北九州市八幡西区にあるJR折尾駅。2012年に旧駅舎のさよならイベントが開催されて以降、10年以上の歳月をかけて駅舎および駅周辺の再開発工事がおこなわれています。
2021年1月には新駅舎が完成・開業し、2023年4月には北口のロータリーや駅前広場が完成。2023年6月には完成記念イベントが開催されました。
華々しくお披露目された北口ですが、一方で高架の反対側、旧駅舎時代には「正面玄関」だった東口、さらには西口や鷹見口といった「かつての改札口」は現在どうなっているのか。
2023年6月時点での工事進捗を、現地で撮影した写真付きで紹介します。
折尾駅・旧東口、2023年6月現在の様子
東口改札口の跡地はそれほど変化なし
折尾駅の旧東口。旧東口の改札口が解体・撤去されてからしばらく、上の写真に写っている範囲で大きな景色の変化はありません。
ロータリー中央には車が数台ほど停められる駐車場が現在もあります。20分まで無料で、以降は1時間200円。これは北口のロータリー駐車場と同じ料金設定です。
他にはタクシーの待機所が数台分あるだけ。こちら旧東口でタクシーを見ることは少なくなりました。
東筑高校や折尾高校など、東口が近いため登下校に利用する一部学校の生徒さんたちを除けば、いま東口を利用する人はあまり多くないように感じます。なのでタクシーも東口よりは北口に行くのでしょう。
現在の新駅舎では北口が正面玄関ともいえますが、かつて旧駅舎だった頃は、こちら東口が正面玄関でした。左端には「白石書店」も写っていますね。
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折尾駅北口新広場の工事が完了、「おかえり折尾駅」イベント会場に行ってきた
再開発工事が進む北九州市八幡西区のJR折尾駅。駅舎や駅前広場の工事が完了し、2023年6月に完成記念式典イベントが開催されました。2023年6月時点での折尾駅周辺の様子を写真付きで紹介しています。
折尾駅・旧駅舎の解体工事と前後して、東口にはプレハブの簡易的な改札口が設けられました。
2021年に新駅舎が開業した後、東口の改札口は解体・撤去されています。
白石書店が解体された
東口の直近での変化といえば、まず白石書店の店舗が解体されました。
2022年8月に東口を訪れた時点では、白石書店はまだ存在していました。
前回の訪問時(=2023年2月)、すでに白石書店は解体されていたと記憶しています。
新々堀川沿いの飲食店街は変化なし
新々堀川沿いの飲食店街も再開発によりいずれは撤去・解体されると発表されていますが、現時点で特に大きな変化はありません。
小耳に挟んだ情報では、再開発の工事により飲食店街が解体された後、この新々堀川にフタをするように、川の上をふさいで平面とする工事が将来おこなわれるそうです。川は埋め立てられるわけではなく、平面の下を流れるようになるのだとか。
つまり、折尾駅近くの新々堀川は視界から消えることになるようです。正式な情報ではないので真偽のほどは不明ですが、確かにあり得ない話ではないと思っています。
オリオンプラザのビル跡は完全に消滅した
かつて「丸和」や「東進学習塾」などが入居していた商業ビル「オリオンプラザ」の跡地は変化がありました。
鷹見口の閉鎖以降、オリオンプラザ跡地の周囲は工事のため白く高い壁に覆われ、隙間からチラッと覗く程度しか中を見ることはできませんでした。
今回の訪問時(=2023年6月)、その白く高い壁は撤去されており、久しぶりにオリオンプラザ跡地の全貌を眺めることができるようになっていました。
白い壁は消えましたが、まだ周囲は杭と鉄線で仕切られており、跡地の中に侵入することはできません。
上の写真だと右側のほうにあった、オリオンプラザのビルで最後まで残されていた一部が完全に消滅していました。
オリオンプラザのビルは解体された後も、なぜかビルの一部だけがしばらく跡地の一角に残されたままとなっていたのです。
以前は上の写真のように、線路に近いビルの一部分だけが残された状態になっていました。なぜこの部分だけが残されていたのか理由が分からず、謎のままでした。
- 線路に近いため、レール撤去作業が完了するまではビルを残している説
- 誰かが生活を続けている(=住んでいる)説
- 何か貴重な資料などが残されていて、その引っ越しが遅れている説
- 再開発前の遺構として、記念碑的に残している説
いろ〜んな説を聞きました。どれが本当なのか(それとも全部ウソなのか)は今も分かりません。分からないまま最後の一角は消えてしまいました。何だったんだろう。
