はなれ福岡店」(福岡市)をはじめ、カレー専門店の「瑠璃ズキッチン」(北九州市)など10店が新規出店。福岡市の「大丸福岡天神店」「JR博多シティ」ともタイアップし、両施設が選んだ計12店も出張開店する。
via:西日本新聞(2017年4月20日)
▲ 有名店舗がこの日限りの限定パンを提供してくれるのだから、パン好きにはたまらないイベントなのだろう。(私はそもそも行列に並ぶのが嫌いだからこういうイベントには縁がない)
▲ テレビ局も撮影に来ていた。そういえば3年前には綺麗なお姉さんがレポーターとして来てたっけ、と思い出す。あの女性が誰なのか現在も分からない。
おそらく毎年メディアが取材に来てニュースを流すのもあるし、この日限りの美味しいオリジナルパンを食べられるのがクチコミで年々拡散してるだろう。川崎町って(北九州に住んでる身としては)随分遠くの山奥にあるイメージなのだけど、それでもこれだけ集客力のあるイベントになったのはスゴい。継続の大切さをここでも実感。
県内外の人気パン店が川崎町に集まった「第6回かわさきパン博(ぱく)」が23日、同町町民会館と中央体育館であった。来場者は過去最多の約2万5千人(主催者発表)で、一時入場制限がされるほどにぎわった。(中略)
町観光協会などの主催。会場には、オープン前から2000人以上の列ができ、福岡市や北九州市の有名店のブースは販売開始からまもなく品切れになった。
via:西日本新聞(2017年4月24日)
▲ そういえば川崎町役場ってどこ? というのが気になり(来る度に「川崎町民会館」と「川崎町役場」を混同する)、散策してようやく正面入口を見つけた。パン博の喧噪から離れたところにあった。
最後の最後で限界到来
▲ ゴールまであと1kmを切ったところで、まず右脚のふくらはぎに違和感。すぐに今度は左脚のふくらはぎも異常発生。
両脚のふくらはぎが軽くつり始めたので、痛みに耐えきれず座り込んでしまうほど悪化しないよう無理せず立ち止まり、ふくらはぎを伸ばすストレッチを1分ほど続ける。
▲ まだちょっと違和感はあったものの、大丈夫かなと思って歩き始めた矢先にJR日田彦山線の列車が横を通過していった。
ウォーキング中に日田彦山線の列車を見られるなんてめっちゃレアケース(だって1時間に1本の運行だから)。繰り返す。めっちゃレアケース。
▲ 北九州市で毎年開催されているウォーキングイベント「無法松ツーデーマーチ」の関係者らしき人が出張してきてパンフレットを配布していた。2017年は9月23日と24日の開催だそうだ。
2012年から3年連続で40kmウォークを完歩したものの、2015年と2016年は体力気力とも不十分なため不参加となっている無法松ツーデーマーチ。今年もまだ無理かな。13km程度で足がつってるようでは勝負にならない。まだまだ鍛える必要がある。
▲ 両脚のふくらはぎに再び異変が起こらないよう慎重に歩きながらJR日田彦山線の踏切を渡る。踏切を越えたところで「脚、大丈夫だな」と感じたので歩行スピードを通常に戻す。大丈夫だったので治ったらしい。
▲ JR豊前川崎駅に戻ってきた。ここでゴール。
▲ 歩行時間は2時間37分。歩行距離は14.05km。
10km以上の距離を歩くのは今年初めてだし、昨年や一昨年もそんなに経験してないはず。それを思えばペースも最近にしては高速な部類だったし、満足はしている。
これで何事もなくゴールできていれば「だいぶ脚力が戻ってきた」「よく頑張れた」と自分を誉めてあげられたのだけど、最後の最後で脚がつっちゃったから自分を誉めるのはお預け。
それでも豊前川崎ウォークとしては全3回の中で今回が最も楽しかった。過去2回は「しんどい」「疲れた」ばかりが前面に来てたけど、今回は疲れたよりも前に楽しかったから、少しは成長してるのだろう。