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40代・妻子あり・持ち家ありの会社員で独立起業を目指すあなたに伝えたいこと

2017年2月3日

フリーランス1周年

独立記念日

2016年2月1日からフリーランスとして活動を始め、丸1年が経過しました。

この期間中、SNSやブログの問い合わせページを通じて様々な感想や質問をいただいています。

それぞれ質問の内容は当然ながら異なりますが、大別するとだいたい以下3つのうちどれかでした。

1. 独立・起業をいつ頃から(=退職する何ヶ月前から)意識し始めたか
2. 独立するにあたり期待と不安、どちらが大きかったか
3. 独立して収入は増えたか・減ったか

退職から独立に至るまでの簡単な流れは、ちょうど1年前に書いたフリーランス宣言のエントリーにまとめています。今回このエントリーでは、1年前に書いたエントリーの補足も含め、

◆なぜ私はフリーランスになったのか
◆私と同じく独立を目指してる方々に伝えたいこと

について書きます。

本題の前に私のスペックを把握してください

まず、私自身のスペックをまとめておきます。今回のエントリーを書くにあたり、この要素を外して読まれると誤解や生き違いが生じると感じたのでキッチリ書いておきます。

◆年齢40代 … 私自身は40代後半
◆妻子あり … 子供は3人、一番上は今年大学受験
◆持ち家あり … 住宅ローンを抱えてるという意味です

上記スペックのどれか、または全てが合致して、将来フリーランスになることを目指してらっしゃると思われる方々からSNSやメールなどで「妻子持ち中年の希望の星」みたいな表現で称えられることがあります。

光栄だし嬉しいんですけど、一方で「おいおい待ってくれ、ちょっと落ち着こう」とも思います。まだ誇れるようなことを何も成し遂げてないんですよ。会社辞めてフリーランスになるだけであれば誰でも出来るんですから。

今後フリーランスになりたいという方々へのアドバイスとして、私なりに1年間感じたことを書いていきますが、特に今回は私のスペックである「40代・妻子あり・持ち家あり」のいずれか(あるいは全部)に合致した方々に伝わればいいなと思っています。

私がフリーランスになった理由

誰もが会社を辞めてフリーランスとなるには、皆それぞれの理由があるはずです。私には私の、フリーランスとなるべき理由がありました。大きく言うと4つあります。

1. 作業時間・場所を自分でコントロールしたかったから
2. 収入を増やしたかったから
3. 家族との時間を増やしたかったから
4. 妻が働いているから

一般的な(多数の方々と共通する)理由もあれば、少数の人にしか(下手すれば私以外の誰にも)当てはまらない理由もあります。

読者の方々におかれましては、「これは自分に当てはまる(自分の境遇と似ている)」のか、あるいは全然当てはまらないのかを頭の中で自分向けに変換してみてください。この「変換」が今回のキーワードとなります。

理由1:作業時間・場所を自分でコントロールしたかったから

時計

私自身は、独立するまで勤務していた会社(以降「前の会社」と表記します)で社内システム開発という仕事をやってました。

しかし前の会社自体は情報処理ともITとも全く関係ない業種です。システム開発部署に所属するのは私のみ。プログラムを組める人間も社内に私一人しかいません。パソコンを操作したことすらないという高齢社員もいる小さな会社ですから、いわば異端です。

なのでプログラムを組むという頭脳労働に対して全く理解は得られません。説明しましたが理解してもらえなかったので、早い時期に説明するのをあきらめました。

職場は、良く言えば「賑やかで活気がある」、悪く言えば「騒々しくて落ち着かない」空間でした。社員の誰もが大声で喋りまくる。時には暇になった社長がやってきて歌い踊ってしまう環境です。しかも来客対応までしなければならない。システム開発に全然集中できません。

若い頃は集中力が今よりも遙かにあったので、少々騒がしくても支障なく仕事できてたんですよ。でも歳を取るとダメですね。集中力がもうガッツリ落ちました。しかも8年ほどプログラムを組む作業とは縁のない生活をしていてブランクもありました。