再開発の前にレールが敷かれていたJR福北ゆたか線の旧線路があった場所。こちらは直方・中間方面に向かう線路でした。
レールが撤去された後は景色に変化ありません。雑草が増えてきています。
こちらは北東側。黒崎・小倉方面へと向かう線路でした。写真中央付近には鷹見口の駅舎がありました。今は解体されています。
線路跡の左側にずっと残っていたオリオンプラザの一部。それが遂に消滅し、見ていてなんだか不思議な感覚でした。
ちなみに、オリオンプラザのビルが残っていた頃は上の写真のような景色でした。
東口の駐輪場も現在は消滅
旧東口の踏切跡近く駐車場があるのですが、現在は工事車両の専用駐車場という扱いになっており、一般車両は利用できなくなっていました。
上の写真は2023年2月に撮影したものですが、今回(=2023年6月)もまだ一般車両は駐車できないことを確認しています。
旧東口の踏切跡をこえて右側にある「ねじりまんぽ」という鉄道遺構。かつては西鉄・北九州線という路線が橋梁の上を走っていました。
西鉄・北九州線の廃線後、駅舎や線路などは解体・撤去され、この「ねじりまんぽ」だけが残されています。
折尾駅の再開発で旧東口の工事が進むと、この「ねじりまんぽ」も解体・撤去されてしまうんでしょうね。とても寂しいです。
「ねじりまんぽ」のすぐ横には坂道があり、坂を上った先は前述した西鉄・北九州線の線路跡で、近年はJR折尾駅・東口の駐輪場が設置されていました。
坂の上にあった旧東口の駐輪場は、2023年2月に訪問した際、解体工事の真っ最中でした。
今回(=2023年6月)は確認していませんが、おそらく駐輪場を思わせるものは完全に消滅したと思われます。
折尾駅・旧鷹見口、2023年6月現在の様子
「えきマチ1丁目折尾」の工事進捗がよく分かる
鷹見口の跡地に侵入することは今も不可能なので、駅舎跡の外にある一般道を歩いて接近します。
2023年2月に訪問したとき、鷹見口の跡地やオリオンプラザ跡地は工事の真っ最中で、重機によって掘り起こされた茶色の土がむき出しになっていました。
今回(=2023年6月)の訪問で確認したところ、鷹見口のホームがあった場所は、ホームの一部だけが今も残されており、鉄道レールがあった場所はキレイに整地されていました。
また、向こうの鹿児島本線・高架下では、2023年秋にオープン予定と発表された「えきマチ1丁目折尾」の一部が現在工事中だということも分かります。
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折尾駅高架下「えきマチ1丁目折尾」、開業は2023年9月29日
折尾駅北口の高架下に建設中の「えきマチ1丁目折尾」は、オープンが2023年9月29日であることが正式発表されました。2023年6月現在の工事進捗を写真で紹介すると共に、入店が発表されたお店を紹介します。
上の写真が4ヶ月前、2023年2月に同じ場所で撮影した写真です。まだ土が山盛りになっており、整地もされていません。
上の写真で気付いたのですが、向こう側にある鹿児島本線の高架下はまだ大半が空洞のままです。
つまり、2023年2月の時点では「えきマチ1丁目折尾」の工事がほとんど開始されていなかった、ということが分かりました。
消滅してしまったホーム間の連絡路が懐かしい
ここは以前、鷹見口ホームの端、もっとも駅舎寄りだった場所です。ホーム間を結ぶ連絡路がありました。
これがその「ホーム間を結ぶ連絡路」です。1年前、鷹見口が閉鎖される前日に撮影したものです。
どちらかの方面から列車が近付くと、この連絡路には遮断機が下りて、反対側ホームに移動することはできませんでした。
2022年3月、鷹見口が閉鎖される前日に駅舎やホームや線路を撮影しながら、「近い将来、これらの景色は全部消えちゃうんだろうな、その時になって初めて寂しいと感じるのだろうな」と思ったものです。
そして1年経ち、実際に鷹見口の全てが消滅した現在、やっぱり寂しいですね。
利用していた頃は「鷹見口、不便すぎる!」「こんなに不親切な駅があるか!」と文句を言ってばかりだったんですけどね。
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折尾駅・鷹見口が遂に閉鎖。最終日に現地を散策(2022年3月)
JR折尾駅の別駅舎として利用されていた鷹見口が2022年3月11日をもって廃止。たまたま前日に折尾駅へ行ったので、鷹見口周辺を散策してきました。
鷹見口跡地は施設ではなく道路になる?
