火の山展望台は2016年12月31日でいったん閉館
大学入学を機に福岡県へ来て、最初に訪れた観光名所は北九州市門司区にある関門海峡でした。平安時代の源平合戦で最後の舞台となった壇ノ浦として有名だし、源義経が大好きだったんです。
大学で仲良くなった友人に連れてきてもらったのですが、その際に「門司港からの景色もいいけど、火の山からの景色もまたいいぞ」と友人に教えてもらったのが「火の山」という名前を耳にした最初です。
回数は門司港には劣りますが、対岸である山口県下関市の「火の山」にも何度か訪れたことがあります。
今回、ニュースで「火の山展望台が2016年12月31日をもって閉館する」と聞き、久々に行ってきました。
立体駐車場は逆走する車に注意
「火の山」の山頂に行く手段は「車」の他に「ロープウェイ」と「徒歩(=登山)」があります。今回は車での行き方を解説します。
国道9号線「みもすそ川」交差点から山側に曲がり、しばらくは「風波のクロスロード」と名付けられた山道を上っていきます。
ひたすら上っていくと左右の分岐。左に進むと無料駐車場の入口に行けます。右に進むと「火の山ロープウェイ・火の山駅」(=山頂側の駅)があります。
無料駐車場は立体駐車場のような形状になっており、普通車であれば276台が駐車可能だそうです。「火の山公園」や「火の山展望台」へは車を駐車してから少し歩くことになり、駐車場の屋上から歩くのが最も近いです。
なお駐車場内は一方通行になっており、入口と出口は違う場所にあります。出口はひたすら前へ前へと進み、立体駐車場の屋上付近にあるという構造。
初めて来た人には分かりづらいです。しかし、駐車場内には案内板や注意書きが幾つもあり、注意喚起がなされています。
にもかかわらず、一般的な立体駐車場と同じだと錯覚、あるいは勘違いするのか、一方通行を逆走して入口に向かい下りていく車が毎回います。
今回も5台以上、逆走してくる車がいました。逆走する車を感知すると駐車場内で警告灯を点灯させたり、「逆走しないでください」という警告音声が流れるのですが、それでも気付かないドライバーは一定数います。
高倉健さん遺作のロケ地
車を停め、立体駐車場の出口まで上ると、左側に展望台への上り坂が続いています。3分ほど歩けば山頂に着きます。
坂を登り終わるといきなり登場する大きな弾丸。
戦艦大和の弾丸だそうです。この弾丸は瀬戸内海で引き揚げられ、昭和33年(1958年)に下関市に寄贈されたと解説されています。
火の山公園山頂。福岡県からすれば関門海峡は「玄界灘(日本海)」というイメージなんですけど、山口県からすれば目の前に広がる海は「瀬戸内海」なんですよね。
山頂にある「火の山公園・回転展望台」は、老朽化により2016年12月31日(土)を持って閉館となり、新しい展望台が再建される予定とのこと。詳しくは後述します。
火の山展望台の左側にある展望デッキ付近は、2012年に劇場公開された映画『あなたへ』のロケ地として使用されました。『あなたへ』は主演の高倉健さん、そして共演した大滝秀治さんの遺作となった作品です。
上の写真の構図は、映画の中で登場します。
作品中では、主人公の男(高倉健さん)と別の場所で出会った「キャンピングカーに乗る男」(演じたのはビートたけしさん)が、後日に偶然再会した場所として火の山公園が登場します。
高倉健さんが誰かと携帯電話で話してる場面の撮影場所。
高倉健さんとビートたけしさんが2ショットで話し込んでる場面の撮影場所。
パトカーがが停車し、警官2人がやって来る場面の撮影場所。すべて現地に行けばすぐ分かります。
現状の回転展望台を最後の訪問
閉館まで残り2日となった火の山回転展望台に入ってみます。こちらの入口が展望台の3階部分。
以前は1階部分からも出入りできたように記憶してるのですが、その1階出入口は封鎖されていました。したがって出入口は現在3階のみです。
入るとすぐ正面にある売店の入口。
売店の反対側。売店も12月31日で営業終了となります。
ガラス張りの3階展望デッキ。
左が源義経、右が平知盛。これと同じ構図の銅像が火の山のふもとにある「みもすそ川公園」に建立されてます。
階段を下りて展望台2階へ。
2階は回転レストランになってます。まだ開店時間前だったのでシャッターが下りた状態。
数分後にシャッターが上がり、開店しました。この景色を眺めながら食事ができるってイイですね。
ロープウェイ駅を初訪問
