アーケード商店街「中本町あやめ通り」から飛幡八幡宮へ
今回のスタート地点はJR戸畑駅。
数十年前と比較すると、戸畑駅は駅舎も駅前も発展し、大きく変わった。
駅前には大きなロータリーができ、イオン戸畑ショッピングセンターやニトリなどの商業施設が隣接、さらに駅東側には市の公共施設「ウェルとばた」が2002年に開館した。
戸畑駅の南東に位置する「中本町あやめ通り」。アーケードが設置され、この周辺では最も大きな商店街。
商店街の入口は、「汐井町公園横」交差点のすぐ近く(=1つ前の写真)のほか、「ウェルとばた」交差点から東へ直進したところにも別の入口がある。
商店街を抜け、「中本町第一」交差点へ。前方遠くに飛幡八幡宮があり、中本町あやめ通りとは1本の直線道路で繋がっている。
福津市の宮地嶽神社で有名になった「光の道」もそうだが、古くからの寺社町によくある「お寺や神社から一直線の道が伸びている風景」が大好き。その場にしばし静止して眺めたり、写真を撮りまくったりする。ウォーキングを趣味にしてから特にその傾向が顕著になった。
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5年ぶりの宮地嶽神社や光の道に安心感、海岸前住宅街の発展に驚く
2022年5月、福岡県福津市を歩いてきました。(JR福間駅→宮地嶽神社→津屋崎千軒なごみ→福間海岸→福間海浜公園→JR福間駅)
2022年の戸畑祇園大山笠は開催決定から一転、中止に
一直線の道を歩いて、飛幡八幡宮の入口に到着。
飛幡八幡宮の祭事「戸畑祇園大山笠」は毎年7月に開催され、「福岡県・夏の三大祭り」の1つもである。(あと2つは「博多祇園山笠」と「小倉祇園太鼓」)
国の重要無形民俗文化財に指定されており、2016年にはユネスコの無形文化遺産にも登録された。
戸畑祇園大山笠の「競演会」は、市立図書館の前にある「浅生1号公園」でおこなわれる。
同じく浅生1号公園に隣接している戸畑区役所。役所施設の上にあたる屋外は、戸畑祇園大山笠競演会の開催時には有料観覧席となるよう階段のような構造になっている。
2020年と2021年、新型コロナウィルスの影響により戸畑祇園大山笠は中止となったが、今年2022年は3年ぶりに開催となることが発表されていた。
ところが6月になり一転、最大の見どころである戸畑祇園大山笠競演会が中止になったと発表された。落胆した区民・市民も多いのではないだろうか。
中止の理由については致し方ないかなとも思う。確かに夏場のマスク着用は大変だし、担ぎ手が密着しなければならないのに距離を取るというのは無理がある。新型コロナ感染対策を主眼におけば致し方なしか、と。
ただ、同じ条件のお祭り「博多祇園山笠」は今年、3年ぶりの開催が決定しているのだ。現時点で準備が着々と進められている様子がニュースなどで報道されている。
戸畑の祇園もどうにかならなかったのか。櫛田神社がOKなのに飛幡八幡宮がNGなのは何故だ。どうして当初は「開催決定」としたのか、などなど正直少しモヤモヤはする。
夜宮公園の「とばた菖蒲まつり」は3年ぶり開催
「夜宮」交差点を左折して、「なんじゃもんじゃ通り」という道を東へ進む。すごいネーミングだ。
名前の由来は、道路沿いに植えられている「ヒトツバタゴ」という木が別名「なんじゃもんじゃ」と言うのだそうだ。
天籟寺小学校に沿った細い道路上にある「夜宮の大珪化木」。国指定の天然記念物ということで、初めて立ち寄ってみた。
道路に案内はあるものの分かりづらく、道を間違えてしまった。正しくは「天籟寺小学校横」交差点の信号から南側に曲がり(夜宮交差点から来た場合は右折)、50メートルほど進んだ場所にある。
「珪化木(けいかぼく)」とは要するに「植物の化石」のこと。実際の化石は案内板の向こう側にある。撮影はしたが意味不明な写真になったので載せない。
夜宮公園に到着。夜宮池にはたくさんの菖蒲が咲いていた。
こちら夜宮公園で毎年6月に開催されている「とばた菖蒲まつり」2019年までは2日間の日程で開催されていたが、2020年と2021年は新型コロナウィルスの影響により中止となり、今年2022年は3年ぶりの開催となった。ただし1日間だけの開催となっている(2022年は6月5日のみ)。
夜宮公園の中を西から東へ横断しようとしたのだが、道の造りが分からず何度か方角を間違え、完全に道に迷った。しばらく歩いたら地上に出た。
夜宮公園の東の外れにある国指定の重要文化財「旧松本家住宅」。九州工業大学の創立者のひとり、松本健次郎が生活していた邸宅。
現在は「西日本工業倶楽部」という名称で、結婚式や披露宴の会場として使用することができる。
会社員時代、仲の良かった先輩がここで結婚式と披露宴をあげ、参列したことがある。披露宴では僭越ながらギターの弾き語りをした。
懐かしいな。先輩元気かな。今では先輩にも自分にも成人した子供がいる。
九州工業大学のキャンパスに迷い込む
夜宮公園を抜け、進路を北へ。九州工業大学のキャンパスに隣接した道を歩くつもりだったのだが、どこかで道を間違えたのか、訳が分からない風景の中を歩いて行く。
左にはグラウンドらしき広い場所。右には団地のような住宅群。地図で確認してもここがどこなのか全く分からない。
北に行きたかったのに、森の小道は西へと進んでいく。方向感覚も分からず、再び完全に道に迷う。
森のような小道を進み、ようやく整備された道に出たと思ったら、どう見ても明らかに「大学の施設」みたいな建物が目の前にある。
大学のキャンパスを歩くつもりは全然なかったのだが、どう進めばキャンパスの外に出られるのかも分からない。
スマホでGoogleマップを何度も確認したのだが、現在地こそ分かるものの、先の道まで表示されないから大変困った。「とにかく北だ」と思いながら北へ行ったり西へ行ったりと錯綜する。
「大学生協」って書いてるやん。完全にキャンパスの中やん。
ちなみに九州工業大学のキャンパス内に来たのは今回が初めて。土地勘は全くない。
北へ北へと進み、ようやく正門に着いた。お邪魔しました。
意図せずキャンパスの中を散策してしまう格好となったが、大学キャンパスって良いなと思った。中学や高校とは違う、独特の解放感がある。自分の大学時代を少し思い出した。
地元の人もよく知らない商店街
九州工業大学の正門を抜けてすぐ目の前にある「九州工大前」交差点。前方には「九工大前通り」と書かれた案内板。さらにはJR九工大前駅にも行けるらしい。
ということで直進。
九州工業大学のすぐ近くに「工大前商店街」という通りがあるはずなのだが、案内板には「九工大前通り」と書かれていた。お店が幾つか連なったりもしているのだが、商店街という雰囲気ではない。
歩きながら周囲をチェックしたが、どこにも商店街の明記がない。ここは「工大前商店街」で良いのか? 違うのであれば、「工大前商店街」はどこにあるのだ?
