あの時の経験があるから今がある
高校に入学してすぐ、クラス委員長を決めることになった。
「立候補したい人はいるか?」の声を聞いてすぐ、手を挙げた。同じ中学から来た私を知る友人の幾名かが「え?」と驚いた。
中学時代、消極的だった訳でもないし、おとなしかった訳でもない。ただ、特に自分が前に出たい性格でもなかったし、面倒なことは極力避けてきたようにも思う。
必死に受験勉強して、やっと高校に受かった。入りたかった高校に入れた。中学時代も楽しかったけど、高校生活はもっともっと楽しい3年間にしたい。自分の人生の中で忘れられない時間にしたい。
多くの中学から様々な同級生が集った。大半は初めて顔を合わせる者ばかり。このクラスがどんな風になるのか見当もつかない。
だったら、まず自分がその楽しい輪を作りあげていけないかな。そう考えた。自分が引っ張る、と言ったら仰々しいけれど、まず自分が動こう。そして自分を変えよう。それは入学式の時から思ってた。
担任教師から「お前がシッカリしないとクラスがまとまらない」と何度も怒られた。級友から「お前は頼りないよ」となじられたこともあった。
高校を卒業するまでに4期、クラス委員長をさせてもらった。3年生の後期、「立候補したい人はいるか?」と担任教師が皆に聞いた時、級友の一人が言ってくれた。
「リクしかいないよな」
そして他の級友たちが拍手してくれた。私は立ち上がって何度も頭を下げた。みんなに感謝し、同時に思った。あの時に手を挙げて良かった。
高校3年間は、本当に、本当に、楽しくてたまらない時間だった。生涯の友達が何人も出来たし、30年近く経った今でも彼らとは交流がある。
そして、あの時に手を挙げたことが、今も活きている。自分を変える。まず手を挙げる。まず動く。
闇雲に動く訳ではない。どうすれば楽しくなるか。どうすれば皆が笑えるか。そしてどうすれば自分自身が幸せになれるのか。
それを考えるためのスイッチが入りやすくなったのは、高校時代の経験があるからだと思う。
大学生活がとても充実したのも、社会人になりプロジェクトリーダーを任された時に対応できたのも、そしてネットで友達がたくさん出来て、ブログ活動が今とても楽しいのも、全ては自分なりの線で繋がっている。
今日、福岡市内でセミナーが開催された。「つながるカンファレンス」。愛称は「つなカン」。
4名の方が講演をしてくれた。見事に個性やカラーの異なる、4者4様の貴重なお話を聞き、それぞれに感銘を受けた。
登壇された方々はそれぞれ人生の中で、手を挙げ、一歩前に踏み出した方たちだと思う。
自発的だったのか導かれたのか、情熱的だったのか冷静だったのか、いずれにせよ彼らは動いた。そして登壇し、我々参加者に語ってくれた。
捉え方は人によって様々だろう。「Aですよ」という内容を「Aだよね」と取る人もいれば「AAなんだな」「Bってことか」「なるほど、Cなんだね」と。
だから講演の内容や感想については、ここでは書かない。私は私の解釈で強く感じることがあり、今後に活かせる宝物を両手いっぱいに持って帰ることが出来たと思っている。
登壇者と同時に、参加された方々も各自、何らかの変化を求め、何かを得たくて今回のセミナーに参加されたはず。まずは全員が一歩前に進んだ。
これから走り始めるのか、ゆっくり歩みを進めるのか、あるいは直進せずに曲がるのか、道端で立ち止まって別の宝物を発見するのか。
私はもう一度、手を挙げてみようと思う。自分自身が楽しくなるために。そしてその楽しみを仲間たちと共有するために。充実した輪を構築し、繋がって良かったとみんなで共感するために。
懇親会が解散し、お別れをする際に、登壇された4名全員と握手した。皆さんの笑顔を見て改めて思った。手を挙げよう。そしてまた一歩、前へ進もう。
皆さん、本当に本当に、お疲れ様でした。そして素晴らしい講演、ありがとうございました。繋がることが出来て心地良かったです。
※アイキャッチ画像は「つながるカンファレンス」のFacebookページからお借りしました。