新年度の初戦は寝坊から始まった
2月からウォーキング大会の「早春編」ってのが始まり、門松編と新飯塚編の2回だけ参加したのだが、その早春編は前回の新飯塚編が最後。
そして月が変わり3月となり、この日から2012年度のウォーキング大会が始まった。「春~初夏編」だって。
昨年の4月からウォーキング大会に参加するようになり、5月や6月も各コースを歩いたけど、初夏というより猛暑の日が多かったもんなー。熱中症には十分注意しながら歩かなければ。
さて、新年度の初戦は雨模様。猛暑とは真逆で気温も低い。
その寒さのせいで暖かな布団があまりにも心地よく、寝坊してしまった。
大慌ててで支度を済ませ、車を飛ばして最寄駅に到着。駐車場から全速力で走り、間一髪ギリギリで間に合った。
何と言っても今回のスタート地点、JR採銅所駅に行ける電車の本数が1時間に1~2本という少なさ。乗りたい便を逃すと1時間くらい待つハメになる。大慌てで家を出たので、時間を潰すための本なども一切持っていない。iPhoneはあるけれど使い過ぎて電池がなくなるのも困る。
電車に間に合い、席にも座れて、窓の外で流れる風景を楽しみながら移動。
目的地のJR採銅所駅は日田彦山線という路線にある駅。日田彦山線を利用したのは、昨年の豊前川崎編以来、今回で2回目。
そういえば豊前川崎編の時も、1時間に1本しかない電車の時刻が気になって仕方がなく、脚を引きずって出血までしながら必死に歩いたのを思い出した。
到着した時点では、まだそれほど雨は強くなかった。ホーム間を移動する際の階段がなく、線路の上を横断して改札出口に向かう方式。
電車の本数が少ないと、それだけウォーキング参加者が同じ電車に集中するということになる。改札口を抜けるとすぐ出口という狭い駅舎だったが、受付を待つ人の数がとんでもないことになってた。
駅前にドーンと立っていた香春町の観光案内版。
なかなか撮影ポイントがない前半戦
駅前の下り坂を下りてすぐ右折。
右折してすぐのところにあった古宮八幡神社。今回のコースには含まれていなかったので立ち寄らず通過したのだが、けっこう階段長そう。
福岡県田川郡香春町大字採銅所2611
国道322号線ではなく山側の狭い道路を延々と歩く。国道方面が見下ろせるのだが、天候が悪くモヤがかかっていてよく見えない。向こうに見える山の名は障子ヶ岳というらしい。
今回、スタート直後も下り坂だったのだが、延々と続く直線道路も下りが多くて、精神的にも体力的にも大変ラクチンな前半だった。いつもならスタートしてすぐ上らせることが多く、これがなかなかハードなのだ。
それにしても、景色が変わり映えしないし、雨と風が強くてなかなかカメラを手に取れず、しかもカメラが壊れているので(自動で開くファインダーが途中で止まり、ガンガン叩くなどして衝撃を与えないと開かない)、写真を撮るタイミングが全然つかめない。写真を撮れない分、歩くことには集中できた。下り坂でスピードが出せるから、猛烈な戦闘モードでビュンビュン飛ばして歩いてた。
「宮原」交差点で国道322号線を横断し、川の反対側に渡る。
交差点のすぐ横にあった橋に書かれていた。「障子ヶ岳宮原登山口 70分」って遠いな!
右に見える国道322号線ではなく、川の左側にある道路が今回のコース。橋を渡って左折。
六十尺鉄橋が見えてきた。
日田彦山線で今も現役の、六十尺鉄橋。今回私が乗った電車もこの鉄橋を通ったことになる(乗ってる時は気付かなかったけど)。
橋げたの長さが60尺(18メートル)。大正4年(1915年)に完成したというから、もうすぐ1世紀になる歴史のある橋。
六十尺鉄橋の下をくぐり、しばらく進むと上り坂が始まった。いよいよ来たか、と思ったらすぐ下り坂に。近くの市街地を抜けていく。
神宮院に行けなかった
再び国道322号線を横断すると、直進する山道が簡易ゲートで封鎖されている。その前にはウォーキング大会とは違う恰好をした誘導員が2名。しかしウォーキングの進行方向を示す矢印マークは、封鎖された山道の方を直進となっている。
「ウォーキングは、この道を入っていいんですか?」と聞くと「はい、どうぞ」と誘導員。
後で分かったが、山道の上がお祭り会場になっていて、通行証のような類の何かを持ってない車両は通行させたらダメだったらしく、それで封鎖していたみたい。
封鎖ゲートを超えてすぐ見つけた看板。登山する訳じゃないし大丈夫なんだよね?