旧鷹見口の駅舎があった辺り。こちらも2023年2月の時点では土砂の山が連なっている状態でした。また、高架下の店舗工事もまだ始まっていないのが分かります。
ほぼ同じ位置から同様の構図で今回(=2023年6月)撮影したものです。土砂の山は消え、キレイに整地されています。また、高架下には工事中と思われる店舗がズラリと並んでいます。
まだ工事中でワチャワチャしていた頃、鷹見口の跡地にはどんな施設が建つのだろうか、と想像していました。
しかし今回、キレイに整地された跡地を見て、さらには「えきマチ1丁目折尾」の店舗群が高架下に建設されているのを見て、この跡地の再利用方法は、施設を建設するのではなく、道路を作るのかな、と思い始めました。
「えきマチ1丁目折尾」の駐車場が整備されるのか、あるいは将来的に建設される南口のバスターミナルのため、ここにはバスの出入り用に専用車道が構築されるのかもしれない。そんなことを想像しています。
どうなるか判明するのは、もう少し時間がかかりそうです。また訪問して確認しようと思います。
折尾駅・旧西口、2023年6月現在の様子
消滅した鷹見口に今も誘導している案内板
最後に折尾駅・旧西口の現在の様子を紹介します。
結論から先に言うと、ここ1年でほとんど何も変化していません。
折尾駅・西口の改札口は既に解体され、現在は旧東口へと繋がる通路が開通しています。
柵には「JR折尾駅・鷹見口のりば」の案内板が今も設置されています。鷹見口が廃止となった後なのか、案内板に書かれた「鷹見口」の文字を消そうとした痕跡が見受けられます。
トライしてみたけど簡単には消えなくてあきらめたのか、鷹見口の文字は少しかすれた程度で今も生き続けています。
というか、あきらめるのが早すぎるだろ。鷹見口がそのまんま読めるやん。もうちょっと頑張って欲しかった。
旧西口は改札口だけでなく、旧東口や旧鷹見口と同じように鉄道のレールも撤去されています。
鉄道レールの両脇にあったホーム跡は今も残ったまま。しかし、ホームに設置されていた屋根は撤去されています。
将来的には「南側広場」が整備される予定
北九州市が策定した「折尾駅前広場の整備について」という資料に掲載されている図によれば、すでに工事が完了して完成記念イベントも開催された北口の「駅舎前広場」と「学園大通り広場」の他にもうひとつ、高架の南側に「南側広場」という記載があります。
旧東口・旧鷹見口・旧西口は将来的に統合されて「折尾駅南口」となり、以前に東口だったエリアをメインにしてバスターミナルが建設されると聞いていますが、図はまさにそのとおりの設計となっています。
また上の図から分かることは、以前に白石書店があった辺りや、上の写真で中途半端に鷹見口の文字を消そうとした案内板がある辺り(=旧西口の改札口跡)が「南側広場」として整備される、ということになります。
ただし、今回引用した北九州市の資料は2019年12月に策定されたものです。つまり今から4年も前の話なので、現在は大なり小なり都市整備計画が変更されている可能性もあります。
このあたりの情報も公式にリリースされ次第、今後もブログで紹介していくつもりです。