騒がしいと全然集中できない。正直イライラして仕方ない。なるべく静かな環境で仕事がしたい。ということで、社員がほとんど休む土日に出勤して平日に休みを取ったり、取引先からの帰り道に図書館や喫茶店などに寄って仕事をしたりするようになります。

職場より静かな環境で仕事に集中できるのは良かったんですが、今度は土日出勤が激増したことで「家族との時間が取れない」という弊害が出てきます。

特に昨年そして今年と、子供たちが受験生でした。親としても忙しいのに、子供の行事に関する負担を全て嫁に押し付けてしまうわけにはいかない。

いろいろ考え抜いた結果、自宅で仕事ができたらいろいろ解決するんじゃないか、ということは、フリーランスになれば作業する場所や時間を自分自身でコントロールできるんじゃないか、という風になったのです。

理由2:収入を増やしたかったから

財布

前の会社が「システム開発に全く関係ない業種」というのは前述したとおり。

事務作業の効率化が全然できてなくて嘆いてた某社の社長が、懇意にしてたうちの会社の社長に「コンピューター使って便利にできんやろか」と相談し、前職がシステムエンジニアだった私なら出来るんじゃないか、ということで私に話を振られたのがそもそもの始まりでした。

他の業務と兼任ではシステム開発できないことを社長に相談し、私だけが所属するシステム開発の部署を新設してもらいました。とは言っても他の業務も手伝ってましたけどね。だから集中できなかったんだけど。

最初に開発した社内システムを某社社長がとても褒めてくれて、同じように業務効率化で困ってる別の会社を幾つか紹介してもらい、そちらの会社も私がシステムを作ることになり、どんどんシステム開発業務が拡大していったのです。

一見すれば「めでたい」話でしょ。会社は良いんですよ。収益が増えたから。でも私個人は特にメリットがない。給料は変わらないし、作業負荷だけが2倍にも3倍にもなっていく

「会社に貢献したんだから給料上げて貰えばいいのに」とか「プログラマーを増やせばいいじゃないか」などの意見があるかもしれませんが、無理なんですよ。田舎の小さな小さな会社だったんです。

給料は入社してから退職するまで1回も昇給なし。ボーナスも1回もなし。残業代もゼロ。私だけでなく社員全員がそうなんです。給与の金額は、システムエンジニアだった前職の頃、最も稼いでいた頃の手取りの半分ほどでした。

しかも休日数は一般的な企業の半分くらい。今風の言い方だと「超絶ブラックな会社」です。でもそれを分かった上で入社したし、会社の事情も時間と共に把握できました。昇給させる余裕もないし、新たに社員を採用して人件費を増やす余裕もない。私だけ給料上げてくれとは言えない。

なのでずっと一人で、徐々に増えていく仕事をこなし続けていったのですが、やっぱりどうしても限界がきます。しかも今回は実質一人での作業なので助けてくれる人が他に誰もいない。無理して体調を崩したり、倒れて入院するということが何度かありました。さすがにこれではマズい、と思い始めるわけです。

収入の話から離れてしまいましたね。とにかく、幾ら取引先企業が増えても私の収入は全く増えなかったということなんです。しかも、今後何年も同じように働いたとして、おそらく今後も給料は増えないだろう、というのも予測できていました。

そこで考えたのが、システム開発業務を「会社と会社の契約」ではなく「私個人と会社の契約」に変えられないかということ。要するに独立、フリーランスです。

さらに、自分で時間をコントロールできて余裕が生じれば、取引先を拡張していくこともできるし、副業だったインターネット上での活動(=このブログや他のサイト更新など)も正式な本業としてもっともっと注力することができる。

ただ、システム開発作業は本来、うちの社長と他の取引先社長の皆さんとの信頼関係で成り立ってるわけですから、キチンと話し合いをして筋を通さないと「仕事を横取り」して「会社を裏切る」ことになります。

就職先がなくて苦しんでた私を拾ってくれた会社に対して「フリーランスになりたいから辞めまーす」では身勝手にもほどがある。完全に「恩を仇で返す」ことになる。さすがにそこまで墜ちたくはない。今まで仲間として楽しく付き合ってきた人々から軽蔑されるのは哀しすぎる。

