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閉店した「更新うどん」を最後の訪問、大将の親族の方にお話しを聞いた

2022年6月11日

店舗入口の貼り紙をこの目で読みに行ってきた

2022年6月、「更新うどん」が閉店したことが判明。大将が逝去されたことも合わせて発表された。

店舗入口にその旨を記載した貼り紙があることはSNSに投稿された写真で見たが、実際に現地へ行き自分の目で読みたかった。

9年ぶりに富野エリアをウォーキング
砂津長浜トンネル
開通した砂津長浜トンネルの周辺散策、富野エリアを9年ぶりに歩く

2022年6月、北九州市小倉北区を歩いてきました。(JR小倉駅→ミクニワールドスタジアム北九州→砂津長浜トンネル→新関門トンネル入口→更新うどん→JR小倉駅)

今回、富野エリアをウォーキングし、その途中で更新うどんに立ち寄ってきた。

更新うどん
更新うどん(北九州市小倉北区上富野2丁目)

ここを訪れるのは9年ぶり。2013年12月にも富野エリアをウォーキングし、昼食のため久々に立ち寄り、大将と会った。おいしいうどんも頂いた。

2013年12月のレビュー
【閉店】更新うどん:20年経っても変わらぬ大将の人柄と麺の量@北九州・富野

今回紹介するのは小倉北区上富野にある「更新(さらしん)うどん」。まだ独身で小倉に住んでた頃には常連だったお店に20年ぶりの訪問となり、驚きの連続でした。

今年の5月17日に砂津長浜トンネルが開通したことを知り、これは近いうちに富野エリアを歩かなきゃ、というのは5月中旬の時点で既に決めていた。

歩いた後で9年前と同じく「更新うどん」に立ち寄り、うどんを食べよう、と決めてもいたのだ。

ところが先週、更新うどんが閉店したことをネットで知る。しかも大将が亡くなったと。

闘病中のため何度か休業されたという話は聞いていた。今回も「営業しているなら行こう」と思ってはいたが、実際に営業中なのか休業中なのかは把握してなかった。

更新うどん玄関に貼られた「閉店のお知らせ」
玄関に貼られた閉店告知

大将の訃報と閉店を知った瞬間はものすごく大きな声を出して驚いてしまったし、想像もしないほどショックを受けてしまった。最近は全然行っていなかったが、若い頃は数え切れないほど通った、大好きな店だった。

ブログ記事に閉店の情報を追記した後も悲しみが治まらず、その日は妻にずっと更新うどんの思い出話を聞いてもらった。結婚前に妻も何度か連れて行ったが、妻はあまり細かいところまでは覚えていなかった。それでも初めて注文した「鴨南うどん」の量が多すぎたことなどは懐かしんでいた。

10代の頃は蕎麦が大好きで、福岡に来てから麺類はラーメンと蕎麦しか食べたことがなかった。「北九州のうどん大好き」に転じるキッカケとなったお店が「更新うどん」だった。

結婚して小倉北区から引っ越し、その後に勤めていた会社を辞めたことで店には全然行けなくなり、9年ぶりに訪れた前回は「また来ます」と大将に言ったのに、それが最後になってしまった。後悔しかない。

親族の女性が出てきてくれた

店舗入口前の花束
店舗入口前には複数の花束が置かれていた

店舗入口前で閉店告知の文章を読み終え、しばらく立ち尽くしていろんなことを思い出していたら、お店の中で何かが動いた。

大将の親族の女性が店内に入ってきたらしく、こちらに気付いて外に出てきてくれた。挨拶とお悔やみを伝えてから「若い頃に何度も通っていた者です」と告げる。

女性から大将やお店に関するお話しを幾つか教えてもらったし、こちらも思い出話を幾つか聞いてもらった。話せる範囲で紹介。

◆大将は今年も退院後に営業を再開する気マンマンでいたのだが、体調が急変し、4月に亡くなったとのこと。「最後は穏やかな顔でした、それについては良かったなと思ってます」と女性。

◆閉店の告知をしていなかったが、放置していてもいけないと思い、閉店の告知文を入口に貼ることにした。文章は息子さんが作った。

◆先週から急に問い合わせの電話が多くなった。SNSなどネットを全然やらないので、何が起こったのか全く理解できなかった。(私がいろいろとネットの状況を説明して)やっと理由が分かった。

注意


問い合わせの電話は止めてあげてください。

◆もう30年近く昔、まだ結婚前の妻を何度か連れてきたことがある、今では3人の子供がいる、と伝えるとすごく驚かれていた(年齢を伝えたらもっと驚かれた。そんなに外見が老けていたのだろうか…)。

◆会社の後輩女性を更新うどんに連れていった翌週、妻と二人で食べに行ったら、大将に「先週と違う女の子やね(笑)」と言われて爆笑された、という話を伝えたら女性も爆笑。「そういうとこありましたからねえ(笑)」

◆カウンター席しかなかった頃、自分も含めてお客さんはみんな大将といろんな話をしたし、こちらの話もたくさん聞いてもらいました、と伝えると、「話すのが大好きな人だったんですよ。当時のお客さんみんなの顔を覚えてたと思いますよ

◆昔はいろんなお客さんと話すのが本当に楽しかったそうで、いろんな常連さんから聞いた話を営業終了後、楽しそうに話してくれたのだとか。

◆9年前に訪問した際はさすがに間隔が開いたからか、顔を忘れられていましたと伝えると、「それはですね、お店が広くなったことでお客さんも増えたし、話す機会が以前より減ったことで、顔を覚えるのが少しずつ難しくなったと言ってたので、それもあるんでしょうね」。

◆それでも9年前、調理の間に厨房を何度も出て、お客さん全員とコミュニケーションを取ってるのは感動しました、と話すと「本当に話すの大好きでしたからね。本人に言ったことあるんですよ。『あんた飲食店なのに喋り過ぎや!』って(笑)」それを聞いてこちらが爆笑。

更新うどん
さようなら、更新うどん

女性にお礼を伝え、その後も店舗を眺めながらいろんなことを思い出し、心の中で大将にもお礼を伝え、手を合わせてから去った。

大将、親族の方、ありがとうございました。

追記


記事執筆当初、女性のことを「奥様」と記していたのですが、「お姉様ではないか」とのご指摘を読者様から頂きました。
奥様なのか、お姉様なのか、当日は確認をしておらず、奥様ではないかとの思い込みで執筆しておりましたので、表現を「親族の女性」と変更しています。ご了承ください。

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