車が離合するには狭い車道を上って行く。
高座石寺に到着。写真には写っていないが、ウォーキングの案内板は「ここで折り返し」と書かれていた。この案内板を最初に見てしまったのが失敗の原因になった。
緩やかな坂なのだが、敷き詰められた石がツルツルで、雨に濡れてスベりまくる。上る時も下る時も何度かコケそうになった。危ない。
階段を上ると本堂があった。
立派な庭園や小さなお堂もあったり。
鐘もあった。大晦日は賑わうのかな。
この日は梅まつりという地元の祭りがここで開催されるらしく、送迎用のシャトルバスも運行されていたりして、大勢の人が来ていた。
しかし今になって理解できないのは、ここにウォーキングの係員が一人もいなかったこと。
祭りの警備員はいたけど、ウォーキング係員の制服を着ている人は一人も見当たらなかった。
上の写真にあるテントをさらに山の方へ進めば、神宮院という神社があったらしい。それは帰宅してコースマップとGoogle地図を見てようやく気付いた。
神宮院は今回のウォーキングコースに含まれている。だけど私はその時コースマップを見ていなかった。雨風が強くてコースマップなんか持ってられなかったのだ。
しかも高座石寺のところで「折り返し」というウォーキングの案内板まであった。
高座石寺の次、その奥に神宮院という神社があるよってのを事前に頭の中へ叩き込んでいたら、あるいは高座石寺を出た直後にその場でコースマップを確認していたら、次に神宮院に行くんだと気付いただろうし、誰かに道を尋ねて問題なく行けてたと思う。だからチェックしてない私が悪い。それは分かる。
でも係員が一人もいないってのは、おかしいと思うよ。
何度もしつこくて悪いが、「折り返し」って案内板に書いてたじゃないか。しかも祭りの警備員に「ウォーキングはここで折り返すんですよね?」と確認したら「はい」って言ったし。そりゃ警備員はコース知らないかもしれないから「はい」って言うのは仕方ないし責められない。でもその言葉で私は神宮院に寄ることなく坂を下りちゃった。
案内板や誘導員がキチンとしてるコースは、コースマップを一切見なくても道を間違えたり迷うこともなくゴールまで問題なくたどり着ける。でも時々、参加者を惑わすコース設定だったり、案内板や誘導員配置の不備・不足が目につくコースもある。今までこのブログでウォーキングの記事を読んでくださってる方であれば、コースマップをその場でチェックしなかったせいで過去にも幾つかのコースでいろんな失敗をくり返していたことを判って頂けると思う。
今回のコースでいえば「コースマップを見れば高座石寺の奥に神宮院ってハッキリ書いてるからサルでも分かるっしょ」ってな感じで係員を一切配備しなかったのかもしれないが、それは不親切だと本気で私は思うよ。神宮院に立ち寄れなかったヤツ当たりってのもあるけど。
毎度毎度、どこか目的地に着いたらその都度コースマップをチェックしないと、また今回みたいな失敗になっちゃうんだろうな。でもね、悪天候で雨も風も強くて、傘を必死で支えて、もう片方の手にカメラ持ってたら、コースマップなんてそんな度々チェック出来ないよ。いちいち立ち止まって雨の中でコースマップを取り出す作業は予想以上に大変なんだから。
でも結局はコースマップを見て歩きなさいってことなんだろうな。対策を考えなきゃいけない。カメラを首からヒモで吊るすとかね。
小倉街道には寺社や史跡がたくさんある
前述の通り、神宮院のことなど知らない私は坂を下りる。
坂を下りて右折すると小倉街道に入る。道の至るところに「小倉街道」と書かれた黄色のノボリが立っていた。ここもきっと昔からの歴史ある街道なんだろうなーと考えながら歩いてたんだけど、後でネットで調べると「秋月街道」とか「香春街道」とかいろいろ書かれていて、小倉街道の歴史がよく分からない。
写真を撮ったはいいけど、神社の名前が分からない。後で地図見て調べれば分かるだろ、と思ってたのだが、小倉街道周辺は地図を調べても寺社の名前が全然表示されない。
鳥居のすぐ横に万葉集の歌碑があった。この句で検索したら、ここは須佐神社という名前かもしれないことが判った。
役場の跡地。今は何かの店舗があった。
香春藩庁跡。今は一般の民家になってるのかな?