真っ先に社長に相談したところ、「給料に反映してあげられず申し訳なかった」と言ってもらえたことで気持ちはずいぶんラクになりました。いろいろ腹を割って話し合えたのもあり、円満退社に繋げることができました。その社長が同席してくれて他の取引先全社とも話し合い、すべて円満に私個人との契約を締結することができ、晴れてフリーランスになれたというわけです。

でもなんだかんだでやっぱり忙しく、結局ブログや新サイト開発のほうは全然時間を取れない1年間になっちゃいましたけどね。

理由3:家族との時間を増やしたかったから

家族

「理由1」でも書きましたが、土日出勤が多くなったことで休日に家族と過ごせる時間が激減しちゃいました。

「授業参観」とか「運動会」など、事前に判明している学校行事があれば、その日を休みにして平日に働けばいいんですけど、全てに対応できませんからね。休日少ないし。

さらに土日ほとんど不在にしてることで、どうしても弊害が出てしまいます。

高いところに置いてる物が取れないとかね。そんなことかい。

理由4:妻が働いているから

結婚

これはフリーランスに「なった」理由というよりも「なれた」理由と言うべきでしょうね。

いくら給料が安いとはいえ、会社員であれば一定の収入が毎月あります。一方、フリーランスにその保証は全くありません。貯金が少々あるといっても限度があります。

前の会社に入社する前、無職だった期間もあったし、フリーターだった頃もあります。収入は激減し、私が精神的に病んでからはケンカも増えました。

いろんな面で散々迷惑をかけました。普通なら捨てられてもおかしくない。でも支えてくれたし、耐えてくれました。

だから恩返しをしなければならない。下世話な表現になってしまいますが、家計に貢献するため収入を増やし、今まで苦しめた分の何倍も楽しい思いを嫁や子供たちにさせてあげたい。だから私は稼がなくてはいけないし、家族のためにもっと時間を取りたい。

なので無駄遣いは一切できないのです。このブログでも時々書いてますが、買い物をするにも異様なくらい慎重な性格になったのはそういう理由です。いくら良い物でも嫁の了解がなければ買わない。嫁の了解を得る前に私自身がストッパーをかけることも多々ある。

そんな私も昔は衝動買いばっかりしてたんですよ。ヒドいもんでした。環境が変われば人間も変わります。

「あなた」ではない「アナタ」かもしれない

目標

昔、高倉健さんや松方弘樹さんの出演する任侠映画を見たお客さんが映画館を出るとき、誰もが肩で風切って威風堂々と歩いていたんだそうです。主人公に感情移入して、みんな気持ちが大きくなっちゃったんでしょうね。

あるいはミュージシャンのコンサートに行った後の感動や興奮、そして高揚感も同じ効果なのかもしれません。ネガティブな感情は捨てるぞ、明日からポジティブに生きていくぞ、そんな勇気が湧いてきます。

会社を辞めて独立したいと願う人の場合はどうでしょうか。自己啓発のセミナーに参加したり書籍を読んだりして、感動したり勇気をもらったりする。そしてセミナー講師や本の著者に自分を投影し、自分も同じようになりたい、同じところに到達してみたい、そう考えるでしょう。

退職して独立し、フリーランスとして成功している人、あるいは会社を設立して成功している人は世の中にたくさん存在します。そしておそらく、その数だけアドバイスが存在します

様々な人が「会社を辞めて独立」したのには「各々の理由」があります。私には私の「フリーランスになろうと決めた理由」があったのと同じように。

そして成功した人には同じく「成功した理由」が必ずあります。何かが他の人より優れていたから成功したのでしょうし、その要素は「運」なのか、「努力」なのか、「発想力」なのか、「コミュニケーション能力」なのか、これも様々でしょう。

あのセミナー講師は、あの著者は、それぞれの理由があったから現在の地位にいます。そしてキャッチフレーズとして「自分にもできたから、あなたにもきっとできる」と発する人もいるでしょう。