火の山展望台には車で来る他にロープウェイで登る手段もあります。私は車でしか来た事がないのでロープウェイに乗ったこともなく、もっと言えばロープウェイの駅がどこにあるかも知りませんでした。
今回初めてロープウェイ駅に行ってみることにします。山頂部の案内図を見ると、地図右端の駐車場から少し上へ進んだ場所にあるみたい。
展望台から下り階段が続いています。ひたすら階段を降りていくと駅に着きます。
ロープウェイ駅が見えてきました。
ロープウェイの山頂側にある「火の山駅」。
ロープウェイが駅に向かい上ってくる写真を撮ろうと思っていたのですが、この日は運休でした。残念。
ロープウェイの乗車券売り場。運休中なので無人駅状態。
ロープウェイ乗り場はここを進んだ先にあるみたいですが、運休中なので封鎖されており、先へは入れません。
ロープウェイ駅の屋上も展望台になってると書いてあったので、上ってみました。
フェンスが低いです。高所恐怖症には少しツラい。
ロープウェイ駅の屋上から眺めた下関市の市街地。火の山展望台の展望デッキはガラス張りですが、ロープウェイ駅の屋上はガラスがないので、こっちのほうがキレイでした。
ロープウェイの「上の駅」と「下の駅」の位置関係がここからだと良く分かります。結構な高さがありますね。
下の駅のすぐそば、海沿いに「みもすそ川公園」が見えます。ウォーキング大会で何度も訪れました。
眼下の関門海峡を撮影。関門橋の向こうには我が街・北九州市の門司港レトロが広がってます。ものすごく天気が良くて超逆光だったので写真が暗くなってしまいました。
巌流島もバッチリ見えてます。
ロープウェイの駅から火の山展望台まで、このくらいの距離感です。歩いて3〜5分くらい。
ロープウェイ駅の左横に遊歩道入口があり、ここから徒歩で地上まで下りることもできます。
下関戦争の史跡もある
火の山展望台付近は江戸時代末期、いわゆる幕末に長州藩がアメリカやイギリスなど四国連合艦隊と戦った「下関戦争(馬関戦争)」の史跡もあります。火の山公園って観光名所としてなかなか「盛り沢山」なんですよ。
第4砲台の跡で、山の頂上部に司令室や観測所があったようです。
司令室跡の反対側。
司令室跡の中に入ることもできます。身長184センチの私だと、少し天井が低くて圧迫感がありました。
司令室の天井部分。こちらは観測所だったようです。
ここに砲台が設置されてたということなのかな。
近くの案内板に当時の砲台の写真が載っていました。
砲台跡の近くに山頂の案内板。標高268.2メートル。
現在は木や草が生い茂っていてあまり見えないのですが、眼下には関門海峡と瀬戸内海が広がってます。尊皇攘夷に燃える長州藩士たちは、この山頂から海を進む戦艦に狙いを定めて大砲を撃っていたのでしょう。
新しい展望台は2019年3月以降にオープン予定
1973年にオープンした火の山展望台は、老朽化に伴い2016年12月31日(土)をもって閉館となります。
最終日となる12月31日(土)は、午後6時に売店、午後9時にはレストランの営業が終了し、午後10時には展望台全体が閉館となります。
翌2017年1月1日のみ、午前5時から正午まで初日の出を見るための来客者に対応するため、展望台の3階展望デッキのみが臨時開館となります。なお3階展望デッキ内にある売店は12月31日で営業終了するので元旦は営業しません。
正午には閉館となるため、1月1日の午前中が現在の展望台に入る最後のチャンス。1月2日以降は立入禁止となります。
現在3階建ての火の山展望台は閉館後にいったん解体され、新たに4階建ての展望台が建築される、とのことです。1階がエントランス、2階が多目的スペース(結婚式やイベントに利用できるそうです)、3階が展望レストラン、4階がカフェ併設の展望ホール、そして屋上にも展望台が設けられるとのこと。
なお、新しい展望台のリニューアルオープンは2019年3月以降を予定しているそうです。
まとめ
展望台はいったん閉館しますが、他の展望エリア(たとえば今回紹介したロープウェイ駅など)が封鎖されるわけではないはずなので、今後も山頂からの絶景は堪能できると思います。ただ展望台周辺は(建設作業のため)近寄れないでしょうけどね。
北九州の門司側「めかり公園展望台」からの景色も絶品ですが、対岸である火の山展望台からの景色もまた格別です。門司と下関の両方から関門海峡の景色を見比べてみるのも良いですよ。