西念寺。曲がり角のところにあった。
福岡県の指定文化財となっている大樟があるところ。伊能忠敬が地図の測量中にここで泊まった、みたいな記念碑もあった。
これが大樟。近くで見るとすごく立派な樹だったのだけど、うまく写真に撮れなかった。何度かトライしたけど雨風が強すぎてカメラはビショ濡れになるし、カサは飛ばされそうになるしで。
浄妙寺。親鸞上人の像があった。
すぐお隣りの善龍寺。この一帯は寺社が集中している。
小倉街道が終わり、国道322号線に再び出てきた。
歩道橋を使い、国道322号線と国道201号線を連続して横断する。歩道橋の上から南向きの写真だけは撮影できたのだが、反対の北向きの写真は、あまりに雨風が強すぎて撮影どころかそっちを見ることすら出来なかった。
香春町役場。ロータリー前の銅像は秋元近嘉という人。小中学校建設や整備にかかる資金の寄付など、香春町に多大なる貢献をされた方らしい。
香春町体育センターと、生涯学習センターの「フレッシュワークかわら」。この一帯から建物が近代的になってくる。
香春町町民センター。裏手には石棺墓を再現したものがあった。今にして思えば、ここでノンビリ写真撮ってる場合じゃなかった。
私が初めて香春町に来たのはずいぶん昔のことだけど、ビックリしたのが太平洋セメントの巨大な施設群。最初見たとき、軍事ロボットを造る秘密基地か何かだと思った。でもここは2004年に閉鎖されてしまったらしい。もう8年ほど放置されてるということか。香春町のシンボル的存在だったのに。
とか言ってたら、いつの間にかゴールのJR香春駅に着いちゃった。今回は距離も短かったし、上り坂で苦しむ時間帯もほとんどなかったし、写真撮る回数も少なめだったし、なんとも呆気なかった。
JRを利用してきて、こんなに悲しかったことはない
JR香春駅の駅舎はめちゃくちゃ狭い。
ここに、ウォーキングを終了してゴール受付をする人、受付が済んで切符を買おうとする人、ウォーキングとは関係ない一般の利用者、いろんな人が集結しちゃったものだから、駅の入口から駅舎の中に至るまで、完全に「押しくらマンジュウ」状態となってしまい、しばらく身動きが取れなくなった。
記事の先頭でも書いたが、採銅所駅や香春駅を走る日田彦山線という路線は1時間に1本~2本ほどしか運行していない。だから、1本電車に乗り遅れると、運が良くて30分、最悪1時間は駅でボーっと待たなければならない。
そういうのはイヤだから、私は事前に電車の時刻表を調べておいた。
私が乗ろうとしていた電車は10時40分に香春駅を出発する電車。ウォーキングをスタートするのが9時前くらいになるのが事前に判っていたので、さすがに2時間もあればゴールできるだろうと予想していたから。10時40分に乗り遅れた場合、次は11時台。30分以上待たなければならない。
なので10時40分には絶対間に合わせるぞ!というのが必須事項だった。だから今回かなり戦闘モードで歩いたのだ。
ところが、予定よりも大幅に早くゴールしてしまった。もしかして、10時40分よりも1本早い電車に乗れちゃうんじゃないの?
ゴール受付を済ませ、駅員に行先を告げて切符を購入する(ここは小さな駅なので自動発券機もなければ、SUGOCAなどのICカードも使えないので対面で購入するしかないのだ。
切符をもらう際、駅員に聞いてみた。「次の電車は何時何分ですか?」
駅員、無表情で無感情な声音でボソッとつぶやいた。
「10時04分。いま来たよ。あっちのホーム」
え?
見ると、向こう側のホームに今まさに電車が到着したところ。
大慌てで改札をくぐり、手前のホームから向こうのホームに移動しようとするが、ホームからホームへ移動する階段、タラップっていうの? あれがどこにもない!