その発する先にある「あなた」が果たして、40代で、奥さんやお子さんがいて、住宅ローンを抱えている「あなた」なのかを、いま一度冷静に考えてみてください。

もちろん本当に「あなた」自身なのかもしれません。教えてもらった内容のとおりに歯を食いしばって頑張り、そして成功を勝ち得る人は必ずいます。だから「他人の言葉に惑わされるなよ!」と言ってるわけではないんです。

しかし一方で、教えてもらった内容と寸分違わず同じことを実践したはずなのに成功できない人も残念ながらいます。

挑戦が失敗してもコケるのが自分だけなのであれば、自分が再起すればいいだけの話。ただ、自分がコケたせいで他の誰か、奥さんやお子さん、ご両親、兄弟姉妹が苦しみ悲しむ可能性やリスクがあるのなら?

その影響度について冷静な思考で考えてみるべきです。高揚して希望に満ちあふれている時とは違う結論が出てくるかもしれません。

「あなたにもできる」、確かにそうかもしれない。「挑戦しなければ何も始まらない」、これも真実です。

でも「あなた」は少なくともセミナー講師や本の著者、その人自身ではない。あなたが苦しい局面に立たされてしまった時、「あなたにもできる」と発した人は責任を負わない。自己責任なのです。

じゃあどうすればいいのか。セミナーや書籍での金言を聞くな、信じるな、実践するなということなのか。それは違います。

様々な人の発する様々なアドバイスを自分用に変換すべきなのです。

私自身もいろんなセミナーに参加したし、いろんな自己啓発本を読みました。「うわー、そうだよなー」と感銘を受けた内容もあれば、「いや、これは俺には当てはまらんわ」と受け入れなかった内容もあります。

たとえば私が誰かに「自分の経験を基にしたアドバイス」をするとして、その相手が20代の独身男性だったら、言ってることは分かるけど自分にはちょっと違うよなあ、という感想にさせてしまうかもしれない。最悪の場合「なに言ってんだオッサン」と思われるかもしれない(想像すると哀しい…)。

逆に私が誰かからアドバイスを受けたとして、その相手が仮に若い独身の男性だったとして、「いや、確かに言ってることはその通りなんだけど、うちは子供がいるからそういう時間の使い方は不可能だなあ」「それをそのまま実践したら俺の場合は間違いなく離婚だよ」となることもある。

立ち位置が合致してないと多少ズレるのは致し方ない。でも、すべてが無駄になるわけではないんです。よっぽど極論なアドバイスならまた別ですが、何かしら吸収すべきことがあるのなら、その時こそ自分の立場や境遇に置き換えてアドバイスを自分用に変換して、自分の活力に変えていただきたいのです

私は、私の理由があって会社を退職し、そしてフリーランスになりました。まだ大きな成功を勝ち得てはいませんが、この1年間フリーランスとして活動してきて、とても充実していたし、家族との時間も増えて満足しているし、何一つ後悔していません

ただ、今までSNSや問い合わせページから「後に続きます!」のような、私自身に将来を投影していただいた方々からの決意表明や質問に対しては、今回書いてきたとおり「いま一度冷静に」「自分自身に置き換えて」という風に返答してきました。

よっぽどな場合でない限り「フリーランスになっちゃいましょう!」とも「フリーランスは止めたほうがいいですよ」とも言ったことはないし、今後も言うつもりはありません。無責任なことは言いたくありませんから。

りくま ( @Rikuma_ )的まとめ

きっと私は相当な「慎重派」なのでしょう。私とは全然違うアドバイスを送ってくれる人もきっといるはずです。

とにかく私に言えることは、あなた自身の「そうなりたい理由」を明確にし、「あの人みたいに」と誰かのコピーのごとく真似るのではなく、頭の中でアドバイスや金言を自分用に変換してみましょう、ということに尽きます。

私自身、まだまだ全く満足できていない人生です。日々やるべきことをこなし、でも体調を考えて無理はせず(もう若くないし)、今よりも未来のほうが幸福になれるよう、そして自分だけでなく家族や周囲をも幸福にできるよう、フリーランス2年目も精進していきます。

40代の皆さん、健康第一ですよ。だんだんと無理がきかなくなる年齢ですからね。無理せずいきましょう。

-雑記
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