ちょうど通り沿いの店舗で開店準備をしている人がいたので、「すみません、この通りは『工大前商店街』という名前で合ってますか?」と質問してみた。
店員さんの回答。「んー、たぶんそうかなあ」
「はいそうです」でも「いや違います」でもなく、「たぶんそう」って。全く予想していなかった回答に、おもわず吹き出してしまった。
さらに聞いてみると、昔はこの通り沿いに市場があったから、それで商店街という名前がついていたのかもしれない、私たちはここが「工大前商店街」という名前なのかどうかはよく知らない、でもたぶんここかな、とのことだった。
住んでる人さえ知らない商店街ってのも珍しい。店員さんにお礼を言ってウォーキング再開。
「たぶん工大前商店街だと思われる通り」をそのまま直進し、JR九州工大前駅に到着。ここに来たのは初めてかもしれない。過去に駅舎を見た記憶がない。
九州工業大学の正門から徒歩5分といったところ。大きな道路を1つ横断する必要があり、それさえクリアできれば駅から大学まで遠くはない。
道路を挟んで駅の反対側、中ノ浜公園には戸畑区の観光名所を紹介した案内図があった。とても分かりやすく紹介されていた。他の駅にもあるのかな。戸畑区を初めて訪れた方々には是非見ていただきたい。
若戸渡船乗り場まで寄り道
JR九州工大前の前を走る国道199号線がまだ整備されていなかった昔、この通りを何度か車で走ったことがある。その当時はまだ片道1車線の狭い道路で、これほど綺麗ではなかった。
ずいぶん広く綺麗になったなあと懐かしみながら西へ歩く。
三六商店街に入る。全長100メートルほどの小規模な商店街。
三六商店街を抜けると、道を挟んで向こう側には「天神商店街」がある。
三六商店街は短かったが、天神商店街は全長が350メートルほどある、南北に伸びる商店街。この通りを南へ進む。
道路が綺麗だったので、つい「歩行者専用」の商店街なのかと勘違いしてしまったが、普通に車が走っている。道路中央で写真を撮っていたら後方からクラクションを鳴らされて気付いた。失礼しました。
天神商店街を抜け、進路を再び西へ。
JR戸畑駅前の近く、「汐井町公園横」交差点に到着。ウォーキングはここで終わるつもりだったが、天気も良かったし、歩道橋の上から若戸大橋を眺めていたら寄り道したくなったので、海まで歩くことにした。
若戸渡船の戸畑渡場に到着。まだ若戸大橋が存在しなかった頃、戸畑区と若松区を最短で結ぶ交通機関はこの渡船だった。
若戸大橋は歩行者や自転車が通行できないため、若戸渡船を利用して戸畑区と若松区を往来する人は今もいる。
ちょうど若松側から出港した渡船が、こちら戸畑側に接近してくる様子を眺めることができた。
戸畑渡場の近くには戸畑漁港がある。「日本水産」と屋上に書かれたビルは1936年に建造された「ニッスイ戸畑ビル」で、現在は「ニッスイパイオニア館」としてニッスイの資料などを展示している。
海(洞海湾)の向こうは北九州市若松区。レトロな建物群、夜景が最高に綺麗な高塔山も見える。
若松側からこちら(戸畑側)を眺めた風景写真は、2ヶ月前に若松区を歩いた際の記事に掲載している。
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「春のおえべっさん」若松恵比須神社の春季大祭は桜も満開
2022年4月、北九州市若松区を歩いてきました。(JR若松駅→旧古河鉱業若松ビル→若松恵比須神社→大正町商店街→正保寺公園→河伯洞→JR若松駅)
洞海湾は内海なので波も穏やかだし、眺めていると心が落ち着く。
戸畑区のシンボル、遠くからでも判別できる赤き橋・若戸大橋。2022年2月には国の重要文化財に指定された。
以前は有料道路だったが、2018年12月から無料化された。
JR戸畑駅に戻ってきた。北口と南口は地下連絡路で繋がっている。
地下連絡路を抜け地上へ。戸畑駅南口に出たところで今回のウォーキングは終了。総距離10.9km、気持ちよく楽しい散策だった。