初めての駅だから移動方法が全然分からない。地下道があるとか?
あ!もしや、スタートの採銅所駅と一緒で、線路の上を歩いて横断するパターンか?
電車から降りた人々がホームの端へと移動している。そこには、やっぱり線路上に歩道が。
やっと判った私は、傘も差さずに大雨の中をダッシュ! 線路を横断して、やっと電車に到着。危なかったー!
乗り込もうと思った瞬間、電車のドアがプッシューと閉まった。
は? いやいやちょっと待ってよ。ここに乗ろうとしてる人いるじゃん。
またドアを開けてくれるよね? っていう微かな期待をガン無視して、電車はそのまま走り去って行った。
走り去る電車の中にいた若い女性乗客が、ズブ濡れで立ち尽くす私を見て爆笑してた。人の傷口に大喜びで塩を塗るかのような残酷な笑顔だった。
結局、次の10時40分発まで35分、雨の中で待つハメになった。
時間が余ったので何枚か駅の写真を撮った。それで説明しよう。
名付けて、「JR香春駅で向こうのホームに迷わず行くための秘密を教えちゃうぞっ!」
おそらく活用してくれそうな人は世界中に一人もいないと思うけど。
改札を抜けて、手前のホームを迷わず左に進むと、写真のように線路上を渡る歩道がある。遮断機はない。勝手に渡れということらしい。この写真を撮った場所は改札から半分くらい進んだところなので、実際は改札からけっこう遠い場所に横断用の歩道がある。
横断用の歩道から見たらこんな感じ。線路の右側、一番遠くに写ってる建物が改札。線路の左側に白い屋根が見えるが、あそこの手前に電車が停まるのだ。改札から1分で間に合うわけねえじゃん。遠いし、全速で6km以上を歩いてきた直後に猛ダッシュする体力なんか残ってない。
これがその白い屋根。写真を見ての通り、屋根の下も横殴りの雨のせいでビショビショ。当然ながらベンチもビショ濡れなので座ることも出来ず、私はここで立ったまま35分待った。駅舎に戻れば雨に濡れなくて済むけど、人が多すぎてイライラしそうだから行かなかった。
教訓。香春駅で向こう側のホームに行きたい時は、
左だ!走れ!線路を渡れ!振り返るな!
無慈悲に走り去って行った電車の方角。
元シンボル。
おそらく一生忘れない思い出をこしらえてくれた駅名。
ウォーキング最後の方、少し観光モードになってしまって、銅像とか再現遺跡とか、あれ撮ってなかったらきっと間に合ってたんだよな。あと3分、いやあと1分早ければ。雨の中で延々と後悔してた。
朝、寝坊して大慌てで家を出たから本などヒマ潰しのものが何もない。iPhoneはあったけど充電用のエネループを忘れたので電池切れが怖くて使えない。何もすることなく35分間のスタンディング。最後は固まって地蔵にでもなってしまうかと思った。元セメントの町だけに。(ウマイこと言ったつもり)
身体の芯から冷え切ってしまい、途中からブルブル震えてヤバかった。やっと電車が到着し、暖房の効いた車両に乗り込んだけど震えが止まらず、家に帰って1時間ほど熱い風呂に入って、なんとか震えは止まった。
でも、これ書いてるのは2日後なんだけど、熱が少しある。明らかに風邪引いた。
日田彦山線は他の路線と違って不便なので、もし今後も利用することがあるなら、3~4本分くらいの時刻表を把握してから臨もう。
今回のコースをiPhoneアプリ「Walkmeter GPS」で計測した結果。
歩行時間は1時間11分。歩行距離は6.7km(四捨五入)。
平均歩行ペースは1kmあたり10.38分。今回戦闘モードが多かったので、もっと速いかと思ってたが、残念ながら10分台は個人的には平凡なフツーの歩行ペース。
コースマップによれば、コース全長は7.5kmとのことだった。だから10時ちょうどにゴールするなんて想像もしてなかったのだけど、神宮院に行けなかったことで距離がそれだけ短くなったってことかな。かえすがえすも残念。
ウォーキングで使用したiPhoneアプリ
今回のコースマップ
より大きな地図で ウォーキング採銅所編 を表示